SPI検証のための ロックアクイジションの考察 2009/5/19(火) LCGT SPI 特別作業班 東京大学宇宙線研究所 宮川 治 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング 1 Introduction SPIを導入することでロックアクイジションにどんな利点があるのかを検討 新しく計算し直す時間がないので、とりあえずAdLIGOモデルでの計算だが、 ある程度定性的な話はできるはず 同時に200Wクラスの高出力レーザーを使ったkmクラスのキャビティーでの ロックアクイジションのどこが大変なのかを紹介 » 多段振り子 » 静電アクチュエータ(これまでのコイルマグネットアクチュエータに比べ力が弱い) » 高フィネス ~1200 » 輻射圧 (~1MW) RSEは計算量が膨大になるので、とりあえず一本の腕キャビティーのロック を時間領域のシミュレーションで調べてみよう。 目標は、一本腕は最初のフリンジでロックすること。これは5自由度のRSEの ロックにおける最小要求である。 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング 2 Parameters in this simulation 時間領域でのシミュレーションツール「e2e」を使用 4km single arm cavity Main AdLIGO 4段振り子 » ローカルダンピング (Top Massの6自由度) » Maximum actuation force: 2段目に200mN, 3段目 に20mN, 最終段に100mN(静電アクチュエータのた め小さい) » 光軸方向のUGF: 2段目は8Hz、3段目は40Hz、最終 段は180Hz PHD法による位相変調、復調での誤差信号 ロックアクイジション時には最終段のテストマスにのみ Z フィードバック、ロック後は下3段にフィードバック 角度揺れはTEM01, 10まで考慮されている 現LIGO、Hanfordサイトの地面振動からAdLIGOの地面 振動を予測 Ref. M0 M1 M2 M3 X Y 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング 3 通常のPDH法を使ったロックアクイジション v=20nm/sec v=25nm/sec Locked Locked after a fringe passed Power 0.1 0.2 0.3 0.4 500 0 0.5 0.1 0.1 0.05 0.05 0 -0.05 -0.1 -0.1 Time[s] 0.4 500 500 0 0 0.5 0.1 0.1 0.4 0.5 0.1 0.2 0.3 Time[s] 0.2 0.2 0.3 0.3 0.4 0.4 0.5 0.5 Raw error signal Raw error signal 0 -0.05 0.3 0.3 [W] [W] 0.1 0.2 0.2 v=30nm/s DC Raw error signal [W] [W] Raw error signal 0.1 Power Power 1000 1000 [W] [W] [W] [W] 1000 500 No lock Power 1000 0 v=30nm/sec 0.4 0.5 v=30nm/s DC 0.1 0.1 0.05 0.05 0 0 -0.05 -0.05 -0.1 -0.1 0.1 0.1 0.2 0.2 0.3 0.3 Time[s] Time[s] 0.4 0.4 0.5 0.5 輻射圧が無視できるくらい小さいパワー(ロック時でキャビティー内パワー ~1kW)での計算 初速度vを与えロックできるかどうか調べる 相対ミラー速度が ~25nm/sec以下ならロック可能→ロックできるThresholdが存在する リンギングにより、エラーシグナルの符号が反転するのがロック失敗の原因 リンギングはFinesseの2乗、キャビティー長の1乗に比例するので、Finesseを下げて、パワーリ 4 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング サイクリングゲインを上げる方が、ロックアクイジションには有利 透過光を使った線形領域の拡大(iLIGO, TAMA) v=20nm/sec v=25nm/sec Locked v=30nm/sec Locked after a fringe passed Power No lock Power 1000 Power 1000 800 Power 500 0 0.1 0.2 0.3 0.4 500 0 0.5 [W] [W] [W] [W] 800 600 0.1 0.3 0.4 400 200 200 0 0.5 0 Raw error signal Normalized signal Raw error signal Normalized signal 0.5 0.5 0 0 0 0.5 -0.5 -0.5 -0.5 0 -1 -1.5 -2 -1 -1.5 0.1 0.2 0.3 Time[s] 0.4 0.5 -2 0.1 0.1 0.5 [W] [W] [W] [W] 0.2 600 400 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 Time[s] 線形化しても結果は変わらず、相対ミラー速度が 0.4 0.5 0.2 signal 0.4 error0.3 Raw 0.5 0.2 0.3 Raw error signal Normalized signal -1 -0.5 Normalized Raw error -1.5 -1 -2 -1.5 -2 0.1 0.2 0.1 0.2 0.3 Time[s] 0.3 Linearized Time[s] area 0.4 0.5 0.4 0.5 ~25nm/sec以下でのみロック可能 TAMAでかなりの効果があった、透過光による線形化では改善しない 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング 5 Guide lock Power x 10 1000 Relative position -8 最初のフリンジの生の誤差信号のサ インと傾きを利用(0.2sec)。これから その後の鏡の位置と速度を計算機 内で予測。このとき生の誤差信号は リンギングを始める。 2 800 1 0 [m] [W] 600 400 -1 -2 最初のフリンジを通過後、計算機上 -3 200 predicted -4 0 0.2 0.4 0.6 0.8 -5 1 actual 0.2 0.4 0.6 Time[s] Time[s] Raw error signal Actuation force 0.8 1 0.5 の情報を元に、フリンジを戻すように アクチュエータに最大の力をかけ、 戻ってきたとき(0.4sec)にロックでき る程度のゆっくりした速度になるよう に調節する。 200 このアルゴリズムにより500 nm/s [N] [W] 100 0 (通常の誤差信号を使った場合より 約25倍速い速度)の速い動きでも ロックできる。 