「第3回技術講演会・出展技術発表会」 エコクレイウォールⅡ工法 NETIS KT-160027 -A 堤体 エコクレイウォールⅡ工法 平成28年 堤体漏水対策 7月13日 ライト工業株式会社 建設技術審査証明報告書(建技審証 第0701号) 一般財団法人 土木研究センター 平成24年5月内容変更・更新 NETIS KT-160027 -A ARIC登録番号NO.0403 建設技術審査証明書 学術賞受賞 (公社)地盤工学会関西支部 エコクレイウォールⅡ工法※1)の概要 本工法は、天然無機の粘土鉱物と原位置土を混合撹拌す ることで地盤に均一な粘土遮水壁を造成する工法であります。 ・地震時のせん断破壊 従来の遮水壁工法 ・長期耐久性 硬化させることで遮水 ・ジョイント部の信頼性 ソイルセメント遮水壁工法 セメントを使用 ・セクション部の信頼性 鉄板を地盤に挿入する ・地震時・後の遮水性 鉄の壁を使用・長期耐久性 ことで遮水 鋼矢板工法 エコクレイウォール材※2) 天然の粘土鉱物使用 粘土の壁で遮水 ※1)エコクレイウォールⅡ工法「以下ECウォールⅡ工法」という ※2)エコクレイウォール材「以下ECウォール材」という 使用材料は天然粘土鉱物 使用する材料は、粘土鉱物(ベント ナイト)です。 ベントナイトは、産業に利用される 粘土の中でもポピュラーなものです。 地質的には、今から数億年前の火 山噴火によって堆積した火山灰や凝 灰岩などが熱水と反応して生成され たと考えられています。 化粧品や食品添加物、薬局方面に 使用が認められています。 (安全な材料:環境省告示第46号による溶 出試験にて安全性を確認済みです。) 遮水材料 水+ECウォール材 ECウォールⅡ + = 掘削液混合試料 掘削液 ECウォールⅡ供試体 粉体状のECウォール材 工法の特長 (1)長期耐久性 (技術審査証) ・壁体の劣化がなく長期耐久性に優れる。 (2)幅広い遮水性能 (技術審査証) ・k=1.0×10-9(m/s)以下までの要求遮水性能に適用可能。 (3)地震に対する信頼性 (技術審査証) ・変形追随性能・自己修復性能により、地震時の信頼性に優れる。 (4)吸着能 (技術資料) ・層状構造の壁体であり、重金属などの汚染物質を吸着する。 (5)経済性 (技術審査証) ・排泥が発生せず、処分費が生じないことから経済性に優れる。 (6)環境配慮型遮水壁工法 (NETIS) ・材料生成までに発生するCO2排出量が少ない。(低炭素循環社会促進) 従来技術との比較 比較項目 ①使用材料 ②遮水性能 ③長期耐久性 ④壁体性能 ⑤排泥量 鋼矢板工法 鉄 ⑧経済性 ⑨環境負荷 ECウォールⅡ工法 セメント 環境に優しい 天然無機の粘土鉱物 環境省告示第46号溶出試験クリアー 六価クロムの溶出確認 K=1.0×10-7m/s K=1.0×10-8m/s 30~50年程度 30年以上 技術審査証 一財土研センター K=1.0×10-9m/s 技術審査証 一財土研センター 215年 深層混合マニュアル 一財土研センター 技術審査証 一財土研センター 変形追随性能 × 変形追随性能 × 変形追随性能 ○ 自己修復性能 × 自己修復性能 × 自己修復性能 ○ 排泥なし 対象土量の40~90% 発生しない(盛り上がり土)程度 ラップ施工 吸水膨潤による密実なラップ N値100未満、礫径φ100mm以下 N値50未満または100未満礫径φ50mm以 下またはφ100mm以下 ⑥ジョイント方法 セクション部のラップ ⑦適用地盤 ソイルセメント 地中連続壁工法 Nmax<50 技術審査証 一財土研センター 技術審査証 一財土研センター 遮水壁長短い 優位 遮水壁が長い Nmax<50 Nmax>50 環境負荷低減工法 優位 技術審査証 一財土研センター 遮水壁が長い Nmax>50 優位 材料生成までに発生する CO2発生量が大幅に削減 壁体の変形追随性能 ECウォールⅡ供試体の一軸圧縮試験結果 ◇ECウォールⅡ一軸圧縮試験状況 ◇ソイルセメントの一軸圧縮試験 P 破壊的な挙動が確認できる 30 ECウォールⅡ供試体の配合 