明 和の コンサルティング 通信 2016(平成28年)6月号 資産活用に関する耳よりなお話 住 ま い る コ ラ ム 2 文藝春秋 弁護士 の 長谷川先生 相続を楽しく 学びましょう! 波平は 「相続」で あわてない! 長谷川裕雅著から 遺 言 入 門 波平の遺言が出てきた! ! 遺言は遺産分割協議に優先する! 遺産分割の手続きは遺言があるかないかで流れが大 きく変わってきます。 被相続人の意思を整理し、それらを相続人に伝えるの が 「遺言」 。遺産分割はまず被相続人の意思が尊重される べきですから、 遺言があれば、 その内容に従います。 遺言がない場合、あるいは残された遺言が法的に有 効でない場合には、遺産分割は民法の規定に則って話し 合いで行われます。 しかし、被相続人の意思を置き去り にして、法定相続分だけを基準に話し合いを進めると、相 続人の欲得や思惑がストレートにぶつかることが多いの で、 どうしてもモメやすい。 自分の相続がモメないようにするためには、 自分の想 いを遺言という形で残すことが大事です。 しかし、不慮の事故など遺言を残せないまま亡くなる ケースもあります。 たとえば、波平が突然交通事故で亡くなったとしましょ う。悲しみに暮れる磯野家。それでも粛々と遺産分割協 議が行われて、 3ヶ月後にフネ、サザエ、 カツオ、 ワカメに よる遺産分割が成立。法定相続分に則って、配偶者のフ ネが相続財産の半分、直系卑属のサザエ、 カツオ、 ワカメ が残りの半分のうち、それぞれ3分の1を相続することに なり、あとは遺産分割協議書を作成して、名義書換えな どの手続きを済ませるだけになりました。 その直後、 書斎の書架にあった本の間から、 波平の遺言 書が見つかったから大変です。 書斎の遺品整理はフネが丁寧にやっていましたが、書 架にある本1冊1冊までは手が回っていませんでした。形 見分けである盆栽の手入れの参考になるものはないか と、マスオが書架から取り出した本のページの合間から 遺言書が出てきたのです。 遺言書にはすべての相続財産をフネに相続させる旨 が書かれていて、成立した遺産分割協議の内容とは食い 違っていました。 困惑するフネに代わってサザエが、 「お父さんの意思 がハッキリわかったんだから、遺産分割はやり直すしかな いわ。」 一方、遺産がもらえなくなりそうな雲行きにカツオと ワカメは 「一度決まったものをひっくり返すなんておかし い!」 と猛反発。 磯野家の相続はどうなってしまうのでしょうかー。 遺言が残されていたことを知らずに遺産分割協議を 進めていた、 しかし遺産分割の成立後に遺言の存在が判 明したというのはよくあるケースです。 結論から言えば、出てきた遺言が法的に有効なもの であれば、遺言の内容通りになります。 もっとも遺言の内容に従うかどうかは相続人全員の意 思次第です。仮に相続人全員が遺言の存在を知ってい て、その内容を正しく理解した上で、全員の同意が得ら れれば、たとえ遺言の内容に反する遺産分割を行っても 有効です。 磯野家の相続においても、 フネ、サザエ、 カツオ、 ワカ メ全員の同意が得られれば、波平が残した遺言の内容に 反した遺産分割、つまりすでに成立した遺産分割協議の 内容をそのまま維持しても問題ありません。 「それなら遺言なんて意味がないじゃないか」 と思う人 もいるかもしれませんね。 しかし遺産分割協議において 全員の同意を得ることはそんなに簡単ではありません。 冒頭のケースでは、子ども思いのフネが波平の遺言よ りも法定相続分に準じた遺産分割協議の内容を支持す ることもあり得るでしょう。 しかし、 これが 「カツオに全財 産を相続させる」 という内容の遺言だった場合、社会人 になって何かと物入りのカツオが、遺言内容の尊重を強 硬に言い張る場合も考えられます。 遺言の存在を理由に、相続人のうち一人でも遺産分 割協議に異議を唱えれば、原則として遺産分割協議はや り直しになります。すでに遺産分割が終わっている場合 も同じです。遺言の効力は強力で、すでに成立している 遺産分割協議を覆すことすら可能です。 遺産分割協議は全員合意が成立の絶対条件であるが ゆえに、なかなかまとまりにくい。話し合いがまとまらず に調停や審判で遺産分割を行うことになれば、解決まで 長期間を要します。時間も労力もお金もかかります。相 続人同士の関係が悪化し、疎遠になることもある。だか らこそ、遺言が重要なのです。 遺産分割を指定した内容の遺言を作成すれば、原則と して相続人らの遺産分割協議なしで遺言者が思う通り の遺産分割をさせることができます。相続人全員が顔を 揃えなければならない面倒な遺産分割協議の必要がな いから、 トラブルメーカーの相続人がいても、行方不明 の相続人がいても、遺産分割がスムーズに進められる。 やはり遺言を残しておくことが、相続トラブルを回避する 一番の解決策といえます。 「ウチの家族は仲が良いし、遺言を書かなくてもうまくや ってくれるはず」 「残せる財産なんてそんなにないから遺言なんてなくて もモメないよ」 そんな声をよく聞きます。心情的には理解できますが、 「うまくやってほしい」 という被相続人の思いがすべての 相続人に届くとは限りません。お金が絡んでくると、仲の 良い家族でもモメることは多々あります。たとえ小額の 財産でもモメるのです。 遺言という形で自分の意思を整理し、 伝えることで、 相続 人同士の無用なトラブルを避けることが可能になります。 せっかく残した遺言も見つけてもらえなければ意味が ありません。波平のように書架の本に挟んでいた場合、 たまたまマスオが見つけたからよかったものの、誰も盆 栽に関する本に興味がなければ、波平の想いの込もった 遺言は古本といっしょに処分されて日の目を見ることは なかったことでしょう。かといって簡単に見つけられてし まうと破棄されたり、偽造、変造されたりするリスクもあ る。遺言書の保管場所は 「見つかりにくく、見つかりやす い場所」 を選びたいものです。 長谷川先生にご相談されたい方はこちらまで 東京都千代田区永田町2-9-8 パレ・ロワイヤル永田町706 TEL:03-5532-1112 email:[email protected] HP:http://www.isansouzoku-navi.com 仲介事業部 当社 担当紹介 コンサルティング営業課 1課 売主 (次号に続く) 無料相談メールもございますので、 お気軽にご相談ください。 ( 「 i s o n o k e . c o m 」で 検 索 ) ※ご利用前に、必ず「利用規約」をご確認ください「利用規約」に同意いた だける方のご相談に限らせていただきます 栗村 健太郎 よろしくおねがいします。 資産形成としての 不動産購入・売却、 相続等に伴う不動産の査定など お気軽にご相談下さい。 迅速に対応いたします。 価格 出身 神奈川県 趣味 サーフィン、ゴルフ 価格 好きな言葉 森羅万象に多情多恨たれ 資格 宅地建物取引士 損害保険募集資格 090-3082-7365 不動産の売却・購入に関するお問い合わせはこちらまで! 0120-334-043 コンサルティング営業課:栗村 email:[email protected] 国土交通大臣 (4) 第5904号(一社) 不動産流通経営協会 (FRK) 会員(公社) 首都圏不動産公正取引協議会加盟
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