キャンピングカーの聖地『香住』の創造

地域再興政策コンテスト 応募用紙
1.応募者情報の入力
地域再興政策コンテストに応募する会員会議所の内容を下記にご記入ください。
ブロック名
郵便番号
TEL
記入者役職
活動エリア
LOM名
一般社団法人香住青年会議所
兵庫
住所
669-6544
兵庫県美方郡香美町香住区香住104
0796-36-0820
メールアドレス [email protected]
理事長
記入者名 中村 琢弥
兵庫県美方郡香美町香住区(旧・城崎郡香住町)
2.地域情報の調査と主な課題
地域の情報を調査し、地域の課題を抽出してください。
※別紙「地域情報入力シート」に記入し、応募用紙と合わせて提出すること
消滅可能性都市・少子高齢化・生産世代減少【詳細は地域情報入力シート】、
地場産業(漁業・水産加工業)の将来的な後継者不足・労働力不足、
主な地域課題 道路整備における日本有数の高速道路網の空白地域(ミッシングリンク)、
観光客の昼間滞在が少ないため観光消費が乏しい【詳細は政策立案の背景】、
主要産業の漁業に関連する観光関連サービス業が少ない
3.政策の名称とカテゴリ
政策名
キャンピングカーの聖地『KASUMI』の創造
政策カテゴリ 地方に新しいひとの流れをつくる
4.政策立案の背景
我々、香住青年会議所≪正会員11名、対象エリア人口11,637人(H28.6住民基本台帳ベース)≫の活動エ
リアとする香美町は、ユネスコ世界ジオパークの認定を受ける「山陰海岸ジオパーク」エリアに位置するこ
とが示すように、日本海と山間部の起伏や変化に富んだ自然豊かな地域です。それらの地形を利用して、
様々な地域産業が育まれており、松葉ガニ(ズワイガニ)や香住ガニ(紅ズワイガニ)に代表される魚介類
や、但馬牛の生産などの漁業農林水産加工業と、A級グルメの地としての観光宿泊業により、まちは活力
で溢れてきました。
しかし一方で、下図のRESAS【観光マップ・From-to分析・滞在人口】が示すように、滞在人口が月別で
は冬場に増加し夏場に減少する傾向があり、時間別では昼以降は国勢調査人口を下回る水準に低下して
いる。これは良くも悪くも、まちの産業がカニ等魚介類に依存する傾向が顕著であることと、昼以降の滞在
箇所が少ないことが起因していると思われる。
資料:RESAS
資料:RESAS
また、香美町は、2040年人口推計結果で若年女性の減少率が対2010年比63.0%となる消滅可能性都市
とされています。2015年国勢調査でも対5年前人口増減率は-8.22%になっており、急激な人口減少・少子
高齢化が進行しています。さらに、2018年に断片的に一部供用開始する鳥取豊岡宮津自動車道により、
香美町は高規格道路の通過点となりつつあります。
そのような中で、地域内消費の増大を図り、地域経済をさらに活発にするための新たな交流人口拡大に
向けた取り組みが必要であると考え、近年飛躍的で毎年5,000台近くの保有台数の増加をみるキャンピン
グカーに着目した地域再興政策の立案に至りました。キャンピングカーユーザーは、一般の観光旅行(宿
泊施設利用の場合)と比べ2泊3日以上の比較的長期旅行を体験していることが多いことからも、既存の観
光資源を生かした現在の観光の谷間の期間(夏季、昼間)の交流人口増加を図ることが出来ると考えられ
る。
●キャンピングカー総保有台数の推移
★別紙、地域情報入力シートにも背景を追記。
資料:(一社)日本RV協会 2015.6.29付プレスリリース
5.政策の目的
キャンピングカーの聖地を推し進め、実現することで、
観光の谷間の期間(夏季、昼間)の交流人口の増加を図る。
●新しい人の流れを創り、香美町の滞在人口(2014年:平日滞在人口率1.53倍、休日滞在人口率1.68倍)
を、平日2割増、休日3割増に増加させる。
⇓ その結果
