丹波市中小企業・小規模企業振興基本条例(案) 逐 条 解 説 丹 波 市

丹波市中小企業・小規模企業振興基本条例(案)
逐
条
解
説
(パブリックコメント用資料)
丹
波
市
目
次
前文 …………………………………………………………………………
目的 …………………………………………………………………………
定義 …………………………………………………………………………
基本方針 ……………………………………………………………………
基本的施策 …………………………………………………………………
市の責務 ……………………………………………………………………
1
1
2
3
4
5
議会の責務 …………………………………………………………………
中小企業者・小規模企業者の役割 ………………………………………
大企業者の役割 ……………………………………………………………
5
5
6
地域経済団体等の役割 ……………………………………………………
市民の理解及び協力 ………………………………………………………
協議の場の設置 ……………………………………………………………
その他 ………………………………………………………………………
用語解説 ……………………………………………………………………
6
7
7
7
8
(前文)
丹波市内に立地する企業の大多数を占める中小企業・小規模企業は、地域経
済を根底から支え、その発展に寄与するとともに、雇用創出により安定した市
民生活を実現し、まちづくり、災害時の支援等においても地域社会の担い手と
して重要な役割を果たしてきた。また、大企業の企業活動にとっても重要な存
在といえる。
人口の減少、超高齢社会*1の到来、経済活動のグローバル化*2の進展等、経
済・社会構造が大きく変化している中で、持続可能なまちづくりを進めていく
ためには、中小企業・小規模企業の役割とあり方について、市、議会、事業者、
地域経済団体等及び市民が共通認識を持ち、協働により中小企業・小規模企業
の振興に向けた取組みを実施していくことが重要である。
ここに、市は、事業者、地域経済団体等及び市民と連携を図りつつ、中小企
業・小規模企業の振興を市政の重点課題と位置付け、振興に向けて基本理念を
明らかにし、地域全体で共有しつつ、地域社会の発展と市民生活を豊かにする
施策として総合的に実施するため、この条例を制定する。
【解説】
・本条例の目的等を明らかにするため、冒頭に前文を設置しています。
・前文では、この条例が、中小企業・小規模企業の振興に向けての基本理念を
明らかにするとともに地域社会の発展と市民生活を豊かにする施策を総合的
に実施するために制定するものであるとしています。
・持続可能なまちづくりを進めていくためには、地域経済と地域社会の担い手
である中小企業・小規模企業の発展が不可欠であるという共通認識のもと、
市、議会、事業者、地域経済団体等及び市民がそれぞれの役割について理解
し、まちぐるみで中小企業・小規模企業の振興を図っていくことが重要です。
(目的)
第1条 この条例は、中小企業・小規模企業の振興について、市及び議会の責
務、事業者及び地域経済団体等の役割並びに市民の理解及び協力を明らかに
するとともに、市の中小企業・小規模企業施策の基本となる事項等を定める
ことにより、中小企業・小規模企業の振興に関する施策を総合的に推進し、
もって地域産業及び地域経済の発展を促し、市民生活の向上に寄与すること
を目的とする。
【解説】
・本条では、条例を制定する趣旨と達成しようとする目的を明らかにしていま
す。
・条例の目的は市内の中小企業・小規模企業を振興することにより、地域産業
及び地域経済を発展させることとしており、ひいてはそれが市民生活の向上
にもつながるものであることを規定しています。
-1-
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各
号に定めるところによる。
(1) 事業者 市内で営利を目的とする事業を営む法人及び個人をいう。
(2) 中小企業者 中小企業基本法(昭和38年法律第154号。以下「法」とい
う。)第2条第1項各号のいずれかに該当する事業者で、市内に事務所又は
事業所を有するものをいう。
(3) 小規模企業者 法第2条第5項に該当する事業者で、市内に事務所又
