分権社会における自治体の取組 - JIAM 全国市町村国際文化研修所

針尾公園からの眺望
鹿児島県 出水郡 長島町
市町村議会議員研修【3日間コース】
地方分権と自治体の行政改革
【事例紹介】
鹿児島県出水郡
長島町長 川添 健
1
長島町の概況
2
合併町が目指す方向
(1)夢づくり
(2)活力
(3)福祉の充実
3
地方分権と権限移譲の活用
(1)福祉事務所の設置
(2)入会林野事業
(3)国道・県道の維持管理の受入
(4)町から自治公民館への権限と財源移譲
4
町民が一体となった活性化の推進
(1)ぐるっと一周フラワーロード事業
(2)ながしま造形美術展(国民文化祭共催)
(3)イベントによる交流人口と経済効果
5
活力と財政のバランス
6
地方創生の取組
7
町民との約束
2
■平成18年3月20日に東町と長島町が合併し、新『長島町』が誕生
(町制施行10周年)
■面積
116.25㎢
■人口
10,969(平成27年9月30日現在)
■位置
鹿児島県の最北端の町
薩摩半島の北西部に位置し、四方を海に囲まれている。
長島本島、伊唐島、諸浦島、獅子島の有人島のほか大小23の島々で構成
3
(1)夢づくり
①三県架橋
鹿児島県(長島)⇔ 熊本県(天草)⇔ 長崎県(島原)
②獅子島架橋
③長島ぐるっとフラワー街道整備
三県架橋
40㎞
(2)活力
①ジャガイモ(農業)とブリ(漁業)で日本一
②人の流れで観光につなぐ
③公共事業で明るい町づくり
(3)福祉の充実
町で福祉事務所をつくった
ブリの出荷
獅子島架橋
ジャガイモの収穫
4
(1)福祉事務所の設置
高齢化が進む中、きめ細やかな福祉サービスを提供できるか課題となって
いた。
合併当時の福祉事務所は、長島町から40㎞離れた県地域振興局にあった
ため、住民には大きな負担となっていた。
そこで、迅速で丁寧な福祉行政を進めるため、平成19年4月に町村とし
ては全国で9番目、九州では初めてとなる福祉事務所を開設した。
●スピード行政の効果(申請から決定までの期間)
種目
県(過去)
町(現在)
生活保護
約30日
14日
児童扶養手当
約20日
5日
特別障害手当
約30日
5日
5
●生活保護世帯の推移
①生活保護世帯 49(平成26年11月末)
②生活保護率は鹿児島県内で一番低い
(平成26年11月末 4.8パーミル)
年度
19
20
21
22
23
24
25
26
生活保護世帯数
60
60
63
52
55
53
51
49
就労して自立した者
0
1
3
2
0
5
0
1
●長島町における生活支援
町が実施する雇用が生活保護世帯の減少につながっている。
事業種類
内容
1人当り経費
雇用対策事業
賃金
月13万円×12月分
1,560千円
(含
生活保護費
人件費)
168,807千円
保護者 63人
2,679千円
6
(2)入会林野事業
入会林野近代化法に基づく入会林野事業が、県の権限移譲項目と
なったため受け入れた。
①平成27年4月1日・・・・・・権限移譲
②権限移譲前の事業認可・・・・・3地区
③権限委譲後の事業認可・・・・・4地区
計7地区
(6カ月で)
④平成27年度に手続中・・・・・3地区
⑤移譲交付金・・・・・・・・・・114千円
⑥移譲効果
■登記変更事務がスムーズにできる
■手続上、不可能と思われる登記が可能となった
■登記経費が大幅に軽減された
●7地区の例
一般登記の場合
1億880万円
入会林野事業の場合
1,318万円
7
(3)国道・県道の維持管理の受入
①平成19年3月に「長島町ふるさと景観条例」を制定
②平成22年6月に「景観推進課」を設置
③“石積み”と“花”をテーマに長島を一周する40㎞の道路を花で繋ぐ
『ぐるっと一周フラワーロード事業』に取り組む
④国道・県道と町道における一体的な景観づくりが可能となることから、
平成22年4月に県管理道路の維持補修事業等の権限を受け入れた。