●新たな産業と雇用を創出し、若年層の人口流出の抑制や地域経済の成長を実現する。
●地域内遊休地の効果的な利活用を実現する。
●地域一体となった「おもてなしの心」再構築を図り、まち全体の強固なコミュニティを創造する。
●滞在観光者のSNS等情報発信により、更なる交流人口の増加を促す正のスパイラルを生み出す。
6.政策立案・実行に関わる関係者(団体)
香住青年会議所と、そのLOMメンバーが政策の展開主体者となる。
そのうえで、下記に示す多くの賛同者、参画者を巻き込みながら、民間主導のまちづくりに地域全体で取り
組む。
特に、協力者として、大きな役割【施設維持管理、観光体験プログラムの立案・情報提供】を担う香美町観
光協会(民間の観光業・宿泊旅館業で組織)と深い連携のもと政策実施展開する。
=======================================
その他、協力者・参画者
【 】内は、その役割分担を示す
<行政関係>
・香美町【遊休地使用許可応諾・PR活動】 ・兵庫県但馬水産事務所【遊休地使用許可応諾】
・兵庫県但馬県民局
<各種団体・事業所>
・香美町社会福祉協議会【施設維持管理業務】 ・シルバー人材センター【施設維持管理業務】
・香美町観光協会【施設維持管理業務/滞在型観光プログラムの立案・情報提供】
・香美町商工会【関連産業企業支援/PR活動】 ・但馬漁業協同組合【滞在型観光プログラムの提供】
・かすみ矢田川温泉【ユーザーに対する温泉入浴料の優待】
・香住水産加工業協同組合【地元食材パックの企画・製作・販売/滞在型観光プログラムの提供】
・但馬バーベキュー協会【滞在型観光プログラムの提供】 ・(有)北近畿環境開発【ごみ処理業務】
・香住青年会議所OB会 ・美方青年会議所 ・香住ロータリークラブ
・香住丼を広める会【地元食材提供】 ・山陰海岸ジオパーク推進協議会【PR活動】
・ジオパークマスター【滞在型観光プログラムの情報提供】 ・町内食品小売店組合【地元食材提供】
<学校関係>
・県立香住高等学校【滞在型観光プログラムの立案】 ・県立村岡高等学校【滞在型観光プログラムの立
案】
<広報・報道関係>【情報発信】
・新日本海新聞社 ・神戸新聞 ・毎日新聞 ・読売新聞 ・産経新聞 ・朝日新聞 ・FMジャングル
・KissFM神戸 ・サンテレビ
7.政策内容の詳細
政策内容の画像やイメージを用いて、具体的な政策の内容を下記にご記入ください。
※補足資料がある場合は、あわせてご送付ください。
※補足資料は20MBを超えないようご注意ください。
★★ 日本一のキャンピングカーの聖地『KASUMI』の創造 ★★
~停まれば別荘、何かがありそう~
兵庫県香美町香住エリアは、古くから漁業水産加工業のまちとして活気に溢れ、中でも冬の
味覚「松葉ガニ」(ズワイガニ)を目玉とした観光宿泊地として、広く認知されてきました。
一方で、休漁期の観光宿泊業の入込数は従前より多いとは言えず、年間を通じた新たな交流
人口の拡大は課題であります。
そこで、近年飛躍的に保有台数が増えているキャンピングカーに着目し、日本一の利用可能
台数を誇る「RVパーク」(詳細は後述)の設置をする。
また、来訪者に対して「長期滞在観光プログラム」(詳細は後述)など、非日常的な生活を満喫
できる空間環境を提供することで、交流人口拡大に繋げる。
■日本一の利用可能台数を誇る「RVパーク」の設置
キャンピングカーオーナーの車中泊エリアとして、道の駅やサービスエリア・パーキングエリア
などの公共の駐車場が利用され、不当に長く滞在したり、生活ごみを不当投棄する行為が社会
問題になってきている。そのような中で、キャンピングカーオーナーが、たとえ有料だとしても安
心して車中泊できる公認エリアの需要が高まってきている。
そこで、日本RV協会が認定するキャンピングカーのための駐車場「RVパーク」を、香住エリア
にある「しおかぜ香苑」内に設置し、日本一の規模のものを用意することで、キャンピングカーの
