J-PARC MR

J-PARC MRの遅い取り出しの
これまでと今後の展望
素核研 ハドロンビームラインG
J-PARC MR 遅い取り出しG
武藤 亮太郎
自己紹介
• KEK-PSの実験でD論取得
• 2007年より素核研 ハドロンビームライング
ループに所属しつつ、J-PARC MR 遅い取り
出しグループの一員となり、遅い取り出しの
仕事を始める。
• 現在 : MR遅い取り出し / ハドロンホールに
て新ビームライン(高運動量ビームライン)の
建設
2016-04-26
KEK ACC Seminar
2
内容
• J-PARC MRにおける遅い取り出しの概要
• これまでの取り組み
– ビームパワー増強
• 高い取り出し効率(99.5%)の実現
• パワー増強にともなう困難と、対策
• 放射化・被ばくの抑制
– スピル構造の改善
• 今後の展望
2016-04-26
KEK ACC Seminar
3
400MeV
LINAC
J-PARC
Japan Proton Accelerator Research Complex
3GeV
RCS
n to
SK
MLF
ハドロンホール
2016-04-26
KEK ACC Seminar
Bird’s eye photo
in January 20164
ハドロン実験施設
スイッチヤードトンネル
ハドロンホール
multi-strangeness
K1.8
K1.8BR
hypernuclei
area
area
Main Ring
T1 target
kaonic nuclei
L,X
1次陽子ビーム
KL
area
K1.1BR
area
Beam Splitting Point
COMET
area
2016-04-26
KEK ACC Seminar
E16
f
area
Origin of
Hadron Mass
5
現在の T1 target
Gold Target
Cooling Water
Copper Base
現在ハドロン施設は
50 kW beam まで
受け入れ可能
Cooling Water
2016-04-26
KEK ACC Seminar
2017 or 18年に
~80kWまで
アップグレード 6
どんなビームが必要か
• 大強度の陽子ビーム
– 大量のK中間子(sクォークを含む)ビームを用いて高統計デー
タを取りたい
• “遅い取り出し”
– 発生した中間子1個1個について、粒子の識別(PID)・運動量の
測定(磁石の前後での位置を検出)を行いたい
 10MHzあたりが限界
– K が 107 個輸送されてくるとすると、2秒間にわたってフラッ
トにビームを取り出せば、レートは5MHzになり大強度Kビー
ムを最大限に利用した実験ができる。
• デバンチドビーム
– 加速後にRFをオフしてデバンチさせる
2016-04-26
KEK ACC Seminar
7
3次共鳴を用いた遅い取り出し
6極磁石を用いて
3次共鳴を励起
→位相空間が
安定領域と
不安定領域に分かれる
安定領域のサイズ
h  4
dn
S
dn  n  (m  1 3)
S : 共鳴6極の強さ
ESS
2016-04-26
リング中のある1点での
位相空間
1. dn を徐々に0に近づける
2. 外側の粒子から順に
振幅を増大させていく
3. ESSのリボンを越えて
取り出される
KEK ACC Seminar
8
遅い取り出し直線部でのビームの動き
バンプ電磁石
バンプ電磁石
ESS
(静電セプタム)
SMS1
SMS2
SMS3
セプタム電磁石群
2016-04-26
KEK ACC Seminar
9
遅い取り出し直線部でのビームの動き
バンプ電磁石
バンプ電磁石
ESS
(静電セプタム)
SMS1
SMS2
SMS3
セプタム電磁石群
ESS
入射ビーム
電場
2016-04-26
KEK ACC Seminar
10
遅い取り出し直線部でのビームの動き
バンプ電磁石
バンプ電磁石
ESS
(静電セプタム)
SMS1
SMS2
SMS3
セプタム電磁石群
ESS
加速されたビーム
電場
2016-04-26
KEK ACC Seminar
11
遅い取り出し直線部でのビームの動き
バンプ電磁石
バンプ電磁石
ESS
(静電セプタム)
SMS1
SMS2
SMS3
セプタム電磁石群
