テレワークを促進するVDI利用を 定着させるために 安定して高速な

テレワークを促進する VDI 利用を
定着させるために
安定して高速な大容量ストレージを
4,000人が利用し200TB以上の拡張が可能なファイルサーバのコストを抑えるために、
NASと自動階層化を利用できるストレージを採用
カスタマー・プロファイル
企業名:
佐賀県
業 種:
地方自治体
所在国:
日本
従業員数:
約 3,000 名
Web サイト: www.pref.saga.lg.jp/web
課題
テレワークを促進するために VDI を構築した佐
賀県では、4,000 人にそれぞれ 50GB のワー
クスペースを提供し、各部門が 100 ∼ 200GB
の共有フォルダを使えるようにしたいと考えてい
た。また、60,000IOPS を実現できて 3 秒以内
にファイルにアクセスできるようなシステムでな
ければ、VDI の利用率が下がり、テレワーク促進
が進まないと考え、高速で安定したファイルサー
バを検討した。
ソリューション
インテ ル ®
Xeon ® プロセッサ ー 搭 載 Dell
Storage SC と Dell Powervault™ を採用
することで、大容量で自動階層化による効率的な
ファイルアクセスでコストを抑えて実現。無停止
でのファームウェアバージョンアップやディスク
追加も実現し、VDI を支えるストレージシステム
としてテレワーク促進とワークスタイル変革に貢
献している。
導入効果
「テレワーク推進のために VDI を構築して活用するためには、
それを支えるストレージが無停止で動くことが重要で、レスポン
スが悪いという印象をユーザに与えてしまうと、利用率が下がっ
てしまいます。ファイルアクセスに有効な自動階層化ストレー
ジ機能を持ち、拡張性があり、安定稼動できる Dell
SC は非常に魅力的な提案でした」
佐賀県
統括本部 情報・業務改革課
最先端電子県庁担当 係長
松永 祥和 氏
Storage
• どこでもいつでも利用できるストレージによっ
て、持ち帰り対応 49% 減、移動時間の活用 3
倍、報告書作成時間 50% 減、直帰率 75% 向
上を実現。
• 高速にファイルアクセスできることで VDI の
利用を定着でき、ファイルの紛失や情報漏え
いを未然に防ぐことが可能。
• 1 時間ごとの自動バックアップによって間違っ
てフォルダやファイルを削除してしまってもす
ぐに復旧できる。
ソリューションエリア
• ストレージソリューション
「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」という考えの下、県民一人一人
とともに進める行政運営を目指している佐賀県では、ICT を活用して従
来からの仕事のあり方や進め方を見直し、限られたマンパワーが最大限
活かせる合理的な県庁組織づくりを進めている。佐賀県庁では、平成 19
年度( 2007 年度)
に県行財政改革緊急プログラムを策定し、平成 16 年
度( 2004 年度)
に比べて平成 23 年度( 2011 年度)
に職員数を 500 人
減らす目標を立て、522 人の削減を実現。介護離職の課題や子育て世
代の働き方改革、女性の活躍と管理職への登用などの社会的な課題に
「テレワークの制度を作っ
も取り組んできた。
ても、VDI などの基盤整備
多くの地方自治体と同じように、佐賀県も財
所)
、首都圏( 1 ヶ所)
、関西( 1 ヶ所)にあるサテラ
と職 員 の 意 識 改 革を行っ
源が厳しい中で人口減少社会に対する対策を
イトオフィスや在宅での勤務、出張先や執務室
て利用できる風土を作らな
行っていかなければならない状況にあり、少な
外でのモバイルワークができるような環境を整
い職員で効率よく業務を行い、満足度の高い県
備。また、最初は約 180 名の所属長以上が週
ければ活 用は促 進できま
民サービスを提供していく必要がある。県行財
間に 1 日以上テレワークを実施するようにし、続
せん。モバイルワーク実証
政改革緊急プログラムによる職員削減や、介護
いて半数の職員がテレワークを体験することで、
離職対策、女性の活躍、多様な人材の確保、災
段階的にテレワークを使う意識を高めていった
害時の業務継続などに取り組み、2008 年 1 月
という。
実 験を始めて職 員 のテレ
に全国に先駆けて在宅勤務制度を導入、日本テ
ワークのモチベーションが
VDI の基盤となるハードウェアにはデル製品
レワーク協会からテレワーク奨励賞を受賞して
が採用されていると説明する松永氏は、
「デル
上がっている中で、働き方
いる。しかし、このテレワーク事業を促進させる
は、最初は PC メーカーという印象が強かった
ためには、制度を作るだけでなく、情報基盤によ
のですが、モバイルワーク実証事業を始めるに
の柔軟性を確保するために
は、どこからでも利用でき
る高速なストレージをいち
早く提供する必要がありま
した」
佐賀県
統括本部 情報・業務改革課
業務改革担当 係長
陣内 清 氏
るしっかりとしたシステム作りと職員の意識改
あたっては、品質と価格でデル製品が入札され
革が必要であったという。
る結果となりました。リモート監視なども行って
くれて、安定して稼動しています」と話す。
テレワーク推進のためのインフラ整備と
職員の意識改革を進める
大規模で高速なストレージを求めて
2008 年 1 月に都道府県初の在宅勤務制度
