小野加東+5歳成人式

地域再興政策コンテスト 応募用紙
1.応募者情報の入力
地域再興政策コンテストに応募する会員会議所の内容を下記にご記入ください。
ブロック名
郵便番号
TEL
記入者役職
活動エリア
兵庫
LOM名
小野加東青年会議所
675-1378
住所
兵庫県小野市王子町800-1
0794-63-3563
メールアドレス [email protected]
総務研修委員会委員 記入者名 上月克己
兵庫県小野市、兵庫県加東市
2.地域情報の調査と主な課題
地域の情報を調査し、地域の課題を抽出してください。
※別紙「地域情報入力シート」に記入し、応募用紙と合わせて提出すること
別紙「地域情報入力シート」の「地域の弱み」に書いた「20代前半の転出
超過」を踏まえ、主な地域課題は次の通りとする。
主な地域課題 ①20代前半の大幅な転出超過の解消
②20代後半、30代のUターン促進
(20代前半で転出した人をUターンさせ、全体で転出超過を解消)
3.政策の名称とカテゴリ
政策名
小野加東+5歳成人式
政策カテゴリ 地方への新しいひとの流れをつくる
4.政策立案の背景
「主な地域課題」にも書いているが、人口問題について小野加東の抱える課題は20~24
歳が極端に転出超過となっていることである。実際、2015年の年齢階級別の転入者数・転
出者数は以下のとおりである。
総務省「住民基本台帳人口移動報告」の平成27年のデータより
800
615 558
600
528
394
424
386
271
400
206
192
251 183
149
203
96
172 120
200
8691 7267
83 3843 183
0
転入者数
54 46 42
39 2833
19 8
2014 19
16
9 8
転出者数
したがって、小野加東において社会人口減への対策を行うとすれば、20~24歳の転出
者数を抑え、転入者数を増やすことがまず考えられるが、それは容易ではない。それとは
別に、20~24歳以外の転入者数を増やし、年齢に関係なく人口全体で転出超過数を0に
近付ける方法も考えられる。実際、転出者数のピークが20~24歳であるのに対し、転入者
数のピークは25~29歳である。20~24歳で就職等のために大阪・神戸といった都会に転
出していった人々がUターンで帰ってくれば、人口全体の転出超過数は0に近づくのであ
る。そこで、今回は新しいひとの流れをつくる、Uターンにつながる政策を考える。
Uターンにつながる政策といっても、様々な政策が考えうるが、地域の強みを活かす方向
で、今回は成人式関連で考えたい。別紙「地域情報入力シート」の「地域の強み」に書いた
とおり、小野市は日本で一番成人式に力をいれている自治体だと言っても過言ではなく、
成人式大賞において13年連続受賞し、大賞獲得のほか、特別貢献賞も獲得している。こ
れら両賞をともに獲得している自治体は日本全国で小野市だけである。その小野市に触
発されて、加東市も昨年初めて成人式大賞に申請し、成人式企画賞を獲得している。前
例にこだわらない成人式の改善・改革がこれから進みそうな自治体である。成人式大賞
のまちという小野加東の強みを活かし、成人式が市民に注目され、実行委員も他地域以
上に本気なまちだからこそ可能な政策を考える。
成人式をUターンにつなげる方法として参考になるのが、2012年頃から全国各地で有志
のメンバーにより開催されている30歳の成人式である。京都府与謝野町に始まり、北九州
市や横浜市に拡大し、兵庫県内では神戸市や伊丹市でも開催された。名称は異なるが、
隣接する三田市でも三十路式が開催され、2016年3月19日には、小野市うるおい交流館
エクラでも三十路PicnicPartyが開催された。上記の転出入の分析より、小野加東では30
歳ではなく、25歳を対象とした第二の成人式とするが、全国各地の第二の成人式を参考
に、政策を行いたい。
5.政策の目的
