Japanese Powerpoint

日本とアメリカの飲酒の文化
ニコラス・バル
齋藤・アボット佳子教授
高橋周臣教授
概略
• 研究意義
• 調査質問
• 背景調査
• 研究方法
• 研究結果
• 結論
• 参考文献
• 謝辞
調査質問
• 飲酒をする時間、場所、一緒に飲む人に関して、両
国間での飲酒行為における違いは何か?
• 両国間で飲酒をする理由はどのように異なるか?
• どのような要素が各国の文化のアルコール消費に対
する見方に影響を与えるか?
研究の重要性
• 世界中のどの人々もお酒を飲む。私もその一人であ
る。日本での留学を通して、私は新しい飲酒の文化
を体験した。
• 飲酒は両国の社会において不可欠な要素である。し
たがって、その両国の飲酒の文化の違いを比較した
い。
研究の背景
• 日本の飲酒に関する歴史的考察
• アメリカの飲酒に関する歴史的考察
• 飲酒に関する肯定的な行為
• 両国の未成年飲酒
日本の飲酒に関する歴史的考察
• 伝統的に主に男性が飲酒をした。
明治時代以前、女性や若い男性による飲酒は軽蔑された。女性が
飲酒をした場合、飲酒量は男性より少なかった。( Higuchi al, 2003)
•
ビール消費量の増加
明治時代以降、ビールが人気になった。それは生産と飲酒が容易
になったからである。( Higuchi al, 2003)
• お酒の自動販売機
日本は、お酒の自動販売機が豊富にある。
http://www.icap.org/LinkClick.aspx?fileticket=tMW8of1JAgU%3D&tabid=199
アメリカの飲酒に関する歴史的考察
• 植民地のアメリカ人
植民地の多くの人々は日常的にお酒を飲んだ。ビールは熱を加え
られていたので、水より清潔であった。そのため、人々はアル
コールをコーヒーのように扱い、朝と昼と夜にそれを飲んだ。
(Crews, 2007)
• 酒類製造販売禁止
この法律は問題を解決するのではなく、多くの問題を生み出した。
それは、ほとんどの人々がなんらかの方法で非合法的なアルコー
ルの生産や消費を行い、法律を守らない人がたくさんいた。時に
は、1000人の人々がアルコールの質の悪さが原因で死亡した。
(Crews, 2007)
http://www.history.org/Foundation/journal/Holiday07/drink.cfm
飲酒に関する文化的見解
•
アメリカ人と日本人では飲酒に関する行為は異なると考えられるが、社会の集
団と新しい関係を築くという目的は同じである。飲酒をする人々は、その新し
い集団を信頼し、自らも集団の中の信頼される一員になる。 (Tiger, 2007)
例(日本人)
日本の「やくざ」には親分、
子分という関係がある。親分
は子分と一緒に、血の代わり
となる「さけ」をかわす。子
分よりも重要なので、親分に
はより多くのお酒がそそがれ
る。この杯で、子分は一生を
親分に捧げることを誓う。
(Anthony Bruno)
例(アメリカ人)
社交クラブは、そのクラブ
に入会するメンバーに飲酒
をすすめる。それは、新人
たちを快適にさせ、元々い
るメンバーとの絆を深めや
すくするために行われる。
また、上下関係を示すため
に、新しくメンバーになっ
た人は先輩たちにお酒をす
すめなければいけない。
(Cornell.edu)
飲酒に関する肯定的な行為
•
飲酒による健康に関する利点
飲酒は心臓病、脳卒中、糖尿病、性的不能、風邪、認知症の危険
性を減らす。女性にとっての一日に一杯は、男性にとっての二杯に相当す
る。 (Capron and Schmidt, 2012)
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0306460312000408
日本の未成年飲酒
•
日本で頻繁に起こる問題は、中学生の50%、高校生の70%がお酒
を消費しているということである。 (WHO Global status Reports on Alcohol, 2004)
•
これらの年代の子どもたちの飲酒の減少と、日本のアルコールの自動
販売機が半分に減らされたことは密接に関係していると考えられる。しか
し、ほとんどの子どもたちは家やコンビニエンスストアでお酒を入手した。
( WHO, 2004)
http://www.who.int/substance_abuse/publications/en/japan.pdf
アメリカの未成年飲酒
•
CDCによって行われた調査によると、アメリカの高校生の40%が過
去30日間の間に飲酒をしたと回答した。また、20%を超える高校生が、
13歳より以前にアルコール飲料を購入したことがあると回答した。これ
らの調査は、アメリカの未成年飲酒は日本の未成年飲酒よりも格段に少な
いことを示している。
•
アメリカの未成年飲酒者の40%が、お酒を誰かからもらい、彼ら自
身では購入していないと回答している。
http://www.cdc.gov/alcohol/fact-sheets/underage-drinking.htm.