自動階層化に注目する
を導入した佐賀県庁だったが、当初は制度の利
タブレット導入をきっかけとして VDI を構築
用者も少なく、テレワーク促進と業務改革に苦
し、テレワークを促進しようとしていたが、大容
労していた。
「制度を導入しただけでは、なかな
量の共有ストレージの必要性も高まってきた。
か促進が進まず、段階的に要件を緩和しても活
当初は、デバイス側にデータを保存していたが、
用は広がりませ んでした」と佐賀県 統括本部
他のデバイスから最新のドキュメントにアクセ
情報・業務改革課 業務改革担当 係長の陣内清
スできないなどの問題があり、デバイスや PC
氏は説明する。一方、当時は県庁内の ICT 部門
の故障によるデータの紛失やセキュリティ面で
として業務を行っていた佐賀県 統括本部 情報・
業務改革課 最先端電子県庁担当 係長の松永
祥和氏は、タブレットなどのデバイスを使って業
務効率を向上させることができないかと検討し
ていたという。
「 2013 年頃からタブレットの活
ハードウェア
用が現実的になってきて利用方法を考える中で、
インテル® Xeon® プロセッサー搭載
業務改革部門と ICT 部門が一緒になってテレ
Dell Storage SC8000
ワークのインフラ整備と職員の意識改革を行え
るのではないかという話になりました」と松永
氏は語る。
Dell Powervault NX3300
インテル® Xeon® プロセッサー搭載
タブレット 100 台を利用したモバイルワーク
Dell PowerEdge R420
推進実証事業を始めた佐賀県では、同時に仮
Dell Networking S4810
想デスクトップ( VDI )環境を構築し、県内( 11 ヶ
2
導入システム
の問題も合ったのだという。これまでも、部門
職員のモチベーションを高めている中で
ごとに小規模なファイルサーバが構築されてい
システムを導入
たが、VDI 経由で十分にテレワークを行うには、
2015 年 8 月に入札を終えた今回のシステム
職員ごとに 50GB のワークスペースを提供し、
は、10 月 1 日までの約 2 ヶ月間で構築を終えて
部門ごとに 100 ∼ 200GB の容量を提供しな
いる。
「モバイルワーク実証実験を始めて職員
ければならないと考えた。
のテレワークのモチベーションが上がっている
全体で 200TB 以上の拡張が可能で、県庁と
間に、どこからでも利用できる高速なストレー
教育庁の 4,000 名が利用可能となる大規模な
ジをいち早く提供して、働き方の柔軟性を確保
ファイルサーバの要件としては、安定して稼動
する必要がありました。そのためには、区切りを
する堅牢性と可用性、セキュリティの高さが求
しっかりと設定し、10 月 1 日から VDI とファイ
められた。また、職員が 3 秒以内にファイルを
ルサーバを本格稼動するとアナウンスすること
開けなければ利用が進まないと想定し、パフォー
で、しっかりと職員に使い方やこれまでの課題
マンスに対しても、60,000IOPS という要求
を考えてほしかったのです。職員の期待を外す
が行われている。さらに、一元管理しやすく、拡
ことなく、サービスインするために厳しい納期
張性やコストも考えれば、NAS 製品が最適だと
に対応させる必要がありました」と陣内氏は説
考えられた。
明する。
最終的に入札されたのは、コントローラとし
そのような状況の中で、納期どおりにファイ
てインテル ®
Xeon ® プロセッサ ー 搭 載 Dell
Storage SC8000 、NAS ストレージとして
Dell Powervault NX3300 、サ ー バとし
てインテル ® Xeon ® プロセッサ ー 搭 載 Dell
PowerEdge ™ R420 、スイッチとして Dell
Networking S4810 を組み合わせたシステ
ルサーバを整備したデルとユニアデックスに対
して、佐賀県の評価は高い。
「デルとユニアデッ
クスは、常に納期を守ってくれるので安心でき
ます。また、システムも安定しており、万が一の
場合にも迅速なサポートを受けることができま
す」と松永氏は説明する。たとえば、試験運用の
ムだった。デルのパートナーとしてこのシステ
段階で十分なパフォーマンスが出なかった際に
ムを提案したユニアデックス株式会社 九州営
は、デルとユニアデックスが連携して調査を行っ
業統括部 営業二部 第一グループマネージャー
てシステム全体の問題の切り分けを行い、デー
の永瀬智崇氏は、当時を振り返って次のように
タセンター側の問題を解決できた。また、OS
話す。
「この組み合わせであれば、お客様が求
の問題でファイルを開くのに時間がかかった際
めるパフォーマンスを十分に出せると考えまし
にも、提供されたスクリプトを実行することで、
た。また、拡張性が高く、無停止でファームウェ
迅速に問題を解決できたという。
アのバージョンアップやディスクの追加が行え
るという要件も満たせます」。
無停止で安定したパフォーマンスが
また、佐賀県では、テレワーク環境を実現す
テレワークを支える
る VDI を検証する際に、最新情報を収集するた
モバイルワークを推進していくことによって、
めに米国を訪れているが、その際にテキサス州・
現場での機動力や解決力が向上し、職員の仕事
ラウンドロックの Dell
に対する満足度も上がってきていることを陣内
Executive Briefing
