司法書士科研究室 - 日本大学法学部

司法書士科研究室
司法書士科研究室とは?
どんな研究室か
司法書士科研究室は、平成21年から本格的に稼働した研究室であり、司法書士を目
指す学生の学習を支援することを目的としています。司法書士試験は、法律関係の資
格のうちでも比較的難易度が高いものとして知られ、学生の資格取得に対するニーズ
が高いにもかかわらず、試験内容の技術的性格等から、正課教育のみで十分な対応を
することは難しい資格試験です。
本研究室は、法職課程等の正課教育(法職課程の民事法特殊講義において、不動産
登記法等登記関連の講義が置かれています)や課外講座と連動し、本学教員及びOB司
法書士による、記述式科目を含め試験科目全般についての十分な指導を行っていきます。
平成24年度からは、夏期に合宿も実施し、みっちりと勉強を行い、研究室生の学力
と士気を高めています。平成25年度からは、答案練習会を実施し、平成27年度からは
上級者向けの答案練習会を拡充する等、レベルの向上をはかっています。
入
本学部在学生・本学部大学院生・本学部卒業生及び本学他学部の学生・大学院生・
卒業生です。
室
条
件
入 室 説 明 会
4 月・ 5 月と 9 月に司法書士科研究
室単独の説明会を予定しています。選
抜は下記のとおり入室試験により行い
ますが、入室試験実施までの間、希望
者に対し仮登録生として、本研究室の
利用を認めます。
入
入室試験は10月を予定しています。試
験内容につきましては、試験期日が近づ
いたときに、掲示等により連絡します。
室
試
験
入室生の特権
合宿・合同演習の様子
下記開講講座に参加できるほか、本研究室専用の自習室及び備付図書の利用ができ
ます。また、本学出身司法書士による講演会・懇談会を適時に実施し、普段知ること
のできない司法書士の魅力を身近に知ることができます。
開講講座
司法書士講座
民法、商法、不動産登記法、商業登記法等主要科目に関する基礎固めのための講義
答 案 練 習 会
・実戦レベルの答案練習会を模擬試験形式で実施後、本学教員又は本学出身司法書士
による解説
・上級者向けに本試験レベルの答案練習会を試験直前期( 1 月〜 5 月)に実施
特
本学専任教員又は本学出身司法書士による民法、商法等に関する講義・改正法対策
講義
ゼ
別
講
義
ミ
本学出身司法書士によるゼミナール形式での演習指導
研究室講師
岡島 芳伸 (日本大学法学部教授) 丸田裕次郎 (司法書士)
松嶋 隆弘 (日本大学法学部教授) 山形 洸平 (司法書士)
大久保拓也 (日本大学法学部教授) 山下 昌樹 (司法書士)
矢田 尚子 (日本大学法学部准教授) 佐藤 智幹 (司法書士)
田村 俊輔 (司法書士)
浅野みゆき (司法書士) 高須 昭二 (平成27年合格者)
小澤 覚 (司法書士) 竹内 義博 (平成27年合格者)
曽根 圭竹 (司法書士)
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司法書士について
資
格
内
司法書士とは、他人の依頼を受けて登記又は供託に関する手続きの代理などを業務
とし、また裁判所・検察庁・法務局又は地方法務局に提出する書類の作成等の法律事
務を業とする国家資格のことです。
一定の研修を受けた後認定を受ければ、簡易裁判所における訴訟代理権を有し、法
律事件の解決に力をふるうことも可能です(認定司法書士)。
下記のとおり、司法書士試験は難易度が高いので、それを反映して、司法書士の社
会的地位は高いといえます。
上記のとおり、簡易裁判所における訴訟代理権が認められ、法律事件の解決に携わ
ることが可能になったほか、成年後見制度の運用に際しても、積極的関与が求められ
るなど、近時司法書士の職域は広がりつつあります。本学の学生にとって、チャレン
ジしがいのある資格といってよいでしょう。
下記のとおり、司法書士試験は、科目数も多く、実務に関する細かい知識まで問わ
れる上、記述式として登記申請手続きの申請書を作成することが求められますので、
資格試験の難易度はかなり高いものです。
実際、合格率も平均 2 〜 3 %前後となっています。難関資格といってよいでしょ
う。
容
社 会 的 地 位
活
躍
の
場
試 験 難 易 度
司法書士について
所
轄
機
法務省
筆記試験 毎年 7 月上旬(平成27年は 7 月 5 日)
関
試験期日及び試験科目
午前の部
( 2 時間)
午後の部
( 3 時間)
口
述
試
験