●効果(管理受入後の59㎞分)
管理人
管理費
管理回数
県の場合
2人
不明
年2回
町の場合
6人
1,526万円
常時
(災害時には町にも応援)
8
(4)町から自治公民館への権限と財源移譲
長島夢追い元気発電所を開設(平成27年10月29日~売電開始)
過疎化、高齢化の進展に伴って、限界集落の維持運営を手助けするため、
メガソーラを設置し、売電収入により自治公民館の活発な活動を促す。
①メガソーラ設置事業費 8億円
②売電収入 年間9千万円(平成28年から20年間)
③制度の効果
■自然エネルギーの活用
■末端自治組織の強化育成
■雇用と景観対策の継続的財源確保
■財源の有効活用
9
石と花による道路管理
(1)ぐるっと一周フラワーロード事業
①協力認定団体 185団体
②法面石の利用事業が平成27年度国土交通大臣表彰受賞
(2)ながしま造形美術展
①期 間 平成27年10月17日~11月15日(隔年開催)
②目 的 町民が主役で、一体となったコミュニティの活性化
③集客数 133,509人(前回)
④農林水産物の売上効果 146,859,900円(前回)
10
(3)イベントによる交流人口と経済効果
事
業
1
おさなか祭り
2
町の支援金
(千円)
参加者(人)
事業効果
売上額(千円)
19,300
5,500
12,900
造形美術展
133,509
15,000
140,000
3
夢追い花フェスタ
121,000
13,000
180,000
4
焼酎まつり
1,000
1,000
4,500
19,245
8,723
31,500
294,054
43,223
368,900
その他(8件)
12
計
おさかな祭り
焼酎まつり
11
(1)収入総額
113億円(うち 税収 8億円)
(2)町税徴収率
95.5%
(3)経常収支比率
86.0%
(4)地方債借入額
145億円
(5)実質公債費比率
9.4%
(6)自由に使える基金
49億円
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(1)長島大陸食べる通信の創刊
日本一の養殖高を誇るブリや赤土ジャガイモ等の地元食材を、ただ売るだけ
でなく、つくり手の思い、地元ならではの食べ方などのストーリーを冊子にま
とめ、食材と併せて消費者に届ける。過程や思いを丁寧に届けることで、地元
食材への愛着や長島のつくり手に会いに行きたいという気持ちを芽生えさせる。
(2)獅子島の子落とし塾
獅子島(離島)の環境を最大限に生かし、名門大学の現役大学生が語り教え、
島民が応援する高校生のための集中自習合宿を開催する。
(3)岩牡蠣養殖等多様な食づくりの支援
無給餌養殖で、かつ夏場にピークを迎える岩牡蠣の養殖等を積極的に支援す
る。
一年を通じた多様な食材を提供することで、「長島ブランド」を高める。ま
た、海の栄養バランスを年間通じて安定させることで、ブリ養殖に被害をもた
らす赤潮被害の抑制につなげる。
*このほか、全48事業を盛り込んだ『長島版総合戦略』を8月に策定済
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●地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金
(地方創生先行型)の上乗せ交付(タイプⅠ・タイプⅡ)
タイプ
内示等額
(千円)
交付金概要
タイプⅠ
50,000
地方公共団体において
参考となる先駆的事業
タイプⅡ
10,000
平成27年10月30日まで
に地方版総合戦略を策定完了
長島大陸食べる通信ホームページ
獅子島の子落とし塾
14
■町長相談の実施・対応
年間相談件数
600件
10年継続計
6,000件
■
町民との約束
(1)
(2)
(3)
(4)
15
うずしおと黒之瀬戸大橋
ご清聴ありがとうございました。