3.下水処理水の再利用計画の策定業務 概要 気候変動に伴い渇水リスクが増大する中で、下水処理水は、水洗用水、融雪用水、環境用水、工業用水、散水用水等様々な用途で 再生水が利用されるようになってきています。都市内の貴重な水資源の確保、ヒートアイランド対策としての打ち水利用等の新たな利 用用途も期待されており、再生水利用の重要性は、今後、ますます高まっていくことが予想されます。そのため、安定的に利用すること のできる水資源として、処理水再利用計画の立案が必要となる。 業務実施のメリットや効果 ① 水資源の確保につながります(水洗用水、融雪用水、環境用水、工業用水、散水用水等)。 ② 渇水時の対策に繋がります。 ③ 下水処理水の再利用による社会的意義 ④ 低水流量の少ない水域への安定的な水供給 ⑤ 公共用水域の水質改善対策への寄与 ⑥ 地球温暖化対策 本業務では、アンケート調査に基づいて再生水の用途・水質、必要供給量について検討し、その結果を基に再生水の用途・水質に応 じて、適した施設の処理フローを提案します。また、再利用に当たっては、下水道管理者と処理水利用者の観点から、処理水の再利用 事業の経済性についても検討します。 下水処理水の用途別再利用状況(平成18年度) 利用用途 再利用量 (万m3/年) 処理場数 1 水洗トイレ用水(中水道・雑用 水道等) 割 合 53 676 3.5% 1) 修景用水 100 5,215 27.0% 2) 親水用水 25 520 2.7% 9 6,295 32.5% 3 融雪用水 40 3,480 18.0% 4 植樹帯散水 85 29 0.1% 5 道路・街路・工事現場の清掃・ 散水 66 20 0.1% 6 農業用水 29 1,143 5.9% 2 279 1.4% 48 1,694 8.8% 286 19,351 2 環境用水 3) 河川維持用水 7 工業用水道への供給 8 事業所・工場への直接供給 計 注 処理場数の合計は重複を排除したもの。 (出典:下水道施設計画・設計指針と解説(前編)2009年版) - 再生水利用に関する技術上の基準 基準適用箇 所 大腸菌 再生処理施 設出口 濁度 水洗用水 散水用水 修景用水 親水用水 不検出 不検出 備考参照 不検出 (管理目標値) 2度以下 (管理目標値) 2度以下 (管理目標値) 2度以下 2度以下 pH 5.8~8.6 5.8~8.6 5.8~8.6 5.8~8.6 外観 不快でないこと 不快でないこと 不快でないこと 不快でないこと 色度 - - 40度以下 10度以下 臭気 不快でないこと 不快でないこと 不快でないこと 不快でないこと 残留塩 責任分界点 (管理目標値) 素 遊離残留塩素0.1 ㎎/L又は結合残 留塩素0.4㎎/L以 上 (管理目標値) 備考参照 遊離残留塩素0.1 ㎎/L又は結合残 留塩素0.4㎎/L以 上 (管理目標値) 遊離残留塩素0.1 ㎎/L又は結合残 留塩素0.4㎎/L以 上 施設基 準 砂ろ過施設又は 同等以上の機能 を有する施設を設 けること 凝集沈殿+砂ろ 過施設又は同等 以上の機能を有 する施設を設ける こと 備考 砂ろ過施設又は 同等以上の機能 を有する施設を設 けること 砂ろ過施設又は同 等以上の機能を有 する施設を設ける こと 1)検水量は100ml 1)検水量は100ml 1)暫定的に現行 1)検水量は100ml とする(特定酸素 とする(特定酸素 基準(大腸菌群数 とする(特定酸素 基質倍地法) 基質倍地法) 1000CUF/100mL) 基質倍地法) 2)利用者の意向 2)利用者の意向 を採用 2)利用者の意向 等を踏まえ、必要 等を踏まえ、必要 2)利用者の意向 等を踏まえ、必要 に応じて基準値を に応じて基準値を 等を踏まえ、必要 に応じて上乗せ基 設定 設定 に応じて上乗せ基 準値を設定 3)利用者の意向 3)利用者の意向 準値を設定 3)利用者の意向 等を踏まえ、必要 等を踏まえ、必要 3)利用者の意向 等を踏まえ、必要 に応じて臭気強度 を設定 4)供給先で追加 塩素注入を行う場 合には個別の協 定等に基づくこと としても良い に応じて臭気強度 を設定 4)消毒の残留効 果が特に必要の ない場合には適 用しない 5)供給先で追加 塩素注入を行う場 等を踏まえ、必要 に応じて臭気強度 を設定 4)生態系保全の 観点から塩素消毒 以外の処理を行う 場合がある事及び 人間が触れること に応じて臭気強度 を設定 4)供給先で追加 塩素注入を行う場 合には個別の協 定等に基づくこと としても良い 合には個別の協 を前提としない利 定等に基づくこと 用であるため規定 としても良い しない (出典:下水処理の再利用水質基準等マニュアル 平成17年4月(国土交通省))
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