ESS
バンプ軌道
電場
2016-04-26
KEK ACC Seminar
12
遅い取り出し直線部でのビームの動き
バンプ電磁石
バンプ電磁石
ESS
(静電セプタム)
SMS1
SMS2
SMS3
セプタム電磁石群
ESS
3次共鳴
(6極磁場によって励起)
電場
2016-04-26
KEK ACC Seminar
13
遅い取り出し直線部でのビームの動き
バンプ電磁石
バンプ電磁石
ESS
(静電セプタム)
SMS1
SMS2
SMS3
セプタム電磁石群
2016-04-26
KEK ACC Seminar
14
遅い取り出し直線部でのビームの動き
バンプ電磁石
バンプ電磁石
ESS
(静電セプタム)
SMS1
SMS2
SMS3
セプタム電磁石群
2016-04-26
KEK ACC Seminar
15
遅い取り出し直線部でのビームの動き
バンプ電磁石
バンプ電磁石
ESS
(静電セプタム)
SMS1
SMS2
SMS3
セプタム電磁石群
磁場
2016-04-26
KEK ACC Seminar
16
J-PARC MR 遅い取り出しの2大テーマ
• ビームロスの低減
– ESSのリボンにビームが当たることによって必ず起こる
ビームロスを減らし、高い取り出し効率を実現する
• スピル構造(ビーム強度の時間変化)の平坦化
2016-04-26
KEK ACC Seminar
17
高い取り出し効率の実現
2016-04-26
KEK ACC Seminar
18
ESSでのビームロスを減らすには
X’
粒子は1→2→3…と移動して取り出される。
5
2
3 6
ステップ
サイズ 1
4
X
取り出しビームのESSセプタムへのヒット率は
(セプタムの厚さ)/(ステップサイズ)
で決まる
7
ESS
2016-04-26
・セプタムを薄くする
・ステップサイズを大きくする
KEK ACC Seminar
19
静電セプタム(ESS)
チタン電極
周回ビーム
コア
取り出し
ビーム
ESS1,2
電圧 /
ギャップ
偏向角
リボン
2016-04-26
KEK ACC Seminar
104 (170) kV /
25 mm
- 0.2 mrad
コア軸長
1.5 m
リボン厚さ
30 μm
リボン幅
1 mm
リボン本数
495 本
20
リボンの断面
素材:タングステン
-レニウム(26%)
~1 mm
“ばり”を取り除くた
め電解研磨する
2016-04-26
KEK ACC Seminar
21
リボンの位置の測定
リボン1本1本を薄くし、かつ
アラインをきちんとすることも同程度に重要
ESS 2
ESS 1
45μm
50μm
リボンの実効厚 = 30 + 50 μm
2016-04-26
KEK ACC Seminar
22
ステップサイズは何で決まるか
取り出しビームのESSセプタムへのヒット率 =
~(セプタムの厚さ)/(ステップサイズ)
→ ・セプタムを薄くする
・ステップサイズを大きくする
ステップサイズ
xMAX
  ES
3
1
2
 S
X ES
4 cos f
βES : ESSでのβ
S : 共鳴6極の強さ
XES : ESSリボンの位置
ESSのところでβESを大きくしてやればよい
J-PARC MRでは、ΔxMAX は 約20 mm
(ESSのリボンと電極間距離(25 mm)はそれより大きくとっておく)
2016-04-26
KEK ACC Seminar
23
SX直線部のビームエンベロープ
Large β ( = 40.04m)
Small α ( = 0.017 )
入射ビーム
BUMP
SMS3
SMS2
SMS1
収束
Q
ESS 1
ESS 2
BUMP
収束
Q
下流でセプタム電磁石で
さらにビームを曲げる
2016-04-26
KEK ACC Seminar
24
遅い取り出しセプタム電磁石の特徴
• 高い耐放射線性
– SMS1とSMS2は無機物質のみで作られている
– SMS3はポリイミド絶縁
• 遠隔位置調整システム(SMS1, SMS2)
– ビーム軸と垂直に±5mm、上下流独立に
• クイックアンインストール
• LMガイド、クイック切り離し(冷却水、電気)
• DC運転 (3000 A)
2016-04-26
KEK ACC Seminar
25
低磁場セプタム (SMS1)