聖地として、新たな人の流れを香美町に創り出す。
RVパークの施設維持管理は、民間の観光業・宿泊旅館業で組織される香美町観光協会が担
い、新たな雇用を生み出す。
●RVパークを利用したい人の割合
●RVパークを利用したいと思う理由
資料:キャンピングカー白書2014
資料:キャンピングカー白書2014
日本RV協会認定「RVパーク」の条件(【 】内は設置予定場所の現状)
・ゆったりとした駐車スペースで、一週間くらいの滞在が可能【必要十分なスペースあり】
・24時間利用が可能なトイレ【整備済み】
・100V電源が使用可能【今後、整備が必要】
・入浴施設が近隣にあることが望ましい【車で8分の所に日帰り入浴施設あり】
・ゴミ処理が可能【今後、ゴミステーションの設置が必要】
・入退場制限が緩やか。予約が必須ではないこと【対応可能と考える】
以上により、RVパーク設置は、キャンピングカーユーザーを取り込むための手段として効果的
であり、かつ、計画予定地の設置は比較的容易である。
■ドライバーを待ち受けるは目を見張る大自然
香美町は、山陰海岸国立公園と山陰海岸ジオパークエリアに位置することが示すように、日
本海と山間部の起伏や変化に富んだ自然豊かな地域です。また、RVパーク設置予定場所は、
目の前に雄大な日本海が広がり、潮騒の音が心地よい、大自然を感じる場所です。
さらに、香美町は日本有数の高速道路網の空白地域(ミッシングリンク)として、最寄りのイン
ターチェンジから70分の所要時間がかかりますが、逆説すると、それだけ山・川・海が体感でき
る一般道の景色をいっぱいに浴びながらの道中は、都会の喧騒を忘れさせてくれるに充分な環
境がすでに整っています。
香美町の自然・建造物
・雄大な日本海、潮騒
・日本風景街道「但馬漁火ライン」
・日本の夕陽百選「香住海岸」
・日本の棚田百選「うへ山の棚田」
・日本の滝百選「猿尾滝」
・日本の名水百選「かつらの千年水」
・土木遺産「旧余部橋りょう」 その他、多数。
政策の詳細
■非日常を体感する長期滞在型観光体験プログラムの提供
着地型観光による観光客の滞在時間の拡大と観光消費額を増やす取り組みとして、雄大な
景色を感じてもらうだけでなく、これまで単発で行われていた観光体験プログラムを一体化し、
周遊プランとして組み合わせることで長期滞在型観光体験プログラムとして提供し、非日常を体
感していただく。
また、ジオパークガイド、インストラクターの養成等、山陰海岸ジオパークを最大限に生かすジ
オツーリズムを創出する。
これら観光プログラムの立案は、観光協会・漁業協同組合・水産加工業協同組合と連携し、民
間の知恵と総意を結集して、創り出す。
この体験をもって、特に夏季と昼間を含めた滞在人口の増加につなげ、ここでも新しい雇用を
生み出す。
・水産加工品の製造体験(ちくわ、するめいか、缶詰)
・地引網体験・バーベキュー
・漁港の朝(選別・朝市セリ)の見学
・カヤックによる日本海散策
・定置網漁業の網上げ体験・選別見学
・漁船によるジオパーク海岸クルージング
・棚田での田植え・稲刈り体験
・漁網の修理体験
・酒造見学
地引網体
験
缶詰作り
セリ見学
長期滞在型
観光体験プログラム
浜揚げ見
学
酒蔵見学
農業体験
スノー
シューハイ
キング
日本海カヤック
■”日本一食材”が輝く地元食材パックの販売
キャンピングカーユーザーの旅行中の食事は、「レストラン等で外食」が多くを占めるものの、
「キャンピングカー内での自炊」というケースも少なくない。
一方で、香美町は、宿泊施設数は近隣市町と比べて多いが、飲食サービス業は少ない。
しかしながら、香美町は、松葉ガニ(ズワイガニ)や関西で唯一、香住漁港でのみ水揚げされ
る紅ズワイガニ(香住ガニ)を始めとする魚介類が有名である。
また、全国の黒毛和牛の繁殖メス牛のうち99.9%が当地の但馬牛「田尻」号の子孫である。