は事業所を有するものをいう。
(4) 大企業者 中小企業者・小規模企業者以外の事業者で、市内に事務所
又は事業所を有するものをいう。
(5) 地域経済団体等 市内に事務所又は事業所を有する次に掲げるものを
いう。
ア 商工会法(昭和35年法律第89号)に基づく商工会
イ 銀行、信用金庫その他金融機関
ウ 農業協同組合法(昭和22年法律第132号)に基づく農業協同組合
エ その他経済活動の発展に寄与する団体及びこれらに準ずる団体
(6) 市民 市内に在住、在勤又は在学する者をいう。
【解説】
・この条例の中で使われる用語のうち、共通認識を持っておきたい重要な用語
を定義しています。
・第1号「事業者」とは、市内に事務所又は事業所を有する中小企業者、小規
模企業者及び大企業者のことを表しています。
・第2号「中小企業者」とは、中小企業基本法第2条第1項各号に定める定義
のとおりとし(下表1参照)、市内に事務所又は事業所を有し、資本金又は従
業員数のいずれかの基準を満たす会社及び個人のことを表しています。また、
農林業者についても下表の定義に該当すれば中小企業者に含まれます。
<表1:中小企業者の定義>
業
種
製造業、建設業、運輸業そ
の他の業種
卸売業
サービス業
小売業
資本金の額又
は出資の総額
3億円以下
1億円以下
5千万円以下
5千万円以下
常時使用する従業員数
300人以下
100人以下
100人以下
50人以下
・第3号「小規模企業者」とは、中小企業基本法第2条第5項に定める定義の
とおりとし(下表2参照)、市内に事務所又は事業所を有する会社及び個人の
ことを表しています。また、農林業者についても下表の定義に該当すれば小
規模企業者に含まれます。
なお、小規模企業者についても第2号の中小企業者に含まれます。
-2-
<表2:小規模企業者の定義>
業
種
製造業、その他の業種
商業(卸売業・小売業 ※飲食店含む)・サービス業
おおむね常時使
用する従業員数
20人以下
5人以下
・第4号「大企業者」とは、中小企業基本法第2条第2号及び第3号に規定す
るもの以外の事業を営むもので、市内に事務所又は事業所を有しているもの
を表しています。
・第5号「地域経済団体等」とは、商工会や農業協同組合のほか、金融機関、
各種経済団体、社会福祉法人、医療法人、NPO法人など市内における経済
活動の発展に寄与する団体等が幅広く対象となります。
・第6号「市民」とは、市内在住者のほか、市外在住者であっても、市内に在
勤又は在学する者も含めています。
※ 「中小企業」や「小規模企業」に対して「中小企業者」や「小規模企業者」
等のように、「者」を付ける場合と付けない場合の違いについては、「中小企
業」や「小規模企業」は、それらの企業を包括的、総称的に指す場合に用い、
「中小企業者」や「小規模企業者」等は、個別具体の会社や個人を指す場合
に用います。
(基本方針)
第3条 中小企業・小規模企業の振興は、
「丹波力を活かした創意ある元気なま
ち」の実現を目標とし、中小企業者・小規模企業者自らの創意工夫及び自主
的な努力を尊重しつつ、その特性に応じた総合的な施策を市、事業者、地域
経済団体等及び市民の連携と協働の下に一体となって推進することを基本と
する。
2 中小企業・小規模企業の振興は、グローバル化の進展も視野に入れ、国、
県その他公共団体*3と連携を図りながら推進するものとする。
【解説】
・中小企業・小規模企業の振興について、総合計画に掲げられたまちづくりの
目標である「丹波力を活かした創意ある元気なまち」の実現を目標とするこ
とを規定するとともに、中小企業者・小規模企業者の創意工夫と自主的な努
力による取り組みを尊重すること、また中小企業・小規模企業振興策の展開
にあたっては、中小企業・小規模企業の特性に応じた施策を、市、事業者、
地域経済団体等及び市民の連携により、一体となって推進することを基本方
針としています。
・第2項では、国や地域などの境界を超えた商取引などの国際的な進展も視野
に入れながら、関係団体と連携を図ることを規定しています。
-3-
(基本的施策)
第4条 市は、第1条の目的を達成するため、前条の基本方針に基づき、次に
掲げる施策を行うものとする。
(1) 経営安定の促進及び経営革新*4並びに事業承継のための施策