2016-04-26
KEK ACC Seminar
26
Cross Sections of SMS1_1
Alumina Block 2 mm thick
Cooling Pipe
電流
3000 A
磁場
0.071 T
磁極長
1.5 m
Gap
55 mm
Return Coil
2016-04-26
Septum
Conductor
1.5mm thick
Alumina Board
KEK ACC Seminar
27
SMS1 Septum Conductor
2016-04-26
KEK ACC Seminar
28
Remote Position Adjustment
To reduce the beam loss
Vacuum Chamber
Core
Beam
Upper Base
2016-04-26
Lower Base
KEK ACC Seminar
29
Remote Position Adjustment
Circular Beam
Rad-hard Stepping Motor
Base
Adjustable Range : ±5 mm
2016-04-26
KEK ACC Seminar
30
ESS,SMSの遠隔位置調整
位置調整(平行・回転移動)
取り出しビーム
ビーム
ESS下流のビームロス
周回ビーム
ESS1
ESS2, SMS
調整前
調整後
10um
100um
ESS1(上流)の回転調整
2016-04-26
KEK ACC Seminar
ESS2(下流) の平衡移動調整
31
取り出し中のセパラトリクスの変化
@ ESS
@ MS
x’
x’
ベータトロン位相
+270°
x
取り出し後期
x
kick
取り出し初期 ESS
ESSでの角度の広がり
ロス増加
2016-04-26
MS
MSの位置でのセパレーション縮小
ロスの増加
KEK ACC Seminar
32
ダイナミック バンプ
x’
取り出し中に、チューンの変化に同期して
バンプ軌道を変化させる
 ESSリボンでのx’の広がりを抑える
x
取り出し初期
取り出し後期
kick
ESS
2016-04-26
チューンはパターンが決まっているラティ
スのQだけでなく、フィードバック制御さ
れるEQによっても変化する
 EQへの制御信号から、DSPをもちいて
バンプ磁石用の制御信号をつくる
KEK ACC Seminar
33
ダイナミック バンプの効果
ESS
Fixed Bump
SMS1
ビームロスの位置分布
取り出し効率
98.6 %
ビームロスの時間変化
取り出し終了
リング内ビーム量
取り出し開始
2016-04-26
KEK ACC Seminar
34
ダイナミック バンプの効果
ESS
Dynamic Bump
SMS1
ビームロスの位置分布
取り出し効率
99.5 %
ビームロスの時間変化
取り出し終了
リング内ビーム量
取り出し開始
2016-04-26
KEK ACC Seminar
35
ビームパワーの歩み
現在の
HD申請値
震
災
取り出し
99.5%の
成功
取り出し効率を
達成
2016-04-26
KEK ACC Seminar
漏洩事故
現在
取り出し効率は99.5%を
維持できている
次回のビームタイムは
2016/5~6
36
ビーム強度増強にともなうビームロス
リング内粒子数
加速開始時
2016-04-26
31.5 KW
デバンチ時
加速
KEK ACC Seminar
37
vertical tune
加速開始時のビームロス
tuneの変動が見られる
(Horizontal, Vertical ともに)
入射
加速開始
2016-04-26
・加速開始時のtuneの微調整
・Trim 6極磁石, Trim Q磁石による共鳴の抑制
により、ロスを低減することができている
KEK ACC Seminar
38
デバンチ時のビームロス
1) 減速によるもの
加速後、デバンチ開始から完了までの間(数100ms)に主に
RF空胴のインピーダンスによってビームがエネルギーを失う
tuneが広がりビームロスの原因となる
by F. Tamura
Δp/p
Beam Position Monitor (BPM) で見た Δp/p の様子
減速
with 11kW beam
~1.4%
加速
