宮城県中学校 書写研究会

平成28年
書きぞめ手本説明 ( 中学校 )
ー 硬筆・毛筆指導のポイント ー
手本作成委員会
手本作成上の基本方針
(1)学習指導要領の内容に沿って作成する
(2)硬筆,毛筆とも行書とする
(3)中学生らしい明るく希望にあふれる言葉を選定する
(4)煩雑な制作上の基準はできるだけ避け,生徒がのびの
びと書けるように配慮する
中学校の書写のねらい①
(学習指導要領より)
文字を正しく整えて速く書くことができるよう
にするとともに,書写の能力を学習や生活に役立
てる態度を育てるよう配慮すること。
※ 改定教育基本法は,伝統や文化に関する教育を重視し,伝統
的言語文化の継承に力点を置いている。これを受けて新学習指
導要領は,手紙を書いたり記録をとったりするなどの日常生活
や学習活動に書写の知識や技能を積極的に役立てようとする視
点から改善が図られている。
各学年の指導目標・内容
1
年
楷書
行書の基礎
2
年
整えて速く書く
3
年
効果的に書く
楷書と行書の使い分け
芸術科書道への発展性
総合力としての
字形を整える能力,速く書く能力
字体を使い分ける能力,筆記具を工夫する能力
※ 行書は中学校から学習し,中学校書写指導の重要な部分を占めます。
従っ
て今回も,硬筆毛筆とも手本は全て行書です。行書の運筆,字形,筆脈,
調和
中学校の書写のねらい②
硬筆及び毛筆を使用する書写の指
導は各学年で行い,毛筆を使用する
書写の指導は硬筆による書写の能力
の基礎を養うようにすること
※ 全学年の毛筆手本の解説に「硬筆でも書いてみよう」の注意書き
があります
(学習指導要領より)
硬筆
筆順の変わる字に注意!
・「上」の1,2画目
・筆順の変わる字はありま
せん
・「我」の6,7画目
・「越」の11,12画目
・「浅」の8,9画目
・「夢」の1,2,3画目
毛筆
毛筆の確認事項
(1) 白抜きで示した○と△については,必ず指示どおり書か
せてください。
(2) ●は,字形などにも影響しますので,筆を立て適度に筆
圧をかけさせてください。
(3) 手本のねらいから外れないところでの微妙な接し方に
関
わる問題等は許容範囲内とする。
①字形の特徴と筆脈に注意字形の特徴と筆脈に注意
②中心線に対する点画の位置に注意
③○印で示された部分(1箇所)は接しないように注意
④
③
④「大」の左払いは,最終画に向かう筆の動きが見えるよう
に書く
⑤
⑥
⑤「志」の2画目は,3画目につながることを意識して書く
⑥許容に関わる事項
○「志」の6・7画目がつながっても可
③
⑥
④
①字形の特徴に留意し,点画の省略と筆脈に注意
②中心線に対する点画の位置に注意
③○印で示された部分は接しないように注意(5箇所)
④△で示された部分は,接し方に注意(3箇所)
⑤の部分は,必ず空けること
⑥はつぶれても可とする
⑦
⑧
⑤
④
③
③
⑨
⑩
⑦「新」の旁の2画目は,3画目に向かう筆の動きが見える
ように書く
⑧「新」の最終画の終筆は,勢いよく払わず,ゆっくり抜く
⑨「風」の1画目の左払いは筆先を軽く止め,2画目に向か
う筆の動きが見えるように書く
⑩許容に関わる事項
○「風」の8画目が9画目につながっても可
①字形の特徴に留意し,点画の省略と筆脈に注意
②中心線に対する点画の位置に注意
③○印で示された部分は接しないように注意(3箇所)
④「青」の2画目は,3画目への筆脈を意識して書く
⑤
③
⑥
④
⑤「青」の4画目は,始筆の穂先が出て3画目を受ける形で書く
⑨
⑥「雲」の2画目から3画目への折り返しは中を戻るように書く
⑦「雲」の4画目は,終筆が見えるように書く
⑧
⑦
⑧「雲」の雨冠の4画目と6・7・8画の点の連続が作る隙間は
つぶさずに空ける
⑨許容に関わる事項
○「青」の6画目のはねと最終画のはねが,わずかに接するの
は可
○「青」の5画目と6画目のはね及び最終画のはねがわずかに
接するのは可