CABGを必要とする虚血性冠動脈疾患の背景には 動脈硬化の影響があり、プラークの退縮効果が明 らかにされているスタチンを投与することで予後を 改善する効果が期待される CABGを行った患者に対しスタチンを投与すること で予後を改善する効果を検証することが本研究の 目的である 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会 1 2007年~2013年 7年間 単独CABG350例のうち345例 (入院死亡を除く) o 退院時スタチン投与群(S群) o 退院時スタチン非投与群(N群) 212例 133例 患者背景の異なる二群間での分析結果である為、Propensity scoreによるmatchingを施行 o 69 pair 138例を対象 二群間の長期予後を比較検討 o 生存率 o 心臓死回避率 o MACCE回避率 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会 2 S群 69例 N群 69例 p 年齢 70.9±8.2 69.6±9.1 0.377 女性 24 (34.8%) 15 (21.7%) 高血圧 56 (81.2%) 糖尿病 S群 69例 N群 69例 p T-Cho 170±38 174±38 0.545 0.089 LDL-Cho 97±35 103±36 0.372 57 (82.6%) 0.825 HDL-Cho 50±19 47±19 0.383 35 (50.7%) 36 (52.2%) 0.865 術前スタチン 63 (91.3%) 8 (11.6%) <0.001 Insulin 13(39.4%) 8 (21.6%) 0.105 術前LVDd 49.9±5.7 51.3±5.7 0.151 HbA1c 6.2±1.0 6.0±1.0 0.308 EF<40 4 (5.8%) 6 (8.7%) CVD 8 (11.6%) 12 (17.4%) 0.333 EF 40-60 23(33.3%) 20 (29.0%) PAD 12 (17.4%) 9 (13.0%) 0.477 EF>60 42 (60.9%) 43 (62.3%) Cre 1.5±2.2 1.8±2.2 0.501 EuroSCORE 4.6±2.4 4.6±2.7 0.973 透析 6 (8.7%) 5 (7.2%) 0.753 1.9±1.6% 3.0±2.4% 0.071 BMI 24±14 24±18 0.314 Japan Score 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会 0.733 3 S群 69例 N群 69例 p 0 0 1.000 1 (1.4%) 0 0.316 Conventional CABG 29 (42.0%) 28 (40.6%) On Pump Beating CAB 19 (27.5%) 17 (24.6%) OPCAB 21 (30.4%) 24 (34.8%) 手術時間(分) 383±99 380±92 0.838 人工心肺時間(分) 147±55 156±39 0.405 大動脈遮断時間(分) 55±53 68±58 0.273 吻合枝数(本) 3.22±1.00 3.22±0.95 1.000 BITA使用件数 45 (65.2%) 48 (69.9%) 0.586 RA使用件数 12 (17.4%) 17 (24.6%) 0.296 3 (4.3%) 3 (4.3%) 1.000 緊急 再手術 GEA使用件数 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会 0.848 4 Log rank test p=0.012 No at risk 1 year 3 years 5 years S群 59 38 21 N群 59 47 30 1 year (%) 3 years (%) 5 years (%) S群 100 100 89.7±5.7 N群 93.9±3.0 83.7±4.8 75.6±5.8 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会 5 Log rank test p=0.245 1 year (%) 3 years (%) 5 years (%) S群 100 100 96.2±3.8 N群 100 94.6±3.0 92.4±3.7 No at risk 1 year 3 years 5 years S群 59 38 21 N群 59 47 30 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会 6 Log rank test p=0.053 1 year (%) 3 years (%) 5 years (%) S群 95.7±2.5 82.5±5.5 79.8±5.9 N群 90.4±3.7 78.0±5.4 67.2±6.5 No at risk 1 year 3 years 5 years S群 56 30 18 N群 56 41 22 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会 7 単変量解析 HR 95% CI p 退院時Statin 0.137 0.048~0.394 <0.001 HR 多変量解析 95% CI p 0.082 0.018~0.382 0.001 年齢 1.078 1.028~1.131 0.002 1.126 1.058~1.197 <0.001 PAD 2.953 1.349~6.463 0.007 4.685 1.634~13.429 0.004 インスリン 3.658 0.841~15.914 0.084 - - - EF 0.968 0.943~0.993 0.012 - - - Euroscore 1.202 1.091~1.324 <0.001 - - - 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会 8 心不全 突然死 心筋梗塞 不明 脳出血 肺炎 髄膜炎 肝炎 癌 腎不全 事故 計 S群 n=69 N群 n=69 Log Rank p値 1 0 0 0 0 1 0 0 1 0 0 3 2 0 0 1 4 1 1 0 1 1 2 13 0.700 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会 0.056 0.366 0.314 0.917 0.012 9 心臓死 心筋梗塞 狭心症再発 再関血行再建 心臓病入院 心不全入院 脳梗塞 脳出血 PTA S群 n=69 1 1 2 4 1 2 3 0 0 N群 n =69 4 1 1 10 4 3 1 4 0 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会 Log rank p値 0.245 0.872 0.546 0.235 0.250 0.736 0.361 0.057 10 Circ J 2008;72:1937-1945 CREDO-KyotoのPCIとCABGを併せた対象群において、ス タチン投与群はスタチン非投与群と比較し、遠隔期の全死 亡、心関連死において優っていた 本研究においてもスタチンによる全死亡率の改善効果は示 されたが、心関連死に関する改善効果は示されなかった 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会 11 NEJM 2006;355:549-59 80mgのアトルバスタチン内服群とプラセボ群とを比較すると、全脳 卒中発生率、脳梗塞発生率、心血管イベント発生率はアトルバス タチン内服群において改善した一方で脳出血発生率の軽度上昇 を認めた 本研究ではスタチン投与群における脳出血の発生率の上昇は特 に認めなかった 12 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会 本研究においてCABG術後患者に対するスタチ ン投与は、MACCEを予防する傾向があることと 生命予後の改善効果が示された 本研究においてはスタチンによる心関連死発生 率を低下させる効果は認められなかった 対象とした症例数が少ない為、より多くの対象に よる研究が必要と考える 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会 13 CABGを行った患者に対して術後スタチン投与 を行う事で、MACCE発生率が減少する傾向を 認め、生命予後が改善した 2015/2/17 第45回日本心臓血管外科学会 14 演題発表に関連し、開示すべきCOI ある企業等はありません 関係に
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