http://nccd.cdc.gov/youthonline/App/Results.aspx?TT=&OUT=&SID=HS&QID=H44&LID=&YID=&LID2=&YID2=&COL=&ROW1=&ROW2=&HT=&LCT=
&FS=&FR=&FG=&FSL=&FRL=&FGL=&PV=&TST=&C1=&C2=&QP=G&DP=&VA=CI&CS=Y&SYID=&EYID=&SC=&SO=
日本の飲酒に関する法律
•
1922年、日本は未成年飲酒を禁止する法律を施行し、20歳未満のいかな
る者にもお酒を与えてはいけないということが定められた。
•
また、1961年、日本は、人々は適度な量で飲酒をするべきであり、決して
他者に飲酒を強制してはいけないということが定められた。
http://en.wikipedia.org/wiki/Legal_drinking_age
http://search.proquest.com/docview/389014863
アメリカの飲酒に関する法律
•
1988年までは、アメリカの未成年飲酒の制約に関する法律は州の基準
により異なる。政府は1984年、お酒を購入するためには21歳以上でな
ければならないという、the national Minimum Drinking Age Act を施行した。
http://en.wikipedia.org/wiki/Alcohol_laws_of_the_United_States
研究
研究質問
1
時間、場所、一緒に飲酒をする人に関して、両国間での飲酒行為にお
ける違いは何か?
2
両国間で飲酒をする理由はどのように異なるか?
3
どのような要素が各国の文化のアルコール消費に対する見方に影響を
与えるか?
調査方法
•
年齢
調査参加者
• 76人の
• 40人のアメリカ人(男性21人、女性19人)
• 36人の日本人(男性14人、女性22人 )
•
調査手段
日本
17-20 歳
8%
39%
21-25歳
55%
53%
26-30歳
28%
0%
31歳以
上
10%
• オンラインによる調査(グーグル・ドライブ)
• 英語
アメリカ
日本語
8%
研究質問1
• 飲酒をする時間、場所、一緒に飲む人に関し
て、両国間での飲酒行為における違いは何
か?
見知らぬ人との飲酒
見知らぬ人と一緒にお酒を飲むことへの快適度合を1~5の尺度で示したもの。
日本人
アメリカ人
アメリカ人は見知らぬ人と飲むことにはあまり抵抗はないが、多くの日本
人は見知らぬにとは飲まない
異なる社会集団での飲酒
同僚などとする際、自分の振る舞いは異なる。 飲む人(家族、友人)
よってふるまいがことなるか?
日本人
に
アメリカ人
日本人回答者は圧倒的に自分の振る舞いを変える傾向にある。しかし、
それに対して、50%以下のアメリカ人回答者のみが 振る舞いを変える
と回答した。
一人での飲酒
今までに一人で飲酒をしたことがあるか?
日本人
アメリカ人
約60%のアメリカ人が、一人で飲酒をしたことがあると回答した。それ
に対して、約58%の日本人は一人で飲酒をしないと回答した。
飲酒の頻度
どれくらいの頻度で飲酒をするか?