さらに、全国米・食味コンクールで連続して金賞を受賞する村岡米の産地でもある。
これらのA級グルメを目玉とした「香美町海の幸パック」や「香美町山の幸パック」を町内の漁
協・水産加工所の直売所や小売店・スーパーで協働し販売してもらうことで、当地の魅力である
グルメも気軽に楽しめる環境を整える。
★さらなる展開
香美町は、2005年に香住・村岡・小代の3町が合併して誕生した。町の中心を南北に矢田川水
系が貫流し、山・川・海がある雄大な自然に恵まれている。
ところで、2016年5月11日現在、RVパークは全国に68施設。うち関西エリアには2施設しか無
い。そこで、上述の香美町香住エリアでの全国最大規模のRVパーク開設を皮切りに、将来的
には、村岡エリアや小代エリアにもRVパークを設置し、観光協会の各支部が主体となって運営
する。町内複数個所のRVパークの運営によって、1泊目は香住エリア(海エリア)、2泊目、3泊
目は村岡エリア・小代エリア(山エリア)といった、周遊プランも提供し、町をあげた日本一のキャ
ンピングカーの聖地として、従来型の観光客との共存を図り、さらなる交流人口・滞在人口の拡
大に繋げていきたい。
★日本一のキャンピングカーの聖地「KASUMI」の創造
2017年4月
政策のポイント
■日本一の利用可能台数を誇る「RVパーク」の設置
【観光における新規需要産業への対応】
↓
■非日常を体感する長期滞在型観光体験プログラムの提供
【交流人口・滞在人口の拡大により地域内消費の拡大につなげる】
↓
■”日本一食材”が輝く地元食材パックの提供
【地元A級グルメの新しい提供方法により気軽に香美町の魅力を感じてもらう】
↓
2018年4月
■町内に複数のRVパークの設置
【香美町香住(海エリア)にとどまらず、
山エリアにもRVパークを設置し、複数泊を狙った周遊プランの提供】
2016年8月 『JC地方創生投資(クラウドファンディング)』
活用する制度・
政策実現のための費用確保
税制優遇
特区申請など
2017年3月 『日本RV協会認定「RVパーク」』の申請認可
(必要に応じて)
広く周知を図るため
①
RVパーク設置の事業計画地である「しおかぜ香苑」は、ルネッサンス計画という事業計
画認可を受けて開発(海岸埋立)されたものであるが、当初計画(文化交流施設、地域
産物展示・販売施設、朝市公園、多目的広場)の施設建築まではされておらず、当初計
画の完遂が長期にわたりペンディングの状態にある。しかしながら、当初計画外の行為
をすることに対しては、事業計画の認可申請が必要である。
②
事業計画地は、漁港施設として整備されているため、漁港関連施設外の行為に対し
て、占有許可が必要であり、占有料金も発生する可能性がある。
上記問題を克服するために、詳細な事業計画を立案し、香住青年会議所によるRESA
Sを用いた町民説明会を実施し、町民の理解を得て計画の認可申請を行う。香美町の
分析から考える「キャンピングカーの聖地」町民説明会を実施し、町民気運を高め、署
名活動によって、香美町・兵庫県・香美町議会・県議会に働きかけることで、上記問題を
克服する。
政策実現
に向けての課題
事業計画地
事業計画地
■初期投資に係るもの
【収入】
単位:円
科 目
金 額
(一社)香住青年会議所 事業費より
400,000
JC地方創生投資(クラウドファンディング)
4,000,000
合 計
4,400,000
【支出】
単位:円
科 目
適 用
金 額
アスファルト舗装工事(1,000m2)
RVパーク設置費
3,000,000
ゴミステーション設置費
100,000
100V電源供給施設設置費
1,000,000
Wi-Fiフリースポット設置費
300,000
合 計
4,400,000
■RVパーク運用開始後に係るもの
広く周知を図れた将来的には、RVパーク利用車数300台/月を目指すが、運用初期は30台/
