中・東欧に密着 中・東欧経済の今後 ~リスクは爆発するのか~ 中央大学 経済学部 田中素香ゼミ ヨーロッパ班 大関 克也 鈴木 俊弘 高桑 睦 東辻 聡子 1 2 中・東欧諸国 ・2004年EUに加盟した8カ国(ポーランド、チェコ、ハンガリー、スロバキア、スロベ ニア、エストニア、ラトビア、リトアニア) ・2007年EU加盟国(ルーマニア、ブルガリア) ・スロベニア、スロバキア以外は、ユーロを導入していない。 Soko.Tanaka seminor Team.Europe 3 発表の流れ 1 西欧・中東欧相互依存型発展 2 構造問題 3 中・東欧リスクとその波及経路 4 中・東欧経済の展望 Soko.Tanaka seminor Team.Europe 4 中東欧のEU加盟 • 1990年 社会主義体制崩壊 • 急速な市場経済化 • 2004年 わずか10年足らずでEU加盟を実現 早期にEU加盟を実現できた背景には・・・ 西欧企業が途上国である中東欧に進出し、 同地域が西欧に従属する形で発展を遂げたことがある。 Soko.Tanaka seminor Team.Europe 中東欧の西欧従属は・・・ • 西欧企業からの直接投資流入の形をとった。 • 直接投資は製造業、金融業が中心となった。 ≪中・東欧諸国の対内直接投資(ストック)業種別構成比(2004年)≫ (出所:http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/document/2007/200705/094-110.pdfより抜粋) Soko.Tanaka seminor Team.Europe 製造業では・・・ •• 西欧企業がより効率的な生産を行うため、賃金の安い 西欧本社から製品が中東欧へ輸出され、そこで組み 中・東欧に子会社などを作り、中・東欧地域は西欧の 立てなどを行い、完成品をまた西欧本社に運ぶ “低賃金生産基地”となった。 ≪低賃金生産基地≫ 中東欧 子会社 西欧本社 地域生産 ネットワークが 発達 Soko.Tanaka seminor Team.Europe 7 1 中東欧 諸国 中東欧の経済発展 直接投資 流入 設備投資 拡大 直接投資 ≪中東欧の一人当たり所得水準≫ 1999年 西欧の40% 生産性 向上 輸出額 増加 UP 2008年 西欧の52% 国内GDP成長率 上昇 Soko.Tanaka seminor 西欧 Team.Europe 8 中・東欧金融機関の総資産に占める 外資系の割合 ≪東欧の金融機関の総資産に占める外資系の割合≫ (2007年、現地法人+支店) 外資系金融 (EU域内)が大 半を占めている ※社団法人 日本経済研究センターから抜粋 Soko.Tanaka seminor Team.Europe 9 1 “西欧・中東欧相互依存型”発展 • 中東欧地域は西欧経済に従属する形で成長 中東欧 諸国 直接投資 流入 直接投資 さらなる 投資 設備投資 拡大 生産性 向上 相互依存型発展を 遂げてきた 西欧も成長 のサイクルに 乗る 輸出額 増加 国内GDP成長率 上昇 Soko.Tanaka seminor 西欧 中東欧の 成長に牽引され Team.Europe 10 2 構造問題 ◆しかし・・・ 相互依存の発展による高成長の裏には 構造問題 輸出依存 Soko.Tanaka seminor 対外 不均衡 Team.Europe 通貨制度 11 輸出依存度 Soko.Tanaka seminor Team.Europe 12 中東欧経常収支赤字 0 -20 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 -23.1 -40 -60 -80 -36.8 -57.6 -59.4 -87.7 -100 -120 -120.7 -140 -160 -164.4 -174.2 -180 -200 ※国際通貨研究所のデータから作成 単位:10億ドル Soko.Tanaka seminor Team.Europe 13 では、対外債務返済能力を示す 外貨準備は確保されていたか? ※みずほ欧州経済情報から抜粋 Soko.Tanaka seminor Team.Europe 14 対外不均衡 ファンダメンタルズ の弱さが懸念され、 資金引揚げにつな がる!! Soko.Tanaka seminor Team.Europe 15 通貨制度 • 中・東欧諸国はユーロを採用せず、変動相場制 を採っている国がある。 • ユーロ高のときは、金 ユーロ安などのショッ クが起きると、 利の高い中・東欧諸 国にも資金が流入 →為替市場が小さい →為替相場上昇 中・東欧通貨は大きく 下落する。 通貨高 中東欧 通貨 中東欧 通貨 ユーロ Soko.Tanaka seminor ユーロ Team.Europe 通貨安 16 世界金融危機が西欧に波及する と・・ 構造問題 輸出 依存 対外 不均衡 通貨 制度 輸出 減 成長率の鈍化 ※みずほリサーチより抜粋 Soko.Tanaka seminor ※世界・地域分析レポートより抜粋 Team.Europe 17 3 中東欧リスク 18 中・東欧金融機関の総資産に占める 外資系の割合 ≪東欧の金融機関の総資産に占める外資系の割合≫ (2007年、現地法人+支店) 外資系金融 (EU域内)が大 半を占めている ※社団法人 日本経済研究センターから抜粋 Soko.Tanaka seminor Team.Europe 19 3 中・東欧リスク • 世界金融危機が西欧に波及し、中・東欧経済も 落ち込んだ。 • 西欧・中東欧相互依存関係から、 今度は危機が中・東欧発でドミノ倒しのように西 欧に跳ね返ってくる可能性がある。 →これを“中東欧リスク”と定義 • “中東欧リスク”が発生した場合の金融面での 波及経路を検証していく。 Soko.Tanaka seminor Team.Europe 20 中・東欧で金融危機が発生した場合・・・ • 欧州主要国の金融機関が受ける影響を 対外受信シェアを用いて見ていく。 • 受信 ・・・融資や融資枠などを受けること。 Soko.Tanaka seminor Team.Europe 21 中・東欧主要3カ国の受信シェア Soko.Tanaka seminor Team.Europe 22 オーストリアの金融機関が 破綻した場合 • オーストリアの国別受信シェア イタリア ドイツが多い Soko.Tanaka seminor Team.Europe 23 次の波及経路はイタリア • イタリアにおける地域別受信シェア Soko.Tanaka seminor Team.Europe 24 中・東欧リスク波及プロセ ス 負の スパイラル Soko.Tanaka seminor Team.Europe 中東欧 リスク 25 4 展望 26 4 2009年4月以降、世界経済情勢は Soko.Tanaka seminor Team.Europe 27 4 世界経済情勢 • 各国政府がとった 内需刺激策 →財政赤字拡大 →いずれ終わる • 世界的に高まっている 失業率 Soko.Tanaka seminor Team.Europe 28 4 この先・・・ • 内需刺激策が終わった後、いまの消費回復傾 向が一時的だった場合 • 失業率が改善されなければ・・・ 再び景気後退へ Soko.Tanaka seminor Team.Europe 29 中・東欧経済回復への展 望 西欧経済への依存度の高さから、同地域の回 復を待ち 再び成長サイクルに 乗る経済発展を 望むしかない Soko.Tanaka seminor Team.Europe 30 4 2番底に西欧経済が陥れ ば・・・ 中東欧 リスク 再燃 銀行 危機 銀行 危機 Soko.Tanaka seminor Team.Europe 31 ご静聴ありがとうございました 32 参考文献・資料 • 田中素香著 「拡大するユーロ経済圏」 • みずほ総合研究所 「欧州経済レポート」 • エコノミスト 2008年11月11日号 2009年5月21日号 • 三井物産 「地域経済分析レポート」 • 国際通貨研究所 • 日経新聞 Soko.Tanaka seminor Team.Europe 33
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