Uターン促進(特に、25歳~29歳)を実現し、20代前半の転出超過を穴埋めし、人口全体
で転出超過を解消することを主な目的とする。転出超過が0に近づき、25歳~29歳そして
30代についてもUターンで帰ってくる人が増えれば、社会人口増だけでなく自然人口増に
もつながり、活力ある地域の維持が可能となる。数値目標としては、2015年の25歳~29歳
は30人の転出超過があるが、これを2020年には0人にし、その後は転入超過としたい。
住民基本台帳人口移動報告
25~29歳の転出超過数
基準:平成27年
30人
目標:平成32年
0人
また、副次的な目的として、ゴルフのまちのPRがある。ゴルフはどちらかというと、大人
のスポーツであり、小野加東青年会議所の会員やOBにも楽しむ人は多い。しかし、現在
は全国的に若者のゴルフ離れが進んでいるようで、ゴルフ場が21ある小野加東としては
危機を感じる。そこで、ゴルフ協会と連携し、クラブハウスを含めたゴルフ場を本政策の会
場とすることで、まだゴルフ場に行ったことない25歳にも、ゴルフ場の豪華な雰囲気に触れ
させ、親しみをもたせ、ゴルフのまち出身であることに誇りを持たせたいとも考えている。
6.政策立案・実行に関わる関係者(団体)
【産】小野加東青年会議所(主催・事務局)
小野市ゴルフ協会、加東ゴルフ協会(会場提供)
【官】小野市・小野市教育委員会、加東市・加東市教育委員会(恩師派遣協力・広報協力)
【学】兵庫教育大学ボランティアステーション(実行委員の核となる大学院生の紹介)
【言】神戸新聞をはじめとするマスコミ各社(広報協力)
7.政策内容の詳細
政策内容の画像やイメージを用いて、具体的な政策の内容を下記にご記入ください。
※補足資料がある場合は、あわせてご送付ください。
※補足資料は20MBを超えないようご注意ください。
25歳が地元に帰ってくるイベントを、小野加東の強みである成人式と銘打って実行する。会
場は、ゴルフのまちという小野加東の強みを活かして、クラブハウスを含めたゴルフ場とし、25
歳にとってゴルフ場が親しみやすいものになるようにする。ゴルフを通じて小野加東に帰ってく
るきっかけづくりにもする。
小野市・加東市の20歳の成人式と同様に、実行委員会方式をとり、自治体職員・教員など小
野加東で働く25歳、兵庫教育大学の大学院生を中心に募る。小野市教育委員会・加東市教育
委員会に依頼し、実行委員会の各回に小中学校時代の恩師を1名派遣いただき、そうすること
で実行委員会への参加の動機づけとする。実行委員会で世代のニーズにあった企画を考えて
いただく。できればゴルフ場という場所を利用した企画を1つは入れていただきたい。またU
ターン促進の観点から、将来的に地元に帰ってくる意志のある方の転職または起業につなが
る企画も入れていただく予定である。小野加東青年会議所の会員には起業を行った者もおり、
またそれぞれの職場で雇用が必要になることもあるから、力になることができる。日時や食事
の有無、参加費の有無も実行委員会で検討する。なお、日時の候補としては、都会で働く人も
帰ってきやすいお盆休み、9月の連休、年末年始が候補になる。
政策の詳細
小野加東青年会議所は実行委員会の会場準備・進行など、裏方に徹し、25歳による25歳の
ための手作りのイベントにしていただく。代わりに主催者挨拶など+5歳成人式の途中に少しだ
け小野加東青年会議所のPRの時間をいただいて、会員拡大の機会とする。この時、ゴルフ
場・ゴルフ協会の宣伝も行う。
なお、イベントの内容は実行委員会で決定するが、どのような可能性があるか、ここに示して
おく。
まず、2016年3月19日に小野市うるおい交流館エクラで行われた「三十路PicnicParty」におい
ては、加古川出身のプロボクシング東洋太平洋女子ライトフライ級王者の竹中佳氏や起業経
験者のスタイリスト佐藤基子氏の同世代トークショーやフリーマーケット、お笑いコンビ2700