(2) 創業又は新事業の創出のための施策
(3) 各産業の技術向上及び伝統工芸等の技術伝承のものづくりのための施
策
(4) 各産業の交流、連携及び協働による支え合いづくりのための施策
(5) 市内経済の循環を促進するための施策
(6) 市内商工業の活性化の推進及び農林業の産業化のための施策
(7) 観光との連携によるにぎわいづくりのための施策
(8) 雇用の促進、人材の確保及び育成並びに職場環境の改善のための施策
(9) 学校教育における勤労観及び職業観の醸成のための施策
(10) すべての市民が参加できる産業振興のための施策
(11) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める施策
【解説】
・条例の目的を達成するために行う基本的な施策を規定しています。
・第1号では、経営を安定させるための施策や、経営革新、後継者育成など将
来にわたり事業を継続できる環境を整える施策を行うこととしています。
・第2号では、創業・第二創業*5の支援や、新しい産業を創出し、多様な企業
が育つことになる施策を行うこととしています。
・第3号では、ものづくり産業*6の基盤を支える施策や、伝統工芸等の技術伝
承や振興を図るための施策を行うこととしています。
・第4号では、各産業間での情報共有や交流、共同研究の推進等に取り組む施
策を行うこととしています。
・第5号では、地域資源*7を活用し、産・学・金・官(事業者、大学等、金融機関等及び行
政)が連携し、地域の循環経済を創造する施策を行うこととしています。
・第6号では、農商工連携による活性化と6次産業化*8の推進を行うこととし
ています。
・第7号では、地域資源の魅力を観光に活用する施策を行うこととしています。
・第8号では、女性、高齢者及び障がい者を含めた雇用の促進と若い労働力及
び人材の確保を図るとともに、人材育成の支援や労働条件の改善、仕事と家
庭の両立しやすい職場等、職場環境の改善のための施策を行うこととしてい
ます。
・第9号では、学校教育における勤労観及び職業観の醸成が、中小企業者・小
規模企業者の人材の確保及び育成につながることから、必要な施策を行うこ
ととしています。
・第 10 号では、産業振興に関するイベントの開催や地産地消の取り組みなど、
すべての市民が参加でき、産業振興に関わることができる施策を行うことと
しています。
・第 11 号では、その他市長が必要と認める施策を、必要に応じて行うこととし
ています。
-4-
(市の責務)
第5条 市は、事業者、地域経済団体等及び市民と連携を図りながら、経済・
社会情勢の変化に対応した中小企業・小規模企業の振興のための適切な施策
を推進し、財政上の措置並びに国、県等との連携及び協力に努めるものとし、
必要に応じて国、県等に対し施策の充実及び改善の要請を行うものとする。
2 市は、小規模企業の振興に関する施策については、資金、人材等の確保が
特に必要であると思われる小規模企業者の事情に配慮するものとする。
3 市は、工事の発注、物品及び役務の調達等に当たっては、予算の適正な執
行に留意しつつ、中小企業者・小規模企業者の受注機会の拡大に努めるも
のとする。
【解説】
・中小企業・小規模企業振興のための施策を実施していく上で、財政上の措置
が必要不可欠と考えられ、市が中小企業・小規模企業振興に、より一層力を
入れるということを明らかにしています。
・小規模企業は、個人事業主が多いなど企業としての組織体制が整っていない
ことが多く、環境変化に脆弱な面があります。第2項では、事業形態に応じ
たきめ細かな施策を講じるなど、小規模企業者に特段の配慮が必要であるこ
とを規定しています。
・第3項では、市内経済の循環を促進するため、中小企業者・小規模企業者の
受注機会確保について規定しています。
(議会の責務)
第6条 議会は、中小企業・小規模企業の振興に関し、市の事務執行の監視及
び評価並びに政策提言に努めなければならない。
【解説】
・中小企業・小規模企業振興のための施策を実施していく上での議会の責務を
規定しています。
・中小企業・小規模企業の振興が市政の重点課題の一つであるとの認識のもと、
議会が、政策提言等に積極的に関わることとしています。
(中小企業者・小規模企業者の役割)
