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平成 28 年 7 月 19 日
報道機関
各位
東北大学大学院医学系研究科
株式会社ルシール
極微細蛍光内視鏡イメージングシステムを商品化
‐低侵襲で脳深部神経活動を可視化する‐
【概要】
東北大学大学院医学系研究科 小山内 実 (おさない まこと) 准教授を中心とした研究
グループと株式会社ルシールが共同で研究・開発した「極微細蛍光内視鏡イメージングシ
ステム(Ultra-thin Fluorescence Endoscope Imaging System:U-FEIS)」(特許出願中: 特願
2016-071769) がこのほど商品化され、株式会社ルシールより販売されます。
U-FEIS は低侵襲で実験動物の脳の神経活動を簡便に可視化できるシステムであり、従来
の顕微鏡では見ることができなかった脳深部のイメージングを低コストで行うことができ
るシステムです。また、in vivo(生体内)研究および臨床での利用場面を想定し、小型化
による可搬性を重視した設計となっており、今後脳の活動における神経細胞のはたらきの
解明、及び単一細胞レベルでのがん細胞の観察等に大きく貢献することが期待されていま
す。
この U-FEIS は、平成 28 年 7 月 20 日から開催される「第 39 回 日本神経科学大会」の
企業ブースで展示され、主に大学等研究機関を中心に株式会社ルシールより販売される予
定です。
本研究・開発は、科学技術振興機構、日本医療研究開発機構、日本学術振興会 (科研費)、
の支援を受けて行われました。
【詳細な説明】
東北大学大学院医学系研究科 小山内 実 (おさない まこと) 准教授を中心とした研
究グループと株式会社ルシールが共同で研究・開発した「極微細蛍光内視鏡イメージン
グシステム(Ultra-thin Fluorescence Endoscope Imaging System:U-FEIS)」(特許出願中: 特
願 2016-071769) がこのほど商品化され、株式会社ルシールより販売されます。
U-FEIS は低侵襲の極微細内視鏡部と専用小型イメージングシステム、画像取得用カメ
ラ、蛍光色素励起用レーザーとで構成されております。内視鏡部分は、外径 350 µm の極
微細レンズと、1 万画素数のイメージファイバにより構成され、細胞の活動を十分に認
識する 2 µm レベルの空間分解能を持っており、低侵襲と高空間分解能を両立させたこれ
までにない内視鏡です。専用小型イメージングシステムは約 30 cm 四方程度の大きさで
あるため、実験動物のすぐ横に運ぶことができるため、場所にとらわれずどこでもイメ
ージングをすることが可能です。これらの装置群をイメージングシステムとしてパッケ
ージ化し、光伝送効率を最大限に追求した結果、微弱な蛍光を発する個々の細胞を見分
けることができ、脳深部での神経活動の多細胞 イメージングが可能となりました。
更にシステムとしての一体性と操作性を追求した結果、高度な専門知識や技術が不要
で、かつ再現性の高いデータを簡便に取得することが可能となりました。in vivo(生体
内)研究および臨床での利用場面を想定し、小型化による可搬性を重視した設計となっ
ており、今後脳の活動における神経細胞のはたらきの解明や、単一細胞レベルでのがん
細胞の観察等に、大きく貢献することが期待されています。
この U-FEIS は、平成 28 年 7 月 20 日から開催される「第 39 回 日本神経科学大会」の
企業ブースで展示され、主に大学等研究機関を中心に株式会社ルシールより販売される予
定です。
本研究・開発は、科学技術振興機構、日本医療研究開発機構、日本学術振興会 (科研
費)の支援を受けて行われました。
【U-FEIS の特長】
<性能とコストの両立>
近年、生物科学研究、特に神経科学研究のための様々な光学的機能分子プローブが開
発され、in vivo で使える新たな光学計測技術が実用化されてきています。しかし、細胞
レベルの空間分解能で脳深部の機能イメージングを行うためには、従来、極めて高価な
多光子励起蛍光顕微鏡を用いる必要がありました。 また、この多光子励起蛍光顕微鏡は
1 mm より浅い領域のイメージングにしか適用することができないため、げっ歯類など
小型動物の大脳皮質の研究等、用途が限定されるものでした。
U-FEIS を構成する極微細蛍光内視鏡は、直径 350 µm の極微の微小光学レンズと、同
径の 1 万画素数のイメージファイバで構成されています。