の演芸を行っている。お笑い芸人や講師によるアトラクションやフリーマーケットなどのブース
出展は候補になる。
また、来年2017年度に25歳を迎える方々は、1992年度生まれで2013年1月に成人式を経験
している。2013年の成人式を振り返ると、小野市では実行委員の進行により、「挑戦」をテーマ
に「夢」や「目標」に向かって取り組んでいることを熱く語り合い、4名の恩師をゲストに招いて感
謝の手紙の朗読を行った。加東市では実行委員製作の懐かしのスライドショーや恩師からの
ビデオレターの上映を行った。トークイベントや披露宴でも行われるスライドショーは候補にな
る。恩師関係も20歳の成人式では1市での実施であったため、小中学校の恩師であったが、2
市での開催であることから、高校の恩師のお世話になることも候補になるだろう。
政策のポイント
・25歳が地元に帰ってくるイベントを成人式と銘打って実行し、Uターンにつなげる。
・実行委員会制とし、25歳による25歳のための手作りイベントになるよう、様々な補助を行う。
・「官」・「学」・「言」の団体と連携し、実行委員となる25歳を集める。
・小野加東の強み(成人式大賞のまち、ゴルフのまち)を活かし、LOMメンバー中心で実現可能
な、身の丈に合った政策である。
【こころ豊かな美しい北播磨推進会議「北播磨地域ふるさと魅力発信サポート事業」】
北播磨県民局が、「地域の魅力を発信する活動に取り組まれている皆さんを応援するた
め」、平成28年度より設けた助成制度
活用する制度・ 一件あたり20万円以上50万円以内助成
税制優遇
申請時期:毎年4月~5月
特区申請など 対象事業期間:4月~翌年3月
(必要に応じて) ただし、6月中旬に開催予定の審査会までに完了する事業は対象とはならない。
※事業のリーフレットを「その他補足資料」の欄に添付している。
今年度、小野加東青年会議所の青少年健全育成事業でも、地域の特産品の桃を活かして
申請中。
・「北播磨地域ふるさと魅力発信サポート事業」を満額いただける予定で、以下の財政収支計
画を組んでいる。減額されたり、助成いただけなかったりすることがあれば、政策実現が難しく
なることもあるので、リアリティのある申請書作成に尽力する。
政策実現
・繁忙期の関係上、実行委員の望む日時に、ゴルフ場やクラブハウスを借りられるか不安であ
に向けての課題 る。どうしても無理な場合は、小野市うるおい交流館エクラ等の公共施設で検討する。
・初めて顔を合わす実行委員もいるであろうが、そのような中で会議の進行をうまく行えるか不
安であるが、ファシリテーション技術を磨き、臨機応変に対応していきたい。
資金調達
上記の北播磨地域ふるさと魅力発信サポート事業に応募して50万円いただく。 50万円いた
だけなかった場合は、実行委員と相談して支出予算を削減するか、または収入予算に小野加
東青年会議所の予算を投入して対応する。
収入の部
北播磨地域ふるさと魅力発信サポート事業 500,000円
支出の部
政策実現にかかる
費用と財政計画
節
アトラクション謝礼
消耗品費
印刷製本費
予算
150,000円 トークショー講師などを呼ぶ場合に備えて(旅費含む)
30,000円 文房具ほか
150,000円 実行委員募集並びに開催告知のチラシ及び当日資料印刷
通信費
5,000円 郵送料
手数料
5,000円 謝礼振込手数料ほか
施設使用料
摘要
10,000円 実行委員会の会議室使用料
バス賃借料
150,000円 大阪駅から会場までの片道運行(高速道路通行料含む)
合計
500,000円
※食事のない場合の計画
食事をする場合は参加費(収入)を徴収して、食糧費(支出)にあてる。
修正・加筆したポイント
本応募用紙のすべての項目において、評価項目に合致するように表記修正
内容に関する大幅な変更はなし
(一次審査段階では、申請を3つ出していたこともあり、期間内に十分な修正ができなかった)
「まち・ひと・しごと創生」政策5原則について
【自立性】
