事前課題2(PDF)

模擬緊急記者会見 テーマNO.1
国民健康保険課の職員が、DV被害者の住所を加害者に伝えてしまった・・
7月27日(水)午前11時ごろ、国民健康保険課収納管理担当職員A女性(40歳が、
住民Bさん(45歳・女性)からの厳しい口調のクレーム電話を受けた。内容は「納付書
の住所の一部が誤っているようなので、確認をしたい」という内容だった。
Bさんは家庭内暴力(DV)を受けている事情があり、夫と別居して生活していた。そ
のため,Bさんは住民基本台帳法に基づき役所に申請し、現住所を加害者には開示
しないよう依頼していた。このため、住民票の開示や交付制限がかけられており、国
民健康保険のシステムでも制限されていることが確認できるようになっていた。
役所のパソコン画面上には、DVの申請があった場合に入力する個人メモを見て、
内容を確認するというルールがあったが、この電話を受けた職員Aはその個人メモを
見逃し、疑うことなく、Bさんの現住所を電話口で伝えてしまった。
翌日28日(木)、午前8時30分の業務開始直後、Bさんから怒りの抗議の電話が
入った。担当者Cが受けたところ、「昨日の夜、別居している夫が自宅にやってきた。
役所から住所を教えてもらったといっている。私はきちんと手続きをしたのにどういう
ことだ」と詰問された。
驚いた担当者Cから係長Dに報告があがってきた。これを受けた国民健康保険課長
補佐のあなたは、すぐ課長に報告したところ、課長から、「課長補佐として、すぐに対
応するように」という指示が出た。
担当者Cとともに職員Aに確認したところ、「Bさんと同年代の40台の女性の声だった
ため、すっかり本人からの電話だと思いこみ、さらに向こうが口にした住所も○○町○
○三丁目まで合致していたので、話の流れでこちらから登録記載している住所を相手
に伝えてしまった」とのことであった。職員Aは今年4月に異動してきたばかりで、この
システム操作や画面に不慣れであった。
上司の指示で、担当係長Dが直ちにBさん宅に出向き、改めて謝罪し事情を伝えた
ところ、電話をしたのは、Bさんの夫の妹E(44歳)だということが判明した。Bさんは
「私が夫に殺されたら役所は責任とってくれるのですか。」と強く役所の対応のミスを
責めてきた・・。DV被害者の個人情報漏えい問題が、あちこちの自治体で起きている
ことから、緊急記者会見を開かざるを得ないことになった・・。
課題1.記者からの「想定質問と応答」をいくつか作成してください。
模擬緊急記者会見 テーマNO.2
生活保護費の返還金を、担当職員が2年間にわたって着服していた・・
生活保護を担当する福祉課の50代の男性職員が、生活保護受給者からの返還金
を着服していたことが判明した。生活保護費の支給額は、国の定める最低生活費か
ら本人の給与や年金収入などを除いた金額となるが、収入申告がなく、過払い状態
のまま保護費が支給されていたことが判明した場合には、遡って支給した保護費の
返還を求めることになる。
この職員は、自分の担当である被保護者数人から毎月返還金を現金で受領してい
たが、収入の手続きをせずにこれを着服。被保護者本人には、その都度、偽造した領
収書を渡していた。
中には、高額の返還金を要求され、最低生活費の約4分の1の水準で生活を強いら
れていたケースもあった。このため、高額な返還金を要求されていた被保護者の一人
が、過度な節約のため水分を取らずに自宅で脱水症状を引き起こして転倒していたと
ころを救急搬送され、病院職員に事情を話したことで事態が発覚したのであった。
被保護者は回復したものの、転倒の際に頭を打っており、医師から脳に後遺症が
残ると言われている。
事態の発覚後、この職員が担当する被保護者に聞き取り調査を行ったところ、2年
間で10人から約500万円を返還金として受領、着服していた疑惑が浮上してきた。
本人に聴取したところ、着服の事実を認め、着服した金は遊興費に使ってしまい、
ほとんど残っていないことが分かった。
この職員は、日頃から無断欠勤するなど勤務態度が悪く、以前勤務していた別の福
祉関係の課でも、被保護者と返還金を巡るトラブルを起こしていた。
この事態を重く見て、本日16時から、緊急記者会見を実施することとなった。
課題1.記者からの「想定質問と応答」をいくつか作成してください。