第7条 中小企業者・小規模企業者は、経済・社会情勢の変化に対応して自主
的に事業活動の向上及び改善に努めるものとする。
2 中小企業者・小規模企業者は、事業活動を行うに当たっては、経営基盤の
強化*9、人材の育成及び雇用環境の充実を図り、従業員が生きがい及び働き
がいを得ることができる職場づくりに自主的な努力をするものとする。
3 中小企業者・小規模企業者は、市が実施する中小企業・小規模企業振興策
に協力するよう努めるものとする。
4 中小企業者・小規模企業者は、市内の他の事業者及び地域経済団体等との
連携に努めるとともに、市内で生産、製造及び加工される製品並びに市内で
提供される役務の利用に努めるものとする。
-5-
5
中小企業者・小規模企業者は、地域社会を構成する一員としての社会的責
任を自覚*10し、暮らしやすい地域社会の実現に貢献するよう努めるものとす
る。
【解説】
・中小企業・小規模企業の振興については、第3条基本方針の規定にもとづき、
中小企業者・小規模企業者の自主的な努力が重要であり、第1項と第2項で
はそのことを明らかにしています。
・第3項では、市が実施する中小企業・小規模企業振興策への協力について規
定しています。
・第4項では、市全体で地域循環型経済の構築を図るため、市内事業者、地域
経済団体等との連携や、市内製品等を積極的に利用するよう努めることを規
定しています。
・第5項では、まちづくりの担い手として、地域における社会貢献活動や地域
活性化に資するイベント等への協力、これらに取り組む地域経済団体等への
協力等、また地域住民との共存を図りつつ事業活動を推進するため、安全で
快適な地域環境の維持・増進を図ることについて規定しています。
(大企業者の役割)
第8条 大企業者は、中小企業・小規模企業の振興が市の経済活動の発展に重
要な役割を果たすことを理解し、中小企業者・小規模企業者との連携を図る
とともに、市が実施する中小企業・小規模企業振興策に協力するよう努める
ものとする。
2 大企業者は、市内における中小企業者、小規模企業者及び地域経済団体等
との連携に努めるとともに、市内で生産、製造及び加工される製品並びに市
内で提供される役務の利用に努めるものとする。
3 大企業者は、地域社会を構成する一員としての社会的責任を自覚し、暮ら
しやすい地域社会の実現に貢献するよう努めるものとする。
【解説】
・第3条の基本方針にある「市、事業者、地域経済団体等及び市民の連携と協
働のもとに一体となって推進する」という規定にもとづき、多くの労働者を
雇用し、地域社会や中小企業・小規模企業に対し大きな影響力を有している
大企業者に対して、市が実施する中小企業・小規模企業振興策に協力するよ
う努めることを規定しています。
・第3項では、まちづくりの担い手として、地域における社会貢献活動や地域
活性化に資するイベント等への協力、これらに取り組む地域経済団体等への
協力等、また地域住民との共存を図りつつ事業活動を推進するため、安全で
快適な地域環境の維持・増進を図ることについて規定しています。
(地域経済団体等の役割)
第9条 地域経済団体等は、中小企業者・小規模企業者の経営の安定及び向上
の支援に積極的に取り組むとともに、市が実施する中小企業・小規模企業の
振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。
-6-
【解説】
・第3条基本方針にある「市、事業者、地域経済団体等及び市民の連携と協働
の下に一体となって推進する」という規定にもとづき、中小企業者・小規模
企業者と関係のある地域経済団体等に対して、中小企業者・小規模企業者の
サポートや市が実施する中小企業・小規模企業振興策に協力するよう努める
ことを規定しています。
(市民の理解及び協力)
第10条 市民は、中小企業・小規模企業の振興が市民生活の向上において果た
す役割の重要性を理解し、中小企業・小規模企業の健全な発展に協力するよ
う努めるものとする。
2 市民は消費者として市内で生産、製造及び加工される製品の購買又は消費
並びに市内で提供される役務の利用に努めるものとする。
【解説】
・第3条の基本方針にある「市、事業者、地域経済団体等及び市民の連携のも
とに一体となって推進する」という規定にもとづき、中小企業・小規模企業