入射
2016-04-26
デバンチ開始
KEK ACC Seminar
デバンチ後BPM信号は処理回路の
周波数帯域外なので、ノイズを出力
39
RF空胴による減速の抑制
RF空胴において、フィードフォワード法により
wake電圧を打ち消しRF空胴起源の減速を抑える
これに起因するビームロスはほぼ消えた
(ビームロス 4.1%0.44%)
by F. Tamura
Δp/p
Beam Position Monitor (BPM) で見た Δp/p の様子
with 11kW beam
~0.2%
加速
入射
2016-04-26
デバンチ開始
KEK ACC Seminar
40
デバンチ時のビームロス
2) デバンチ時のinstability によるもの
ESS
Good case
効率 99.50%
32kW
SMS1
ESS
SMS1
ビームロス大
効率 97.11%
32kW
デバンチが起こるタイミングのみクロマティシティの補正を弱くする
ことである程度抑制できる (その間チューンは共鳴から遠ざける)
2016-04-26
KEK ACC Seminar
41
真空圧力と電子雲
MRリング内の圧力
31.9kW debunched aborted
加速終了
デバンチのタイミングで圧力上昇
electron cloud monitor
加速終了
加速終了
+200ms
圧力上昇と同じタイミングで
電子の放出が観測されている
2016-04-26
KEK ACC Seminar
電子雲モニタ
42
Adjustment of RF phase at injection
RF位相 offset -19  +21 deg
加速
Debunch
入射
RF位相 offset -19 deg
入射時のRF位相をずらしてdipole振動を起こさせる
 デバンチ時の不安定性を抑制でき, 41.5 kWでの利用運転を達成
2016-04-26
KEK ACC Seminar
43
Higher beam power
• 48kWまでのビーム増強Studyを行った(2015-12)
取り出し効率 : 99.46% だが、デバンチ時のロスが見えて
きている
• Longitudinalな構造がkeyであることがわかってきた
RF位相調整によるdipole振動の励起  今回のstudy
2nd harmonics RFの調整
RCSでのRF manipulation
加速終了後にRFの位相をjumpさせて強制的にデバンチ
させる
– VHF cavityの導入(設計中)
–
–
–
–
2016-04-26
KEK ACC Seminar
44
さらなるビーム増強に向けて
2016-04-26
KEK ACC Seminar
45
SX運転後の残留放射線
RUN#65 (~2015/12, 41.5kW) 終了後の残留線量
残留線量 [uSv/h]
作業可能性は 残留線量 x
作業時間で決まる
さらなるビームパワー増強
のために
ビームロスの低減と、
放射化 / 被ばくの抑制を
すすめる
KEK-PS
Power [kW]
2016-04-26
AGS
J-PARC
(current)
1.92
75
41.5
取り出し効率 [%]
80
97-98
99.5
Loss power [kW]
0.38
1.5-2.3
0.2
KEK ACC Seminar
46
ビームロスと放射化/被ばく量の低減
• ビームロスを減らす
– 新しいESSの開発
• ESSの上流に散乱体を設置
• リボンをカーボンファイバーで製作
– ESSでのβをもっと大きくする光学の検討
• 機器の放射化を減らす
– チタン製のESSを製作し、現在エージング中
– チタン製ダクト、真空チェンバーの導入
– ローカルコリメータによる放射化の局所化
• 作業時の被曝量を減らす
– クイックメンテナンスシステムの高精度化
2016-04-26
KEK ACC Seminar
47
新しいESSのR&D
・リボンの材質をタングステンからカーボンへ
スキャッタリングによる角度広がりを低減
カーボンファイバー
2016-04-26
KEK ACC Seminar
48
新しいESSのR&D
・リボンの材質をタングステンからカーボンへ
スキャッタリングによる角度広がりを低減
・ESSの上流に散乱体を設置するアイデア
