C プログラミング入門 基幹7 (水5) 10: ファイル入出力 Linux にログインし、以下の講義ページ を開いておくこと http://www-it.sci.waseda.ac.jp/ teachers/w483692/CPR1/ 2016-06-15 1 今日の内容 標準ライブラリ関数によりファイルの出力を 行う 画像ファイルの生成を例題として 配列の作成を復習する 関数を作ってプログラムを構造化する 2 テキストファイルの中を覗いてみる 文字コードの羅列でできているもの Dear all, I hope you and your family are fine. ... Linux のコンソールで, od -ctx1 ファイル名 とすると、文字コードを表示できる。 コマンドの詳細は man od で見れる。 3 PGM 画像ファイル Portable gray map image 他に、PPM (カラー), PBM (2値) がある 単純なフォーマット テキスト形式とバイナリ形式がある PGM 画像ファイルの例 (テキスト形式) header 画素値 P2 4 4 255 0 127 127 0 PGM 画像 (4×4 pixel) フォーマットを識別する マジックナンバー 横幅 高さ [pixels] 127 255 255 127 255 255 画素値の最大値 (=白) 127 0 127 0 255 255 4 実演: PGM 画像ファイルを手で作る 1. テキストエディタで、前頁のテキストファイ ルを作り、 mini.pgm というファイル名で 保存する 2. ダブルクリックして画像ビューアで開く 4x4 ピクセルなので、拡大しないと見えない 手で作ると大変なので、プログラムで作りだ そうというのが、今日の本題です。 5 ファイル入出力の流れ 1. ファイルを開く プログラムから指定してた名前のファイルに読み 書きできるように準備すること 2. ファイルを読む・ファイルに書き込む I/O (input/output) と呼ばれる 通常は、ファイルの内容を順番にアクセスする (シーケンシャルアクセス; sequential access) ⇄ランダムアクセス (random access) 3. ファイルを閉じる ファイルの処理を完了し、バッファに残っている ものを全て出力する 6 例題: PGM ファイルの出力 #include <stdio.h> int main(void) { FILE *fp; fopen(), fprintf(), fclose() などは stdio.h で 宣言されている 開いたファイルを識別するため情報を指すポインタ ファイルポインタと呼ばれる。変数名は何でもよい fp = fopen("mini.pgm", "w"); fprintf(fp, fprintf(fp, fprintf(fp, fprintf(fp, ... fclose(fp); ... ファイルを mini.pgm という名前で、 書きこみモードで開く "P2\n"); "4 4\n"); "255\n"); " 0 127 255 255\n"); ファイルに文字列を書きこむ ファイル閉じる 7 ファイルを開く fopen() にファイル名と モードを指定 FILE 型へのポインタが返 る ファイルを操作するために 必要な情報が入っている 変数に入れて使う fopen() のプロトタイプ モー ド 意味 "r" 読み込み (read)。ファ イルがなければエラーと なる。 "w" 書き込み (write)。既存 のファイルは削除される "a" 追記 (append)。既存の ファイルがあればその末 尾に追記され、なければ 新規作成される。 構造体(今後の講義で解説)であるが、 内容を理解する必要は通常ない #include <stdio.h> FILE *fopen(const char *filename, const char *mode ); 8 ファイルオープンの失敗 ファイルが開けない場合がある 読み込みモードで、ファイルが存在しない場合 書き込みモードで、書き込み禁止の場所の場合 etc... 失敗した場合 NULL ポインタが返る { FILE *fp; fp = fopen("some.file", "w"); if(fp == NULL) { // エラー処理を行う 9 ファイルに文字列を書きだす ファイルに書き込むための関数を利用 fprintf() は printf() と同じ使い方だが、第1 引数にファイルポインタを与える fprintf() のプロトタイプ #include <stdio.h> int fprintf(FILE *stream, const char *format, ...); その他のファイル書き込み関数 関数 内容 fwrite ポインタで指すメモリ領域を指定したサイズだけ読み取って、 ファイルに書き込む fputc (putc) 1バイトだけファイルに書き込む fputs 文字列をファイルに書き込む fflush バッファの中身をすべて書きだす 10 ファイルを閉じる ファイルポインタを引数に fclose() を呼ぶ ファイルの書き込みは、効率のためにバッ ファリングがされるが、 fclose() は自動的に fflush() を呼び出す fclose() のプロトタイプ #include <stdio.h> int fclose(FILE *fp); 11 大きい画像を作る 特定のパターンならループを使ってファイル を書きだせば書けそう 複雑な場合は? 