証券コード 1812 会社名 鹿島建設 レポート提出日 学部 商学部 学年 2

証券コード
会社名
1812
鹿島建設
レポート提出日
学部
商学部
氏名
風間貴裕
学年
2
賛成
第 1 号議案 余剰金の処分の件
反対
棄権
○
第 2 号議案 取締役 7 名選任の件
中村 満義 氏
〇
日名子 喬 氏
○
茅野 正恭 氏
○
石川 洋 氏
○
高野 博信 氏
○
平泉 信之 氏
○
鹿島 昭一 氏
○
第 3 号議案 監査役2名選任の件
須藤 秀一郎 氏
○
中谷 俊信 氏
○
上記の推奨をした理由、プロジェクトの感想
第 1 号議案 余剰金の処分の件
今期の配当性向は約 32%で、適切な水準である。前期からの一株当たり純利益の増加に伴って配
当金も倍以上に増額されていることから、株主還元に積極的な姿勢がみられると判断し、賛成とし
た。
第 2 号議案 取締役 7 名選任の件
・中村 満義 氏…賛成
直近の業績はよく、また業界団体のトップを務めているため、社の対外的な顔として続投するこ
とが望ましいと判断した。
・日名子 喬 氏…賛成
直近の業績は良く、取締役兼営業本部長としての職責を果たしていると判断した
・茅野 正恭 氏…賛成
取締役兼土木管理本部長として職責を果たしていると判断した。
・石川 洋 氏…反対
創業家出身であり、在任期間が長く、営業担当という位置づけが営業本部長である日名子氏と重
複している。一度営業本部長を担当した石川氏が取締役にとどまると営業の指揮系統が不明確にな
るため、再任すべきでないと判断した。
・高野 博信 氏…賛成
現預金、キャッシュフローともに急激な変化もみられず、有利子負債も減少しているため、財務
担当取締役としての職責を果たしていると判断した。
・平泉 信之 氏…賛成
一度社外に出て戻ってきており、創業家出身者として経営体制の若返りのために重要な役割を果
たすと期待される。
・鹿島 昭一 氏…賛成
創業家かつ元トップ、かつ大株主で実質的なオーナーである。かつて経営を担った手腕と創業家
としての人脈、営業力は経営に資すると判断した。
第 3 号議案 監査役 2 名選任の件
・須藤 秀一郎 氏…賛成
鹿島建設との関係性は薄く、独立性は十分である。また、一貫して保険業界にいた人物であり、
かつて投資する側であったために監査役としての能力は十分だと判断した。
・中谷 俊信 氏…反対
鹿島建設との関系が深く、独立性が不十分である。
<感想>
今回鹿島建設について調べた結果、この会社の経営体制は極めて特殊であることが分かった。
それは、現取締役会のメンバーが長年固定化されているということである。今回選任される役員も、
十年近く前から取締役会におり、同職をずっと務めている人物ばかりである。これでは経営陣の考え方
が固定化、保守化して経営革新が起きにくくなるだけでなく、将来の経営を担う人材の育成も難しいの
ではないかと思った。なおかつ、現取締役の複数名を創業家が占め、歴代社長も多くが創業家であるな
ど、経営に対する創業一族の影響力も強い。加えて、組織図も部門ごとの縦関係がわかりにくく、執行
役員クラスが多量に存在するなど、どこが経営を主導しているのかわかりにくい。
これは職人気質が強く、また建設業という政財界などとの人脈が受注に極めて重要である特殊な業界
であることが原因であると考えられ、公共事業が重大なウェイトを占めている現状では創業家主導の経
営が社の利益につながるのかもしれない。しかし、コーポレートガバナンスが重視され、かつ海外市場
にも向きあっていかなければならなくなっているこのご時世、業界を代表する大企業がこの状態である
ことが正しいのかには疑問が残る。
このように、日本の大企業でも背景によって様々な経営体質があるということが分かったのが、今回
このプロジェクトをやってよかったことの 1 つである。自分が担当した企業がどのような方向へ進んで
いくのか、今後もチェックしてみたいと思った。