資料2 各構造物の詳細点検結果(津波)

資料-2
平成26年8月21日(木)15:00~
第9回南海トラフ巨大地震土木構造物耐震対策検討部会
各構造物の詳細点検結果
(津波)
平成26年8月21日
施設点検目次(津波)
 2-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果
 2-2 堤外施設(護岸・防波堤)の詳細点検結果
1
2-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果について
(第7回部会 振り返り)
■漂流物の衝突荷重
衝突力 P = 0.1×W(重量)×v(流速)
・ここに、W(重量)およびv(流速)は以下のとおりとする。
【漂流物重量】
対象船舶
300トンはしけ
5.4トン漁船
大きさ
長さ(m)
幅(m)
27.0
11.0
10.0
2.8
重量(kN)
対象とする河川幅
4,906
250
河川幅≧10m
河川幅<10m
【流速】
①三次元解析実施橋梁は解析値を用いる。
②三次元解析未実施橋梁は解析値の最大値2.0m/s を用いる。
再
確
認
橋梁名
助松橋(水門開放)
助松橋(水門閉鎖)
新川大橋
大道橋
三次元解析結果(最大値)
流速(m/s)
1.99
0.62
1.64
0.64
三次元解析未実施橋梁について、
広域氾濫解析(2次元解析)における流速の再確認を行う。
2
2-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果について
■広域氾濫解析(2次元解析)における流速分布図(1/2)
【ケース 3-3】
高石大橋
助松橋
緑川橋
堅川橋
大津川大橋
新川大橋
青 V=1~2m/s、黄:
【凡例】色なし:V=1m/s以下、青:
黄 V=2~3m/s、ピンク: V=3~4m/s、赤: V=4~6m/s
※ケース3-3:紀伊半島沖~四国沖に大すべり域+長大すべり域を設定、防潮堤等は地震時沈下量なし 3
2-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果について
■広域氾濫解析(2次元解析)における流速分布図(1/2)
【ケース 3-3】
大道橋
松風橋
新春木橋
新津田川橋
貝塚近木川大橋
青 V=1~2m/s、黄:
ピンク V=3~4m/s、赤:
【凡例】色なし:V=1m/s以下、青:
赤 V=4~6m/s
黄 V=2~3m/s、ピンク:
※ケース3-3:紀伊半島沖~四国沖に大すべり域+長大すべり域を設定、防潮堤等は地震時沈下量なし 4
2-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果について
■広域氾濫解析(2次元解析)の最大流速
・一部で最大流速が2m/s以上の箇所が確認されたので、
「高石大橋」「大津川大橋」について再チェックを行う。
大津川大橋
高石大橋
5
2-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果について
■高石大橋の照査
◇上部構造の流出判定=(Wd-Fz)μ/Fx>1.0以上
ここに、Wd : 上部構造重量(kN)
Fz : 津波による上揚力(kN)・・・非浸水なので 0
μ
: 摩擦係数=0.6
Fx : 水平作用力(水平波力+衝突力 P=0.1・W・v)
※最大津波高さ<桁下高さなので、津波による上揚力及び水平波力は「ゼロ」
・FX=P=0.1×4,906×6.0=2,943.6(kN)
・安全判定=(21,948-0)×0.6/2,943.6=4.47
>1.0・・・OK
a
橋長
橋梁名称
高石大橋
径間数
(m)
199.4
3
b
c
河川幅
浸水深
(m)
(m)
200.0
0.00
d
e
f
g
h
1径間当り
1径間当り
1径間当り
想定漂流船
流速
上部構造重
想定水平
想定上揚力
舶W
量
波力
(m/s)
(kN)
(kN)
(kN)
(kN)
6.00
21,948
0
(非浸水)
0
4906
i
j
衝突力