0 -100 UIM(mN) PM(mN) -200 -0.5 0.2 0.4 0.6 Time[s] 0.8 1 和泉君がTAMAで検証してくれた TM(uN) 0.2 0.4 0.6 0.8 1 Time[s] 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング 6 Suspension Point Interferometer (SPI) Y. Aso Ph.D thesis (2006) • SPI 導入により地面振動はRMSで10分の1程度になる 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング 7 鏡間の相対速度 1 x 10 -6 Velocity between test masses Day Night SPI/Day SPI/Night 0.8 0.6 Locking range by Raw/Normalized error signal 0.4 0.2 [m/s] Locking range by Guide lock 0 -0.2 -0.4 -0.6 -0.8 -1 • • • • 0 20 40 60 Time[s] 80 100 LIGO Hanford サイトの地面振動にAdLIGOの防振装置を仮定 Day: upper 10% of noisy time Night: 1/5 motion of the day time SPI: 低周波でミラー地面振動1/10を仮定 (0.1Hz zero and 1Hz pole) 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング 8 ロックのまとめ 鏡が共振点を通過したときのロックの可能性 Lockable mirror speed Day Night SPI/Day SPI/Night Raw/Norm error 25nm/sec 9.5% 32% 56% 98% Guide lock 500nm/sec 90% 99% 100% 100% ガイドロック単体、もしくはSPIの併用でほぼ一日中腕のロックは可能 ただし、Guide lockのようなインテリジェントなロックはどうせいるので、それが ある時のSPIの効果はそれほどでもない ここまでは輻射圧が無視できるほど低いパワーでのロックの話、次に輻射圧 が効くようなハイパワーの場合を検証 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング 9 輻射圧がある場合のロックアクイジション Locked No lock Locked 輻射圧により光軸方向に鏡が押されロックが邪魔される 最終的にたまるパワーは800kW程度 しかしながらロック可能なパワーはわずか 数kW(0.5%程度) 40mの実験ではCARMにオフセットをつけることにより、フルロックの80分の1のパ ワーで5自由度ロックできた、なので、ロック時の入射パワーをフルパワーの40%以 下に抑えれば大丈夫 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング 10 Quad suspension with radiation pressure (length) 光路長制御に鏡の傾きが 効かないような状況を作り 出してみた ITM ETM 10μm程度鏡がシフトし、 10rad程度傾く 光路長、角度制御にこれく らいの量を補正できる位 のダイナミックレンジが必 要 LSC LSC Radiation pressure LSC 1.2e-5 m 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング 11 Alignment instability with no ASC 角度揺れの影響を、光路長制御に関係するようにしてみる 約10%のパワーがたまったところで輻射圧によりピッチ方向に傾くためロックが落 ちる 角度制御が絶対に必要 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング 12 Angle stability with/without ASC due to radiation pressure 8 x 10 Power 5 7 6 ITM [W] 5 ETM 4 3 2 1 0 0 LSC 10 20 30 ASC Time[s] ASC 下から2段目のマスにf 3のフィルターを用いた制 LSC 御をかけ、最終段のマスを制御することにより、 最終パワーまで持っていくことができる ASC ASC Radiation pressure 更なる問題として、角度方向の光バネによる不 安定性が出てくる LSC >> そのため、制御バンド幅を10Hz程度と大きくとら なければならない 13um >> Feedbackノイズによる感度の悪化が心配 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング 13 Two modes of optical instability Differential : stable -> spring Common : unstable -> anti spring 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング 14 Opt-mechanical (suspension) TF 10 10 10 10 Optical spring 6 10 5 4 3 2 Phase[deg] Pitch opto-mechanical(suspenstion) TF 0W comm diff 10 10 10 7 yaw opto-mechanical(suspenstion) TF Optical spring 6 5 0W comm diff 4 3 2 10 180 135 90 45 0 -45 -90 -135 -180 Phase[deg] Gain 10 7 Gain 10 10 0 10 10 180 135 90 45 0 -45 -90 -135 -180 1 Frequency [Hz] 10 0 10 Frequency [Hz] アクチュエータから角度の誤差信号までの伝達関数(時間領域で計算されたものを FFTしたもの) で、振り子及び、光共振器の伝達関数を含む。 光バネにより低周波のゲインが小さくなる » フィードバックフィルターによる補正が必要となる 光バネの共振がpitchの差動モードに4.5Hz、yawの差動モードに4.1Hzにでる。 » 制御のバンド幅は少なくともこの光バネの共振周波数以上にとる必要がある。 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング 15 1 Summary 長基線長、高フィネスキャビティーのロックは、ミラーの速度によりリンギング(発 振)が発生してしまい、ロックが困難になる可能性がある。 これを回避する方法として、SPIもしくはGuide lockを使うと、夜間は高い確率で、 併用すると昼間も高い確率でロックする。 ただしGuide Lockの効果が大きいため、SPIをいれてもいれなくてもそれほど ロックには影響ないと考えられる Guide LockがRSEに使えるかどうかは不明 Finesseを下げて、パワーリサイクリングゲインを上げた方がロックアクイジショ ンには有利 さらに、高出力レーザーによる光軸方向への輻射圧により鏡が10波長ほどシフ トするため、ロックを可能にするには最大パワーの0.5%ほどでのロックを要求 される。 また、角度方向への光バネによる不安定性が角度制御の最小帯域を制限して しまうために、フィードバック信号によるノイズの混入が問題となる可能性があ る LCGTをシミュレートする場合何が必要か - サスペンションのモデル(State Vector)、Mark Bartonに頼むか? 2009/7/2 LCGT SPI 特別作業班ミーティング 16
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