輪読第9章 部長たちの奮闘 環境のマネジメント 山岡ゼミ8期 ぴくるす 2 環境とは タスク環境 組織の目標設定や目標達成に直接的もしくは潜在的に関わる環境の部分 金融市場 労働市場 原材料市場 3 クローズド・システム 外部からの影響をそれほど受けずに自立的に機能している 行政府、教会など環境が安定的で変化が少ない組織に有効 確実性 科学的管理法 合理性 効率性 官僚制論 4 オープン・システム インプット・アウトプットなど 企業存続の問題 環境からの多くの要因によって影響を受ける 分業と交換、その結果としての他者への依存 コンティンジェンシー理論 2つの考え方 【環境が不安定】 「有機的組織」の構造が有効・・・職務権限が柔軟で水平的ネットワーク 【環境が安定】 「機械的組織」の構造が有効・・・職務権限が固定的で官僚制的 【環境が不安定な中で業績を上げている企業】 ・職能部門間の分化の程度が高い ・部門間活動や意思決定を調整・統合する機能が所存 不確実な環境に適応できるだけの柔軟性や適応性を基礎としていく必要性 制度 5 I. ~組織の活動を規定する経済システム 財・サービスの自由な取得と利用 II. 経済的自由 I. 契約、職業選択、生産、消費の自由 III. 自由競争の容認 IV. 自己責任 市場 6 ~他の組織と財貨の交換を行う場 労働市場 ゲートキーパー 資本 労働力 原材料 生産手段 ゲートキーパー 生産プロセス 商品 ゲートキーパー ゲートキーパー 原材料市場 金融市場 製品市場 資本 7 利害者集団 金融市場 株主 金融機関 競合他社 ~企業と直接的かつ強度に 相互依存しあっている他者 原材料市場 サプライヤー 商社・流通業者 競合他社 労働市場 潜在的被雇用者 人材派遣会社 労働組合 製品市場 顧客 流通業者 競合他社 その他 行政府 業界団体 8 関係の生成因 利害者集団と関係が結ばれることになる原因 希 少 資 源 の や り と り ①互酬性 ⑤安定性 ②非対称性 ⑥正当性 ③効率性 ⑦必要性 ④学習 影 響 力 の 抑 制 9 ①互酬性 自らの存続に必要な希少資源に関して他組織に依存する性質 クロスライセンス契約 (1)相互補完 シナジー効果 (2)協調によるパイの拡大 (3)協調的な関係がもたらす関係レントの創造と分配 長期的な連携関係 10 ②非対称性 コントロールできるチカラ 資源を持つ組織は資源を依存している組織に対してパワーを持つ (1)依存する側にとっての資源の重要性 ①依存する資源の量の全体に占める割合 ②資源の不可欠性 (2)資源に対する自由裁量とコントロールの集中度 ①自由裁量の程度 ②コントロールの集中度 パ ワ ー が 変 化 す る 要 因 11 ③効率性 部品の調達 内製にする? 得意先のサプライヤーから調達する? 市場最安値の組織から調達する? 余計なコストはかからない 内製 得意先との継続的 な取引関係 スポット取引 スムーズに取引できる 12 ④学習 利害関係者との関係樹立のための、中長期的な学習 知識・ノウハウの やりとり 組織A 組織B 13 ⑤安定性 外部環境の不確実性から発生するインパクトを和らげる 貯蔵施設 POSシステムによる迅速な生産・納品 インパクトへの耐久力を高める 14 ⑥正当性 制度的環境に広く受け入れられることが組織として求められる 企業倫理・社会規範の遵守 社会的責任(CSR)の活動 評判・イメージ・名声を守る 15 ⑦必要性 上位の第三者により必要に迫られて関係を結ぶ 行政指導 政治的影響力 親会社の意思 非自発的な関係形成 16 不確実性下での合理性・効率性の追求 組織は限界を設定し、「限定された合理性」のもとで意思決定を行う HOW? 内部への複雑性・不確実性の影響を減少させる ために外部環境と組織の間に境界を設定 境界内部では、目標達成のために 合理的・効率的な活動を行う 17 テクニカル・コア 合理的な基準でインプットをアウトプットに変換するための核 バウンダリースパンニング(緑)が環境からの攪乱要因を抑え込む 素材 人材 設備投資 プロセス アウトプット 1 組織の変革 「組織は変わっていくが、変えられるものではない」 =ライフサイクル・モデル 生誕 成長 成熟 衰退 企業の成長モデル • グレイナー(1972) 成長 変 質 変 革 危機 予測可能なものである 環境による淘汰 • 会社は倒産するまで「変わらない」 • 環境の変化に適した性質を 生まれながら持つ組織群のみが生き残る 例) 適者生存 個体群生態モデル 変異 選択 保持 淘汰 環境 企業の生存は、個別の企業ではどうすることもできず 外部環境に身を委ねるしかない 2.トップによる働きかけ 決定論の問題 運命決定論?組織は変わらないのか? 歴史・・・メンバーの同質性高まる、慣行も 伝統があればあるほど組織は変わりにくくなる http://www.igahojin.org/guide/fukuri.html どうすれば組織は変えられるのか? 