受
験
資
格
多肢択一式35問
憲法 商法(会社法その他の商法分野の法令を含む)
民法 刑法
多肢択一式35問
供託法 司法書士法
民事訴訟法 不動産登記法
民事執行法 商業登記法
民事保全法
記述式 2 問
不動産登記 商業登記
・毎年、10月中旬頃に実施
・試験科目は、筆記試験と同一
年齢、性別、学歴などに関係なく、誰でも受験することができます。
司法書士科研究室・司法書士講座 年間スケジュール&受講モデル
7
8
1 年 目
9 10 11 12
1
2
3
4
5
6
7
8
2 年 目
9 10 11 12
1
2
3
4
3 年 目
5
6
7
中級ゼミ
(不登法)
(水曜日)
初級ゼミ
(民法・不登法)
(土曜日)
中級ゼミ
(書式)
(木曜日)
総合ゼミ (月曜日)
筆記試験
初級ゼミ
(会社法・商登法)
(水曜日)
仮登録
説明会
本登録
説明会
仮登録
説明会
本登録
説明会
仮登録
説明会
司法書士科研究室
入室試験
6
夏季合宿
5
入室試験
4
夏季合宿
年
月
課外講座
答案練習会・解説 (随時)
課外講座
(司法書士)
(火曜日・金曜日)
(憲法・刑法を除く 9 科目インプット)
答案練習会
(於専門学校)
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◆司法書士試験合格者からのメッセージ
合格者紹介①
合格に必要な事が学べます
高須昭仁(平成27年司法書士試験合格)
(平成26年法学部法律学科卒業)
(現司法書士科研究室講師)
新一年生の皆さん初めまして。ご入学おめでとうございます。
新生活を迎えられ、お忙しい中、司法書士科研究室の案内をご覧頂きありがとうござ
います。私は数年前、皆さんと同じように入学直後に学生研究室の案内の冊子を読み、
司法書士科研究室の存在を知り、大学 1 年生から司法書士科研究室に在籍しました。
在学中の短期合格をめざして受験を開始した私の司法書士受験生活は、 4 回目の挑
戦である昨年度の試験で終えることになりました。結果として平均的な受験回数での
合格者となりましたが、研究室の利用により、早めのスタートを切ることが出来たた
め、昨年の合格者同期内では、年齢的には若めの合格者となります。
さて、司法書士試験制度等については書籍やウェブ上ですぐに調べられることだと
思いますが、試験の難易度として司法書士試験は一般的には難関試験であると言われ
ています。
この難関試験である司法書士試験への挑戦を検討されている皆さんに向けて、研究
室の先輩合格者として試験突破への有益な情報になればと思い、私が受験生時代に感
じていた司法書士試験の要素を皆さんにお伝えします。
ズバリ、司法書士試験=「問われる知識の細かさ」×「圧倒的に足りない試験時間」です。
この二つが司法書士試験を難関試験としている要素だと考えます。
私の経験からこれから学習を開始する皆さんにお伝えしたいことは、闇雲に勉強す
ることは危険であるということです。なぜなら高い確率で膨大な知識量の記憶に挫折
することになり、あるいは本試験の現場で記述式問題に組み込まれている罠にハマ
り、受験期間が長引く可能性が高くなるからです。そのような事態を避けるための策
として私が提案できるのが司法書士科研究室への入室とゼミへの参加です。なぜな
ら、研究室で通常のゼミをご担当される講師の先生方は難化傾向にある『現代の』司
法書士試験を正しい方法論によって通過してきた先生方であり、講師の先生方からの
ご指導は正しい方法論に繋がっているからです。正しい方法論さえ身に付けることが
出来れば、必ず 2 、 3 回の受験回数を迎える頃には合格レベルに達します。したがっ
て在学中合格の可能性も望めます。
また、知識の取得や問題演習の面においても現在、研究室では初級から中上級まで
様々なゼミが開講されており、ゼミ毎に各々の学習状況・レベルに応じた勉強の手助
けになると思います。それに加えて、資格予備校等の知人同士では場所や費用の面で
苦労する自主的なゼミを気軽に行うことが出来るのも研究室の魅力だと思います。
私の場合、通常のゼミの準備として研究室同期と行った自主的ゼミでは各々が得意
な分野を教え合い、細かい知識の定着を図ったり、出題予想などを行い、論点整理を
したりしました。その成果として自主的ゼミで予想していた過去問にない論点が本番
で出題されたことがありました。その年度の試験は他の受験生よりも一歩先に行けた
ような気がして精神的な余裕に繋がったことを鮮明に覚えています。これだけでも自