日本人
アメリカ人
アメリカ人回答者は日本人回答者よりもわずかに飲酒をする頻度
が高い。
お酒の飲む目的と飲む場所
• アメリカと日本では飲む目的も飲む場所も違います。約70%
の日本人が良い人間関係を築くためにお酒を飲むことは重要だ
としているが、重要としたアメリカ人は40%に過ぎなかった。
• また、時々もしくは頻繁に部活やサークルの仲間とお酒を飲み
に行くのは日本人が70%アメリカ人は約30%と異なった。
•
アメリカ人も日本人もバーやレストランで飲むより、友人の家
や自宅でお酒を飲むことを好むことがわかりました。
研究質問1の結果のまとめ
Q)飲酒をする時間、場所、一緒に飲む人に関して、両国間での飲酒行為に
おける違いは何か?
•
日本人は絆をより深めるために飲酒をする傾向にあるのに対して、アメリ
カ人は新しい絆を作るために飲酒をする傾向にある。
•
アメリカ人は、飲酒をする際の人間関係についてあまり心配せず、見知ら
ぬ人や初めて会う人と飲酒をすることに対して抵抗がない。
•
飲酒をする際、日本人は異なる社会集団などの周りの環境によって、自分
の振る舞いを変える。
研究質問2
• 両国間で飲酒をする理由はどの
ように異なるか?
周りからのプレッシャー
どれくらいの頻度で、一緒に飲酒をする人からの圧力が自分の飲酒量に影響す
るか?
日本人
アメリカ人
アメリカ人の90%は友人からの影響は受けないが日本人は人によって
違うようである。
飲酒をする時
以下のグラフは、日本人とアメリカ人が飲酒をする理由を示したものである。
各国の回答は非常に似ている。
周りの人はどう思うか
あなたが飲酒をしない場合、あなたの友人はあなたを軽蔑する。
80%を超えるアメリカ人と70%を超える日本人が、
これに反対した。
研究質問2の結果のまとめ
• 両国の飲酒をする理由は非常に似ている。
• 日本人、アメリカ人回答者どちらも、飲酒は仲間たちと交流す
る場であると認識している。
• 飲酒をする際に、恋人や仕事仲間を探すことは重要ではない。
研究質問3
どのような要素が各国の文化のアル
コール消費に対する見方に影響を与
えるか?
公共の場で酔んで醜態を見せること
公共の場で酔うことは良いと思うか?
日本人もアメリカ人もの好ましくは思っていない。
公共の場で酔うことについての見解
もし公共機関で自分の隣に酔った人が座った場合、どのように感じるか?
日本人
.
アメリカ人
ほとんどの日本人は不快に感じるようですが、アメリカ人は日本
人に比べると寛大なようだ。
文化的側面からみた飲酒の重要性
アルコールはあなたの社会と文化の重要な一部であるか?
日本人
アメリカ人
アメリカ人も日本人も、約75%の人がやや重要だ、または重要だ
と回答した。重要でないと回答した人は、どちらの国でも40%以
下であった。
酔っぱらう頻度
飲酒をする際、どのくらいの頻度で酔っぱらうか?
