サービス提供システム 物理チャネルとオンライン・チャネル 1 有形財の流通とサービス財の流通 • 有形財の場合、「製品提供システム」とは流 通を指す – 梱包された製品が流通チャネルを経て最終消費 者に届けられる仕組み • ザービス財では以下の3つの要素が相互関 係を持ちながらやり取りされる – 情報とプロモーション – 受発注と決済 – 製品要素 2 中核要素と付帯要素の違い • 中核要素と付帯要素では提供システムが異 なる • 中核要素では物理的な提供場所を必要とす る場合が多い • 一方、付帯要素は情報に関するものが多い ため様々な提供方法を持つ 3 情報プロセスと物理プロセス 中核 要素 請求 安全 情報 相談 物理プロセス 情報プロセス 4 だれに・どこで・どのように提供するか サービス提供チャネルの決定 5 サービス提供方法の例 サービス提供場所 1か所 サービス提供場所 複数個所 サービス施設 劇場 バス輸送 サービス施設外 (出張) 家の修理 郵便配達 ロードサービス オンライン クレジット・カード 電話会社 6 サービス提供チャネル • 物理チャネル – サービス施設での提供 – サービス施設外での提供 • オンライン・チャネル 7 サービス施設による提供 (店舗サービス) • サービス施設の利便性と営業時間が重要な 要素となる • 顧客の自宅や職場からの距離を重視 • 新たな道路の開通によりサービス施設の場 所としての魅力も変化 8 サービス施設外での提供 (出張サービス) • サービス対象物を容易に移動できない場合 が多い – 樹木の手入れ – 設置された機器の修理 • 追加料金を払っての出張サービス – サービス施設への移動時間が節約可能 – ストレスから解放される場合もある – 出張は法人の場合が多い(大口取引のため) 9 オンラインによる提供 • 顧客はサービス施設を見る機会がない • サービスへの接触は電話・手紙・電子メール で行われる • 物流サービスと組み合わせることにより小型 機器の修理などのサービスの提供が行われ る 10 提供チャネルに対する顧客の好み (セルフ・サービスかスタッフによるサービスか) • 複雑で知覚リスクが高いサービスの場合はス タッフによるサービスを好む • サービス内容などの知識が豊富な場合はセ ルフサービスを好む • サービスを一種の道具と考えている場合は 利便性を優先しセルフサービスを好む • 大多数の顧客はまず利便性を基準に選択し、 費用よりも時間や労力の少ない方を選ぶ。中 核要素だけでなく付帯要素も判断基準となる 11 中核要素と付帯要素の提供チャネル • 中核要素のために特定の場所に出かけるこ とはあまり抵抗を感じない – スポーツ観戦 – エンターテイメント • 付帯要素の場合は柔軟で便利な対応を好む – 電話による予約・受付時間 – チケットの郵送 – オンラインでの予約・クレジットによる決済 12 好まれる物理チャネルの場所 • 顧客の立場から好まれるサービス施設の要 件は、利便性と好み • 特別なサービスを受ける場合は、自宅から遠 い場所へも出かける 13 場所の制約 • サービスの種類によってはサービス施設の 場所に制限がある場合がある – 飛行場は郊外 – スキー場は山間部 – ビーチリゾートは海岸 • 総合病院は様々な診療科を備えるため設備 が巨大となり、広大な土地を必要とする。 14 小型店舗による対応 • セルフ・サービス機器の設置による対応 – ATM • サービス・オペレーション・システムの「見えな い部分」を遠隔地におき小規模店舗による サービスの提供を実現 15 労働者から見たサービス提供時間 • 労働時間の上限は1日に8時間、週40時間 • 労働者は昼休み・休日に個人的な買い物を する必要がある • キリスト教文化圏では日曜日の営業を厳しく 制限を受ける場合もある。 • 一方で24時間営業・年中無休でサービスを提 供する組織もある。 16 オンライン・チャネルでの提供 • ITの進化により新たなサービス提供手段が次々 と生まれてくる。 – 携帯電話、PDA、無線LANにより顧客は好きな場所で インターネットに接続可能 – Webサイトでサービスの受注が可能 – 音声認識技術により音声ベースで自動応答可能 – ICカードによる電子マネーの決済が自宅PCでも可能 • 物理チャネルの代替になる場合もあるし、併用 する場合もある 17 オンラインチャネルによる新たなサービス提供 • 携帯端末によるサービスへのアクセス • タイムリーで正確な情報の提供 • リアルタイムでの情報の更新 (例)株式取引 ① 電子メールによる指定の株価の通知 ② リアルタイムでの株価の確認 ③ ネットや電話による取引の指示 18 仲介業者の役割 中核 要素 請求 安全 情報 相談 サービス組織による提供 仲介業者による提供 19 中核要素のアウトソーシング • フランチャイズ – 中核要素を複数の場所で提供するための方法 – 本部は加盟店に対して事業運営上のノウハウを 提供し、必要な備品を販売し、マーケティングの サポートを行う – 加盟店は自己資金を出資 • ライセンス契約 20 サービス提供システムの課題 • 時差・文化・言語への対応 – 広大なエリアを対象とする場合、時差が存在し、 時差は物流に大きく影響 – カナダでは、場所により公用語が異なるためフラ ンス語・英語への対応が必要となる • 税制・法律などへの対応 – アメリカでは連邦法・連邦税がかかり、さらに州 法・州ごとの税制が存在 21 サービス業の国際化 • 体に作用するサービス – サービスコンセプトの輸出 – 顧客の誘致 – 新市場への顧客移送 • 物に作用するサービス – サービス対象物が輸送可能なものであれば郵送で サービスを提供することが可能 • 情報サービス – 現地のサービス施設への輸出 – 顧客の誘致 – 通信を利用しての輸出 22
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