社会保険ワンポイント情報

株式会社
2016.06.20
全就連
社会保険ワンポイント情報
17号
今月のテーマ
子ども・子育て拠出金率の引き上げ
平成28年3月31日、子ども・子育て支援法施行
令の一部を改正する政令が交付されました。
拠出金率が平成27年度の1,000の1.5から平
成28年度は1,000分の2.0に改定されました。
子ども・子育て拠出金とは
児童手当に必要な費用、地域子ども・子育て
支援事業に必要な費用を、厚生年金保険の
適用事業所等から拠出させるものであり、厚
生年金保険の標準報酬月額と標準賞与額か
ら計算され、厚生年金保険料とともに徴収さ
れています。
児童手当拠出金から「子ども・
子育て拠出金」に
児童手当拠出金が平成27年4月から「子ど
も・子育て拠出金」という名称になりました。
これまで児童手当法という法律にもとづい
て徴収されていたものが、現在は子ども・
子育て支援法(平成24年8月成立、平成27
年4月施行)という法律にもとづいて徴収さ
れることになっています。
従来から、会社員の子で3歳未満の子に
支給される児童手当に使われていましたが、
現在はこれに加えて、地域子ども子育て支
援事業の資金(放課後児童クラブや児童館
の拡充)にも使われています。
また、こども・子育て支援法の一部を改正する
法律も平成28年4月1日から施行されており、
拠出金の率の上限を1,000分の2.5以内に引き
上げることとされました。
拠出金率の計算方法について
例えば、従業員の給与が250,000円の場合
で計算してみましょう。
この場合、標準報酬月額は260,000円とな
ります。
260,000円 × 0.002 = 520円
この従業員の1ヶ月あたりの子ども・子育て
拠出金は、520円ということになります。
ただ、従業員はこの拠出金を納める必要
はなく、この全額を企業が社会保険料と一
緒に納付することになります。
このように、子ども・子育て拠出金は、従業
員の給料をもとにして計算しますが、企業
が全額を負担するので、 給料から差し引く
わけではありません。
今後の子ども・子育て拠出金
平成29年度の拠出金率はさらに上がり、
0.23%になる見通しです。子ども・子育て拠
出金は、他の社会保険料と比較して料率が
低いこともあり、あまり注目されていません
が、企業としては負担が増えることになりま
す。