(案) 大津市における消費者教育推進のあり方に係る意見書 平成28年 月 日 大津市消費生活審議会 目 次 はじめに Ⅰ ・・・□ 大津市における消費者教育の推進の現状と課題 1 大津市における消費者意識について ・・・□ 2 大津市が行う消費者行政について ・・・□ 3 様々な主体との連携、協力について ・・・□ Ⅱ 大津市における消費者教育の推進の基本的な方向性 1 大津市民の意識改革 ・・・□ 2 大津市の消費者行政のあり方の見直し ・・・□ 3 さまざまな主体との連携推進 ・・・□ Ⅲ 特に重点施策化を検討すべき事項 1 学校教育における消費者教育の推進 ・・・□ (1) 小学校教育における取り組み ・・・□ (2) 中学校教育における取り組み ・・・□ (3) 高校教育における取り組み ・・・□ (4) 大学教育、専門学校・専修学校教育における取り組み ・・・□ 2 事業者との連携・協力による消費者教育の推進 ・・・□ 3 消費者団体の育成、支援について ・・・□ おわりに ・・・□ はじめに [Point] 消費者を取り巻く社会環境・経済情勢の現状 [Point] 「消費者教育の推進に関する法律」の施行について [Point] Ⅰ 1 2 消費者教育推進の意義とその必要性 大津市における消費者教育の推進の現状と課題 大津市における消費者意識について [Point] 消費者問題に対する関心が薄い [Point] 当事者意識が持ちにくい [Point] 消費者問題に関する知識がマスコミ等の取り上げる特定分野に偏っている 大津市が行う消費者行政について [Point] 一方的な情報提供。 (必要な情報が提供されていない。) [Point] 被害事例や注意事項を伝えるだけで終ってしまっている。 [Point] 実施した消費者教育や啓発活動の事後の効果測定、見直し、改善ができてい ない。 (PDCAサイクルが回っていない。) [Point] どうすれば当事者意識を持ってもらえるのか、どうすれば関心の薄い消費者 に関心を持ってもらうのかなどの工夫がみられない 3 [Point] 啓発活動や消費者教育等の結果や成果が見えにくい。 [Point] 消費者行政の施策に明確な方針や方向性が見えない さまざまな主体との連携、協力について [Point] 家庭との連携 [Point] 地域との連携 [Point] 学校との連携 [Point] 職域との連携 [Point] 各種団体との連携 [Point] 事業者との連携 [Point] さまざまな主体との連携の「場」の設置 Ⅱ 1 大津市における消費者教育の推進の基本的な方向性 大津市民の意識改革 [Point] 消費者は、「保護する客体」から、判断し選択することでマーケットにメッセ ージを送る「自立した主体」であることを知らせる。 [Point] 消費者自身の「知ろう」とする努力が必要であることから、消費者一人ひとり がそうした意識を持つことができるよう、まずは、家庭や地域内でそうした機 運づくりを図る。 [Point] 子どもから高齢者まで、それぞれの成長段階やライフステージに応じて必要と なる情報を適切に提供する。 [Point] 消費者の利益擁護と社会利益の増進のため、自主的かつ合理的な消費者行動の かたちを示す。 [Point] 自己の利益だけを求めるのではなく、他者や社会との関わりにおいて意思決定 をし、より良い社会を形成する「主体」として行動できる倫理観の醸成。 2 大津市の消費者行政の見直し [Point] これまでの予防的・消極的な「被害防止とその救済」から、消費者の「権利の 実現」に向けた分析力や批判力を醸成していくための消費者教育へ領域を拡大。 [Point] 消費者教育の推進、学習機会の拡大に向けた総合的・包括的な消費者教育のアク ションプランを体系化して明示する必要性。 ※ただし、 「大津市消費者基本計画」、「大津市消費者教育推進計画」策定の必要 性まで言及するかは議論の余地あり。 [Point] 消費生活に関する正しい知識・技術を習得し、習得した知識・技能を活用して の消費者自身による危機回避、問題解決、生活設計の構築などが可能となるよ う、実践的問題解決能力を身につけるため消費者教育を展開。 [Point] 誰でも、どこでも、生涯を通じて、成長の段階に応じて消費者教育を自由に受 けることができる機会(場)の提供。 [Point] 持続可能な社会の実現に貢献する、主体的行動が可能なライフスタイルへの転換 に係る消費者教育の推進。 3 さまざまな主体との連携推進 [Point] 消費者教育の推進においては、以下の主体とのとの連携を推進する。 ①家庭との連携 ②地域との連携 ③学校との連携 ④職域との連携 ⑤消費者団体等の各種団体との連携 ⑥事業者との連携 Ⅲ 特に重点施策化を検討すべき事項 1 学校教育における消費者教育の推進 [Point] 学校教育における消費者教育の重要性、必要性 [Point] 学校における消費者教育は、どこかの段階で教えればよいものではなく、子ど もの成長に合わせて発展的・段階的に行われるべきもの。 [Point] 批判的に物事を見ようとする姿勢を身につけることは大変重要であり、教育の現 場でこうした考え方を浸透させる。 (1) 幼稚園教育 [Point] (2) 教員向け研修の実施 小学校教育 [Point] 教員向け研修の実施 [Point] 共通教材の研究・作成 [Point] モデル授業 (3) 中学校教育 [Point] 教員向け研修の実施 [Point] 共通教材の研究・作成 [Point] モデル授業 [Point] 「分析力」、「批判的視点」の教育 [Point] 法的トレーニング (4) 高等学校教育 [Point] 教員向け研修の実施 [Point] モデル授業 [Point] 「分析力」、 「批判的視点」の教育 [Point] 法的トレーニング (5) 大学、専門学校・専修学校教育 [Point] 契約年齢に達する年齢層としての対応。 [Point] 「20歳問題」などの深刻な問題の存在とその当事者達 [Point] 学内にあふれる深刻な問題に対する無関心さ [Point] 授業としての消費者教育の実施(単位付与)により、学生に「知識」とし て消費者としての正しい行動や判断を学ばせる。 [Point] 大津市で先進的に取り組む「大津市モデル」の研究 2 事業者との連携・協力による消費者教育の推進 [Point] 事業者との連携により期待される相乗効果 ① 消費者が正しい判断をするためには、正しい情報が提供されなければなら ず、事業者が適正な情報を提供することで消費者はそれを信頼して商品や サービスを選択することできる。これにより自立した行動や合理的な消費 活動が可能となる。 ② 「消費者市民社会」の考え方は、消費者が環境への配慮も含め、社会形成に 深く関与していることを意識して意思決定(消費行動)を行うことであり、 このことがよりよい事業者を育てることにつながる。 ③ 賢い消費者の行動は、「法令を遵守し良質廉価な商品を提供する事業者」、 「社会的責任・社会的貢献をしっかり果す事業者」、「環境にやさしく平和 を意識した事業者」、「社会的弱者やマイノリティに配慮する事業者」を育 てていくことにつながる。 ④ 事業者にとっても非常に厳しいこの時代を生き残っていくためには消費者 との信頼関係が最も重要であり、こうしたことからも消費者問題に事業者と しても積極的に関わるべきである。 [Point] 具体的な実践行動 ① 事業者が行う日常の事業活動を通じての「見守り」や「啓発」 ② 商工会などが行う「地産地消」などは、消費者の「食の安全」にも深く関 わりを持つ ③ 事業者間、業界内での自主規制、相互チェック、消費者からの通報受付 ④ 事業者による「消費者教育推進宣言」と地方自治体による優良な企業活動 の顕彰 3 消費者団体の育成・支援 [Point] 市内で活動する消費者団体との連携や活動支援 ① 消費者個々が実践的な問題解決能力を学ぶといってもそれは大変なことで、 消費者の権利が実現されるためには消費者の権利意識を高めることが必要 となり、それをサポートする体制が必要になる。これが消費者団体の育成に つながる。 ② 消費者団体は総じて財政基盤は脆弱であることから、事業共催や後援などに 地方自治体がそれを補填し支えながら、自立に向けた支援や助言を行ってい く必要がある。 [Point] 適格消費者団体の設立 ① 適格消費者団体は、消費者の「訴え」を行政、司法に発信し、事業者の活 動を規制したり、行政制度に大きな影響を与えることが可能であることから こうした組織の設立を「消費者」、 「行政」、 「事業者」の三者が一緒になって 設立していく。 おわりに
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