全国ふるさと納税3万人の 実態調査

ニュースリリース
2016 年 7 月 28 日
株式会社インテージリサーチ
ふるさと納税経験者は 10 人に 1 人、未経験者の約 4 割は「やってみたい」
全国ふるさと納税 3 万人の実態調査
株式会社インテージリサーチ(本社:東京都東久留米市、代表取締役社長:井上孝志)は、自主企画調査『ふる
さと納税に関するアンケート』を実施しました。本調査は 3 月 23~25 日、全国の 20 歳から 69 歳の男女 3 万人
を対象にインターネットで行い、ふるさと納税の認知や経験について聞いた結果をまとめました。
【調査結果のポイント】
1. ふるさと納税の認知率は 97.5%。そのうち、制度の詳細を知っている人は 11.9% (図 1)
2. ふるさと納税をこれまでに行ったことがある人は 10.1%で、10 人に 1 人がふるさと納税を経験 (図 2)
3. ふるさと納税を行った動機で最も多かったのは、「寄付の特典が魅力的だったから」の 71.8% (図 3)
4. ふるさと納税未経験者の「これまでにしようと思いながらもしていない理由」は、「申込の仕方がよくわから
なかったから」が 42.7%と最も多く、次いで「確定申告が面倒だったから」(32.2%)、「制度がよくわからな
かったから」(29.2%)、「どこの自治体にしてよいかわからなかったから」(27.0%) (図 4)
5. ふるさと納税未経験者の 37.6%に今後、ふるさと納税実施の意向あり (図 5)
6. ふるさと納税を行う際に期待する返礼品で最も多かったのは、「地元の特産品(生鮮食品)」の 81.7% (図 6)
詳細レポートはウェブサイトに掲載しています。
URL: http://www.intage-research.co.jp/service/report/20160728.html
分析者:大坂 紫(ソーシャル事業推進部第 2 グループ研究員)
【考察】
本調査を通じて、ふるさと納税の認知率は 97.5%に上り、広く知られている一方で、制度の詳細を知っている
人は 11.9%にとどまることがわかりました。また、ふるさと納税の実施率は 10.1%で、2014 年までと比べて倍増
したとみられます。これは、2015 年 4 月からの「ふるさと納税ワンストップ特例制度」導入により、確定申告の煩
わしさが軽減された効果であると考えられます。
ふるさと納税を行った動機は、全体では「寄付の特典の魅力」が 71.8%と圧倒的に多いものの、20 歳代では
「応援したい地域への貢献」や「自分のふるさとへの貢献」「縁のある地域への貢献」が他の年代に比べて高い
ことがわかりました。また、経験者の 9 割にリピート意向が、未経験者の約 4 割にトライアル意向が見られます。
なお、期待する返礼品は「地元の特産品(生鮮食品)」が最も高いことがわかりました。
実施率を上げるには、特産品の魅力を打ち出すこともさることながら、申込の仕方、制度の説明を含めた各
自治体の PR がカギになると考えられます。
ふるさと納税経験者の寄付回数や金額、選んだ自治体などの詳細は、実態調査の第二弾として近日中に公
開します。
【報道関係のお問い合わせ先】
■株式会社インテージリサーチ 経営企画部 担当:宇和野/萩森
TEL:042-476-5300 FAX:042-476-5303
【調査に関するお問い合わせ先】
■株式会社インテージリサーチ ソーシャル事業推進部 担当:大坂
TEL:03-5294-8325
サイト「お問い合わせフォーム」 https://www.intage-research.co.jp/contact/index.php/input
1
調査結果
1.ふるさと納税の認知率は 97.5%。その内訳は「制度の詳細を知っている」が 11.9%、「制度の概要を知って
いる」が 21.0%、「制度を多少知っている」が 39.7%、「言葉を聞いたことはある」が 24.9%でした(図 1)。
2.ふるさと納税を行ったことがある人は 10.1%で、10 人に 1 人が経験していました(図 2)。
図 1:ふるさと納税の認知
図 2:ふるさと納税の実施状況
制度の詳細を知っている
制度を多少知っている
初めて聞いた
2.5
n=31,229
これまでにしたことがある
制度の概要を知っている
言葉を聞いたことはある
2015年にはじめてした
一度もしたことがない
(%)
5.3 4.8
(%)
n=31,229
11.9
24.9
21.0
39.7
89.9
認知 97.5%
実施 10.1%
3.ふるさと納税を行った動機は「寄付の特典が魅力的だったから」が 71.8%と最も多く、次いで「税金が軽減さ
れるから」が 47.8%、「応援したい地域に貢献したいから」が 20.4%でした(図 3)。
一方、20 歳代では「応援したい地域に貢献したいから」が 27.0%、「自分のふるさとに貢献したいから」が
19.6%、「縁のある地域に貢献したいから」が 16.5%と、他の年代に比べて地域への貢献意識が高い傾向が
みられました(表 1)。
図 3 ふるさと納税の動機(複数回答)【ベース:ふるさと納税実施者】
TOTAL(n=3,152)
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
70.0
80.0
71.8
寄付の特典が魅力的だったから
47.8
税金が軽減されるから