25歳を対象に、地域を盛り上げるための有用な人材(実行委員)の確保・育成に努めており、
また課題の人口減少に対して、他地域の都市部で一度は就職しても20代後半・30代でのU
ターンにつながる政策だといえる(上記、「4.政策立案の背景」「5.政策の目的」も参照)。
【将来性】
本政策は中山間地域において地域の絆の中で心豊かに生活できる環境を実現する仕組み
であるともいえる。
【地域性】
別紙「地域情報入力シート」はRESASをはじめとする各種統計等の客観的データに基づいて
書いており、その実状分析や将来予測に基づいた本政策は、「成人式大賞のまち」ならではの
地域の実態に合った政策だといえる。
【直接性】
本政策は「産」・「官」・「学」・「言」の連携を通じて、若者向けのまちづくりを直接行う政策だと
いえる。
【結果重視】
上記「5.政策の目的」のとおり、数値目標を25~29歳の転出超過数平成32年に0人(平成27
年には30人であった。)と定め、この目標を達成できるよう、毎年改善を重ねることを原則とす
る。目標が達成できたときには、さらなる高い目標を設定して継続する。一方、達成できなかっ
たときは、プランが誤っていたことを認め、別の政策に取り組むこととする。ただし、小野加東
青年会議所は単年度制であり、各年の事業についての最終的な決定はその年の理事長が行
う。
北播磨地域ふるさと魅力発信サポート事業リーフレット
※容量の都合で1ページ目のみ
その他
補足資料
地域再興政策コンテスト 地域情報入力シート
ブロック名 兵庫
記入者役職 総務研修委員会委員
LOM名
記入者名
小野加東青年会議所
上月克己
※応募シートとあわせて、メールにてご送付ください。
※地域経済分析システム(RESAS)などを使用した、客観的なデータの活用を推奨します。
地域の人口推移
【出典】RESAS
※2010年までは総務省「国勢調査」のデータに基づく実績値
2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」のデータに基づく推計値
総人口は2000年までは増加していたが、2000年に9万人を超えて以降は減少に転じて
いる。2015年国勢調査の小野市と加東市の人口速報値の合計は88937人である。現在は
微減程度であるが、RESASの推計では、2025年に85917人、2040年に78381人となると考
えられている。
年齢3区分別に人口の推移をみると、生産年齢人口も2000年をピークに減少に転じてい
る。2000年までは総人口に占める割合が65%前後で推移していたが、2010年には62.7%に
減少し、今後も減少すると推計されている。また年少人口は一貫して減少傾向にある。一
方で、老年人口は一貫して増加傾向にある。小野加東でも少子高齢化が進展している。
地域の産業構造とその変化(見通し)
産業三部門別就業者数の変遷
1995年 1,989
19,737
2000年 1,744
18,887
2005年 2,012
24,327
17,111
2010年 1,468
0%
23,521
25,326
15,797
10%
20%
24,436
30%
第一次産業就業者数
40%
50%
第二次産業就業者数
60%
70%
80%
90%
100%
第三次産業就業者数
【出典】総務省「国勢調査」のデータに基づき作成
就業者数で見ると、第三次産業が最も多く、第一次産業が最も少ない。その変化は第一
次産業と第三次産業については微妙な増減をしつつ、ほぼ横ばいである。割合で見ると、
第一次産業が横ばい、第三次産業が増加している。一方、第二次産業は就業者数も割合
も減少している。今後も第二次産業就業者数の減少傾向は続くと思われる。
また産業分類別の2010年の生産額(総額)をRESASにて調べると次のようになる。
【出典】RESAS(環境省「地域産業連関表」、「地域経済計算」)
生産額(総額)の内訳は上記のとおりであり、電気機械1213億円(=149億円+1064億