の振興が地域経済と地域社会の安定と向上に欠かせないものであり、市民の
生活を豊かにするものであることを理解し、中小企業・小規模企業の健全な
発展と育成へ協力するよう努めることを規定しています。
・第2項では、市内経済の循環を促進するため、消費者として中小企業・小規
模企業の振興と発展に協力するよう努めることを規定しています。
(協議の場の設置)
第11条 この条例の目的の達成及び第4条に規定する基本的施策の実施等につ
いて協議するため、中小企業・小規模企業の振興のための協議の場(以下「協
議の場」という。)を設置する。
2 協議の場の組織及び運営に関し必要な事項は、市長が別に定める。
【解説】
・本条例の目的達成のため、中小企業・小規模企業の動向やニーズを把握し基
本的施策の実施について協議する場を設けることを規定しています。
(その他)
第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
【解説】
・本条例の施行について、別途規則等によって定めることを規定しています。
-7-
用語解説
*1
超高齢社会
*2
グローバル化
*3
公共団体
*4
経営革新
*5
第二創業
*6
ものづくり産業
*7
地域資源
*8
6次産業化
*9
経営基盤の強化
*10
社会的責任の自覚
世界保健機構(WHO)や国連の定義によると、高齢化率(65
歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合)が7%を超えた
社会を「高齢化社会」
、14%を超えた社会を「高齢社会」
、21%
を超えた社会を「超高齢社会」といいます。
社会的あるいは経済的な関連が、国家や地域などの境界を越
えて、地球規模に拡大して様々な変化を引き起こす現象です。
(グローバリゼーション)
法令に基づき、国家から一定の行政を行うことを目的として
設立された法人です。目的達成に必要な範囲で公権力の行使
が認められています。公法人又は公法上の法人ともいわれま
す。公共的活動を目的とする地方自治法上の公共的団体とは
異なります。
例:地方公共団体(都道府県、市、町など)
、公共組合(土地
改良区、健康保険組合、商工組合など)
、営造物法人(公団、
公庫、事業団など)
、独立行政法人
新商品の開発又は生産、新役務の開発又は提供、商品の新た
な生産又は販売の方式の導入、役務の新たな提供の方式の導
入、新たな経営管理方法の導入その他の新たな事業活動を行
うことにより、その経営の相当程度の向上を図ることです。
(中小企業基本法第2条第2項に規定)
既に事業を営んでいる事業所の後継者などが業態転換や新規
事業に進出することです。
普通は製造業のことを指すが、単純作業での製造ではなく特
に職人などの手による高度な製造の場合にこういった表現を
用いられることが多いです。
「ものづくり」は大和言葉であり、あえて古い言葉を当てる
ことで、日本における製造業の歴史性を強調する意図があり
ます。日本の製造業は海外から入ってきた技術だけで成り立
っているのではなく、日本の伝統技術の延長上に現代の製造
業がある、という認識で使われます。
自然資源のほか、市内に存在する特徴的なものを資源として
活用可能な物と捉え、人的・人文的な資源のことです。
第一次産業である農林水産業が、農林水産物の生産だけにと
どまらず、それを原材料とした加工食品の製造・販売や観光
農園のような地域資源を生かしたサービスなど、第二次産業
や第三次産業にまで踏み込むことです。今村奈良臣東京大学
名誉教授が提唱されました。
経営資源(経営に必要な資金、設備、技術、知識、人材、情
報等)の保管を図ったり、公正な市場を確保したりすること
などにより、事業活動を行う際の障害を取り除き環境を整備
することをいいます。
企業も経済活動だけでなく社会や環境などにも責任を持つべ
きであるという趣旨から、
「法令遵守」はもとより、
「顧客や
取引先、地域社会等に対する説明責任」「環境への配慮」「従
業員の労働安全衛生や人権の確保」
「地域活動やボランティア
活動への参加」「雇用の創出」「顧客に対する質の良い製品・
サービスの提供」などをいいます。企業が社会的責任を果た
すことで、市民や社会からの信頼を得られ、結果として当該
企業の成長発展へもつながっていくものと考えられます。
-8-