戦略的変革アプローチ 進化論的変革モデル 変革型ミドル 戦略的変革アプローチ 実際に組織を動か す 戦略立案 徹底した分析から 計画を明確にする 戦略の 実施 修正 計画とのズレを修正 する 目標志向 理想像 目標志向 ①目標が組織の動きを決める ②目標の形成と実践の繰り返しによって環境に適応できる ③目標の共有によってメンバーと組織の利害は統合される ④目標の形成の仕方によって創造性を発揮することもできる 「目標の設定はトップの最重要課題」 ★戦略的変革アプローチの限界 ①机上の空論になりがち ②影響力の及ぶ範囲が限られている トップだけで組織は変わるのだろうか? ミドル・マネジャーへの権限移譲 http://matome.naver.jp/odai/2128373958189867901/2128471376606108403 3.ミドルによる試行錯誤 進化論的変革モデル バリエーショ ★変革の中心はミドル! ンの発生 試行錯誤の段階 保持 定着させる 選択と 淘汰 トップの手助けが 必要不可欠 例)15%ルール http://www.canstockphoto.jp/illustration/%E6%80%9D%E3%81%84%E5%87%BA%E3%81%95%E3%81%9B%E3%81%AA%E3%81%95% E3%81%84.html 特 徴 ①現場に近いミドルの試行錯誤による ②試行錯誤・選別の結果生まれる ③それぞれに主体性をもつこと ★進化論アプローチの限界 ①淘汰・選別の基準の在り方、メカニズム定着の難しさ ②ミドルによるため、全体の方向性が定まりにくい ③局所的な変化に過ぎない 変革型ミドル 人を引き付けるビジョン 変革型リーダーシップの発揮 ①信頼の蓄積 ②新たなビジョンの提示 ③信頼の行使 ★変革型ミドルの限界 このような人材が都合よく存在するのか? 浮いてしまう可能性 http://matome.naver.jp/odai/2128373958189867901/2128471530206167303 4.トップが作った舞台にミドルが立つ トップダウン・ミドル任せ 折衷主義的なモデルの模索 ① 変革の単位について ② 青写真の描き方について 4.トップが作った舞台にミドルが立つ ① 変革の単位について 組織 …たくさんの職場や部門が束ねられた複合体 組 織 部 門 部 門 職場 部 門 部 門 部 門 職場 変革の単位を複数としたうえで、いかに波及させるか? 部 門 4.トップが作った舞台にミドルが立つ ② 青写真の描き方について 変革の前に完全な青写真は描けない ① 変革の単位について ② 青写真の描き方について トップとミドルの役割分担を考えればいい!! 4.トップが作った舞台にミドルが立つ • レバレッジ・モデル …トップとミドルの相互作用から自然発生的な変革 を生み出し組織全体に波及させようとするモデル ①トップが危機感を創出~戦略的な揺さぶり~ ②ミドルが危機・矛盾を発展的に解消~戦略的突出~ ③全社的な横展開が可能に~変化の拡散・増幅~ ④追認を越えるビジョンの提示~戦略ビジョンの具体化~ 4.トップが作った舞台にミドルが立つ ① トップが危機感を創出~戦略的な揺さぶり~ 衝撃的に。 大まかに。 部 門 部 門 部 門 職場 本業を新しい形で行ってこそ 真にインパクトのあるお手本となって波及を促す 4.トップが作った舞台にミドルが立つ ② ミドルが危機・矛盾を発展的に解消~戦略的突出~ 部 門 部 部 実績を残すことが最重要! 突出集 門 門 職場 ミドルの方がより現場に近い! 突出集 団 ・条件づくり 現 ト ミ ・隔離と組織的障害の排除 ド ッ 場 ・小規模で異質な集団づくり プ ル 団 4.トップが作った舞台にミドルが立つ ③ 全社的な横展開が可能に~変化の拡散・増幅~ 生み出した変化を拡大させていく 変化の増幅は自然に起こっていく ・中核に近い分野への「仕込み」 ・変化に応じたトップの対応 4.トップが作った舞台にミドルが立つ ④ 追認を越えるビジョンの提示~戦略ビジョンの具体化~ これまでの成果を、「ことば」にする! 普遍性を持つように再構築する 4.トップが作った舞台にミドルが立つ レバレッジ・モデル 変革の効果の大きさ トップのアクション 4.トップが作った舞台にミドルが立つ レバレッジ・モデルの限界 ① トップとミドルとの「お見合い」 トップのアクションが不十分 ミドルの取り組みが中途半端 トップが思い切った支援を してくれない ミドルがなかなか実績を出してくれ ない 4.トップが作った舞台にミドルが立つ レバレッジ・モデルの限界 ② 隔離することによる弊害 既存の事業と異なってくる 突出集 団 通常組織 組織の中で孤立する 併存 既 存 事 業 新 事 業 シフト 既 存 事 業 新 事 業 既 存 事 業 新 事 業 5.経営のスタイルと原理 変化することのリスク ・つまみ食いのリスク 世論 ⇒変えちゃいけないのに変える 職場の雰囲気が悪くなる チームワークが取れなくなる ・及び腰のリスク ⇒変えなきゃいけないのに変えない 5.経営のスタイルと原理 制度と原理 原理 思考と判断の基準 制度 原理を体現するための器 5.経営のスタイルと原理 長寿企業の共通点 多角化をせず、事業の根幹を守りぬいている 資金調達に保守的。上場しない 人を大切にし、育ててきた 結論 優れた経営のしくみを制度と原理とに切り分け、 表層的な部分を変えても、深層的な部分は変えてはならない。 ご清聴、ありがとうございました!
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