中小企業の「契約社員に関する実態調査」結果

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2016.7.11 VOL.1175
中小企業の「契約社員に関する実態調査」結果
●平成 27 年度の中小企業労働条件等を調査
就業形態の多様化が進み、非正規労働者の割合は全雇用
者の 4 割近くを占め、いまや職場に欠くことのできない存在
となっています。東京都では、非正規労働者のうち「有期、直
接雇用のフルタイム労働者」
を「契約社員」
(※1)
と位置付け、
その働き方の実態や労使双方の意識を把握するため、調査を
実施しました。去る4 月21日に、その結果が発表されました
ので主な内容についてみていきます。
●事業所の45.4%が技術・専門職に契約社員を導入
今回の調査は、都内の常用従業者規模 30 人以上の 3, 000
箇所の事業所
(契約社員調査は事業所調査の結果から協力を
得られた事業所の従業員2, 000 人)
を対象に実施されました。
調査結果の主なポイントをみていきますと、まず契約社員
を導入している事業所の割合は 45. 4%で、
「契約社員を活用
している理由」
は、
「専門的・技術的な業務に対応するため」
が
47. 8%と最も多く、前回調査
(平成 26 年 10~11 月実施)
とほ
ぼ同じ割合でした。次いで多かったのは「正社員としての適
性をみるため」
(39. 6%)
となっており、前回調査に比べ約 10
ポイント上昇しました。
一方、契約社員に対し「契約社員となった理由」
を調査した
ところ、
「正社員として働ける適当な企業がなかったから」
が
2 8. 0%と最も多く、次いで「やりたい仕事だったから」
(25. 2%)
となりました。
業所が採用から5 年未満で正社員に転換していることがわか
りました。また、正社員への転換を希望する契約社員の割合
は、
34. 2%でした。
「無期転換ルール」
(※2)
の認知度については、
「知っていた」
とした事業所が 90. 8%、
「知らなかった」
が 8.1%でした。一方、
契約社員は「知っていた」
が 35. 5%、
「知らなかった」
が 63. 1%
で、
事業所と従業員の認知度には大きな差がありました。
無期転換ルールの対応予定については、
「現在検討中」
の事
業所が 42. 2%で、その場合の雇用形態は「有期労働契約時と
同一の労働条件で、契約期間のみ無期契約とする」
が 51. 4%と
最も多くなりました。
●契約社員の年収見込額は平均 307.1万円
その他、契約社員の年収見込額
(税込)
は、平均 307. 1 万円
で、
「200 万円以上 300 万円未満」
が 37. 5%と最も多く、
「200 万
円未満」
の11. 9%と合わせると、49. 4%の契約社員が「300 万
円未満」
となりました。
また、
「500 万円以上」
は8. 0%でした。
正社員の労働条件と不合理な相違があると感じている契
約社員は、賃金では 25. 0%、賞与では 33. 1%、退職金では
32. 2%となりました。
さらに、労働条件の相違が不合理であると感じる最も大き
な理由については、
「業務内容が同じだから」
が 40. 5%を占め、
以下、
「業務に伴う責任の程度が同じだから」
(25. 0%)
、
「職務
の内容等の違いに比べて、労働条件の相違が大きすぎるから」
また、20 歳代の契約社員では「やりたい仕事だったから」 (15.1%)
、
「勤務時間、勤務日数がおなじだから」
(11. 5%)
と続
(42. 9%)
がトップ、50 歳代では「正社員として働ける適当な きました。
企業がなかったから」
(42. 9%)
がトップとなるなど、年齢層に なお、今回の調査結果についてのより詳しい資料は、産業労
よって異なる特徴がみられました。
働局のホームページ
(http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.
jp/toukei/koyou/jouken/)
でご覧いただけます。
● 5割以上の事業所が過去 3 年間に正社員へ転換
過去 3 年間で、契約社員を正社員へ転換した実績について
は、転換したことが「ある」
とした事業所が 54. 6%で、前回調査
と比較して3. 7ポイント増加しました。
契約社員として採用してから正社員に転換するまでの期間
については、
「1 年以上 3 年未満」
が 52. 0%と最も多く、
「3 年以
上 5 年未満」
が18. 8%、
「1年未満」
が15. 8%と続き、86. 6%の事
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(注釈) (※ 1)契約社員:一日の所定労働時間および一週の所定労働日
数が正社員とほぼ同じで、期間の定めのある契約に基づき直接
雇用されている者
(※ 2)無期転換ルール:平成 2 5 年 4 月 1 日以降に開始または
更新した有期労働契約の通算契約期間が 5 年を超える場合に、
労働者から申し込みがあれば無期労働契約に転換するルール
(労働契約法 18 条)
。
都心に残る江戸の納涼「滝浴み(たきあみ)
」
今年は、早くも東京都心で 35℃以上の猛暑日が観
涼を求めたそうです。なかでも有名だったのは、
測されました。暑い日が続くと、エアコンが恋し
王子界隈の音無川(おとなしがわ)流域。かつては、
くなりますが、
自然の風情とともに楽しむ「滝浴び」
飛鳥山と王子の台地に挟まれた渓谷で、両岸の断
の納涼はいかがでしょうか。エアコンなどなかっ
崖からは幾筋もの滝が流れていたようです。今で
た江戸時代の人々は滝に打たれたり、飛沫を浴び
も、名主の滝公園や、小石川後楽園、旧古河庭園
たり、流れ落ちる水を眺めたり…と、
「滝浴び」に
などへ赴けば、風流な「滝浴び」が楽しめます。