Document

第5回やませ研究会 2012/3/5
1kmメッシュデータを用いた
BLASTAM計算結果の検討(仮題)
大久保さゆり・菅野洋光
(独)農研機構 東北農業研究センター
話題
① BLASTAMの季節内変動
② クラスター分析による
気圧配置型分類の試み
①BLASTAMの季節内変動
BLASTAMについて
· 葉いもち病の発生予測モデル
· 葉の濡れの持続時間+病原菌の活動温度に基づいて、
過去5日間の気象要素で発生危険度を予測する経験式
今していること:
*AMeDAS観測値の空間内挿(統計的ダウンスケール)による
· 過去の1kmメッシュ気象データ*でBLASTAMを求め、
· 葉いもちの長期変動/空間分布を確認する
· 冷夏年に多発+暑夏年に少ない+地域性も大体合っている
今回:
BLASTAMの
季節内変動を
確認
Appearance ratio for BLASTAM (1978−2010)
30
40˚
20
10
38˚
0
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
↓
感染好適度の出現率(%)
40
10の出現率
1-4の出現率
km
0
138˚
140˚
75
142˚
150
感染好適条件出現率の推移
· 1-10(感染好適条件 + 準感染好適条件)
感染好適条件出現率の推移
· 10(感染好適条件)のみ
7月中〜下旬に
多い
感染好適条件出現率の推移
· 1-4(準感染好適条件)のみ
6月下旬〜7月
上旬に多い
0
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
感染好適度の出現率(%)
まとめ①
10の出現率
1-4の出現率
· 10(感染好適条件)は後半に
· 1-4(準感染好適)は前半に多い
· 近年、10の頻度が増加傾向?
· 今後の課題:
· 気象要素にそのような変化があるか
· 地域性はどうなっているか
10(感染好適条件)のみ
40
30
20
10
1-4(準感染好適条件)のみ
②クラスター分析による
気圧配置型分類の試み
毎日の気圧配置を分類
日別の気圧配置をクラスター分析により分類してみる
· 動機:(事例解析でなく)全事例から特定の気圧配置型を
抽出したい!
· 期間:1990-2010年・6/21-8/10(51日間)
· 使用データ:JRA-25海面更正気圧
60˚
· 00UTC, 12UTCの平均
=その日の気圧と定義
40 ˚
· 領域内の気圧を基準化
20˚
対象領域(赤枠) ⇒
100
˚
12 0˚
140˚
160 ˚
0˚
18
クラスター分析結果
· Ward法、ユークリッド距離、N=1071(51日間×21年)
2000
1500
1000
500
0
Distance
2500
3000
Distance
0
200
400
600
800 1000
分類結果
· 海面更正気圧のクラスター別コンポジット
10
6
30 ˚
120˚
4
8
20 ˚
120˚
140˚
160˚
10 0
1 00
12
10
08
10
50˚
20 ˚
160˚
140˚
08
30 ˚
140˚
100
120˚
140˚
1, 4: 夏型
6 : 夏型亜種?
3, 5: 梅雨型
2, 7: オホーツク海H
1012
4
4 0˚
10
12
20 ˚
120˚
16
20 ˚
˚
0
16
120˚
140˚
10
12
100
8
10
04
4
100
10
4 0˚
30 ˚
08
10
1008
60˚
50˚
1 00 0
04
Cluster 7
60˚
10
00
10
08
10
30 ˚
140˚
120˚
04
10
30 ˚
2
20 ˚
Cluster 6
60˚
4 0˚
160˚
101
10
04
Cluster 5
50˚
10
08
30 ˚
160˚
140˚
4 0˚
08
10
12
10
50˚
1008
10
04
4 0˚
20 ˚
20 ˚
120˚
50˚
10
08
100
101
6
1012
10
08
4
10
08
08
10
30 ˚
10
1
2
12
50˚
4 0˚
4 0˚
60˚
1
10
10
50˚
1016
60˚
10
16
60˚
60˚
Cluster 4
Cluster 3
10
12
Cluster 2
Cluster 1
160˚
1
分類結果-夏型
· 1, 4=太平洋高気圧
· 6 =太平洋高気圧の南西縁?
101
6
1012
120˚
140˚
160˚
5m/s
08
4 0˚
4
08
10
30 ˚
08
10
1008
30 ˚
10
10
12
08
20 ˚
20 ˚
20 ˚
5m/s
04
10
04
10
50˚
10 0
12
50˚
4 0˚
30 ˚
10
10
16
1016
10
12
10
08
10
4 0˚
60˚
60˚
60˚
50˚
Cluster 6
Cluster 4
Cluster 1
120˚
140˚
160˚
5m/s
120˚
140˚
160
分類結果-梅雨型
Cluster 3
Cluster 5
60˚
4 0˚
4 0˚
08
0
1
30 ˚
2
101
1
20 ˚
5m/s
120˚
140˚
10
00
50˚
30 ˚
6
01
160˚
100
8
1008
10
04
50˚
1 00 0
10
04
10
08
60˚
4
100
1 00
8
20 ˚
5m/s
120˚
140˚
12
10
160˚
分類結果-オホーツク海高気圧型
· いずれも東北地方では東〜北東風系
Cluster 2
Cluster 7
60˚
60˚
10
1
50˚
6
4
30 ˚
30 ˚
20 ˚
5m/s
120˚
140˚
160˚
20 ˚
5m/s
120˚
140˚
10
12
12
10
08
4 0˚
10
04
08
10
10
100
4
2
4 0˚
1012
08
10
1
10
50˚
100
160˚
分類結果-オホーツク海高気圧型
· 850hPa高度場
Cluster 2
Cluster 7
1480
4 0˚
20
60
14
15
4 0˚
14
80
20
14
1 44 0
30 ˚
1500
20 ˚
120˚
140˚
160˚
1440
1440
30 ˚
0
146
1 48 0
60
4
1
0
1 50
20 ˚
120˚
140˚
↑クラスター2のほうが「背の高い」高気圧
14
80
50˚
0
14
80
14 2
50˚
60˚
14
60
60˚
20
5
1
160˚
出現クラスターの推移
■: 夏型 ■:梅雨型 ■:オホーツク海高気圧型
· 梅雨→夏型 への遷移
各クラスターの出現頻度を比較
· 暑夏年=夏型
が多い
· 冷夏年=オホーツク海高気圧型
②まとめ
クラスター分析で、日々の気圧配置を大まかに分類できそう
· 今後は…
· 地上の気象要素/BLASTAMの分布との対応
· 東北地方でどうなっているか
· 過去のヤマセ事例が「オホーツク海型」と一致するかどうか
· BLASTAMの年々変動を、総観場から説明できないか
· より長期間での分類
· 各々の気圧配置型の出現頻度に長期変化があるかどうか
· JRA-55が出たら55年分で分類したい
· BLASTAMと気圧配置型との関連…オホーツク海型時に高くなる?