米国企業の採用は自社のウェブサイトにお金をかける

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2016/07/12
日本は遅れている!?米国企業の採用はここまでやっている
「日本企業はすでにグローバルなウォー・フォー・タレント(人材をめぐる採用・育成競争)
に巻き込まれ、負けている。まず、この現実を認識するところからスタートしなければな
らない」と、前回書かせていただいた。こうした反省に立って、この連載では、世界の企
業の採用に目を向けることで、日本企業にとって学ぶべき点があるとすればそれは何かと
いうことを考えてみたい。世界の企業との差異ではなく共通点に注目することで、日本企
業の採用の突破口を見出すのだ。
第 2 回目の今回は、米国企業の採用のトレンドについて概観したい。
米国企業の採用は自社のウェブサイトにお金をかける
米国の採用においてまず特徴的なのは、「企業のウェブサイトの募集ページ」を極めて
重視する点にある。
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人材サービス企業 CareerXroads 社の調査によれば、自社のウェブサイトから直接採用
される人材は、全体の 19.1%にものぼり、求人サイト(15.4%)や紙媒体の広告からの採
用(0.5%)を大きく上回っている。特に 2000 年代後半以降、企業のウェブサイトの募集
ページや求人情報サイトなどインターネットを介した採用の割合が増えており、私の知人
の研究者によれば、過去 10 年の間に 90%のアメリカ企業が自社のサイトを求職者とのコ
ミュニケーションに使っており、これはあきらかにアメリカ企業の採用上の主要媒体の 1
つだという。
研究者の世界でも、「求職者にとって企業が魅力的に見えるようなウェブサイトデザイ
ンとはどのようなものか」といった研究がフロンティアトピックとなっており、そうした
成果を踏まえて、魅力的なサイト作りへと積極的に投資する企業が増えている。
魅力的なサイト作りに投資しすぎた結果、あまりにも魅力的なサイトが出来上がってし
まい、自社が必要としないような求職者までもが大量にエントリーをしてくるようなって
しまった……、などという、笑えるような笑えないようなエピソードもある。
とにかく、米国企業にとって自社のウェブサイトは、採用活動において極めて重要な手
段なのであり、この点において、多くの企業が自社のウェブサイトよりも大手就職情報サ
イトの方を重視している日本企業と、極めて対照的である。
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