I2S&USBのクロック&データ同期入門 ラズパイ・オーディオの 勘どころ

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目指せ高性能! I2S & USB のクロック&データ同期入門
ラズパイ・オーディオの
勘どころ
第
5回
信号品質を下げる D-A コンバータ用
クロックの周波数偏差&ジッタ
USBのパケットにトラッキングして
システム・クロックを作る
ラズベリー・ USB USB プロトコル・
USB
アナライザ
パイ2
ラズベリー・パイ2の
マスタ・クロックに
合わせてパケットを構成
USB-I2S
変換IC
96kHzアダプティブ同期方式の測定
では48kHzを256倍したシステム・
クロックをFPGAに入力する
岡村 喜博
USB D-Aコンバータ
PCM2707C評価ボード
PCM2707C
USBコア
SpAct
PLL
256 fS
PCM1792A評価ボード
(48kHz)
DAC IC
2
のI S
PCM1792A
I 2S
アナログ
電圧
4.5VRMS
オーディオ・
アナライザ
SYS-2722
内蔵PLLで作られたシステム・クロック
FPGAボード
(96kHzの実験)
FPGA内部のテーブル・データを読み出して
128 fS(96kHz)のI2Sで出力
図 1 アダプティブ同期方式の測定環境
PCM2707C のトラッキング・システムが出力したシステム・クロックを使用して D-A コンバータを駆動する
USB D-Aコンバータ
FPGAボード上の水晶発振器のビット・
レートに合わせてパケットを調整
ラズベリー・ USB USB プロトコル・
USB
パイ2
アナライザ
水晶発振器とパソコンの
相対ビット・レートを通知
FPGAボード
自作USB
コントローラ回路
256 fS
のI2S
I 2S
PCM1792A評価ボード
DAC IC
PCM1792A
アナログ
電圧
4.5VRMS
オーディオ・
アナライザ
SYS-2722
FPGA
水晶発振器
MXO-50B
(三田電波)
ボード上の水晶発振器の出力を
そのままI2Sのシステム・クロッ
クとして出力
図 2 アシンクロナス同期方式の測定環境
FPGA ボード上にある水晶発振器のクロックを基準にしたビット・レートでホスト側からオーディオ・データが送られる
本連載ではこれまで,システム・クロックの品質は
オーディオ性能に直結する重要なものであると繰り返
し説明してきました.
今回から,システム・クロックの品質が実際にどの
ようにアナログ性能に影響するかを確かめるために,
システム・クロック生成方法が異なる USB オーディ
オのアダプティブ同期方式とアシンクロナス同期方式
を比較した実験を行います(図 1,図 2).
今回は,オーディオ信号品質に影響を与える D-A
コンバータ用システム・クロックのパラメータを紹介
し,実験で確認する環境を構築します.
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オーディオ DAC 用クロックの
重要パラメータ
● オーディオ用 D-A コンバータの当たり前…シ
ステム・クロックが必要
D-A コンバータにはさまざまな方式が考案されてい
ますが,現在入手できるオーディオ用の D-A コンバー
タはほぼ例外なくシステム・クロックが必要です.連
載第 1 回と第 2 回で使用した PCM5102A(テキサス・
インスツルメンツ)は,システム・クロックを入力し
なくとも動作できましたが,これはチップ内部の PLL
第 1 回 ディジタル非同期がアナログ出力波形に与える影響(2016 年 3 月号)
第 2 回 I2S 接続 D-A コンバータの選び方(2016 年 4 月号)
第 3 回 もうひとつの方法…USB 接続オーディオ(2016 年 5 月号)
2016 年 7 月号