改正「修正国際基準」の公表(ASBJ)

日本基準トピックス
改正「修正国際基準」の公表(ASBJ)
2016年7月27日
第308号
■主旨

2016年7月25日、企業会計基準委員会(以下、「ASBJ」)は、改正「修正国際基準
(国際会計基準と企業会計基準委員会による修正会計基準によって構成される会計
基準)」(以下、「改正修正国際基準」)を公表しました。

本改正修正国際基準は、2013年中に国際会計基準審議会(IASB)により公表された
会計基準および解釈指針(以下、「会計基準等」)についてエンドースメント手続を
行い公表されたものであり、ASBJが2015年6月30日に公表した修正国際基準について
次のとおり改正しています。


企業会計基準委員会による修正会計基準第2号「その他の包括利益の会計
処理」について2つの項目を「削除又は修正」

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品への投資
をヘッジ対象とした公正価値ヘッジのノンリサイクリング処理

キャッシュ・フロー・ヘッジにおけるベーシス・アジャストメント(ヘッジ会計に
おけるオプションの時間的価値の会計処理を含む)
本改正修正国際基準は、公表日以後開始する連結会計年度より適用されます。

原文については、ASBJのウェブサイトをご覧ください。
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/endorsement/jmis/20160725.shtml
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1.経緯
ASBJ は、金融庁企業会計審議会が公表した「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に
関する当面の方針」(2013 年 6 月)を受けて、エンドースメント手続を実施し、その結果、
2015 年 6 月に修正国際基準を公表しています。これは、2012 年 12 月 31 日までに IASB
により公表された会計基準等を対象とする IFRS に関するエンドースメント手続(初度エンド
ースメント手続)を受けて、公表されたものです。
その後、本改正修正国際基準は、2013 年中に IASB により公表された会計基準等を対象と
する ASBJ のエンドースメント手続の結果を受けて公表されました。
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2.エンドースメント手続の対象と概要
本改正修正国際基準は、2013 年中に IASB により公表された以下の新規のまたは改正された
会計基準等を対象として実施されたエンドースメント手続に基づきます。
(1) IFRS 第 9 号「金融商品」(ヘッジ会計並びに IFRS 第 9 号、IFRS 第 7 号及び IAS 第 39 号
の修正)(2013 年 11 月公表)(以下、「IFRS 第 9 号(2013 年)」)
(2) IFRIC 解釈指針第 21 号「賦課金」(2013 年 5 月公表)
(3) 「非金融資産に係る回収可能価額の開示」(IAS 第 36 号の修正)(2013 年 5 月公表)
(4) デリバティブの契約更改とヘッジ会計の継続」(IAS 第 39 号の修正)(2013 年 6 月公表)
(5) 「確定給付制度:従業員拠出」(IAS 第 19 号の修正)(2013 年 11 月公表)
(6) 「IFRS の年次改善 2010-2012 年サイクル」(2013 年 12 月公表)
(7) 「IFRS の年次改善 2011-2013 年サイクル」(2013 年 12 月公表)
今回のエンドースメント手続では、初度エンドースメント手続と同様に、「会計基準に係る
基本的な考え方」、「実務上の困難さ」、「周辺制度との関連」を判断基準として、十分な検討
を尽くし、それでもなお受け入れ難いとの結論に達したもののみが「削除又は修正」されて
います。
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3.「削除又は修正」の内容
今回のエンドースメント手続の結果、IFRS 第 9 号(2013 年)に関して、下記の 2 つの項目に
ついて「削除又は修正」しています。いずれも、修正国際基準の企業会計基準委員会による
修正会計基準第 2 号「その他の包括利益の会計処理」に対する「削除又は修正」です。
企業会計基準委員会による修正会計基準第 2 号「その他の包括利益の会計処理」は、
IFRS では認められていない、一定の項目における、その他の包括利益累計額から純損益に
組替調整額として振り替える処理(リサイクリング処理)について、リサイクリング処理を求める
よう「削除又は修正」を行っています。
これは、純損益は包括的な指標であるべきであり、リサイクリングを行わないことで純損益の
総合的な業績指標としての有用性が低下するという考え方に基づいています。また、ASBJ は
国際的にも、純損益と包括利益の相違は本質的に認識時期の相違であるとの考え方を示して
います。
本改正修正国際基準は、これらの考え方と整合するよう、「削除又は修正」するものです。
(1) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品への投資を
ヘッジ対象とした公正価値ヘッジのノンリサイクリング処理
IFRS 第 9 号(2013 年)では、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融
商品への投資をヘッジ対象とした公正価値ヘッジを行っている場合、ヘッジ手段に係る
利得又は損失を、その他の包括利益累計額に残したままとしなければならず、その後純損益
に振り替えること(リサイクリング処理)が禁止されています。
初度エンドースメント手続において、ヘッジ対象である資本性金融商品への投資の公正価値
の変動について、投資の認識の中止時等に、その他の包括利益から純損益にリサイクリング
処理を行うよう「削除又は修正」がなされています。本改正修正国際基準は、これと対応する
ように、ヘッジ手段に係る利得又は損失についても、その他の包括利益から純損益にリサイク
リング処理を行うように、「削除又は修正」しています。
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(2) キャッシュ・フロー・ヘッジにおけるベーシス・アジャストメント(ヘッジ会計における
オプションの時間的価値の会計処理を含む)
IFRS 第 9 号(2013 年)では、キャッシュ・フロー・ヘッジについて、対象となる予定取引が
その後に実施され、非金融資産又は非金融負債が認識される等の場合に、ヘッジ手段に
関して累積されたその他の包括利益累計額(キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金)を減額して、
当該資産または負債の当初の原価またはその他の帳簿価額に直接含めることが求められて
います(ベーシス・アジャストメント)。
本改正修正国際基準では、このベーシス・アジャストメントの処理を「削除又は修正」し、
キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金を減額する際に、包括利益計算書のその他の包括利益に
含めるよう「削除又は修正」しています。
また、IFRS 第 9 号では、将来の商品購入をヘッジ対象とする等の一定の場合に、ヘッジ手段
であるオプションに関して認識される時間的価値の変動部分のその他の包括利益累計額
についても、その後当該その他の包括利益累計額を減額する際には、ベーシス・アジャスト
メントと同様の取扱いが求められます。
本改正修正国際基準では、当ヘッジ会計におけるオプションの時間的価値の会計処理に
ついて、その他の包括利益累計額を減額する際には、ベーシス・アジャストメントの会計処理
と同様に、包括利益計算書のその他の包括利益に含めるよう「削除又は修正」しています。
4.適用時期
適用時期
公表日以後開始する連結会計年度より適用する
IFRS 第 9 号「金融商品」については、IFRS 第 9 号(2013 年)のみが採択されています(IFRS
第 9 号(2013 年)が採択されたことにより、IFRS 第 9 号(2010 年)は除外)。
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