2015年62号 - 茨城県酪農業協同組合連合会

平成 27 年 3 月 20 日発行
第62号
発行責任者:県央 CS @谷田部伸一
里美CS:0294-82-2758
県央CS:0299-37-6377
県西CS:0297-27-1552
ようやく冬の寒さがやわら 単月の用途別の販売状況は、学校向けを含む飲用向けが前年
ぎ、偕楽園の梅も満開とな 対比 99.4 %となりましたが、加工向け
り、桜の開花と春本番が待 は、前述したとおり大雪の影響で昨年
ち遠しい季節になりました。 度同月は加工向けが低かったため、そ
3 月は寒暖の差があります の反動で前年対比 121.5 %、加工比率
ので、体調を崩さないよう も 11.1 %と前年を上回りました。その
に気をつけていただきたい 他、はっ酵向け 96.1 %、生クリーム向
と思います。
け 102.2 %、チーズ向けは 89.7 %とい
3 月 11 日に東日本大震災から 4 年を迎えましたが、4 年経 う結果になりました。
った今でも約 23 万人の方が避難生活を強いられ、東日本大
本県の 2 月の個乳定期検査の結果は
震災によって苦しんでいる方が大勢いる現実は未だ解消され 乳脂肪分率 4.01 %(前年同月 3.95 %)
、無脂乳固形分率 8.82
ておりません。復興もままならない現状の中で、無関心にな %(同 8.77 %)、体細胞数 20.0 万個/ml(同 20.2 万)
、総菌数 1.4
らずに風化することなく、犠牲者の冥福と一日も早い復旧と 万個/ml(同 1.6 万)という結果になりました。各項目とも昨
復興、そして防災への思いを新たに未来に引き継がれていく 年同月よりやや改善されており、引き続いて高品質な乳質を
ことを願いたいと思います。
維持しています。
さて、常日頃より当会の事業運営につきましては特段のご
(原文:県酪連生乳販売部)
配意を賜り、厚くお礼を申し上げます。
3 月 20 日に開催された本会理事会において、H.27 年度生
県内CS 2月の生産状況
乳計画生産実施要領が承認されました。関東生乳販連の要領
と同様に、生産者が意欲を持ち、中期的な経営計画に基づく
生産量(㌧)
前年実績対比 前月日量差(㌧)
安定的な生乳計画に取り組める環境整備を図り、需給の変動
里美cs
675
101.0%
0.8㌧
に伴う短期間での増・減産を繰り返さない事を目的に実施す
県央cs
8,550
100.0%
7.4㌧
ることとしております。H.26 年度との変更点は、期中の生
県西cs
3,132
96.1%
3.3㌧
産枠見直しを年 3 回(6,9,12 月)から年 2 回(9,12 月)に、新
計
12,357
99.1%
11.5㌧
規就農枠の上限数量を法人経営 1,500 トンから 3,000 トンへ
拡大。未達ペナルティを 0.5%から 1.0%に、ペナルティとい
県内CS 2月の販売状況
う表現を廃止し「措置」とすることなどが変更となっていま
す。また、生産基盤弱体化に歯止めがかからない中で、廃業
里美cs
680
101.8%
0.9㌧
の抑制、新規参入支援、経営維持・規模拡大対策等の推進を
県央cs
8,556
99.8%
7.6㌧
図る目的に「生産基盤強化の取り組み」の実施や生乳需要全
県西cs
3,136
95.5%
3.1㌧
体の維持・拡大につなげることを目的とした
「理解醸成活動」
計
12,373
98.8%
11.6㌧
を実施することも明記しております。
2月分計画生産状況
~涙の味で「ホント」か「ウソ」か?~
県内の単月の販売乳量は 12,373 トン、計画対比 100.5 %、前
年対比 98.8 %となりました。下期に入ってから、10,11 月は
合格発表のうれし涙・卒業式での別
前年越え、12,1 月は 99 %台を維持していましたが、ここに
れの涙・そして花粉症の涙。様々な
来て 99 %を下回る結果となりました。 1 日当たりの平均日量
シーンの涙に違いがあるのことをご
は 442 トンで前月から 3 %弱の増加となり、例年並の伸び率と
存じですか?そもそも涙は涙腺内の
なりました。
毛細血管から血液から血球を除いた
単月の実績を組合別に見ると、2 組合(ひので 105.7 %、
液体。 98%が水分の弱アルカリ性で
茨城北 103.4 %)が前年を上回りました。ひので酪農は組合
リゾチームという抗菌成分をもつこ
間異動により乳量が増加しており、2 ヵ月連続の前年越えと
とから生乳との共通点も多い体液で
なりました。
す。さて、悔しさや怒りの際は、交
県内累計では 143,330 トン、前年対比は 98.7 %となりました。 感神経により体液のナトリウム濃度が上昇 、流れる涙もジワ
今年度も残すところあと 1 ヵ月となりましたが、最終的な目 ジワのため、やや粘り気のある「塩辛い味に」
。一方、喜びや
標数量(157,022 トン)に対し、計画対比(=進捗率)100.1 % 悲しみでは全開状態の副交感神経によりナトリウム濃度の上
で推移しています。また、今現在(3 月中旬)の県内の生産 昇はなく、涙の量は多いため「水っぽい味」となります。
は 98 %台となっており、この生産を維持すれば目標数量に
