講演抄録(PDF)

The 23rd Scientific Meeting of Japanese Academy of Prosthetists and Orthotists
The 23rd Scientific Meeting of Japanese Academy of Prosthetists and Orthotists
ランチョンセミナーⅠ(共催:ナブテスコ株式会社)
新規完成用部品ALLUXTM(アルクス)の紹介
ナブテスコ株式会社
藤原 健司
2001年 中央大学 理工学部精密機械工学科 卒業
2004年 早稲田医療技術専門学校 義肢装具学科 卒業
2004年 ナブテスコ株式会社 入社
現在に至る
講演内容
1.はじめに
ALLUXTM(アルクス)は四節リンク機構と油圧立脚電子制御を組み合わせた世界で初めての膝継手である。四節
リンク機構の膝継手はトークリアランスの増大、随意制御の補助、遊脚期への滑らかな移行など様々な利点がある。
しかし膝屈曲位で接地すると立脚制御は働かず膝折れしてしまう課題があった。そこで我々は油圧立脚電子制御を組
み込むことで、膝屈曲位での接地でも屈曲制動が働くようにし、四節リンク機構の課題を解決した。これにより四節
リンク機構の対象者を増やすことができた。また立脚電子制御の対象者も四節リンク機構を選択できるようになっ
た。さらに2016年 4 月より補装具完成用部品として指定され、より多くの方が使用できる環境となった。当セミナー
ではアルクスの特徴、適応、そして試着方法について紹介する。
2.特徴
四節リンク機構と油圧立脚電子制御を組み合わせることで、どのような新規性、利点があるのか。その開発コンセ
プトや使用者のフィードバックをもとに紹介する。
3.適応
アルクスの機能や仕様(寸法など)が使用者の身体や生活環境に適応する/しないは、試着や選択をする際に役立つ
情報である。今までの経験を整理し紹介する。
4.試着方法
事前準備、アライメント調整、PCによる調整、そして使用者への説明など、試着の全体像を示すと共に、特に伝え
たい要点を紹介する。
5.おわりに
立脚電子制御を持つ膝継手が世の中に出て20年弱となるが、すべて単軸機構であった。機械式の膝継手では単軸機
構も多軸機構もあり、立脚電子制御の多軸化の要望は、多くの方から頂いた。アルクスのプロジェクトの開始時を思
い出すと、技術的な面、仕様的な面で本当にできるのかと思った。今に至るまで長い道のりであったが、皆様からの
助言や協力なしでは到達することはできず、深く感謝を申し上げる。
図 1 .ALLUXTM