20.4
応援したい地域に貢献したいから
寄付金の使い道に賛同または共感し
たから
16.1
12.0
自分のふるさとに貢献したいから
11.1
縁のある地域に貢献したいから
その他
60.0
0.8
2
(%)
表 1 ふるさと納税の動機(複数回答)【ベース:ふるさと納税実施者】
寄付の特 税金が軽 応援した
典が魅力 減される い地域に
的だった から
貢献した
から
いから
n=
寄付金の
使い道に
賛同また
は共感し
たから
自分のふ
るさとに貢
献したい
から
縁のある その他
地域に貢
献したい
から
TOTAL
3152
71.8
47.8
20.4
16.1
12.0
11.1
0.8
20歳代
393
58.5
39.7
27.0
20.4
19.6
16.5
0.8
30歳代
737
70.6
47.4
19.8
17.5
13.8
13.0
0.5
40歳代
832
76.7
50.7
18.0
13.8
10.0
9.4
0.4
50歳代
612
77.1
50.2
18.0
15.2
8.5
8.2
0.8
60歳代
578
69.6
47.4
22.5
15.9
11.2
10.4
1.7
※TOTAL行と比率の差の検定を行い、有意水準1%で高い(橙)および低い(青)を網掛け
TOTAL(n=3152)
4.ふるさと納税未経験者の「これまでにしようと思いながらもしていない理由」は、「申込の仕方がよくわからな
かったから」が 42.7%、「確定申告が面倒だったから」が 32.2%、「制度がよくわからなかったから」が 29.2%、
「どこの自治体にしてよいかわからなかったから」が 27.0%でした(図 4)。
図 4 ふるさと納税をこれまで行わなかった理由 (複数回答)
【ベース:「ふるさと納税」をしようと思いながらもしていない人】
TOTAL(n=9,873)
0.0
10.0
20.0
30.0
40.0
50.0
42.7
申込の仕方がよくわからなかったから
32.2
確定申告が面倒だったから
29.2
制度がよくわからなかったから
どこの自治体にしてよいかわからな
かったから
本当に寄付金控除を受けられるか不
安だったから
27.0
11.5
税金を自分で払っていなかったから
9.3
寄付の特典が魅力的ではなかったか
ら
8.9
賛同または共感できる寄付金の使い
道がなかったから
5.2
その他
5.6
3
(%)
5.今後、ふるさと納税をしたい人は「したい」「できればしたい」を合わせて 42.9%でした。ふるさと納税をしたこ
とがある人の 89.3%、ふるさと納税をしたことがない人の 37.6%が今後、ふるさと納税を行いたいと考えてい
ることがわかりました(図 5)。
図 5 実施状況別 ふるさと納税の今後の実施意向
したい
できればしたい
どちらでもない
リピート意向
あまりしたくない
したくない
経験者の9割
不明
(%)
n=
TOTAL
31229
「ふるさと納税」をしたことがある
「ふるさと納税」をしたことがない
10.7
32.2
36.0
53.9
3152
28077 5.8
9.62.5
9.0
0.5
9.01.2
35.4
31.8
39.1
10.62.8
9.9
トライアル意向
未経験者の約4割
6.ふるさと納税を行う際に期待する返礼品は「地元の特産品(生鮮食品)」が 81.7%と最も高く、次いで「地元
の特産品(加工食品)」が 68.8%、「施設利用券、宿泊券、割引券、地元で使える商品券など」が 40.0%でし
た(図 6)。
図 6 ふるさと納税を行う際に期待する返礼品(複数回答)【ベース:ふるさと納税意向者】
TOTAL(n=13,384)
0.0
20.0
40.0
60.0
80.0
68.8
地元の特産品(加工食品)
施設利用券、宿泊券、割引券、地元で
使える商品券など
40.0
22.9
地元の特産品(雑貨、工芸品等)
14.6
地元立地企業等の製品
8.9
体験型(収穫体験、1日○○など)
その他
返礼品は不要・期待しない
(%)
81.7
地元の特産品(生鮮食品)
感謝状、広報誌
100.0
2.1
0.6
2.9
【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
調査対象者:インテージ・ネットモニター 全国 20 歳以上 69 歳までの男女個人
サンプル構成:平成 22 年国勢調査ベース(性別×年代別×居住エリア)母集団準拠
設計数 30,000 サンプル 回収数 31,229 サンプル 依頼数 80,515 サンプル
調査期間:2016 年 3 月 23 日(水)~3 月 25 日(金)
調査内容:ふるさと納税の認知、認知内容、ふるさと納税の経験、動機、きっかけ、今後の意向、非意向の理由等
調査実施機関:株式会社インテージリサーチ
【株式会社インテージリサーチ】 http://www.intage-research.co.jp/
株式会社インテージリサーチ(本社:東京都東久留米市、代表取締役社長:井上孝志)は、インテージグループの
一員として、社会・公共領域をテーマとした調査研究を行っています。また、リサーチノウハウとフィールドワーク
の専門性をコア・コンピタンスとして、公的統計調査の受託や民間の市場調査のデータ収集を行っています。
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