主的ゼミをやって良かったと本当に感じました。
また、これは合格後のメリットになりますが研修や就職について気軽に質問できる
先輩司法書士や同年代の仲間を作ることができ、研究室に所属していて良かったと
思っています。
長々と書かせて頂きましたが、司法書士科研究室では将来この場で熱く語ってくれる
ような後輩をお待ちしています。興味がある方は仮登録から是非始めてみてください。
最後になりますが、合格にあたって研究室の講師の先生方、指導教授の大久保先
生、エクステンションセンターの皆様、そして研究室生のみんなから多くのアドバイ
スやエールを頂きました。
私自身これからも感謝の気持ちを忘れずに精進して参りたいと思います。
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合格者紹介②
研究室で得たこと
竹内義博(平成27年司法書士試験合格)
(平成27年法律学科卒業)
(平成27年より都内司法書士事務所にて勤務)
(現司法書士科研究室講師)
皆さんは司法書士という資格をご存知でしょうか。
僕は、受験勉強を始めたときに司法書士とはどのような資格なのかさっぱりわかり
ませんでした。一年生の初めから10月にかけて宅地建物取引主任者(現在、宅地建物
取引士)の勉強をしており、合格を機にもう少し難しい国家試験にチャレンジしてみ
たいと思いました。その時、皆さんが資格試験にチャレンジするときにお世話になっ
ているエクステンションセンターの方に司法書士試験を勧められた、というのが試験
勉強を始めるきっかけでした。当然右も左もわからない状況でしたので、その場で大
学が用意してくださっている様々な試験対策を教えていただき、僕は司法書士科研究
室と出会いました。
僕の試験勉強は一年生の11月という中途半端な時期に始まったために、研究室への
入室は二年生からということになりました。入室して 1 回目の講義は 1 年生と受講し
たのですが、その年の一年生とは 5 ヵ月分のハンディキャップがあるために、僕はす
ぐに三年生以上の上級生の先輩たちと一緒に勉強することになりました。 1 回目の講
義で僕は、先輩たちとの圧倒的な学力差にひるんでしまいました。が、研究室の先生
方には理解できるまで懇切丁寧に教えて頂いたため、苦しみながらも授業についてい
くことができました。また、研究室で出会った同じ志をもつ人たちにも支えられまし
た。僕には司法書士試験を一緒に志す研究室の同期がいなかったため、後輩と一緒に
授業を受けるまでは先輩方に囲まれての受験勉強になりました。そのような境遇の僕
を気遣ってか、先輩方は気さくに声をかけてきてくださり、受験勉強のいろはを教え
てくださりました。
研究室の講義は、自由に選択して受講することができます。僕は二年生の初めに不
動産登記法の講義に参加し、二年生の10月ごろから商業登記法の講義に参加しまし
た。それは研究室の他に受講していた学部内課外講座の基礎講座との進捗状況を合
わせてのことでした。このように、与えられるのではなく、自分で考えながらスケ
ジューリングができるところはこの研究室の強みだと思います。
ところで、この司法書士試験は憲法、民法などの皆さんがよく知っているような科
目から正課の授業では出会わないような科目まで、全部で11科目あります。合格率も
平均 2 ~ 3 %前後と非常に低く、合格するまでの道のりは非常に険しいものです。大
学在学中での合格という例もかなり少なく、目指すためには覚悟のいる試験だといえ
ます。私自身も在学中に合格できるのではないかという甘い見通しの下に受験勉強を
開始し、 1 年間の資格試験浪人をやることになってしまい非常につらい思いをしまし
たが、そうした苦難を乗り越えて司法書士試験に合格した後の自分は、今までの自分
よりも確実に高い所にいるという実感がありました。今までしてきた努力はそれだけ
の価値があるものだったと、この試験はどれだけつらい思いをしてでも目指す価値の
ある試験だった、と思うことができました。
多くの選択肢の中から司法書士試験を選び、司法書士科研究室への入室をされれ
ば、僕と同じように先生方に支えられ、研究室で出会った仲間と切磋琢磨し、実のあ
る学生生活を送ることができると思います。一人の先輩として新しく入室される皆さ
んの力になれる日を心よりお待ちしております。
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