最新データベース事情 白 井 豊 話題 1. XMLデータベース 2. DBM(Database Manager) 3. OLAP(online analytical processing) 4. 超高速データベース 1. XMLデータベース(XMLDB) XMLの機能を扱うための機能を持つ 伝統的なリレーショナルデータベースにXMLを格納するもの や、単にテキストファイルとしてXMLを格納するものなど 様々である。 XPath,Xquery等と呼ばれるXML:DB規格が策定されている。 代表的なXMLDB システム名 概 要 BaseX XPath/XQuery、全文検索をサポート(オープンソース) Cyber Luxeon オブジェクトデータベースObjectStoreをコアエンジンとする。 DB2 9 pure XML(RDB) 米国IBM社が開発・販売しているDB2 9のpure XML機能。 EsTerra スキーマレス、高速動作、テラバイト級をセールスポイントとする日本製 XMLDB NeoCore XMS 独自のDigital Pattern Processingによる「超高速」「やわらかい」がセールス ポイントである。 Oracle XML DB(RDB) 米国Oracle社が開発・販売しているOracle DatabaseのXMLDB機能。 Tamino ドイツSoftware AG社が開発した世界で最も売れているXMLDB。 TX1 東芝ソリューションが販売しているXMLDB Xindice Apache XMLプロジェクトで開発されているネイティブXMLデータベース。 2. DBM(Database Manager ) リレーショナルデータベース管理システムよりはるかに単純 な構造をしている。 ファイル上にキーと値のペアを持ち、ハッシュ関数を用いて 高速にアクセスできるように配置し、それを管理するシステ ム。 トランザクション機能を持つシステムはほとんどない。 実装 dbm(伝統的な最初のdbm) gdbm(GNU dbm) QDBM(平林幹雄) ndbm SDBM JDBM Berkeley DB cdb(書き換えはできないが検索が高速なdbm準互換ライブラリ) 3. OLAP(online analytical processing ) 複雑で分析的な問い合わせに素早く回答を行う方法。 典型的な用途は、売上報告、市場分析、経営報告、業績管理、予算 作成、計画作成、財務諸表作成等。 主な特徴 多次元データを操作すること 複雑、分析的でその場限りの問い合わせを行えること 非常に高速である(通常5秒以内) Nigel Pendsehは、FASMI(Fast Analysis of Shared Multidimensional Infomation)という用語を提案している。 OLAPの機能 関係データベースのスナップショットを取り、多次元データとして再構成したあ と問い合わせできるようになる。あらかじめ集計されているデータ(OLAPキュー ブという)を利用することで短時間に処理を行うことができる。 多次元OLAP(MOLAP)、関係OLAP(ROLAP)、ハイブリッドOLAP (HOLAP)の3種類がある。 OLAPでは標準化された問い合わせ言語やAPI等に関する規格はない。 最初の実務的な標準としてのAPIは、1997年Microsoft のOLEDB for OLAP、MDX 問い合わせ言語を提供している。 2001年Microsoft とHyperion Solutionsが分析記述用XML(XML for Analysis)を発表し、 ほとんどのベンダに採用され、デファクトスタンダードとなっている。 おもなOLAP製品一覧 Open Text Business Inteligence(低価格BIツール) Business Objects Hyperion Essbase Congnos Oracle OLAP Server MicroStrategy Microsoft SQL Server Analysis Services Sagent icCube Dr. Sum DB2 Cube Views : IBM DataNature BW : SAP OpenOLAP WebFOCUS : Information Builders OpenOLAP for MySQL Mondrian(オープンソース) JasperReports Server SAS OLAP Server : SAS Institute Pentaho Brio Enterprise : Brio Technology 4. 超高速データベース 普通のRDBMSでは処理が間に合わないケースでの導入が検討 されるデータベース。 以下の形態がある。 オンメモリまたはメインメモリデータベース群 高速SQLを実行するオブジェクトデータベース JavaScript等で作成された簡易データベース 狭義にはメモリDBMS系を指すことが多い。 メモリDBMS系の特徴 データをメインメモリに置くことでI/Oコストを減らすことで 高速化。 64ビット環境に対応することでしようメモリが2GByteから 1Tbyteに増えたことで実現している。 T-treeインデックスを採用。 分岐するノード数が少ない ポインタとしてメモリアドレスを使う。 DSYDa.LabooのLFMなどメーカ独自の技術による高速化技術が使 われているケースもある。 メモリDBMS系の製品 【オープンソース系】 MySQL(on Memoryモード) HSQLDB(on Memoryモード) H2 Database(on Memoryモード) 【市販製品】 高速機関(高速屋) DayDaLaboo(ターボデータラボラトリ) Oracle Times Ten In-Memory Database(オラクル) CoreSaver(数理技研)ある。 【提供形態】 SI企業経由がほとんど(一部直販) ライセンス携帯としてはCPU単位などではなくデータ量によるライセンス 販売があるのもこのジャンルの特徴。
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