Center にも訪問し、デルのストレージへの取
氏は感じているという。多くの資料を持ち歩か
り組みや機能について理解を深めたという。
なくてもタブレットでファイルサーバの必要な
中でも、Dell
ファイルにアクセスできるため、その場で解決
Storage SC が持つ自動 階
層化ストレージは、非常に有効な機能と考えら
でき、持ち帰り対応が 49% 減ったのだという。
れた。自動階層化ストレージでは、SSD 、SAS 、
また、移動時間などを有効に利用する回数も 3
SATA の 3 層で構成されたストレージで利用頻
倍となり、迅速な業務報告を実現。会議の結果
度に合わせて最適な場所にファイルを配置する
を報告書にまとめる時間も 50% 削減でき、出
ことで、コストを抑えて必要なファイルに高速に
先からの直帰率を 75% 上昇させることで、ワー
アクセスすることが可能だ。
「すべてを SSD に
クライフバランスにも効果が出ている。
「出張
するほどコストはかけられない中で、自動階層
先でも役立っている」
「お客様を待たせることが
化ストレージは非常に有効だと思います。大容
ない」といった職員の声も聞く、と陣内氏は話し
量で高速なストレージを要求したため、選択肢
てくれた。
はある程度限定されると考えられましたが、デ
また、松永氏は、ストレージが安定して無停止
ルとユニアデックスの提案は拡張性があり、安
で動くことがテレワーク事業に大きく貢献して
定稼動できることに魅力を感じました」と松永
いると説明する。
「ローカルにファイルを保存し
氏は話す。
て外に出すのではなく、VDI をしっかりと使う
3
ためには、それを支えるストレージが無停止で
クスの提案が入札を経て採用され、デル製品が
動くことが重要です。また、レスポンスが悪いと
使われているという。
いう印象をユーザに与えてしまうと、利用率が
「テレワーク推進に加え、グループウェアも刷
下がってしまいます。当たり前のように動いて、
新することで、いつでもどこでも働けて、情報
安定してくれることでセキュリティを向上するこ
共有もできるよういし、今後数年間で業務改革
とができ、ユーザの利便性を達成できると考え
をさらに進めていきたいですね」と松永氏は話
ています。また、間違って必要なフォルダやファ
す。また、陣内氏も次のように語る。
「県民サー
イルを消してしまっても、1 時間ごとに自動バッ
ビスをいかに迅速に提供できるかが我々の目
クアップすることで、すぐに復旧できるのも非
的であり、それを ICT で支えて、職員にしっかり
常に便利です」。
とした仕組みを提供することが重要です。また、
テレワークなどの新しい働き方を県の職員が示
RMS 導入やグループウェア刷新も計画
すことで、県内や全国の企業の見本となるよう
今回導入したファイルサーバは、まだまだ容
になればよいですね。技術の進歩によって、働
量に余裕があるが、将来的にはいつでも無停止
き方も変ってくると思うので、我々の働き方も、
で拡張できるようにしているため、非常に安心
さらにバージョンアップしていけるようにしたい
しているという。今後、佐賀県では、よりセキュ
と考えています」。
リティを高 めるために、Active
Directory
先進的な ICT 活用で注目されることが多い
Rights Management サービスを使った暗
佐賀県は、今後も県民サービス向上のための業
号化機能も導入していく予定。また、全庁でグ
務改革を推し進め、自治体の課題解決となるよ
ル ープウェアを刷 新することも進められてい
うな仕組みづくりに挑戦していく。
「デルとユニアデックスは、
厳しい納期も守ってくれる
ので安心できます。また、
安定したシステムで、万が
一の場合にも両社が連携し
た迅速なサポートを受ける
ことができます」
佐賀県
統括本部 情報・業務改革課
最先端電子県庁担当 係長
松永 祥和 氏
るが、これらのシステムについても、ユニアデッ
佐賀県
佐賀県
統括本部 情報・業務改革課
統括本部 情報・業務改革課
最先端電子県庁担当 係長
業務改革担当 係長
松永 祥和 氏
陣内 清 氏
Dell powerEdge サーバーおよび Dell Storage SC シリーズは、インテル ® Xeon® プロセッサーを搭載しております。
Intel Inside® パワフルなデータセンターを
デルのストレージソリューションの詳細は、以下をご覧ください。
www.dell.com/jp/business/p/storage-products
ユーザ導入事例ウェブサイトにて、他にも多くの事例をご覧いただけます。
www.dell.co.jp/casestudy
July 2016. ©Dell Japan Inc.
4
● Dell Powervault 、Dell PowerEdge 、Dell ロゴは、米国 Dell Inc. の商標または登録商標です。
● Intel 、インテル、Intel ロゴ、Xeon 、Xeon Inside は、アメリカ合衆国および / またはその他の国における Intel Corporation の商標です。
●その他の社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。
●取材 2016 年 3 月 10022804
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