組合員と共に生きる、地域と共に生きる ◆ Outlook by Yoshihiko Kaga 展 望 JAの進むべき道 組合員と共に生きる、地域と共に生きる 改正農協法に書かれた「 5 年後ま 多様なニーズを持っているのかを見 でに准組合員の事業利用の在り方に える化しマッピングしていく。その 結論を得る」という条文。このこと 上でどこを優先的にターゲットとし にどう向き合い、どう立ち向かって て位置づけるかを明確化する。決定 いくのか。 されたターゲットに対して最適な施 こんなアンケート結果がある。正 策の組み合わせを提起する。選定し 准組合員に「協同組合と株式会社の 違いが説明できるか」を聞いてみ たところ、46%の方が「説明できな 加賀尚彦 (JA全中常務理事) た施策の事業計画への反映方法、そ のためのJAでの環境整備(体制づ くり、職員研修等) 、施策の実践方 い」と答えている。また、准組合員に対して 法と効果測定、PDCA による施策の改善方法 行ったアンケートで「准組合員に対してJA などを盛り込んでいく。さらに、地域農業・ から説明のあった事項」では、47%の方が 協同組合理念・総合農協の理解促進、組合員 「特に説明を受けていない」と回答している。 の「意思反映」や「運営参画」の強化、複数 地域農業の概況や協同組合の理念について説 事業利用・事業量の拡大等にも触れていく。 明を受けたとする方は全体の15%にすぎない。 まずは暫定版を本年 6 月に作成し、各都道 環太平洋連携協定(TPP)における重要 5 府県中央会に対して説明会を開催し、可能な 品目の関税撤廃に関する賛否では、組合員が 限り迅速に展開していくこととしたい。 賛成38.8%、反対34.4%、非組合員が賛成 以降、モデルJAでの試行実施を繰り返し 32.7%、反対28.7%、よく分からないと答えた マニュアルに改善を加えていき、都度、各都 人の割合こそ違うが、非組合員より組合員の方 道府県中央会に対して会議や研修会でおつな が、賛成の割合が多い結果となってしまった。 ぎしながら、確定版は来年下期を予定してい 誌面の都合ですぐ結論にいってしまうが、 る。 現在JA全中では、この課題に対応するため 時間はない。待ったなしの状況である。 にマニュアル(仮称:JA組織基盤強化推進 JAグループの自己改革は、組合員の方々 マニュアル)を作成中である。 や地域の方々との関係改善であり、強い結び マニュアルの概要としては、それぞれのJ 付きの再構築であるとも言える。 A管内の正准組合員の皆さんがどのような構 ぜひ、各都道府県、各JAで活用していた 成になっているのか、その方々がどのような だきたい。 2016/07 月刊 JA 15
© Copyright 2024 ExpyDoc