円)、サービス業1200億円(=566億円+634億円)、化学1150億円(=719億円+431億円)
あたりが小野加東の主要産業だといえる。
主要産業とその変化(見通し)
主要産業である電気機械と化学について、工業統計調査に見られる従業者数・事業所
数・製造品出荷額の変遷を示したのが以下のグラフである。
事業所数と従業者数の変遷
製造品出荷額の変遷
(単位:万円)
30
1500
20
1000
10000000
10
500
8000000
0
0
2006年
2008年
2010年
2012年
2014年
化学工業事業所数
電気機械器具製造業事業所数
6000000
4000000
2000000
0
化学工業従業者数(人)
2006年 2008年 2010年 2012年 2014年
電気機械器具製造業従業者数(人)
化学工業
電気機械器具製造業
【出典】経済産業省「工業統計調査」のデータに基づき作成
化学工業は2008年以降については、事業所数は19のまま増減なく、就業者数も微かな
減少傾向ではあるが、大きな変化の兆しはない。製造品出荷額も増減をしてはいるが、
800億円前後でほぼ横ばいで非常に安定している。今後も地域の主要産業として期待で
きる。
一方、電気機械器具製造業は2008年にピークを迎えた後、2012年には従業者数・事業
所数・製造品出荷額とも大きく減少している。平成26年にはいずれも巻き返しているが、
今後の変化の見通しが難しい状況である。
財政状況
平成26年度(2014年度)決算
小野市
加東市
歳入決算総額
18,893,623 千円
18,504,576 千円
うち市税
6,956,268 千円
6,859,043 千円
うち地方交付税
3,029,519 千円
3,897,091 千円
歳出決算総額
18,423,742 千円
17,768,713 千円
経常収支比率
86.00%
83.30%
実質公債費比率
7.60%
6.70%
将来負担比率
0.00%
0.00%
平成26年度(2014年度)の経常収支比率の県内市町平均は92.4%、実質公債費比率の
県内市町平均は9.3%、将来負担比率の県内市町平均は70.7%で、両市ともいずれの指標
においても、兵庫県内で優れた比率を示している。
地域の強み(地域資源、観光資源、伝統、文化など)
・ダム機能を持つ地方拠点都市
小野加東は夜間人口より昼間人口が多く、周辺地域の中でダム機能を持つ地方拠点都
市の機能を果たしている(2010年の国勢調査においては、夜間人口89,861人に対して、昼
間人口93,351人)。産業機能と就業の場が豊富であり、大都会以外での就職、ワークライ
フバランス重視の職場を望む人を呼び寄せることさえできれば、地方消滅とは無縁なまち
となるであろう。
・道路交通の利便性が良い
南北方向に国道175号線、東西方向に国道372号線、中国自動車道、山陽自動車道が
通っていて、自家用車があれば、非常に便利である。神戸・大阪にも近く、1時間前後で着
くことができ、土日に遊びに行く人も多い。逆に、神戸・大阪から小野加東の観光レクリ
エーション施設に来る人も多い。特に、東条湖おもちゃ王国はNAVITIMEの自動車ルート
検索において、2014年の休日について、神戸三田プレミアム・アウトレットや朝来市の竹
田城跡、姫路セントラルパークに次いで、兵庫県内4番目の検索数であった。
【出典】RESAS(株式会社ナビタイムジャパン「経路検索条件データ」)
・ゴルフのまち
兵庫県は1903年に神戸ゴルフ倶楽部がオープンして以降、日本のゴルフ発祥の地とし
て知られているが、2014年に行われた経済センサスの基礎調査によると、北海道と千葉
県に次いで3番目に多い157のゴルフ場がある県である。そのうち、小野加東には三木市
の24、神戸市の23に次ぐ21のゴルフ場があって、ゴルフのまちだといえる。プロのトーナメ
