妬み(ハサド) - Tokyo Camii

東京ジャーミイ金曜日のホトバ
2016 年 7 月 22 日
妬み
親愛なるムスリムの皆様!
アッラーがそのしもべ達に与えられた恵みを
妬んだり、嫉妬したりすることは、アッラー
のご配分を認めないことを意味します。しか
し、「おおアッラー、王権の主。あなたは御望
みの者に王権を授け、御望みの者から王権を
取り上げられる。また御望みの者を高貴にな
され、御望みの者を低くなされる。(凡ての)
善いことは、あなたの御手にある。あなたは
凡てのことに全能であられる」(イムラーン家
章第26節)のです。
クルアーンでは、「われは、現世の暮しに必
要な物を、あなたがたに配分し」(金の装飾章
第32節)とされていま
す。妬みはある意味、こ
の配分を認めないことな
のです。妬みは人々をだ
めにしてしまう精神的な
病です。それにかかった
人は、夜も眠れず、昼間
も気が休まりません。そ
れは人の行なった善や善
行を無にしてしまいます。
事実預言者ムハンマドは
次のように仰せられてい
ます。「あなたがたを妬み
から遠ざけよう。疑いもなくそれは、火が薪
を燃やしてしまうように、善行をなくしてし
まう。」「互いを憎まないでください。互いを
妬まないでください。互いに腹をたてて背を
向けないでください。アッラーのしもべたち
よ、兄弟となってください。」
親愛なるムスリムの皆様!
妬みは、天と地におけるアッラーに対する
最初の反逆です。シャイターンは、アッラー
がアーダムにサジュダするよう命じたことに
反抗し、妬みのため「彼は土から、私は火か
ら創造されました。火は土よりもより優れて
います。」と言ったのでした。結果として永遠
にアッラーの慈悲から遠ざけられたのです。
アーダムの息子カービールは、弟のハービー
ルを妬みのために殺し、これによって妬みの
ためにこの世界で最初の殺人を犯したのです。
預言者ユースフを兄弟たちは妬みのために井
戸に投げ入れ、ヤーコブは何年も、わが子を
思って苦しんだのでした。
親愛なる皆様!
私が持っていない財産、富、あるいは才能は
あの人にもなければいい、あるいは私が持っ
ていない健康があの人にもなければいい、と
いう考えでムスリムを妬むことは、妬んだ相
手よりもまずその人自身をだめにしてしまい
ます。預言者ムハンマドはこう言われていま
す。「あなた方以前のウンマの病である妬みと
敵意が、じわじわとあなた方にもうつってき
ているようだ。わが自我がその力強い御手の
うちにあるアッラーに誓
っていうが、あなた方は
信仰しない限り天国には
入れないし、互いを愛す
ることなく、真の意味で
信仰したことにはなれな
いのだ。」
妬むことは、信者には
ふさわしくないものです。
ムスリムは妬むことはな
いのです。羨望するので
す。これは、他の人が持
つ恵みや才能が自分にも
あればと求めることです。つまり、あの人に
も、私にもあればいい、ということです。妬
みはハラームであり、羨望は許されているも
のです。
親愛なるムスリムの皆様!
ムスリムがアッラーに「あなたが恵みを与
えられ、知識を与えられ、富をあたえられた
しもべたちのように私にもお恵みください」
とドゥアーすれば、それは罪ではありません。
私達がこのようにドゥアーすることを、ファ
ーティハ章でアッラーが教えてくださってい
ます。婦人章の第32節でも、「アッラーの御
恵みを願え。」と命じられています。善良であ
るものをアッラーから求めることが勧められ
ているのです。
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