ちなみに、ウソ泣きアイテムの代名詞「目薬」は苦味が多
対して超過・未達措置の範囲内に収まり、かつ 157 千トン以上 いようです。 嫌われるリスクですが、怖いもの見たさで興味
の生産が見込まれます。
のある方はお試しあれ!!(A)
関東域内の単月の販売実績は 87,292 トン、前年対比 101.0 %
と、今年度に入ってから初めて前年を上回りました。その要
因は、昨年同月に大雪により関東全体で 1,300 トンあまりの生
県 内 情 報
乳を廃棄せざるを得ないことになった訳ですが、今年度は、
2月末の集乳戸数 386戸(前月-2戸)
被害の大きかった山梨県、群馬県が、その前年乳量を大きく
【休止中含む・アウト8件除く】
上回ったためです。また、関東域内全体の累計では、12 月
に見直した目標数量(1,101,212 トン)に対して、2 月実績まで
で計画対比(=進捗率)100.5 %で推移しています。
県酪連ホームページアドレス
http://www.ibarakuren.or.jp/
畜産技術情報
3月中旬となり、だいぶ春めいてきましたが、花粉症の方には
牛群検定事業 乳質改善事業の具体的な内容
辛い時期かと思われます。
日本三名園の一つである偕楽園では、現在、梅祭りを開催して ➊事業対象
おり、
全国各地より多くの観光客が訪れ賑わいを見せております。 ◆牛群検定農家が対象となります。
皆様も、お忙しいとは思いますが、もしお時間がございました
➋申込方法
ら、梅の花を見て癒やされてみてはいかがでしょうか。
◆所属組合を通じて、当会宛てに申し込み願います。
尚、申し込み時期は、随時受付と致します。
➌事業経費
◆牛群検定事業の一環として取り組むので、当会で対応
致します。
(バルク乳検査費用等は、当会で負担)
➍取り組み内容
牛群検定事業 乳質改善事業の紹介
皆さん既にご承知の通り、関東生乳販連ではこの4月より、体
細胞数の基準見直しを行うことになりました。
今までは、30 万個/ ml 以下が合格乳でありましたが、4月か
ら 40 万個/ ml 以下に基準が見直されることになりました。
①まず、茨城県農業共済連に依頼をして、バルク乳検査
を実施し、農場にどのような乳房炎菌が存在するかを
調査致します。その種類によって、農場に適した抗生
物質の選定を行います。
②搾乳立会をさせていただき、搾乳手技の確認と搾乳時
間の計測を行います。
特に、ミルカー装着までの時間の計測と、過搾乳が起
きていないかを中心に確認致します。
これは、
決して品質を落としても構わないということではなく、
経産牛では生理現象として体細胞数が高くなり、今までは体細胞 ③搾乳時間に問題がある場合には、ラクトコーダーを使
数の基準をクリアするために、淘汰されていた部分もあり、生乳
用して乳量の波形を計測し、ライナースリップや過搾
生産量が減少する中で、1産でも多く連産させて、生乳生産量の
乳について、詳細をチェックします。
確保に繋げたいという考えであります。
④調査データを集計して関連団体(茨城県農業共済連・
牛群検定事業では、良質乳の生産に努めながら、個体の産乳能
ゼノアック等)と共に問題点を整理し、問題解決に向
力や乳成分、繁殖成績等を考慮しながら選抜淘汰を行い、遺伝的
けた搾乳手技の改善策を提案させていただきます。
能力の高い雌牛に乳用種を交配し乳牛改良を積み重ね、遺伝的能
力に優れた後継牛作りをしております。
⑤数ヵ月後、再度搾乳立会を行い、搾乳手技の改善と乳
質の改善が見られれば完了となります。
当県の牛群検定加入牛は、都府県と比べて体細胞数が低い傾向
があります。
【当会からのお願い】
平成27年2月分の牛群検定加入牛の平均値
●都府県 23万個/ ml
●茨城県 20万個/ ml
現在、県内には約 18,000 頭の経産牛がおり、その内、約 6,400
頭が牛群検定に加入しているので、約 35 %程度の頭数加入率で
ありますが、県内全体の乳量や乳質に大きな影響を与えておりま
す。
乳質改善事業は、1件1件に時間をかけて取り組みます
ので、申し込みが多い場合には、お待ちいただくことにな
りますので、ご了承願います。
茨城県里美共同模範牧場 春期入牧のご案内
平成 27 年 2 月時点における関東生乳販連の体細胞数の平均値
は、22 万個/ ml で、当県は最も低い 20 万個/ ml であります。
検定成績と同様なことからも、その影響力がうかがえます。
茨城県里美共同模範牧場の春期入牧については、次の通
この様に県内全体への影響力も大きい牛群検定加入牛でありま りとなりますので、ご紹介させていただきます。
すので、牛群検定加入牛の乳質を高めることは、県内全体の乳質
を高めることにも繋がると考えられます。
◆入牧月齢 概ね6ヵ月齢以上で、体高105cm以上
◆検査内容 牛結核病・ブルセラ病・ヨーネ病・牛白血病
つきましては、牛群検定加入牛に対して、乳質改善事業を取り 現在は、牛白血病陽性牛も入牧が可能となりました。
組むことと致しましたので、ご紹介させていただきます。
尚、陰性牛と陽性牛は、分離飼育しております。
◆預 託 料 夏期450円(税別)冬期600円(税別)
情報提供
◆申込期限 3月28日(金)
生産指導部 改良課