日本基準トピックス 「国際会計基準(IFRS)に基づく四半期連結財務 諸表の開示例」の公表(金融庁) 2016年7月14日 第307号 ■主旨 2016年7月8日、金融庁は「国際会計基準(IFRS)に基づく四半期連結財務諸表の開 示例」を公表しました。 主に以下の点に関して、2010年4月に公表された「国際会計基準に基づく四半期連 結財務諸表の開示例」を改訂するものです。 (1) IFRS第9号「金融商品」など、2016年3月期までのIFRSの最新の改訂を反映して います。 (2) 企業がIFRSに基づく開示を検討する際の理解が深まるよう、表形式による開示例 ごとに根拠となるIFRSの規定を明示するとともに、表形式による開示例とIFRSの 規定とを結びつける説明を行っています。 (3) IFRSの任意適用企業の実際の開示を参考に、IFRS任意適用企業の実務に即し たものとして作成しています。 ・原文については、金融庁のウェブサイトをご覧ください。 http://www.fsa.go.jp/news/28/sonota/20160708-1.html ------------------------------------------------------------------------- 1.経緯 2010 年 3 月期から IFRS の任意適用が開始される際、企業が IFRS に基づく連結財務諸表 を作成するにあたっての実務の参考として、金融庁から、2009 年 12 月に「国際会計基準に 基づく連結財務諸表の開示例」(以下、「年度開示例」)、2010 年 4 月に「国際会計基準に 基づく四半期連結財務諸表の開示例」(以下、「四半期開示例」)が公表されました。 その後、2015 年 6 月 30 日に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂 2015」において、「IFRS 適用企業や IFRS への移行を検討している企業等の実務を円滑化し、IFRS の任意適用企 業の拡大促進に資するとの観点から、IFRS 適用企業の実際の開示例や最近の IFRS の改訂 も踏まえ、IFRS に基づく財務諸表等を作成する上で参考となる様式の充実・改訂を行う」こ ととされました。 これを受けて、金融庁は 2016 年 3 月に年度開示例の改訂を行い公表しました。今般、金融庁 は四半期開示例についても改訂を行い、「国際会計基準(IFRS)に基づく四半期連結財務諸 表の開示例」(以下、「本開示例」)として公表に至ったものです。 【参考】 首相官邸日本経済再生本部ウェブサイトより 「『日本再興戦略』改訂 2015」 (2015 年 6 月 30 日閣議決定) http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/pdf/dai2_3jp.pdf 1 2.概要 本開示例の特徴としては、以下のとおりです。 (1) 最新の IFRS に対応 2010 年 4 月に公表された四半期開示例は、2010 年 3 月期の IFRS 任意適用開 始時点において強制適用される IFRS に基づくものでした。 本開示例は、原則として、2016 年 3 月期において強制適用される IFRS に基づい て作成されています。 ただし、わが国の IFRS 任意適用企業においては IFRS 第 9 号「金融商品」(2010 年または 2013 年)を早期適用している事例が多く見られること、また現行の IAS 第 39 号「金融商品:認識及び測定」はヘッジ会計を除いて 2018 年 1 月 1 日以後 開始する事業年度から廃止されることを踏まえ、本開示例では IFRS 第 9 号(2013 年)のすべての規定を早期適用することを前提として作成されています。 (2) IFRS の規定に基づく説明の充実 2010 年 4 月に公表された四半期開示例は、表形式による開示例と、その根拠と なる IFRS の規定を明示していました。 本開示例では、企業が IFRS に基づく開示を検討する際の理解が深まるよう、 表形式による開示例ごとに根拠となる IFRS の規定を明示するだけではなく、その IFRS の規定と開示例とを結びつける説明を行っています。 (3) IFRS 任意適用企業の実際の開示を反映 2010 年 4 月公表の四半期開示例は IFRS 任意適用開始時に作成されたため、I FRS任意適用企業の実際の開示を参考とすることができませんでした。 本開示例は、IFRS 任意適用企業の実際の開示を参考に作成されているため、 IFRS 任意適用企業の実務に即したものとなっています。 本開示例の作成にあたっては、2016 年 3 月末までに、IFRS に基づく四半期連結財務諸表 または中間連結財務諸表を四半期報告書または半期報告書において公表した 74 社の実 際の開示が参考とされています。 本開示例においては、IAS 第 34 号「期中財務報告」を含め IFRS において明示的に開示を 求められていない項目は、義務的開示であるとの誤解を避けるため含められていません。 IFRS において明示的に開示を求められている項目であっても、多くの企業において重要性 が高くないまたは取引や事象の頻度が高くないと考えられる項目についても含めないことで、 企業の開示負担に配慮したものとなっています。なお、本開示例は、あくまでも例示であり、 IFRS に基づく四半期連結財務諸表の形式及び内容を拘束するものではありません。 PwCあらた有限責任監査法人 東京都中央区銀座8丁目21番1号 住友不動産汐留浜離宮ビル (〒104-0061) お問い合わせ: [email protected] 本資料は概略的な内容を紹介する目的で作成されたもので、プロフェッショナルとしてのアドバイスは含まれていません。個別にプロフェッショナル からのアドバイスを受けることなく、本資料の情報を基に判断し行動されないようお願いします。本資料に含まれる情報は正確性または完全性を、 (明示的にも暗示的にも)表明あるいは保証するものではありません。また、本資料に含まれる情報に基づき、意思決定し何らかの行動を起こされたり、 起こされなかったことによって発生した結果について、PwC あらた有限責任監査法人、およびメンバーファーム、職員、代理人は、法律によって認めら れる範囲においていかなる賠償責任、責任、義務も負いません。 © 2016 PricewaterhouseCoopers Aarata LLC. All rights reserved. PwC refers to the PwC Network member firms in Japan and/or their specified subsidiaries, and may sometimes refer to the PwC Network. Each member firm is a separate legal entity. Please see www.pwc.com/structure for further details. This content is for general information purposes only, and should not be used as a substitute for consultation with professional advisors. 2
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