ントも開催され、特に「ABCチャンピオンシップゴルフトーナメント」はABCゴルフ倶楽部にて
1988年以降毎年10月末に開催されている。この他、2003年~2009年の6月末にはマダム
Jゴルフ倶楽部にて「プロミスレディスゴルフトーナメント」が開催されていた。また、小野東
洋ゴルフ倶楽部では、2011年に「第79回日本プロゴルフ選手権大会」、2014年に「マダム
シンコチャレンジトーナメント」が開催された。東条湖おもちゃ王国と同じく、ゴルフもまた高
速道路を通じて、阪神地域から観光客を引きつけている。
市区町村別ゴルフ場数(上位10位)
40
35
26
30
24
24
23
22
22
21
20
19
16
16
中央区
加東市
16
16
10
0
市原市
港区
三木市
津市
神戸市
甲賀市
栃木市 名古屋市 豊田市
【出典】総務省「平成26年経済センサス‐基礎調査」のデータに基づき作成
大阪市 苫小牧市
・成人式大賞のまち
小野市は日本で一番成人式に力をいれている自治体だと言っても過言ではないだろう。
2001年に新成人式研究会が始めた成人式大賞において、2004年に奨励賞を受賞して以
来、13年連続受賞している。2009年には大賞を獲得し、大賞獲得自治体の中での優劣を
競うために2015年に新設された特別貢献賞も2年連続で受賞している。2009年のペットボ
トルキャップ回収活動をはじめ、新成人による様々な社会貢献活動が高い評価を獲得し
続けている。
また加東市もそんな小野市に触発され、2016年に初めて成人式大賞に申請し、成人式
企画賞を獲得した。「平成27年台風18号等に豪雨水害募金」「東日本大震災募金」を集め
た社会貢献活動が、時代にマッチした新しい企画として、認識された。企画だけでなく、今
後の内容・運営の向上が期待される自治体である。
・安全・安心なまち
今まで大きな災害はほとんどなく、火山噴火、津波、豪雪などの心配は基本的にない。
自治体も風水害と地震に的を絞って防災に取組んでいるのは、小野市長が2014年6月議
会で答弁しているとおりである。「要するに防災に対して、小野市が一番大事なことは何か
というたら、まず小野市の特性を知るということなんです、小野市の特性。・・・(中略)・・・。
風水害と基本的には地震と、この2つにやっぱり絞ったらいいと思うんですね。そういう中
で、河川改修と池の整備については、着実に進めておられますから、私は今大きな心配
は小野市においてはないだろうと思います。あとは、地震だけはどんな規模になるかに
よって、こればっかりは予測はつきません。」
・良好な子育て環境・教育環境
小野加東の子育て環境・教育環境は比較的良好だといえる。まず、人口の割に認定こど
も園・保育所が多く、待機児童がいない。親は子どもを預けて、仕事にいくことができる。さ
らに、入学後も各小学校にアフタースクールが用意されている。児童館も充実していて、
合計4か所ある。また、0歳から中学校3年生までの子どもを対象に、医療費が全額助成さ
れており、いざという時にも安心である(2016年4月より小野市では、医療費助成の対象を
高校3年生までに拡大)。教育については、兵庫教育大学の存在が大きい。附属の幼稚
園・小学校・中学校があり、親世代にとっては、子どもの教育の選択肢が増えてありがた
い。兵庫教育大学の学生は熱心で、教育実習が始まる前から子どもと接する機会を求め
て、北播磨青少年本部や小野市教育委員会、加東市教育委員会の実施する様々な事業
にボランティアで参加しており、教育環境の充実につながっている。また、市立図書館が5
館あり、市民の貸出密度(住民1人当たり年間貸出冊数)は全国一である。日本図書館協
会発行の『日本の図書館 統計と名簿』によると、加東市が2014年度まで10年連続1位の
ほか、小野市も2010年度~2012年度の3年間は1位であった(当時、加東市と小野市は人
口規模で異なる部門)。
2014年度市町村別貸出密度上位4位(人口4万人以上6万人未満)
