RS ウイルス感染症について

2010 年 6 月
ｱｰﾙｴｽ
かんせんしょう
11
ＲＳウイルス感染症について
治療
ＲＳウイルス感染症は、急性の呼吸器ウイルス
感染症です。年齢を問わず、何度でも感染しま
治療は対症療法、安静にすることが基本
すが、特に 0～ 2 歳の乳幼児で多く報告されて
となります。
います（図 1）。
発生動向
感染経路
RS ウイルス感染症は、全国では冬季 (11 月～ 1
患者の咳やくしゃみからのしぶき、鼻汁の中に
月 )に流行しているのに対し、沖縄県では例年
いるウイルスが、手や物を介して身近な人に感染
夏季に流行している点が大きく異なっていま
します（飛沫または接触感染）。
す（図 2）。その理由は現在のところ、よく分かっ
症状
ていません。また、RS ウイルスの検査は入院症例
感染してから 2 - 8 日の潜伏期の後、発熱、
のみ保険点数が認められているため、報告のほと
鼻水、咳などの風邪に似た症状がみられ、
んどは病院からなされています。
通常 1-2 週間で軽快します。
予防方法
RS ウイルス感染症に予防接種ワクチンはなく、
しかし、乳幼児の場合、重症化すると細
気管支炎や肺炎を発症し、入院加療を必要
感染を予防するには、風邪と同様に、マスクの着
とすることがあります。免疫不全、低出生
用と帰宅時の石けんによる手洗いが有効です。
体重や基礎疾患をもつ乳幼児は特に注意が
乳幼児には、咳などの症状がある人になるべく
必要です。
接触させないようにし、看護する人も手洗いを十
年長児や成人になると、感染しても重症
分に行って下さい。
めった
たん
化することは滅多にありませんが、本人が
お子さんに脱水症状や、痰がつまってゼイゼイ
気づかないうちに乳幼児への感染源になる
するような咳が出て苦しそうにしている様子がみ
ことが心配されます。
られたら、早めに医療機関を受診させることが重
要です。
【企画管理班】
50%
38.8%
40%
33.0%
30%
20%
14.5%
10%
7.0%
3.6%
2.5%
4
5-9
0歳
図１.
1
2
3
0.3%
0.2%
0%
10-14
15-19 20 歳以上
RS ウイルス感染症の年齢階級別割合 (沖縄県： 2009 年 12 月末現在 )
沖縄県
全国
人／定点
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
1月
3
5
7
2006年
図２.
9
11
1
3
5
7
2007
9
11
1
3
5
7
2008
9
11
1
3
5
7
9
11
1
2009
RS ウイルス感染症の患者報告数 (2006～ 2010 年 5 月末現在）
沖縄県衛生環境研究所沖縄県南城市大里字大里 2085 TEL:098－945－0781 http://www.eikanken-okinawa.jp/
3
2010
5
2010 年 6 月
※
かんせんしょうはっせいどうこうちょうさ
感染症発生動向調査・・・感染症法に規定された疾患の患者がどのくらい報告されたかを調
査集計したものです。過去のデータとの比較分析した情報を沖縄県感染症情報センター
(http://www.idsc-okinawa.jp/）で公開しています。
※
最近の発生状況（県内）
URL: http://www.idsc-okinawa.jp/houkokusu/kansen2010HTML/59.html
もっと詳しく知りたい方は・・
※
RS ウイルス感染症
国立感染症研究所感染症情報センター（感染症の話）
URL: http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/k04_22/k04_22.html
※
病原体情報月報 (10 月号 )IASR 特集＜RS ウイルス感染症
2008 年 9 月現在＞
URL: http://idsc.nih.go.jp/iasr/29/344/inx344-j.html
沖縄県衛生環境研究所沖縄県南城市大里字大里 2085 TEL:098－945－0781 http://www.eikanken-okinawa.jp/

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