事前資料(162KB)

シーズタイトル
金属の歪(ひず)みを色変化として可視化する技術を開発
氏名(所属、役職)
研究責任者:不動寺
浩 (独立行政法人物質・材料研究機構
先端フォトニックス材料ユニット 主幹研究員)
コーディネータ :中野 義知(物質・材料研究機構 研究連携室 運営主席)
H23 年度採択課題名、 金属材料の塑性変形の歪み分布を可視化するスマート光学コーティ
(課題番号)
ング
(AS232Z01349B)
技術キーワード
構造色、歪み可視化、コロイド結晶、センシング
【新技術の概要】
金属の変形による歪(ひず)みを色変化とし
て可視化できて、さらに変形量を簡便に測定で
きる新技術を開発しました。この技術を用いる
ことで、鉄橋など構造物の塑性変形を非破壊で
計測することが可能になります。
日本を含む先進国では、社会インフラである
鉄橋やビルなどの老朽化が進行しているため、
劣化の兆候(歪みなど)を事前に検知する技術
(ヘルスモニタリング技術)が求められていま
す。これまで、非破壊で検査する技術は高価な
しています。応力は試験片のくびれ部分に集中
材料や計測装置が必要でありコストが高くなる
し、くびれ部分を中心にアルミ試験片の塑性変
ことが課題です。低コストで簡単・簡便に利用で
形が生じています。さらに光ファイバーによる
きる革新的な新技術の開発が望まれています。
反射プローブ方式の小型分光器で反射スペクト
オパール薄膜の構造色が変化する新材料の検
ルを測定しました。アルミ試験片の変形した領
討を行い、金属の変形による歪みを色変化とし
域では 548nm、非変形領域では 621nm でした。事
て可視化でき、さらに、変形量を分光器で簡便
前に波長シフト量あたりの歪みの量を求めるこ
に測定できる新技術を開発しました。
とで、定量的な歪みの評価が期待されます。
今回開発した技術は、鉄橋やビル、航空機な
【本技術に関する知的財産権】
どに対する非破壊検査技術としての応用が期待
・特願 2005-060454
されます。さらに、材料試験分野での金属材料
「物体の歪を検出する方法およびその装置」、
評価などにも応用が可能です。
【従来技術・競合技術との比較】
出願人:独立行政法人物質・材料研究機構
【想定される技術移転】
わずかな歪みでも可視化できる応力発光材料
3研究機関による推進体制【物材機構(新材
や、変形によって発色する機能分子、高分子材
料設計)、広島大学(非破壊検査技術)、土木研
料などの新物質・新材料の開発が進められてい
究所(実装及び実証)】が構築されており、この
ます。本研究では、変形によってオパール状に
スキームを利用できます。また、新材料量産、
変色する薄膜シートをアルミニウム試験片に貼
歪み計測技術、実用化試験等、個別課題につい
りつけて、引張り試験によって変形した領域を
ても実用化を目指す企業と連携が可能です。
色変化として検出することに成功しました。写
【お問い合わせ先】
真には純アルミ試験片(ダンベル形状:幅 15mm,
独立行政法人物質・材料研究機構
R10mm)にシートを貼り付け、引張り試験機を用
研究連携室 運営主席 中野 義知
いてアルミ試験片の塑性変形を行いました。ア
〒305-0047
ルミ試験片の塑性変形した領域の構造色が変色
029-859-2403, [email protected]
茨城県つくば市千現1−2−1