政策実現にかかる 月の利用車数しか無いものとして、月単位での収支を検証する。
費用と財政計画
【収入】
単位:円
科 目
金 額
RVパーク利用料金 30台@2,000円
60,000
ゴミステーション利用希望者制によるゴミ袋販売費(40L) 15袋@800円
12,000
合 計
72,000
【支出】
単位:円
科 目
金 額
RVパーク予約受付業務委託料(観光協会へ)
30,000
一般廃棄物分別・運搬・処理費
12,000
Wi-Fi使用定額料金
5,000
合 計
47,000
※収支残高は、将来的な施設老朽化維持費用や、新規RVパーク設置費用に充てるため積み
立てる。
少なくとも20台/月の利用者があれば、自主的に事業を継続できる財政計画は整う。
★利用料収入で地域内消費の拡大を図る訳ではなく、来場者による副次的な地域内消費の拡
大を目的とする。★
●キャンピングカーユーザーの年齢構成
資料:キャンピングカー白書2014
キャンピングカーユーザーの年齢構成は、「60歳代」が最も多く、「50歳代」「70歳代」を合わせ
た三つの世代で全体の7割に達する。これに40歳代を加えると、40歳代~70歳代の比率は全体
の94.5%になり、定年退職したり、子育てを離れ、比較的自由な時間とお金を有するユーザー
が多いことも、キャンピングカーに着目することは地域内消費拡大のためのマーケットとして、有
望である。
●キャンピングカーユーザーの購入後の旅行スタイルの変化
その他
補足資料
資料:キャンピングカー白書2014
キャンピングカーを購入してからの旅行スタイルの変化については、最も多い回答が「出発時
間や目的地を気楽に決められるようになった」こと。また、旅行中の楽しみとしては「温泉めぐり」
に人気が集まり、キャンピングカー旅行に必ず携行していくものとして、「温泉セット(立ち寄り湯
用入浴セット)」の回答が6割を超える。このことからも、町内に源泉を有する4つの自然豊かな
日帰り温泉施設と、近隣に多くの観光スポットを有する当地域は、キャンピングカーユーザーに
とって魅力的な地域であることは間違いない。
『修正・加筆のポイント』
大きな修正・加筆は行っていません。
既に、「応募時のガイドライン」に則った記載をさせて頂いていましたが、審査員の方が見やす
いように、ポイントとなるキーワード等を朱書きしました。
地域再興政策コンテスト 地域情報入力シート
ブロック名 兵庫
記入者役職 理事長
LOM名
記入者名
一般社団香住青年会議所
中村 琢弥
※応募シートとあわせて、メールにてご送付ください。
※地域経済分析システム(RESAS)などを使用した、客観的なデータの活用を推奨します。
地域の人口推移
香美町の人口は、国勢調査によると2010年から2015年の人口増減は、-8.22%であり、
増減率は県下41市町中38位となっている。また、2015年の18,000人台から、10年後の2025
年には15,000人台へと減少するとの推計が為されている。これは「自然減」と「社会減」の
状態が続いており、人口、世帯数ともに、今後も、減少傾向にあることに起因する。また、1
世帯当たり人口も減少し2010年に3.05人となっている。年齢3区分人口割合は、年少人口
(0~14歳)割合と生産年齢人口(15~64歳)割合が減少し、老年人口(65歳以上)割合が
増加している。しかも、これは主に都市部に見られる傾向の高齢者人口が増えていくわけ
ではなく、全世代にわたって減り続けていくと推測されている。
資料:RESAS
香美町の高校生の約8割が進学や就職を機にまちより流出し、子育て時に流入している
傾向がある。また、20~30歳代は、兵庫県内の南部地域(姫路市、西宮市、神戸市)への
転出割合が高い。
資料:RESAS
地域の産業構造とその変化(見通し)
