井上 剛

SSCG 2012
F 感染防止 (Infection Prevention)
E 感染巣コントロール(Source Control)
D 抗菌薬治療
(Antimicrobial Therapy)
D 抗菌薬治療
(Antimicrobial Therapy)
1
敗血症性ショック(Grade 1B),敗血症性ショックでない
重症敗血症(Grade 1C)と認識してから最初の1時間以内の
有効な経静脈的抗菌薬投与を治療目標とすべきである.
2a
初期経験的抗菌薬治療は,原因と考えられる病原体全て
(細菌,真菌,ウイルス)に活性を有し,敗血症の原因と
推定される組織内に適切な濃度で移行する1つ以上の薬剤
で行うことを推奨する(Grade 1B).
経験的抗菌薬選択の指標
・基礎疾患 既往歴 副作用歴
・最近3か月の抗菌薬使用歴
・地域のバイオグラム
・以前の定着 感染の原因菌
カルバペネムを使用する可能性があるとき
①市中肺炎、人工呼吸器関連肺炎、院内肺炎で緑膿菌のリス
クがあるとき
②カテーテル感染 医療行為関連尿路感染症
③院内発症腹腔内感染症
④複雑性皮膚軟部感染症
(海水淡水への暴露 糖尿病関連 虚血肢 医療行為関連行為)
⑤脳神経外科術後髄膜炎
⑥好中球減少症
⑦院内発症でフォーカス不明
緑膿菌リスク
市中感染症
ステロイドの長期使用
慢性の重症呼吸器疾患
アルコール依存症
度重なる抗菌薬への暴露
院内感染症
入院が5日間以上
3か月以内の抗菌薬使用歴
施設地域で緑膿菌が無視できない
免疫不全
3か月以内で2日以上の入院歴
維持透析
カルバペネムを使わざるを得ない時
①過去3か月以内に第4世代セフェム、TAZ/PIPCの投与歴がある
②当該施設の緑膿菌の感受性がカルバペネムにしかない時
③当該施設のAcinetbacter baumannii
ESBL産生菌が無視できないとき
④カルバペネムしか有効でない
陰性桿菌を保菌している患者
4a
各患者の疾患とローカルパターンに基づいた最も可能性
の高い病原体に活性を有する抗菌薬で経験的治療はなさ
れるべきである.重症敗血症を伴う好中球減少患者
(Grade 2B),Acinetobacter属やPseudomonas属といっ
た難治性多剤耐性菌による感染症(Grade 2B)において
は,抗菌薬を併用した経験的治療を行ってもよい.
4a
呼吸不全や敗血症性ショックを伴う重症感染症患者で
は,緑膿菌菌血症では,広域スペクトラムのβラクタム
系抗菌薬にアミノグリコシド系またはフルオロキノロン
系を併用してもよい(Grade 2B).
同様に,肺炎球菌菌血症による敗血症性ショック患者で
はβラクタム系にマクロライドを併用してもよい
(Grade 2B).
4b
重症敗血症患者に経験的に抗菌薬併用療法を行う場合,
3-5日間よりも長く行うべきではない.感受性が判明す
れば直ちに最も適切な単剤治療にde-escalationされるべき
である(Grade 2B)
例外として,特に緑膿菌敗血症や
心内膜炎においてはアミノグリコ
シド系単剤治療は一般的に避ける
べきであり,このような場合の抗
菌薬併用療法は許容される.
2b
抗菌薬のレジメンは,耐性菌増殖を防ぎ,薬剤毒性
を減らし,コストを減らすためのde-escalaionが可能
であるか,毎日評価を行うべきである(Grade 1B).
3
敗血症と診断したが,その後感染の根拠が
認められない患者においては,プロカルシ
トニンや同様のバイオマーカーが低値であ
ることを経験的治療の中止
するために使用してもよい
(Grade 2C).
5
臨床的に抗菌薬の治療期間は典型例では7-10日間で
よい.ただし,治療反応性が遅い,ドレナージ不能
の感染巣,黄色ブドウ球菌菌血症,真菌感染症やウ
イルス感染症,好中球減少症を含む免疫障害のある
患者ではより長期間の治療が必要となるかもしれな
い(Grade 2C).
6
重症敗血症,敗血症性ショックの原因がウイルスであれ
ば,できるだけ速やかに抗ウイルス薬を開始する
(Grade 2C).
7
高度炎症の状態にある患者で感染症が原因でないと判断
した場合は抗菌薬を使用しないことを推奨する
(Ungraded).
E 感染巣コントロール
(Source Control)
1
緊急で感染巣コントロールが必要な解剖学的に特異な
感染巣(例えば壊死性軟部組織感染症,腹膜炎,胆管炎,
腸管壊死)を検索し,その診断と除外をできる限り速や
かに行い,可能ならば診断から12時間以内に感染巣コン
トロールを行うことを推奨する(Grade 1C).
2
感染性膵壊死が感染巣であると
判明した場合は,組織壊死の範
囲が判明するまで待機してから
外科的介入を行ってよい
(Grade 2B)
3
重症敗血症患者で感染巣コントロールが必要である場
合は,最も侵襲が少ない処置で効果的な介入(例えば
膿瘍に対しては外科的ドレナージよりも経皮的ドレ
ナージを選択する)を行うべきである(Ungraded).
4
血管内カテーテルが重症敗血症,
敗血症性ショックの感染巣である
ならば,他の血管ルートを確保し
た後,直ちに感染カテーテルを抜
去すべきである。
(Ungraded).
F 感染防止
(Infection Prevention)
1
選択的口腔除菌(SOD)と選択的消化管除菌(SDD)は
人工呼吸器関連肺炎(VAP)を減らす方法として導入・
調査されるべきである.この予防策は,当該方法が有効
と考えられる医療施設や地域で行ってもよい(Grade2B).
2
ICUの重症敗血症患者の人工呼吸器
関連肺炎(VAP)のリスクを減少さ
せるため,口腔咽頭除菌目的でグル
コン酸クロルヘキシジンの口腔内塗
布を行ってもよい(Grade 2B).
主にカルバペネムが主軸
カルバペネム無効
MRSA,MRCNS
Enterococcus spp Mycobacterium spp
Stenotrophomonas maltophilia Legionella pneumophila
Corynebacterium jeikeium Clostridium difficile
Barkholderia cepacia True Funges,Virus
New Delhi Metallo-beta-lactamase (NDM-1)
Rhodococcus equi
Multiple Drug Resistant Pseudomonas aeruginosa(MDRP)
Multiple Drug Resistant Acinetobacterbaumanii(MDRAB)
Carbapenem Resistant Pseudomonas aeruginosa