ビーム
カーボン
散乱体
リボン
電極
ESS
散乱体には電圧をかける必要がないので
メンテナンスが容易
2016-04-26
KEK ACC Seminar
49
作業時の被ばくを低減する
LMガイドによるクイック・ラインオフ
2016-04-26
KEK ACC Seminar
50
作業時の被ばくを低減する
冷却水
クイックコネクタ
電気
クイックコネクタ
2016-04-26
KEK ACC Seminar
51
ハドロン電磁石のメンテナンスシナリオ
・真空:ピローシール
・水:クイックカプラ
・電気:クイックコネクタ
・チムニー構造
・ツイストロック吊り具
速い脱着が可能な
クイックコネクトデバイス
(水・電気)
チムニー
ローカル遮蔽体
ツイストロック
吊り具
ピボット勘合
(再設置の際アライメント不要)
2016-04-26
KEK ACC Seminar
52
ビームパワー増強 まとめ
・取り出し効率~99.5%を達成し、
41.5kWまでのパワー増強に成功した
・さらなるビームパワー増強へ向けて
- ビームのLongitudinalな分布を平坦化することによる
デバンチ時の不安定性の抑制
- ビームロスのさらなる低減  新ESSの開発, 新しい光学
- 放射化の低減  ESS, 真空チャンバー, ダクトのチタン化
- 被ばく量の低減  リモートメンテナンス手法の高精度化
2016-04-26
KEK ACC Seminar
53
スピル構造の改善
2016-04-26
KEK ACC Seminar
54
スピルフィードバック制御の概要
チューンnが3次共鳴
に近づくスピードを
Q磁石を使って制御
する
ラティスのQ
linear ramp
EQ  ビーム成形
RQ  リップル除去
2016-04-26
KEK ACC Seminar
55
主電磁石電源のリップル
チューン変動
BおよびQ磁石電源の電流リップルによるチューン変動 (フラットトップ)
±0.002
100
600 1200 1800
B電源
電流リップルの
FFT
(取り出し区間)
2016-04-26
時間 [sec]
スピルフィードバックと
Transeverse RFで
リップルに対処
KEK ACC Seminar
56
スピルフィードバックシステムの構成
取り出しの
開始・終了
PC
LAN
中央制御棟
ゲート信号
加速器内の
ビーム残量
通信部
制御部
DSP
ビーム強度信号
取り出した
ビームの量
スピル信号
電磁石制御信号
EQ,RQ電磁石
スピルモニタ
2016-04-26
KEK ACC Seminar
57
速い応答性を持つQ磁石(EQ,RQ)
セラミクス製ダクト
EQ
≲数百Hz
2016-04-26
RQ
≲数kHz
KEK ACC Seminar
t 0.1mm 積層鋼板
58
スピル構造の指標
I 
F 2
I 
2
Duty Factor F
F=1
F = 0.5
ビーム強度
ビーム強度
I : ビーム強度
〈〉: 取り出し時間中の平均
時間
時間
取り出し期間
取り出し期間
2016-04-26
KEK ACC Seminar
59
スピルfeedbackの効果
ビーム量
ビーム量
スピル
EQ RQ
OFF
スピル
EQ
RQ
Duty Factor 3%
Duty Factor 18%
B,Q 磁石の補助コイルショートも
行っている
2016-04-26
KEK ACC Seminar
60
Transverse RF
Stripline Kickerを用いてBeamに横方向のRFをかけることにより
ベータトロン振幅を増大させ、Beamを共鳴に近づける
0.1-100MHz
RF noise
Generator
3kW
AMP
AMP
3kW
マルチパクタリング抑制のための
ソレノイド
Beam
2015より
3台 (~47 MHz)+
1台 (~225 kHz)
に増強
By A. Schnase, T. Toyama,
M. Okada & J-PARC RF group
2016-04-26
KEK ACC Seminar
61
Transverse RF
セパラトリクスと粒子分布の相対速度 /チューンリップルの速度
がリップルの影響の大きさを決める
粒子数
セパラトリクス
Amplitude
