海外安全対策情報(ポルトガル・2016 年7月) 1 治安情勢等及び邦人被害の状況 (1)治安情勢等 ア 一般犯罪情勢 当国における 2015 年の犯罪認知総数は 356,032 件で,前年(343,768 件)よ りも 1.3%増加した。他方,凶悪犯罪認知件数は 18,964 件で,前年(19,088 件) よりも 0.6%程度減少した。 近年,犯罪件数は減少傾向であったところ,この度認知件数が増加に転じた 理由として,警察による街頭警戒及び警戒検挙活動の強化のほか,法改正に伴 う,動物虐待行為等新たな犯罪の事件化等が挙げられている。 イ スリ犯罪の増加 ポルトガルにおけるスリ犯の増加に伴い,警察では犯罪抑止対策とともに検 挙活動を強力に推進しており,人々が賑わう繁華街及び路面電車さらには大型 ショッピングセンターにおいて注意喚起を行っている。 ウ 少年犯罪等に対する警戒強化 警察では,6月 17 日から海水浴場,公共交通機関,空港のほか,観光客で賑 わう地区(バイシャ・シアード,ベレン,アルファマ)を中心とした特別警戒 を開始したほか,例年同様,地元の若者グループによる事件が多発している, ポルトガル鉄道(CP)シントラ線及びカスカイス線における警戒を強化してい る。 (2)最近の邦人関連被害例 4~6月の間,大使館に届けられた邦人の犯罪被害件数は 11 件。 一般的傾向として,市電(28 番)乗降時のスリ被害が急増しており,警察官 による巡回が実施されている。 ア 犯罪手口 すり 4件 置き引き 1件 車上狙い 0件 侵入盗(ホテル客室) 6件 手口不明 0件 イ エ 犯行時間帯 発生曜日 0~6時 0件 月曜日 2件 6~9時 0件 火曜日 0件 9~12 時 2件 水曜日 2件 12~15 時 0件 木曜日 0件 15~18 時 1件 金曜日 0件 18~21 時 7件 土曜日 1件 21~24 時 0件 日曜日 6件 不明 1件 発生場所 リスボン オ ○ ウ 場所 件数 リベルダーデ通り 0件 バイシャ・シアード・アルファマ地区 2件 ベレン地区 0件 市電(28番) 1件 その他交通機関 0件 ホテル内 6件 上記以外 1件 ポルト 0件 不明 1件 被害例・対策 リスボン市内繁華街を観光していたところ,背負っていたリュックサック が開いていることに気付き,確認したところ中から現金,パスポート,財布 等が盗まれていた。 ⇒貴重品を入れたバッグ等は必ず目の届く所(正面)に所持して下さい。 ○ リスボン市内市電 28 番にバッグを提げて乗車した。降車後,バッグが開い ていることに気付き,確認したところ,現金,パスポートが盗まれていた。 ⇒犯人グループは混雑する市電内(特に乗降時)にて犯行の機会を狙って います。バッグはしっかり正面に持ってください。特に乗降時の押し合うタ イミングが危険です。 ○ レストランでバッグから目を離した隙に、バッグごと盗まれていた。 ⇒所持品は必ず自分の目が届く範囲で管理をして下さい。 2 報道による凶悪犯罪等の事例(日付は 2016 年) ・武器(拳銃・刃物)を所携のうえ,脅迫する手口が多い。 ・昼間においても,銀行及び ATM を利用する際は十分な警戒を要する。 【リスボン地方】 ○ 4月 11 日午後6時ころ,カスカイス市内にある銀行に拳銃を持った男3人 組が押し入り,行員を脅して現金を強奪した。同銀行が襲われたのはここ数 ヶ月で2回目。 ○ 4月 25 日午前7時半ころ,リスボン市カイス・ド・ソドレ地区にある開店 前のレストランに 30 人前後の若者が押し入り,うち1名が拳銃を発砲したほ か,男性店主に暴行を加え,支払い用カードリーダーを奪って逃走した。 ○ 5月6日,リスボン市内エドワルド7世公園内において,男が付近の銀行 で現金を引き出した直後の女性を襲い,現金を奪った。 ○ 6月 23 日午前3時半ころ,カスカイス市内カルカヴェロス地区おいて,3 人組が ATM を爆破し,現金を奪って逃走した。 【北部】 ○ 4月 15 日午前 10 時半ころ,フェルゲイラス市内にあるスーパーに覆面を 被った男が押し入り,同店内 ATM に現金を補充していた警備員を脅し,現金 を奪って逃走した。 ○ 5月2日午前 10 時ころ,マトジーニョス市にある銀行に拳銃を持った3人 組が押し入り,居合わせた男性客から現金を奪った。 ○ 6月 20 日午後,ロウザダ市内において,拳銃を所持した2人組が ATM に現 金を補充していた警備員を襲い,運搬中の現金を奪って逃走した。 【中部】 ○ 4月 21 日午後3時ころ,カルダス・ラ・イーニャ市内にある銀行に2人組 が押し入り,同行支店長及び客を金庫内に閉じ込め,現金を奪って逃走した。 ○ 6月 19 日午後9時 15 分ころ,コルーシ市内にある住宅に散弾銃を所持し た2人組が押し入り,現金や車を奪って逃走した。本件は,あらかじめ下見 をするなど,計画的な犯行と見られる。 3 テロ・爆弾事件発生状況 当該期間中,ポルトガルにおけるテロ関連動向は把握されなかった。 なお,爆発物容疑の不審物件として警察に通報され,事件性なし(爆発物に あらず)と判明したケースはあった。 4 誘拐事件発生状況 特筆すべき誘拐事案は把握されなかった。 5 対日感情 良好。 6 日本企業の安全に関する諸問題 当該期間中,外国籍(日本資本を含む)企業が,脅迫や何らかの事件に巻き 込まれたという事案の発生は報告されていない。
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