香美町の就業人口は年々減少し、2010年には9,203人となっています。産業別には、第1
次産業就業者、第2次産業就業者が減少し、産業別の構成比においては2000年以降、第3
次産業が過半数を占めているものの、やはり全産業において減少傾向にあり、これは今
後も続くものと考えられる。
とりわけ、第1次産業である農業の就業者数の減少は激しく、特に兼業農家数の減少が
顕著である。
●産業別就業者数
産 業
第1次産業
農 業
林 業
漁 業
第2次産業
鉱 業
建設業
製造業
第3次産業
電気・ガス・熱供給・水道業
運輸・通信業
卸売・小売業、飲食店
金融・保険業
不動産業・物品賃貸業
サービス業
公 務
分類不能
総 数
平成2年
2,853
2,170
42
641
4,712
10
1,304
3,398
5,718
40
541
1,826
270
16
2,565
460
3
13,286
平成7年
2,608
2,057
42
509
4,444
3
1,387
3,054
5,926
34
465
1,840
265
9
2,835
478
18
12,996
平成12年
1,844
1,363
52
429
3,847
6
1,539
2,302
6,139
70
460
1,963
256
9
2,910
471
15
11,845
平成17年
1,901
1,511
0
390
3,287
3
1,284
2,000
5,720
47
301
1,464
179
4
3,323
402
20
10,928
平成22年
1,108
740
53
315
2,746
4
914
1,828
5,325
39
324
1,293
164
23
3,074
408
24
9,203
資料:国勢調査
●農家戸数の推移
資料:農林業センサス
主要産業とその変化(見通し)
香美町内の香住漁港と柴山漁港で水揚げされる松葉ガニ(ズワイガニ)の漁獲量は全国
で1位であり、また近畿で唯一水揚げがされる香住ガニ(紅ズワイガニ)を代表とする魚介
類が有名である。近年、漁業就労者数は減少傾向にあるものの、依然これら海の幸を活
かした水産加工業(製造業)と飲食宿泊業の就労者数は、まちの大きな雇用を生み出して
いる。
ただし、漁法により休漁期は異なるが、漁獲高の高い底引き網漁法の休漁期が6月~8
月までの夏季にあたり、これらに関連する産業が従前より季節就労となっている。
●産業別民営事業所数と従業者数
平成11年
平成13年
平成16年
平成18年
平成23年
事業所 従業者 事業所 従業者 事業所 従業者 事業所 従業者 事業所 従業者
第1次産業
28
241
25
292
21
228
21
230
21
287
第2次産業
527 4,019
454 3,585
394 3,206
379 3,009
326 2,564
鉱 業
2
8
2
32
2
5
2
8
3
7
建設業
241 1,414
235 1,434
211 1,287
202 1,134
162
859
製造業
284 2,597
217 2,119
181 1,914
175 1,867
161 1,698
第3次産業
1,389 5,446 1,285 4,922 1,194 4,822 1,157 4,839
846 4,319
電気・ガス・熱供給・水道業
3
18
4
20
4
33
2
15
2
15
情報通信業
4
13
6
17
6
17
5
15
7
18
運輸業・郵便業
28
344
27
188
26
186
23
286
28
378
卸売・小売業
548 1,903
504 1,805
457 1,601
447 1,594
331 1,344
金融・保険業
22
293
19
153
17
124
19
145
14
115
不動産業・物品賃貸業
10
26
12
20
11
30
11
27
22