画素値 0, 50, 100, 150 の グラデーション { FILE *fp; int i; fp = fopen("grad.pgm", "w"); ... for(i = 0; i < 4; ++i) { fprintf(fp, "%d %d %d %d\n", i*50, i*50, i*50, i*50); } 12 配列をキャンバスに使う 配列の各要素を画素値だと思って、そこに絵 を書く ループを使ってファイルに書き出す unsigned char image[32][32] 0 0 255 0 0 0 0 255 0 0 0 0 0 0 0 0 0 21 0 0 画素値の配列を作って、 絵を書く 13 コード例 { FILE *fp; int x, y; unsigned char image[32][32] = {{0}}; // image に絵を書く... // ファイル出力 fp = fopen("image.pgm", "w"); // エラーチェックをしてヘッダを書きだす ... for(y = 0: y < 32; ++y) for(x = 0; x < 32; ++x) { fprintf(fp, "%d ", image[y][x]); } fclose(fp); ... 32×32ピクセルの配列をつ くり、ゼロで初期化する。 配列 image に画素値をい ろいろ入れる 空白でそれぞれの画素値が 区切られるようにする 行、列の順番で考えている 14 PGM のバイナリ形式の場合 1 バイト (unsigned char) の配列をそのまま ファイルに書いた形式。ヘッダは P5 fwrite() を使って書きだす unsigned char image[32][32] 0 0 255 0 0 0 0 255 0 0 0 0 0 0 0 0 0 21 0 0 fwrite() のプロトタイプ buf の指す場所から、 size [bytes] * count [個]の領域の値を fp の指すファ イルに書き出す #include <stdio.h> size_t fwrite(const void *buf, size_t size, size_t count, FILE *fp); 15 配列に絵を書く関数 配列に様々な絵を書きこむ関数を実現するに は、配列へのポインタとサイズを渡す 配列のサイズを関数は直接知ることができない // width x height の画像 img を color で塗りつぶす void fill(unsigned char *img, int width, int height, int color) { width x height の領域の先 int x, y; 頭へのポインタ for(y = 0; y < height; ++y) { ポインタ引数で配列の先頭 for(x = 0; x < width; ++x) 位置を知っただけなので、 { 2次元配列としてアクセス // NG: img[y][x] = color; できない。代わりに、座標 からメモリ上の位置を計算 img[x + y*width] = color; する } } } 16 配列に文字列を書きこむ ファイル名などをプログラムで生成 自動的に日付を付ける 連番にする etc... 文字配列に出力するには、 sprintf() を使う c.f. printf() →標準出力 (画面) c.f. fprintf() →ファイル sprintf() のプロトタイプ メモリ領域の先頭へのポインタ #include <stdio.h> int sprintf(char *buffer, const char *format, ...); 17 sprintf() の使い方 sprintf() が書きだすのに十分大きい配列を 用意しておく はみ出してもエラーは出ない 他の使われている領域を破壊する可能性がある 実用上は 256 など、大きい 値を指定する { char filename[10] = ""; sprintf(filename, "img-%d.pgm", 5); たとえば、ここが変数とな り、ループなどで変化する char filename[10] '\0' '\0' '\0' '\0' '\0' '\0' '\0' '\0' '\0' '\0' 'i' 'm' 'g' '-' '5' '.' 'p' 'g' 'm' '\0' この例ではぎりぎりの文字 数となる。 5 の代わりに 10 としたら、はみ出してメ モリ破壊をしてしまう。 18 printf と stdout printf は fprintf(stdout, "format string", …); と同じ。 ファイルポインタ stdout は標準出力といい、 <stdio.h> で定義されている。 画面を一種のファイルとして扱っている 19 まとめ printf => 標準出力 (画面) fprintf => ファイル sprintf => メモリ (配列) (実は、 printf は stdout ファイルを指定した fprintf と同じ) 20 テキストファイルの読み込み 手順 fopen() のモードを "r" で開く fgetc(), fgets() で文字列を読み込み、メモリに書 きこむ fscanf() によって文字列を数値などに変換してメ モリに書きこむ • その後、 sscanf() によって処理をしてもよい 読み込みの処理は、書きこむよりも難しいこ とが多い ファイルに「正しい」情報があるとは限らない EOFの処理については省略 21
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