加東市
高島市
野洲市
小野市
米原市
15.8
14.1
13.3
11.7
11.7
0
2
4
6
8
10
12
14
16
【出典】日本図書館協会図書館調査事業委員会(2016)『日本の図書館 統計と名簿 2015』のデータに基づき作成
18
地域の弱み
・20代前半の転出超過
小野加東では、ここ数年転出超過が進んでいるが、次の表は年齢階級別の内訳である。
2015年転出超過数
300
200
100
0
-100
191
3
5
-13
30
9
8
20
-11
29
5
-5
-8
-3
5
-11
-6
-1
-3
【出典】総務省「住民基本台帳人口移動報告」のデータに基づき作成
このように、20代前半の転出超過が著しく、全体では244人の転出超過であるのに対し
て、そのうち191人を占めている。就職時に神戸・大阪など都会に転出することが大きな要
因である。5~9歳と40~44歳、そして70代後半を除く55歳以上では転入超過であるが、巻
き返せていない。
・就業の場が豊富なことについて認知されていない
上記の弱みと関係するが、就業の場について十分に認知されていないと感じる。小野市
長も2015年6月議会の中で次のように答弁している。「雇用の場がないのではなくて、ある
んだけどもミスマッチなんですよ。自分が働きたいと思う会社、あるいは職場、あるいは自
分の、何というのかな、職業観という、それがマッチしないということもあるということは少
し、一定理解していただかないと、何か小野市には雇用の場がない雇用の場がないがひ
とり歩きしますと、工業団地だってたくさんあるし、人が不足してます・・・」。職業観がマッチ
する人を集め、人員不足を解消しなくてはならない。
・未婚率の上昇
上記の2つは社会増減に関する弱みであるが、自然増減に関する弱みとしては、小野加
東だけではない全国的傾向でもあるのだが、未婚率の上昇がある。国勢調査に基づい
て、1985年以降の20代後半と30代前半の未婚率を見てみよう。
年齢別未婚率の推移
80.0%
62.4%
64.1%
63.3%
60.0%
40.0%
20.0%
0.0%
22.8%
23.7%
5.4%
1985年
33.1%
28.9%
8.3%
1990年
男25~29歳
41.7%
33.8%
13.8%
1995年
女25~29歳
63.1%
45.3%
36.4%
21.2%
2000年
男30~34歳
65.3%
51.4%
41.2%
69.2%
57.1%
45.2%
30.4%
24.6%
2005年
2010年
女30~34歳
【出典】総務省「国勢調査」のデータに基づき作成
25歳~29歳の男性に関しては、65%前後でほぼ横ばいであるが、それ以外は右肩上がり
を示している。1985年と2010年を比較すると、25歳~29歳の女性は22.8%から57.1%へ、35
歳~39歳の男性は23.7%から45.2%へ、35歳~39歳の女性は5.4%から30.4%に上昇してい
る。上記の「地域の人口推移」の項目で年少人口の減少を確認したが、これには未婚率
の上昇が少なくない影響を与えているといってよいであろう。一生独身というライフスタイ
ルは全国的に増えてきているようなので、結婚や出産への圧力をかけるようなことは避け
なくてはならない。しかし、小野加東青年会議所のメンバーの周囲を見ると、そのような方
はほぼ見当たらないし、少なくとも結婚を望む人やその後の出産を望む人の希望がかなう
社会に小野加東をしなくてはならないだろう。
主な地域課題
「地域の弱み」の「20代前半の転出超過」を踏まえ、主な地域課題は次の通りとする。
①20代前半の大幅な転出超過の解消
②20代後半、30代のUターン促進
(20代前半で転出した人をUターンさせ、全体で転出超過を解消)
日本創成会議が発表した消滅可能性都市に該当してるか
□ 該当している
■ 該当していない
□ 一部地域が該当している