ethics-03

情報の流通の促進と規制
情報社会と情報倫理
第3回
今回の講義内容


なぜ情報の流れを規制してはいけないのか
 情報の流れを保証する体制
しかし,何でもありか
 情報の流れを規制する体制
 プライバシと個人情報
 OECD勧告(8原則)
デモクラシー社会の原則

情報については自由な流通を保証(文献3)

しかし,反社会的な情報は規制される
文献については,講義用webサイト参照
情報の流通を促進(1)


表現の自由
日本国憲法第21条
 集会,結社及び言論,出版その他一切の表現
の自由は,これを保障する。
 検閲は,これをしてはならない。通信の秘密は,
これを侵してはならない。
後で問題になる
情報の流通を促進(2)


知る権利(報道の自由)
行政機関の保有する情報の公開に関する法律
(情報公開法)
 国民主権の理念にのっとり,行政文書の開示
を請求する権利につき定めること等により,行
政機関の保有する情報の一層の公開を図り,
……国民の的確な理解と批判の下にある公
正で民主的な行政の推進に資することを目的
とする。
情報の流通を規制(1)


日本国憲法第12条
この憲法が国民に保障する自由及び権利は,国
民の不断の努力によつて,これを保持しなけれ
ばならない。又,国民は,これを濫用してはなら
ないのであつて,常に公共の福祉のためにこれ
を利用する責任を負ふ。
情報の流通を規制(2)

インタ-ネット上の情報流通-電気通信におけ
る利用環境整備に関する研究会-報告書
(1996)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin
/policyreports/japanese/group/denki/61226y01_
1.html
10年以上前
情報の流通を規制(3)
前のスライドの資料より

EU委員会で指摘されたインターネット上
の違法・有害情報例(1996)
情報の流通を規制(4)

特定秘密保護法(12/10/14 施行)
 特定秘密の保護
 防衛,外交,スパイ活動防止,テロ防止
情報の流通を規制(5)


プライバシー
辞書的意味(文献1)
 他人の干渉を許さない,各個人の私生活上の
自由
他人に知られたくないこと
人によって異なる
(例 年齢)
情報の流通を規制(6)

プライバシー権
 ひとりにしておいてもらう権利

自分に関する情報の流れをコントロールする
権利
に変化(文献3)
情報の流通を規制(7)
最近のものではない

プライバシー保護と個人データの国際流通に
ついてのガイドラインに関する理事会勧告
(いわゆるOECD保護勧告1980)
http://www2.mhlw.go.jp/kisya/kijun/20000
714_01_k/20000714_01_k_sankou6.html
OECD保護勧告
OECD保護勧告(1)


8原則
これらが,個人情報保護法にどのように反映して
いるのか?!
OECD保護勧告(2)


収集制限
個人データの収集には,制限を設けるべきであ
り,データの収集は,適法かつ公正な手段によっ
て,かつ適当な場合には,データ主体に通知又
は同意を得て行うべきである。
だまして集めてはいけない
OECD保護勧告(3)


データ内容の原則
個人データは,その利用目的に沿ったものであ
るべきであり,かつ利用目的に必要な範囲内で
正確,完全であり,最新なものに保たなければな
らない。
余計な情報は集めない
OECD保護勧告(4)


目的明確化の原則
収集目的は収集時より遅くない時期において明
確化されなければならず,その後の利用は当初
の収集目的と両立し,かつ明確化されたものに
制限すべきである。
集めた情報の使い道を明らかにする
OECD保護勧告(5)


利用制限の原則
個人データは,明確化された目的以外に利用
されるべきではない。
目的外利用の禁止
OECD保護勧告(6)


安全保護の原則
個人データは,紛失・破壊・使用・修正・開示等の
危険に対し,合理的な安全保護装置により保護
されなければならない。
きちんと管理する
OECD保護勧告(7)


公開の原則
個人データに係る開発,実施,政策は,一般
に公開しなければならない。また個人データ
の存在,性質及びその主要な利用目的ととも
にデータ管理者を明示する手段を容易に利用
できなければならない。
集めているなら,そのことを公開する
(個人データそのものを公開するというわけではない)
OECD保護勧告(8)


個人参加の原則
自己の関するデータの所在を確認し,知らしめら
れるべきであること。自己に関するデータについ
て異議申立ができ,異議が認められた場合には,
そのデータを消去,修正,完全化又は補正させ
ることができなければならない。
自分の情報にはアクセスできる
OECD保護勧告(9)


責任の原則
データ管理者は,上記諸原則を実施するための
措置に従う責任を有するべきである。
責任能力のある責任者を置く
OECD保護勧告(10)






なぜ,1980年に経済協力開発機構という機関で,
このような勧告が出されたのか?
(欧州)各国で個人情報保護の動き
取引のグローバル化が進むと,個人情報も国境
を越える(多国籍企業)
バラバラの規制は困ったものになる
国際機関で調整し,各国の国内法で考慮
経済的・貿易的側面 (文献4)
情報の流通を規制(7)

著作権法
 著作者の権利を保護する

著作物の利用を促進する
著作物という情報の流通を規制し促進
ディジタル技術の進歩・インターネットの普及
による大きな変化(後述)
個人情報保護法


個人情報の保護に関する法律
 2005年4月施行
 このときは大ブレーク!
 最近は少し落ち着いてきた感じ
次回
こんなことも

食べログ
 削除要求の訴訟
 表現の自由か?
ま と め(1)


情報の流れを促進
 なぜ
情報の流れを規制
 なぜ
ま と め(2)

インターネット上の有害情報
 昔も今も変わらない
ま と め(3)

プライバシーの保護
 OECD保護勧告(8原則)