66
飲食店、宿泊業
402 1,400
370 1,380
335 1,424
318 1,246
269 1,394
医療・福祉
41
286
39
367
39
416
43
503
47
471
教育、学習支援業
65
106
58
89
52
88
50
91
25
74
複合サービス事業
25
425
24
281
19
184
29
296
20
161
サービ ス業(他に分類されないもの)
241
632
222
602
228
719
210
621
81
283
総 数
1,944 9,706 1,764 8,799 1,609 8,256 1,557 8,078 1,193 7,170
産 業
資料:事業所・企業統計調査 H23から経済センサス活動調査
上述の産業である、漁業、食品製造業、宿泊業はRESAS【産業マップ・稼ぐ力分析・産業
別特化係数】を見ると、全国平均と比しても、付加価値額および従業員数が高い数値であ
り、当地の主要産業と言える。
●産業別特化係数(2012年)
付加価値額
労働生産性
従業員数
漁業(水産養殖業を除く)
食料品製造業
宿泊業
資料:RESAS
香美町の観光入込数は、年によって多少の増減が見られるものの、130~160万人台で
推移している。ただし、冬季はカニ等魚介類に起因する観光客やスキー客でにぎわうが、
夏季は決して多くはない海水浴客等によるものであるため、年間を通じた交流人口の拡大
が課題である。
●観光客入込数の推移
資料:兵庫県観光客動態調査報告書
財政状況
●一般会計(平成26年度)
区 分
歳 入
うち地方税
うち地方交付税
歳 出
うち人件費
うち公債費
うち建設事業費
(災害復旧費含む)
実質収支
地方債現在高
基金現在高
(財政調整基金)
標準財政規模
財 実質収支比率
政 経常収支比率
指
標 実質公債費比率
等 地方税徴収率
財政力指数
決 算
15,130,907 千円
区 分
国民健康保険事業
1,815,354 千円
後期高齢者医療保険事業
14,808,446 千円
2,795,936
歳 出
2,721,228
278,765
278,050
2,207,565
2,207,022
財産区
6,105
5,549
町立地方卸売市場事業
1,825
1,825
国民宿舎事業
30,534
30,534
矢田川憩いの村事業
36,588
36,588
宅地造成事業
12,384
12,384
介護保険事業
6,866,568 千円
歳 入
1,950,162 千円
2,429,670 千円
区 分
2,777,151 千円
306,069 千円
18,505,239 千円
5,090,865 千円
( 2,814,478 千円)
8,641,526 千円
収 入
支 出
公立香住病院事業
収益的収支(税抜き)
1,187,853
1,285,829
資本的収支(税込み)
133,083
251,528
水道事業
収益的収支(税抜き)
510,589
656,650
資本的収支(税込み)
133,083
251,528
下水道事業
3.5 %
収益的収支(税抜き)
1,764,807
1,797,891
81.1 %
資本的収支(税込み)
515,772
1,023,067
13.6 %
91.2 %
0.254
地域の強み(地域資源、観光資源、伝統、文化など)
●県内トップで全国的にも高い付加価値額を創出する漁業
漁業
445百万
306百万
都道府県内
全国
255百万
197百万
資料:RESAS
香美町
豊岡市
鳥取市 舞鶴市
資料:RESAS
●その漁業の中の主力品である、「香住松葉ガニ」と「香住ベニズワイガニ」は全国のブランド“カニ”の“認
知度”(知っている)、“興味度”(興味がある)、“経験度”(知っているし食べたことがある)において、全国
でもトップ10に入る。