日本人
アメリカ人
日本もアメリカも同じ結果がでました。ほとんどの人がお酒で酔ったこ
とがあることが分かった。
研究質問3の結果のまとめ
•
日本人よりアメリカ人の方が、飲酒を文化の重要な一部であると考える傾
向にある。この結果は、研究を始めた時の私の予測と反対であった。
•
私が日本にいた時、多くの人は酔っぱらっているにも関わらず、問題に巻
き込まれることはなかった。アメリカではそのようなことはなく、酔っぱ
らっている人に対して、厳しい罰が科せられる。しかし、この研究では、
アメリカ人は公共の場で酔っぱらうことに対して寛容であるという結果が
出た。
結果と議論
•
日本人とアメリカ人は、異なる飲酒の習慣を持っているが、飲酒の目的は
同じである。この研究の結果から、両国どちらも、くつろぐため、友達と
過ごすために飲酒をするということがわかった。また、多くの質問で両国
の回答が似ていた。
•
飲酒は両国にとって社会的に重要だと思う。コミュニケーションの壁を取
り除き、 人の絆を深めるので、日本人の方が、より飲酒の重要性が高いと
私は予測したが、実際の結果は違った。
•
驚くべきことに、いくらかの回答で異なる見解がみられた。日本人よりも
アメリカ人の方が、公共の場で酔っぱらうことに対して寛容であるという
ことがわかった。 これは私の予測とは反対の結果であった。また、日本人
はアメリカ人ほど、飲酒が文化の重要な一部であるとは感じていないとい
ことがわかった。
研究の限界点
•
調査に参加した人の人数が少なかったことと、回答者の地域が限られてい
たため、一般化できない。
•
また、質問がはっきりしないのもあり、回答者によって解釈の仕方が違っ
たようである。
今後の研究課題
•
両国で飲酒をする人としない人について比較し、社会の相互作用とは何か
理解する。
•
各国でどのような種類のアルコールがどれくらい消費されているか調査す
る。
•
若者と老人の飲酒について比較する。
参照
Bruno, A. (n.d.). THE YAKUZA. Oyabun-Kobun, Father-Child — The Yakuza, the Japanese
Mafia. Retrieved March 2, 2014, from
http://www.crimelibrary.com/gangsters_outlaws/gang/yakuza/2.html
Crews, E. (2007, January 1). History.org: The Colonial Williamsburg Foundation's Official
History and Citizenship Website. Drinking in Colonial America: Rattle-Skull, Stonewall,
Bogus, Blackstrap, Bombo, Mimbo, Whistle Belly, Syllabub, Sling, Toddy, and Flip : The
Colonial Williamsburg Official History & Citizenship Site. Retrieved February 2, 2014,
from http://www.history.org/Foundation/journal/Holiday07/drink.cfm
Daniel W. Capron, Norman B. Schmidt, Positive drinking consequences among hazardous
drinking college students, Addictive Behaviors, Volume 37, Issue 5, May 2012, Pages
663-667, ISSN 0306-4603, http://dx.doi.org/10.1016/j.addbeh.2012.02.002.
(http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0306460312000408)
Hazing.cornell.edu a revealing look at hidden rites. (n.d.). Alcohol & Hazing. Retrieved March 3,
http://hazing.cornell.edu/cms/hazing/issues/alcohol.cfm
High School Youth Risk Behavior Survey, 2011. (2011, January 1). CDC - .: Application Page :..
Retrieved February 10, 2014, from http://nccd.cdc.gov/youthonline/App/Results.aspx?LID=TX
2014, from
参照
Higuchi, S., Suzuki, K., Matsushita, S., & Osaki, Y. (n.d.). Young People’s Drinking Behavior in
Japan . Retrieved February 13, 2014, from
http://www.icap.org/LinkClick.aspx?fileticket=tMW8of1JAgU%3D&tabid=199
Lerner, M. (n.d.). Prohibition: Unintended Consequences. PBS. Retrieved January 5, 2014, from
http://www.pbs.org/kenburns/prohibition/unintended-consequences/
Borovoy, A. B. (2005). The too-good wife alcohol, codependency, and the politics of nurturance in postwar
Japan. Berkeley: University of California Press.
Correia, C. J. (2012). College student alcohol abuse a guide to assessment, intervention, and prevention.
Hoboken, N.J.: John Wiley & Sons.
Osaki, Y. Drinking practices, alcohol policy and prevention programs in Japan. International Journal of Drug
Policy, 17, 358-366.
Tiger, L. Alcohol and Pleasure∗. Annals of Epidemiology, 17, S112-S113.