平成 28 年7月 29 日提案内容の詳細 神戸市単独案件(3提案) (1)保税

○平成 28 年7月 29 日提案内容の詳細
神戸市単独案件(3提案)
(1)保税制度活用による真珠等の国際取引の活性化
【原料珠の輸入】
①現状での問題点
・保税展示場制度は、元々博覧会等を想定した制度であり、国や自治体等の公的機関
が主催又は後援するなど申請要件が厳格である。
・保全展示場は数日単位に必要日数しか許可されず、手続きに1~3ヶ月要する。
・保税蔵置場は許可期間が年単位で、更新も可能である。機動的な入札会実施には保
税蔵置場が適しているが、制度上、貨物の仮置きしかできない。
②規制緩和を求める法令等
関税法施行規則第5条第1項第4号、関税法第 42 条
③規制緩和の提案内容
・真珠の原料珠仕入れ入札会に係る保税展示場の申請手続きの簡素化。
(公的機関の後援要件撤廃)
・保税蔵置場でも入札会の開催が可能となるよう、商品の展示・使用を認める。
【加工品(半製品)の輸出】
①現状での問題点
日本独自の展示販売会場、税関、保税蔵置場の行き来等を要する輸出申告手続きが、
出展業者の負担増、商談成立から物品受け渡しまでのタイムラグに繋がり、商機を逸
する要因となっている。
②規制緩和を求める法令等
関税法基本通達(昭和 47 年3月1日蔵関第 100 号)第4章第1節 35-2(1)
関税法第 67 条の2
③規制緩和の提案内容
・展示販売開会期中、税関職員の派出を可能とし、会場内で輸出申告・検査が行える
ようにする。
・輸出許可を受けるにあたり、保税地域への搬入を不要とし、手続きの迅速化・簡略
化を図る。
(2)特区医療機器薬事戦略相談制度の対象拡大によるロボット技術等を用いた革新的医
療機器の開発迅速化
①現状での問題点
特区医療機器薬事戦略相談制度は、国家戦略特別区域における医療機器開発を推
進するため、国家戦略特別区域内の臨床研究中核病院を対象として、独立行政法人
医薬品医療機器総合機構の担当者が、相談者の所属する臨床研究中核病院に必要に
応じて出張し、特区事前面談及び特区フォローアップ面談を実施するものである。
しかしながら、対象となる相談者が、臨床研究中核病院に限定されており、同様
の革新的医療機器開発を行っている特定機能病院や、国家プロジェクトに参画する
団体が対象となっていない。
②規制緩和を求める法令等
国家戦略特別区域法第 37 条の4
③規制緩和の提案内容
特区医療機器薬事戦略相談における相談者を、「臨床研究中核病院に所属する職
員」から、「特区内の臨床研究中核病院又は特定機能病院、若しくは革新的医療機
器開発に関する国家プロジェクトに参画する団体に所属する職員」に拡大する。
(3)外国人医師の臨床修練制度の緩和
①現状での問題点
外国医師等は、医療に関する知識・技能の修練を目的として入国し、臨床修練を
行うのに支障のない日本語等の能力を有し、外国医師等の資格を取得後、3年以上
の診療経験を有する場合には、厚生労働大臣の許可を受けて、2年以内の期間、臨
床修練を行うことができ、正当な理由があると認められる場合は1回のみ更新を認
められる。また教授・臨床研究を目的として来日する外国医師について、当該外国
医師や受入病院が一定の要件を満たす場合には、診療を行うことが容認される。
一方で、高度な医療技術を有する外国医師が、その技術を日本の医師に対して教
授するために来日する場合、教授・研究期間が限定される。
②規制緩和を求める法令等
外国医師等が行う臨床修練等に係る医師法第十七条等の特例等に関する法律第3条
第5項、6項
③規制緩和の提案内容
臨床修練制度(臨床修練、教授・臨床研究)における許可の有効期限を、教授・
臨床研究を行う場合においては更新回数の制限を廃止する。
兵庫県との共同提案案件(平成 28 年 7 月 19 日公表分)(3提案)
(1)地方自治体による国立公園内の行為の許可基準に係る特例の設定
①現状での問題点
国立公園の特別地域内(※1)において、建築物の増改築等を行う場合は、自然公園
