国の財政を見てみよう

国の財政を見てみよう
【学習のねらい】
国の歳入・歳出の内訳がどうなっているかを学び,税がどのように使われているかを理解させる。
また,財政の役割について理解させるとともに,我が国の財政の課題を認識させる。
(学習活動)
国の一般会計当初予算及び歳入歳出の状況から読み取れることを発表させる。財政赤字及び公債
発行額の状況を身近な家計に例えて理解させ,納税者として国の財政の在り方や財源の確保と配分
について,効率や公正の考え方に基づいて考えさせる。
■社会保障関係費 31兆5,297億円
「社会保障関係費」は,私たちが安心して生活していくために必要な医療,年金,介護,生活保護,社会
福祉などに使われています。
我が国では,高齢化の進展などに伴って,社会保障給付費が大きく伸びています。一方で,社会保険料収
入は,近年,横ばいで推移しているため,社会保障給付費と社会保険料収入の差額は拡大傾向にあります。
この差額は,主に国や地方公共団体の税でまかなわれています。
環境問題について考えよう
■公共事業関係費 5兆9,711億円
私たちの生活は豊かで便利になりました。
「公共事業関係費」は,住宅対策や市
しかし,この豊かさは,
資源やエネルギーを大量に使って生
街地,道路,港湾,上下水道などの整
産・消費し,多くのゴミや汚染物を出すことによって支えられて
備,河川の堤防整備やダムの建設,農業
います。
の生産性の向上を目的とするかんがい排
その結果,大気汚染やオゾン層の破壊,酸性雨,地球温暖化,
自然環境の破壊などが,深刻な地球環境問題となっています。
水事業などに使われるほか,地震や風水
これらの問題を減少・解消し,将来にわたって持続可能な社
害などの災害が起こったときの復旧事業
会をつくっていくためには,私たち一人ひとりに何ができるの
のためにも使われています。
かを考え,自ら進んで環境保全活動を行っていくことが大切で
す。
■文教及び科学振興費 5兆3,613億円
「文教及び科学振興費」は,教育環境
文教及び科学振興費内訳(平成27年度当初予算)
の整備や科学技術の発展のために使われ
ています。その内訳は,教科書の無償配
付や全国学力調査の実施,国立大学法
育英事業費
(経済的理由により,修学に困難が
ある優れた学生のために)
1,027億円
1.9%
義務教育費国庫負担金
(小・中学生のために)
1兆5,284億円
28.5%
人・私立学校の助成,スポーツの振興な
どのための「教育振興助成費」に2兆3,716
億円が計上されています。
また,公立学校の校舎改築などのため
総 額
の「文教施設費」に729億円,経済的理由
により修学に困難がある優れた学生など
のための「育英事業費」に1,027億円,将
来に渡る持続的な研究開発などの科学技
術の振興を図るための「科学技術振興
費」に1兆2,857億円などが計上されていま
す。
7
5兆3,613億円
教育振興助成費
(教科書の配付や
国立大学法人・
私立学校の援助のために)
2兆3,716億円
44.2%
科学技術振興費
(宇宙開発や海洋開発などの
文教施設費
科学技術のために)
(校舎や体育館などの建設のために)
1兆2,857億円
729億円
24.0%
1.4%
(注)
四捨五入の関係上,
各項目の計数の和が合計額と一致しないことがあります。
■地方交付税交付金等 15兆5,357億円
地方公共団体は,私たちの日常生活と密接に結びついている教育・警察・消防・環境衛生などの公共
サービスを行うため,地方税を徴収しています。しかし,その地域の経済状況などによって,地方公共団
体の財政力に違いがあるので,公共サービスに格差が生じないよう,国が各地方公共団体の財政力を調整
するために支出するのが「地方交付税交付金等」です。
■経済協力費 5,064億円
主要国の政府開発援助(ODA)の比較(2013年確定値)
世界には,多くの人々が貧困や飢餓に苦しみ,国際
308.8
アメリカ
社会が見過ごすことのできない深刻な事態の国々があ
イギリス
ります。こうした国々の生活環境を改善するには,国
ドイツ
際社会が協力して援助する必要があります。日本など
フランス
経済力のある国々は,開発途上国との対話を進めなが
日本
179.2
142.3
113.4
115.8
0
ら,経済協力を行い,自立を支援しています。
50
100
150
200
250
300
(単位:億ドル)
350
○公債残高の累増
(兆円)
807
10
778 266
9
800
一般会計税収の約15年分に相当
(平成27年度一般会計税収予算額:約55兆円)
750
751 261
9
復興債残高
705
700
670
11
248
650
259
10
250
636
246
594
600
238
550
527
499
500
532
247 243
541 546
237 225
531
509
241
484
457
450
226
平成27年度末公債残高
約807兆円(見込み)
400
392
368
222
411
建設公債残高
216
209
350
197
321
295
※勤労者世帯の平均年間可処分所得
約511万円
(平均世帯人員 3.42人)
250
305
187
280
258
245
175
225168
145
110
96
100
82
71
56
43
50
32
152 157
134
87 91
122 81
75
69
231
178
131
172
161 166
116
108
102
97
142
199
176
158
134
63
特例公債残高
108
56
49
42
35
288
258
207 158
193
200
150
390
356
332
国民1人当たり 約638万円
4人家族で 約2,550万円
300
0
445
421
53
67
65 65 64 65 64 63
61 64
59 64
77
83
47
28
22
40
10 15 17 22
28 33
2 3 4 6 8
21
13
10 15
2 5
40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27
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45
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60
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38.7
5
39.9
10
57.8
15
91.1
20
111.5
25
154.0
26
158.4
27
159.8
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公債残高の問題
国の政策や事業には,国の経済状態や国民の生活のために,歳入が不足していてもタイミングよく行わなければなら
ないものもあります。そこで歳入の不足を補うため,国は国債を発行して公債金(借金)収入を得ています。平成27年
度当初予算では約37兆円の国債が発行され,平成27年度末の公債残高は約807兆円になると見込まれています。
これは,一般会計税収の約15年分に相当し,将来の世代に大きな負担を強いることになります。
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