電子飛跡検出型コンプトンカメラによる TPCトリガーとデッドタイム削減

電子飛跡検出型コンプトンカメラによる
TPCトリガーとデッドタイム削減
京都大学 宇宙線研究室
吉川慶
MeVガンマ線天文学
CGRO/COMPTEL
MeVガンマ線で分かること
• 宇宙線起源
• 宇宙線加速
• ガンマ線バースト
1-30MeV
• 元素合成(超新星残骸, 銀河面核ガンマ線)
~30objects/ 10years
V. Schönfelder+ (A&AS, 2000)
原因
• コンプトン散乱が優位
• 機器や大気との相互作用で生じ
るガンマ線などのバックグラウ
ンドが多い。
• X線よりガンマ線フラックスが
少ない。
他の領域に比べ圧倒的に感度が悪い
Electron-Tracking Compton
Camera:ETCC
15cm
TPC
ガス検出器μ-TPC
・反跳電子のエネルギー
・3次元飛跡
GSOシンチレータアレイ
・散乱ガンマ線のエネルギー
・吸収点
→到来ガンマ線を再構成
140μm
10cm
GEM
400μm
10cm
μPIC
SMILE-Ⅱ
dead time[%]
100
30cm ETCCを用いた気球実験
SMILE-Ⅱ
目的:
明るい天体のかに星雲の観測で、
望遠鏡としての実証をする。
SMILE-Ⅲ以降
50
30cm
ETCC
0
102
103
データ収集レート[Hz]
上空40kmでのデータ収集レートは約100Hz
SMILE-Ⅲ以降、シンチレータを増強するので、
収集レートが上がる。
このままではデッドタイムが~数十%になる。
→新しいトリガーシステムが必要。
SMILE-ⅡとTPCトリガー
SMILE-Ⅱ
TPCトリガー
DAQ 開始
DAQ 開始
Scinti. hit
TPCを止め、データ確認。
TPC hit
No
No
TPC hit?
Scinti. hit?
Yes
Yes
読み出し
読み出し
DAQ 終了
DAQ 終了
シンチ→TPCの二段階でトリガー
シンチが鳴ってもTPCは空のデータが多い。
(Scinti. hit) : (TPC hit) ≈ 100 : 1
シンチとTPCで、同時にトリガー
空データがほとんどない。
デッドタイムのちがい
veto
SMILE-Ⅱ
𝟐𝟎μ𝒔
Scinti. hit
× ~𝟏𝟎𝟎𝟎𝟎𝑯𝒛 ×100= ~ 20 %
veto
TPCトリガー
𝟖μ𝒔
×
TPC scinti. 同時 hit
~𝟏𝟎𝟎𝑯𝒛 ×100=
~ 0.08%
1
デッドタイムが~
になる!!
100
TPCトリガー原理検証セットアップ
Scinti.
Scinti.
HV
TPC
10cm TPC
PMT
4ch抵抗
チェーン
DC
NIM
pc
pre
amp
shaper
FADC
DIO
memory
board
VME
読みだし
回路
4ch sum
ドリフト
時間分
gate
discrimi
nator
trigger
14us delay
trigger
14us delay
gate
generator
gate
generator
coincidence
coincidence
Anode
Cathode
gate
generator
gate
generator
hit
trigger
8us delay
transfer
20us delay
シンチのデータ取得方法
TPC scinti. 同時 hit
Amp.
シンチ
shaper
FADC
stop
8μs memory
ADC
FADCで常にシンチの波形を
ためている。
8μs
トリガーが来た時に新たに
ためるのを止めて、記憶し
ている分を書き込む。
TPCトリガーは難しい
到来ガンマ線
Scinti. hit
反跳電子(電子雲)
TPC
散乱ガンマ線
max drift time
Scinti. gate
TPC hit
coincidence
TPC scinti. trigger
シンチ
飛跡のデータ
飛跡の本当の位置
取得できるscinti.データ
時間
ミューオン測定のセットアップ
電場
~150 V/cm
𝐶𝐹4
3%
𝑖𝑠𝑜𝐶4 𝐻10 2%
𝐴𝑟
95 %
1atm
ドリフト速度
~6 cm/μsec
Scinti.
TPC
最大ドリフト時間
~ 2.4 μsec
trigger
drift top
-3000V
GEM top
-800V
GEM bottom -500V
uPIC
+330V
シンチ
14.5cm
GEM
0.4cm
μPIC
ミューオン測定の結果
TPCセリフトリガーデータ
Scinti.
[μsec] 8
Scinti.の波形の立ち上がり時刻
count
103
4
102
0
101
trigger→
ドリフト時間
~5μsec
10cm
count
104
0
102
2
4
6
8
[μsec]
←trigger
0
0
2
4
6
8
10[μsec]
ミューオンは常にTPCを突っ切るので、
TPC hitとscinti. hitの時間関係は変わらない。
22
𝑁𝑎測定の結果
TPC
TPCセリフトリガーデータ
22
[μsec] 8
scinti
Scintiの波形の立ち上がり時刻
4
count
103
0
10cm
count
102
104
trigger→
101
102
ドリフト時間
~5μsec
←trigger
0
0
22
𝑁𝑎
2
4
6
8
10[μsec]
0
2
4
6
8
[μsec]
𝑁𝑎はTPC hitとscinti hitの時間関係が変わる。
100倍良くなるのが分かる動画
TPC トリガー
Scinti. hit
(SMILE-Ⅱ相当)
Time(sec)
動画を張る
まとめと今後に向けて
 TPCトリガーではデッドタイムがSMILE-Ⅱの1/100にな
る。
 TPCトリガーの原理検証用システムが組みあがった。
 ミューオン、 22𝑁𝑎で期待通りの時刻情報をもった
測定ができた。
 シンチのエネルギー分解能とTPCのz座標の分解能
は、シンチの波形の取得点の数により変わる。その
評価をする。
 到来ガンマ線の再構成をする。
TPC-triggered SMILEの将来像
Scinti.
TPC
MPPC
読み出し
回路
hit
hit
Scinti.:PMTからMPPCに置換
トリガー信号:FPGAで処理
読み出し
回路
FPGA
trigger
trigger
trigger
ADC
ADC
時間
時間分解能を落とさずにサンプ
リングレート(データ量)を少なくし
たい。
とtriggerの間だけ高いクロック
数で時間を計り、時間不定性を
小さくする。
予備スライド
TPC
TPC hit
scintillator
discriminator
gate generator
max drift time
coincidence
TPC trigger
TPC transfer
scinti trigger
8usec
~20usec
~10usec(need to check )
22
𝑁𝑎測定のセットアップ
𝐶𝐹4
2.97%
𝑖𝑠𝑜𝐶4 𝐻10 1.99%
𝐴𝑟
balance
1atm
trigger
drift top
3000V
GEM top
800V
GEM bottom 500V
uPIC
330V
TPC
22
𝑁𝑎
シンチ
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