掘削液 CASE 注入量 (L/m 3 ) EC100 EC150 EC200 100 粉体添加量 掘削液内粉体混 (kg/m 3 ) 3 合量(kg/m ) 95 5 ECウォール材 総混合量 (kg/m3 ) 100 145 150 195 200 圧縮応力 σ (kN/m2) せん断破壊 破壊的な挙動が確認されない 20 10 EC100 EC150 EC200 0 0 20 40 圧縮ひずみ ε 60 (%) 供試体応力-ひずみ曲線 土木学会第67回年次学術講演会 ECウォールⅡ工法の地震時挙動 模型断面図 SBの遮水壁の残留変形 第45回地盤工学会研究発表会(2010年8月) 地中連続遮水壁に用いるソイルベントナイトの動的特性と地震時挙動京都大学 栗原太志 他 ECウォールⅡの自己修復性能 ①スリットにて不連続面を生じさせた場合の試験結果 透水係数(m/s) 1.0×10-8 不連続面 k=1.0×10-9 (m/s) 1.0×10-9 1.0×10-10 1.0×10- 11 経過日数 スリット設置供試体 スリット引き抜き完了 不連続面を生じさせた試料の透水係試験結果 ②せん断を受けたECウォールⅡ供試体の透水試験結果 透水係数(m/s) 1.0×10-9 k=1.0×10-9(m/s) せん断面なし せん断面あり 1.0×10-10 ECウォールⅡ 1.0×10-11 せん断を受けた試料の透水試験結果 ECウォールⅡ供試体せん断状況 供試体採取位置 ECウォールⅡ工法 ECウォールⅡ工法 機械名 小型等厚式施工機 大型等厚式施工機 本体重量 50.8t 本体重量 95.2t 機械寸法 施工深度 5.0~40.0m 壁 厚 550~850mm 土 質 N値100未満、礫径φ100mm以下 材 料 平均接地圧89kN/m2 平均接地圧159kN/m2 5.0~15.0m 550mm N値50未満、礫径φ50mm以下 ECウォールA材(膨潤力17~23ml/2g) ECウォールB材 (膨潤力15~17ml/2g) 配合Aタイプ(掘削液:ECウォールA材+粉体ECウォールA材) 要求遮水性能:k=1.0×109(m/s) 配合Bタイプ(掘削液:ECウォールA材+粉体ECウォールB材) 要求遮水性能:k=1.0×108(m/s) 適用例 堤体の漏水対策 最終分場の遮水壁 調整池の遮水壁 汚染土壌の封じ込め 施工方法 布掘り(標準形状1.0×1.0m) 断面形状 布掘り施工状況 ECウォールⅡ工法の施工サイクル(小型等厚式施工機の場合) 大型施工機械 粉体供給装置 10m 10m スラリープラント 10m 大型等厚式施工機 等厚式施工機による出来形 柱列式施工機 柱列式施工機による出来形 プラント設備 カッターポスト 小型等厚式施工機 施工状況 掘削状況 施工状況 粉体造成状況 施工実績 施工概要 平成20年度総合治水対策特定河川工事 発注者 神奈川県藤沢土木事務所 17 .9 42 D池 周囲堤 遮水工縦断図 平成22年度 総合治水対策特定河川工事(その13) DN o. 25 + 0. 00 0 DN o. 17 + DN o. 10 +6 .8 71 DN o. 0+ 6. 50 0 砂礫地盤でも可能な工法、鋼矢板・ソイルセメントより安価、壁体 接続部の信頼性(コールドジョイント等の懸念)が評価。 A・B・C・D池全ての遮水壁工事であり、平成21年度から工事開始。 平成22年度 総合治水対策特定河川工事(その27) 無排泥粘土遮水壁工 L=200.4m 無排泥粘土遮水壁工 L=177.9m 有孔管VP300 260000 ① ② 46.9m N値 N値 0 10 20 30 40 50 B ▽21.14 ▽H.W.L 22.042 I=1/288 I=1/288 500 ▽21.14 LEVEL Ac Ac 15379 15833 15379 15367 15867 18723 18265 17765 17782 17282 16816 16316 16333 16800 Tuc 不透水層に1.0m以上根入れ ▽-1.733 ▽-2.233 ▽-2.458 ▽-2.733 ▽-3.233 ▽-3.458 ▽-3.733 DNO.25 +17.942 DNO.26 DNO.23 遮水壁施工下端 DNO.24 ▽-4.458 DNO.22 DNO.20 DNO.19 DNO.18 DNO.16 DNO.15 DNO.14 DNO.13 DNO.12 DNO.11 DNO.10 DNO.9 DNO.8 DNO.7 DNO.6 DNO.5 DNO.4 DNO.3 DNO.2 DNO.1 105804 8437 ▽-0.233 ▽-0.733 ▽-1.233 ▽-1.733 ▽-2.233 ▽-2.733 ▽-3.233 ▽-3.733 ▽-4.233 ▽-4.666 DNO.21 8360 11859 46549 DNO.17 Tuc 21763 3367 9765 4867 4849 4973 4975 5866 6341 6341 2805 2772 2373 2373 2470 2780 2780 4405 13298 73791 18245 Tus 8197 4944 11811 14175 18745 20601 20469 Tuc 28805 18235 12002 12330 17300 17409 16390 16400 16900 16909 17926 18426 18434 18934 18944 19444 Mg 19969 19454 19954 14844 15344 15890 17417 17917 15373 15873 14744 15190 15126 15626 15585 16085 16544 16044 16498 16998 16922 15922 16922 15343 15922 16422 16422 15343 As 砂礫 Tus 53210 DNO.0 ▽22.042 LEVEL ▽21.542 ▽20.64 As Mg ▽22.042 ▽21.834 ▽計画周囲堤高 22.842 B 500 50 19223 40 19201 30 19671 19701 20 20171 10 20130 0 20630 ECウォール 施工概要 工事名:矢作川白浜漏水対策及び橋台下部工事 発注者:国土交通省中部地方整備局豊橋河川事務所 工事目的 河川漏水対策 (パイピング防止) 施工箇所 施工数量等 施工延長 壁 厚 壁 深 度 施工面積 施工期間 要求品質 288.14m 550mm 16.8~17.8m 4,940m 2 平成27年1月~平成27年4月 壁体透水係数k=1.0×10 -8 m/s 当該現場の横断図 橋梁部 施工承認の概要 項 目 施工性 TRD工法 ECウォールⅡ工法 等厚式施工機(TRDⅢ型機) 実工程(日) 64 53 遮水性能 (m/s) k=1.0×10-8 以下 k=1.0×10-9 以下 qu=8.56~14.95 壁体強度 (kN/m2) quck= 500 粘着力 C=5.0 ECウォールⅡ適応時の照査結果 両工法とも同じ施工機械を使用。 遮水性能は同等以上である。 無対策時 裏のり F=1.68>1.4 OK 表のり F=1.84>1.0 OK 対策時(ECウォールⅡ) 裏のり F=1.84>1.4 OK 表のり F=2.07>1.0 OK 堤体の安定に対しては、ECウォー ルⅡを対策工にした場合も安定性 に問題がない事を確認。 室内試験方法 掘削液混合試験 フロー試験JIS R 5201 粉体混合試験 フロー試験JIS R 5201 K=1.0×10-9m/s 当該現場の施工方法 下流側 上流側 橋梁部 ウェットサンプリングによる試料採取 試料採取器装着状況 試料採取器 試料採取完了 遮水壁の品質確認 橋梁部 試料採取位置 護岸との一体化 TRD工法による施工方法 ECウォールⅡ工法と護岸の一体化構造 排泥再利用部 遮水シート 法留 エコクレイウォールⅡ工法 TRD工 撹拌装置 安定処理工施工状況 御清聴ありがとうございました。 ライト工業株式会社 技術営業本部 設計一部 池田幸一郎
© Copyright 2024 ExpyDoc