資料:(株)リクルートライフスタイル 2015調査
●人が旅に関する嗜好について興味あるものへの複数回答結果は、上位より「温泉」「料理」「景色」「海
鮮」の順に続くが、香美町は町内に源泉を有する4つの日帰り温泉施設を持つ「温泉」のまちである。また、
松葉ガニ(ズワイガニ)・香住ガニ(紅ズワイガニ)・但馬牛に代表されるA級グルメの「料理」が自慢のまち
である。さらに、山陰海岸ジオパークの中心地に位置することが示すように山・川・海の自然豊かで、冬に
は雪も降る四季が楽しめる素晴らしい「景色」のまちでもある。そして、上述のカニ等の海産物の他、ノドグ
ロ、エビ、白いか、カレイ、ハタハタ等、四季通じて「海鮮」が豊富なまちでもある。つまり、旅の嗜好4大カ
テゴリーを全て網羅するまちである。
資料:(株)リクルートライフスタイル 2015調査
●「山陰海岸国立公園」、「山陰海岸ジオパーク」エリアの中心に位置し、山地が直接海に接するリアス式
海岸(沈水海岸)で、海食崖、海食洞、岩礁などが著しく発達し、海域と一体となった変化に富む海岸景色
を始め、山岳地帯では、新しい時代の火山活動で噴出した溶岩などに出来た多くの滝が見られるなど、多
くの自然を有する。
==香美町の自然==
・雄大な日本海、潮騒 ・日本風景街道「但馬漁火ライン」
・日本の夕陽百選「香住海岸」 ・日本の棚田百選「うへ山の棚田」
・日本の滝百選「猿尾滝」 ・日本の名水百選「かつらの千年水」
など多数。
●香美町の観光資源
・円山応挙と弟子による障壁画などが国指定重要文化財とされる「大乗寺」
・明治45年の完成から100年間JR運行を支えた余部鉄橋の橋脚を活かした「余部鉄橋 空の駅」
・多彩なゲレンデを持つ「ハチ北高原スキー場」「おじろスキー場」などの4つのスキー場
・兵庫県観光百選1位の高原に設立された「但馬高原植物園 瀞川平」
・釈迦如来像が木造座像として世界最大の「長楽寺」
・ジオパークの魅力と町の人々の文化を紹介する「ジオパークと海の文化館」
・氷ノ山後山那岐山国定公園に属する「久須部渓谷」
・海面から高原までの高さが284mと日本一高い場所にある「余部埼灯台」
・森や木の素晴らしさを紹介する自然学習施設「木の殿堂」 など多数。
地域の弱み
●飲食サービス業の事業所数が少ないため、滞在できる場所の少なさに繋がり、昼以降の滞在人口・滞
在時間に寄与できていない可能性がある。
事業所数
産業:飲食サービス業
香美町
豊岡市
鳥取市
舞鶴市
京丹後市
資料:RESAS
●最寄りの高規格道路インターチェンジから車で所要70分である日本有数の高速道路網の空白地域(ミッ
シングリンク)。また、JR・高速バス・路線バスの運行本数やタクシーの車両運行台数も少なく、公共交通
も利便性に乏しい。
香美町まで
○神戸市より、車で2時間45分
○大阪市より、車で2時間50分
○京都市より、車で3時間15分
それらのうち、一般道の走行時間は 70分
●既存施設【しおかぜ香苑(今回の事業計画地)や香住漁港東港など】の有効活用が出来ていない。
●既存の観光資源が豊富であるが故に、逆に各々が半ば独立しており、連携をとった対外PRが出来てい
るとは言えない。
●様々なまちづくり団体があり、それに参画する町民の意識は高いものの、逆に各々が独立した関係にあ
り、連携をとったまちづくり活動が出来ているとは言えない。
主な地域課題
消滅可能性都市・少子高齢化・生産世代減少【詳細は地域情報入力シート】、
地場産業(漁業・水産加工業)の将来的な後継者不足・労働力不足、
道路整備における日本有数の高速道路網の空白地域(ミッシングリンク)、
観光客の昼間滞在が少ないため観光消費が乏しい【詳細は政策立案の背景】、
主要産業の漁業に関連する観光関連サービス業が少ない
日本創成会議が発表した消滅可能性都市に該当してるか
■ 該当している
□ 該当していない
□ 一部地域が該当している