第十二回 7月8日

第十一回
沸点の上昇
i=1 を溶媒 水溶液なら水のこと
i=2 を溶質 食塩水なら食塩、砂糖水なら砂糖のこと
今、水と水蒸気はあるが、溶質、この場合砂糖は気相にならないとする。
気相と液相で化学ポテンシャルが等しい
𝐺𝑣𝑎𝑝 (𝑇, 𝑝) = 𝐺𝑙𝑖𝑞 (𝑇, 𝑝, 1,0) + 𝑅𝑇 log 𝑥1′′
左の G は 1mol 当たり。
‘’は液相を表す。移項して、
𝑅 log(1 − 𝑥2′′ ) =
1
1
𝐺 (𝑇) − 𝐺𝑙𝑖𝑞 (𝑇)
𝑇 𝑣𝑎𝑝
𝑇
一方、純粋物質の沸点 Tpure に対しては、
0=
1
𝑇𝑝𝑢𝑟𝑒
𝐺𝑣𝑎𝑝 (𝑇𝑝𝑢𝑟𝑒 ) −
1
𝑇𝑝𝑢𝑟𝑒
𝐺𝑙𝑖𝑞 (𝑇𝑝𝑢𝑟𝑒 )
辺辺引けば、
−𝑅𝑥2′′ =
𝐺𝑣𝑎𝑝
𝐺𝑙𝑖𝑞
)
𝜕(
)
𝑇
𝑇
(𝑇 − 𝑇𝑝𝑢𝑟𝑒 ) −
(𝑇 − 𝑇𝑝𝑢𝑟𝑒 )
𝜕𝑇
𝜕𝑇
𝜕(
ここで、
𝐺
𝜕( )
𝑇 =−𝐻
𝜕𝑇
𝑇2
である。よって、
𝑅𝑥2′′ =
𝐻𝑣𝑎𝑝 − 𝐻𝑙𝑖𝑞
𝐿
(𝑇 − 𝑇𝑝𝑢𝑟𝑒 ) = 2 (𝑇 − 𝑇𝑝𝑢𝑟𝑒 )
2
𝑇𝑝𝑢𝑟𝑒
𝑇𝑝𝑢𝑟𝑒
L:蒸発熱、が得られる。
Henry の法則
𝐺vap = 𝜇liq = 𝜇2∗ (𝑇, 𝑝) + 𝑅𝑇 log 𝑥2
を p で微分。
𝑥2 は CO2 のモル濃度。小さいと仮定している。
μ2 は、T と p に依存するはずだが、導出の段階で、V の変化を無視したので、この項の p 依存もなくなって
しまっている。
両辺 p で微分
𝜕𝐺𝑣𝑎𝑝
𝑅𝑇 𝜕𝑥2
(
)=
(
)
𝜕𝑝
𝑥2 𝜕𝑝
左辺は V なので、理想気体であれば、
V
1
1 𝑑𝑥2
= =
RT 𝑃 𝑥2 𝑑𝑝
ここから、
𝑥2 = 𝐶𝑝
が得られる。すなわち、温度が一定であれば CO2 のモル濃度は圧力に比例する。これをヘンリーの法則とい
う。
一方、温度依存はどうなっているのか?
𝐺vap = 𝑈 − 𝑇𝑆 + 𝑃𝑉
を 1mol にしたもの。
z = z2 = 𝑢2 + 𝑝𝑣2 − 𝑇𝑠2
u2 は部分モル内部エネルギー、v2 は部分モル体積、s2 は部分モルエントロピー。
これらは水分子と CO2 分子の相互作用、
(水分子間の相互作用も含め)に依存するので、簡単な理論式はない。
𝐻 = 𝑈 + 𝑃𝑉
として、エンタルピーで書けば、
𝐻𝑣𝑎𝑝 − 𝐻溶液中 − 𝑇 (𝑆𝑣𝑎𝑝 − 𝑆溶液中 ) = 𝑅𝑇 log 𝑥2
右辺は必ず負。
エンタルピーH は、溶液中の方が小さい。
S は、体積が大きい方が大きい。溶液中 S の部分モルエントロピーは、ある意味、液体になって水と分離して
いるときの CO2 のエントロピーに相当する。この状態から、混合のエントロピーでもって全系のエントロピー
が出るので。
水溶液中の CO2 のエンタルピーのデータ
基礎物理化学 Walter J. Moore 細矢治夫、湯田坂雅子訳 東京化学同人 上巻の巻末
ΔH=-412.9 kJ/mol
ガスの CO2 のエンタルピー
ΔH=-393.51 kJ/mol
なので、差は 19.4 kJ/mol
これは 298.15K だけれど、このエンタルピー差の温度依存は無視して、
19.4 Δ𝑆
𝑥2 = exp (
− )
𝑅𝑇
𝑅
として、ΔS の温度依存も無視すれば、温度が増えると溶解度が減ることがわかる。
T=273K と T=313K を入れると、およそ 1/3 に減少する。実測値は 1/3.5 程度である。
逆に固体では、固体->液体になるところで融解熱が必要なので、RT の符号が逆で、温度が上がれば溶解度が上
がることが予想される。
(よくみかける NaCl とかはイオンになるので授業の範囲外。
)