2016-04-26
Transverse RF
セパラトリクス
粒子数
Transverese RFによって粒子をセパラトリクスの方へ押す
スピルにRFの構造がのるので周波数は高い方が望ましい
(現在は~47 MHz)
KEK ACC Seminar
Amplitude
62
Transverse RF
~3 sec
時間
周波数
f ~ 47.47 MHz
チューン小数部を~1/3にし、
スピルdutyが最大になるように周波数をスキャン
15 kW beam
duty : 46.17 %
by T. Shimogawa
2016-04-26
KEK ACC Seminar
63
スピル構造 現状のまとめと今後
スピルフィードバック、補助コイルのショート、Transverse RF
をそれぞれ最適化することにより、スピルduty factor ~45%での
運転を達成することが出来た。
さらなるスピル構造の改善のために
• Transverse RF : ケーブル長による位相の調整→次回Study
exciterの台数 / Amp のパワー増強の検討
• Transverse RFに対するFeed Backの可能性
• スピルでなく電源の電流リップルそのものでフィードバックを
かける計画
• d(tune)/dtを大きくすることがSpill構造の改善に有効
エミッタンスを大きくできるか?
• 主電磁石電源そのものの改善
2016-04-26
KEK ACC Seminar
64
将来計画
2016-04-26
KEK ACC Seminar
65
COMET
スイッチヤードトンネル
ハドロンホール
K1.8BR
area
Main Ring
K1.8
area
T1 target
1次陽子ビーム
KL
area
K1.1BR
area
Beam Splitting Point
E16
area
COMET
area
2016-04-26
KEK ACC Seminar
66
8 GeV での取り出し
取り出しビームへの要求
• 8GeV
• 3 or 4 bunch 運転
• Bunched Slow Extraction
• Phase 1 : ~ 3 kW
Phase 2 : ~60 kW
8 GeVのため、取り出し機器の
apertureが問題になる
Phase 1 のビームパワーならRCSで
のエミッタンスを小さくすることで
取り出し可能にできる  実証できた
Phase 2 までに大口径の取り出し機
器を準備する
2016-04-26
KEK ACC Seminar
67
8 GeV 取り出し対応セプタム磁石
低磁場セプタム
2016-04-26
電流
4300 A
冷却水温度
46 ℃
Gap
76 mm
電流
3400 A
冷却水温度
46 ℃
Gap
81 mm
熱・応力計算など
設計を進めている
中磁場セプタム
KEK ACC Seminar
68
新リング
NU / HD / COMET でMRの運転時間を分け合う必要がある
 ストレッチャーリング?
2011年の検討
HD
NU
NU
NU
HD NU
NU : 1.2 s 周期, HD : 4.8 s 周期としている
ただ、COMETは周期が早いのであまり得にならない
 新シンクロトロン?
・リングをどこに置くのか
・高放射化環境でのメンテナンス性の確保
・リングからリングへのビーム輸送(ストレッチャー)
 検討(問題点の洗い出し)を始めた
2016-04-26
KEK ACC Seminar
69
まとめ
J-PARC MRの遅い取り出し の2大課題
・ビーム強度の増強
・スピル構造のフラット化
ビーム強度
・取り出し効率~99.5%を保ったまま
41.5kWの連続運転に成功
・今後
- ロスの低減  新ESSの開発, 新しい光学
- 放射化の低減  機器のチタン化
- 被ばく量の低減  リモートメンテナンス手法の高精度化
スピル構造
・EQ+RQのスピルフィードバック、補助コイルショートにくわえて
Transverse RFを用いることにより、~45%のDuty Factorを達成
・今後様々な手段を講じてDuty Factorの向上を目指す
将来計画
・物理の成果を最大化できるよう、新たなリングも含めて検討を進めたい
2016-04-26
KEK ACC Seminar
70