法に基づき環境大臣の許可が必要である。しかしながら、自然公園法に基づく規制(※
2)が地域の実情・ニーズと必ずしもマッチしておらず、六甲山頂における企業の保
養所等の建替えや売却が進みにくい要因の一つとなっており、ひいては、既存の保
養所等が閉鎖し荒廃が進むことによる景観の悪化や環境破壊が懸念される。
そのため、国立公園内の既存の建築物の増改築等について、地域の実情に精通し
且つ他の規制基準(※3)も預かる地方自治体が、地域独自の特例基準を定め、許可
することを可能とする。
※1
六甲山頂における企業の保養所等の建築物は、瀬戸内国立公園の第2種特別地域内に集積している。
※2
建築物の増改築等に対する主な規制項目(自然公園法施行規則第 11 条、第2種特別地域の場合)
建物高さ 13m以下、建蔽率 20%以下、容積率 40%以下、建築面積 2000 ㎡以下
等
②規制緩和を求める法令等
自然公園法第 20 条第3項、自然公園法施行規則第 11 条第 36 項
③規制緩和の提案内容
既存の建築物の増改築等において、地域の実情に精通し且つ他の規制基準(※3)
も預かる地方自治体が、地域独自の特例基準を定め、許可することを可能とする。
※3
「風致地区における建築等の規制に関する条例」
、「緑地の保全、育成及び市民利用に関する条例」
等
(2)先進医療に係る検体検査の一部工程の外部委託容認
①現状での問題点
保険医療機関が薬事承認未取得の検体検査を先進医療制度により実施しようとす
る場合、先進医療の一部を当該保険医療機関以外の場で実施することは認められて
いないため、保険医療機関内で先進医療として実施できる検体検査のシステムを構
築する必要がある。
この検体検査のシステムにおいては、一定の規模で信頼性を保証したデータが継
続して得られることが求められる。新しい検体検査技術についてこのようなシステ
ムを構築するためには、新たな仕組みづくりが必要なだけでなく、多くの経験やノ
ウハウも必要であり、一般的な保険医療機関でシステムを構築することは現実的で
ない。
このため、保険医療機関からの検体検査についての先進医療の申請と実施はハー
ドルの高いものとなっており、新しい検査技術の先進医療を利用した臨床現場への
普及の妨げとなっている。
②規制緩和を求める法令等
厚生労働大臣の定める先進医療及び施設基準の制定等に伴う実施上の留意事項及び
先進医療に係る届出等の取り扱いについて(先進医療通知:平成 28 年3月4日付 医
政発 0304 第2号、薬生発 0304 第2号、保発 0304 第 16 号)
③規制緩和の提案内容
国家戦略特別区域内の保険医療機関が検体検査に関する先進医療を実施する際に
は自機関での検体検査実施を基本とするが、検体検査の一部工程となる測定部分に
ついては、国家戦略特別区域内の自機関以外の検査機関(民間企業)に受委託契約
に基づいて測定を委託することを可能にする。
(3)高度専門病院群を「臨床研究中核病院等と同水準の国際医療拠点」として扱う特例
措置
①現状での問題点
国家戦略特区の規制改革事項である「保険外併用療養の拡充」については、その
活用の前提条件として「臨床研究中核病院等と同水準の国際医療拠点」であること
が求められている。
神戸医療産業都市のように、高度専門医療機関が集積している地域において、仮
に全体として「臨床研究中核病院等と同水準」の機能、規模を有していたとしても、
個々の医療機関単位では規模、機能面で「臨床研究中核病院等と同水準」とは言え
ないため、同規制改革を活用することができない。
②規制緩和を求める法令等
厚生労働大臣の定める先進医療及び施設基準の制定等に伴う実施上の留意事項及び
先進医療に係る届出等の取り扱いについて(先進医療通知:平成 28 年3月4日付 医
政発 0304 第2号、薬生発 0304 第2号、保発 0304 第 16 号)
③規制緩和の提案内容
高度専門医療機関が一定のエリアに集積し、相互の連携体制を構築している場合
においては、医療機関群全体で、「臨床研究中核病院等と同水準の国際医療拠点」の
選定基準の判定を行う。