実習B “γ線を測定してみよう” 実験の前に 新山 雅之 [email protected] 足立 智 [email protected] 13.8.5 1 まず最初に この実習では、密封線源を使用します。 密封されているかぎり安全です。 ペン先でつついたり、噛んだりしないでください。 実験室では飲食禁止(ガム、飴なども不可)。飲食は隣の 部屋か建物外で。 密封線源は極力教員、TA が扱います。 放射線防護の3原則:「距離」「時間」「遮蔽」 13.8.5 2 有益なデータベース Table of Isotopes http://ie.lbl.gov/toi.html からオンライン版にアクセス可能 NuDat http://www.nndc.bnl.gov/nudat2/ 13.8.5 3 エネルギーの単位 γ線のエネルギーは電子ボルト(eV) の単位で測ります。 1電子ボルト := 電子1個が1ボルトの電位差で加速されたときに 得るエネルギー 1 eV = 1.60217657 × 10-19 ジュール 特殊相対論によれば質量とエネルギーは等価なので質量も 電子ボルト単位で測定します。 E = mc2 電子の質量 0.511 MeV (メガ電子ボルト) 陽子の質量 938 MeV 13.8.5 4 放射線の種類 アルファ線(ヘリウム4の原子核) ベータ線(電子あるいは陽電子) X線、ガンマ線 中性子線 13.8.5 5 放射線源 原子炉で作られた放射性同位元素(RI)を少量封じ込めた資料 チェッキングソースとも呼ぶ 長寿命(数年以上)のRI ベータ崩壊で違う核種に崩壊してから、γ線をだす 質量数 662keVのガンマ線 陽子と中性子の数 原子番号 陽子数 13.8.5 6 光と物質の相互作用 光電効果 Ee = hν-W (W:仕事関数) コンプトン散乱 Ee = hν-hν エネルギーと運動量の保存則で計算できる。 アインシュタインの式 E = sqrt( (mc2)2+(pc)2) Eγ + Me = E’γ + Ee pγ + 0 = p’γ + pe 電子・陽電子 対生成 γ→e+e 1.022MeV以下では起こらない 13.8.5 7 NaIシンチレータ γ線が光電効果やコンプトン散乱などでNaI中に高エネルギー電子を生成 する。 高エネルギー電子が NaI 中の電子をエネルギーの高い準位に励起する。 励起された電子が脱励起するときに紫外から可視光の光を出す(シンチ レーション光)。 シンチレーション光を光電子増倍管で電気信号に変換する。 13.8.5 8 光電子増倍管 光電効果により入ってきた光子を光電子に変え、 その電子を増幅し電気信号として取り出す。 13.8.5 9 5日間の予定 1日目 (8/5) 密封線源からのガンマ線をまず測ってみる エネルギー分布を得る。スペクトルの意味を考える。 2日目 (8/6) 様々な密封線源を用いて、エネルギーの較正(Calibration) 鉛の遮蔽の測定→吸収係数を求める 3日目 (8/7) ある物質からのγ線エネルギーを測定。ある物質が何か調べる 4日目(8/19) 発表の準備 5日目(8/20) 発表会 13.8.5 10
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