日本脳炎に注意しましょう 日本脳炎とは? 【ブタ】 日本脳炎は日本脳炎ウイルスによっておこ るウイルス感染症です。ブタなどの動物の体 内で日本脳炎ウイルスが増殖した後,そのブ タを吸血した蚊(主にコガタアカイエカ)がヒトを 刺すことによって感染します。ヒトからヒトへの 感染はありません。 症状は? 【コガタアカイエカ】 日本脳炎ウイルスに感染してもほとんどの人 は軽い症状あるいは無症状で終わります。ごく 少数の人が発病し,脳炎症状を起こします。致 死率は20~40%前後と高く,回復しても半数程 度に後遺症が残ります。 【コガタアカイエカ】 【ブタ】 写真提供:国立感染症研究所 日本での流行状況は? 1992年以降日本脳炎の発生数は毎年10人以下です。大部分は九州・沖縄地方及び中国・四国地方 で発生しております。日本はワクチンの定期接種により,すでに流行が阻止されています。 表1.全国と茨城県における日本脳炎の患者報告数(人) H20 H21 H22 H23 H24 H25 全国 3 3 4 9 2 9 茨城県 2 0 0 0 0 0 H26 2 0 厚生労働省の感染症流行予測調査事業として,毎年夏に茨城県内のブタの日本脳炎抗体獲得状 況を調査しています。ブタは概ね生後6ヶ月で食肉になるため出荷されます。そのブタの日本脳炎抗体 を調べることで,飼育されていた地域および期間に日本脳炎ウイルスが存在したことがわかります。茨 城県内でもブタの日本脳炎抗体が検出されており,日本脳炎ウイルスに感染する可能性があります。 表2.茨城県における豚の日本脳炎HI抗体保有状況 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 茨城県 + + ー + ー ー + ※抗体が検出された年を(+)、検出されなかった年を(ー)で示しています。 H27 + 日本脳炎を予防しましょう 特異的な治療法はありません。予防が最も大切です。 〇日本脳炎のワクチン接種が予防に有効です。 ワクチン接種により,日本脳炎の罹患リスクを75~95%減らすことができると報告されています。 〇露出している皮膚への防虫スプレー使用,長袖,長ズボンの着用により,蚊に刺されないように しましょう。 日本脳炎の検査は? まずは医療機関を受診してください。医療機関で検査が必要と判断した場合は,茨城県衛生研究所 で日本脳炎ウイルスの遺伝子検査を実施します。
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