U-FEIS では、この極微細蛍光内視鏡を専用の光学顕微鏡とシームレスに連携させ、そ
の結合の効率を最大限に追及した結果、細胞の発する微弱な蛍光変化を捕捉する技術を
確立しました。これによって、従来は高額の多光子励起蛍光顕微鏡を導入しないと不可
能であった脳深部の細胞イメージングが、手軽に導入できるようになります。
<可搬性と操作性の向上>
U-FEIS では、in vivo 試験での使用環境を考慮し、極微細蛍光内視鏡、蛍光顕微鏡、画
像取得用 CCD カメラ、蛍光励起光源レーザーを含めたトータルのイメージングシステム
として小型化、パッケージ化を行いました。大きさは 30 cm 四方と小型であり、光ファ
イバー経由で励起光源を取り付けることができるため、設置場所や移設の自由度が高い
ことに加えて、蛍光色素励起波長、蛍光波長を自由に選べるなどオプションも豊富です。
トータルシステムとして設計されていることから、操作が容易であり、専門技術がない
方でも再現性の高いデータを簡便に取得することが可能となりました。
<臨床応用への期待>
U-FEIS によって、脳や神経の深部でどのような細胞状態の変化が起こっているかに関
する研究が更に広まり、脳の記憶メカニズム、神経の情報伝達メカニズムの解明が進む
ことが予想されます。これにより、依然有効な治療方法が確立されていない、アルツハ
イマー病や脊髄損傷等の治療薬や治療方法の開発にも、新たな発見が加わることが期待
されます。
また近年、がん細胞に特異的に蛍光色素を取り込ませる技術が進んできており、U-FEIS
に搭載された極微細内視鏡技術や、細胞の発する微弱な蛍光変化の捕捉技術によって、
より精緻なレベルでがん細胞の可視化が進むことが見込まれます。このような、がんの
原因究明や治療薬の開発はもとより、その操作性や可搬性の高さから、臨床現場での即
効的ながん診断への展開も考えられるほか、工業的な非破壊検査等、広範囲な応用が可
能です。
本製品は現在、文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究(研究領域提案型)
『学
術研究支援基盤形成』」先端技術基盤支援プログラム「先端モデル動物支援プラットフォ
ーム」において、研究者に支援提供される研究項目として採用されています。
【特許について】
本システムは、現在特許出願中です。(特願 2016-071769)
【参考文献】
Osanai M, Suzuki T, Tamura A, Yonemura T, Mori I, Yanagawa Y, Yawo H, Mushiake H.
Development of a micro-imaging probe for functional brain imaging. Neuroscience Research 75:
46-52, 2013.
【お問い合わせ先】
(研究に関すること)
東北大学大学院医学系研究科
医用画像工学分野
准教授 小山内 実(おさない まこと)
電話番号:022-717-7939
E メール:[email protected]
(製品に関すること)
株式会社ルシール
代表取締役 幸村 裕治(こうむら ゆうじ)
電話番号:029-848-3030
E メール:[email protected]
(報道担当)
東北大学大学院医学系研究科・医学部
広報室
講師 稲田 仁(いなだ ひとし)
電話番号:022-717-7891
FAX 番号:022-717-8187
E メール:[email protected]
図 1. U-FEIS の概略図と先端部形状
極微細内視鏡イメージングシステム (U-FEIS) 全体の概略図と、実際に取得された蛍光
写真。蛍光写真中の白く光っているところが、個々の細胞である。蛍光写真中の白バー
の長さは 100 µm である。
図 2. 極微細内視鏡で観察された細胞活動
カルシウム感受性蛍光色素を細胞に取り込ませた脳組織標本で細胞活動依存性のカル
シウム濃度上昇が観察された例。図中の白バーの長さは 10 µm である。
図 3. U-FEIS を用いたラベルフリーイメージング
U-FEIS を用いて、内因性のフラビンタンパク質の蛍光を計測するラベルフリーイメー
ジングにより、マウス視覚野における視覚応答を可視化した例 (協力: 群馬大学医学部
三輪 秀樹 助教)。
問い合わせ先
図 4. U-FEIS システム
東北大学大学院○○研究科
担当 (原則2名以上)
電話 (原則2か所)
E-mail ○○○@tohoku.ac.jp