0.1*h*d
想定水平力
g+i
(kN)
(kN)
2,944
2,944
k
安全率
(e-f)
*0.6/j
4.47
l
流出判定
OK
6
2-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果について
■高石大橋の照査
◇下部構造の影響照査=He/Fx>1.0以上
ここに、
He
Rd
Wp
Kh
Fx
: L1 橋軸直角方向の設計水平力=(Rd+Wp/2)・Kh
: 1径間当り上部構造重量(kN)
: 橋脚自重(kN)
: L1設計水平震度=0.30(Ⅲ種地盤)
: 水平作用力(水平波力+衝突力 P=0.1・W・v)
※最大津波高さ<桁下高さなので、津波による上揚力及び水平波力は「ゼロ」
・FX=P=0.1×4,906×6.0=2,943.6(kN)
・安全判定=(21,948+7,938/2)×0.3/2,943.6=2.64
>1.0・・・OK
a
橋長
橋梁名称
(m)
高石大橋
199.4
径間数
3
b
c
河川幅
浸水深
(m)
(m)
200.0
0.00
d
e
f
g
h
i
j
1径間当り
1径間当
1径間当り
想定漂流 衝突力
流速
上部構造重 橋脚自重
り想定水
想定上揚力
船舶W
0.1*h*d
量
平波力
(m/s)
(kN)
(kN)
(kN)
(kN)
(kN)
(kN)
6.00
21,948
7,938
0
(非浸水)
0
4906
2,944
k
想定
水平力
h+j
(kN)
l
橋脚設計
水平力He
(e+f/2)*Kh
(kN)
2,944
7,775
m
n
安全率
k/j
判定
2.64
OK7
2-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果について
■大津川大橋の照査
◇上部構造の流出判定=(Wd-Fz)μ/Fx>1.0以上
ここに、 Wd : 上部構造重量(kN)
Fz : 津波による上揚力(kN)
μ : 摩擦係数=0.6
Fx : 水平作用力(水平波力2.33(kN/m2)+衝突力 P=0.1・W・v)
・衝突力P=0.1×4,906×3.0=1,471.8(kN)
・安全判定
=(8,905-1,452)×0.6/(22.3+1,471.8)=2.99
>1.0・・・OK
a
橋長
橋梁名称
大津川大橋
b
c
径間数
河川幅
浸水深
(m)
(m)
5
144.0
0.29
(m)
165.4
d
e
f
g
h
i
j
1径間当り
1径間当り
1径間当り
想定漂流船 衝突力 想定水平力
流速
上部構造重
想定水平
想定上揚力
舶W
0.1*h*d
g+i
量
波力
(m/s)
(kN)
(kN)
(kN)
(kN)
(kN)
(kN)
3.00
8,905
1,452
22
4906
1,472
1,494
k
安全率
(e-f)
*0.6/j
2.99
l
流出判定
OK
8
2-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果について
■大津川大橋の照査
◇下部構造の影響照査=He/Fx>1.0以上
ここに、
He
Rd
Wp
Kh
Fx
: L1 橋軸直角方向の設計水平力=(Rd+Wp/2)・Kh
:1径間当り上部構造重量(kN)
:橋脚自重(kN)
:L1設計水平震度=0.30(Ⅲ種地盤)
:水平作用力(水平波力2.33(kN/m2)+衝突力 P=0.1・W・v)
・衝突力P=0.1×4,906×3.0=1,471.8(kN)
・安全判定
=(8,905+4,311/2)×0.3/(22.3+1,471.8)=2.22
>1.0・・・OK
a
橋長
橋梁名称
(m)
大津川大橋
165.4
径間数
5
b
c
河川幅
浸水深
(m)
(m)
144.0
0.29
d
e
f
g
h
i
j
1径間当り
1径間当
1径間当り
想定漂流 衝突力
流速
上部構造重 橋脚自重
り想定水
想定上揚力
船舶W
0.1*h*d
量
平波力
(m/s)
(kN)
(kN)
(kN)
(kN)
(kN)
(kN)
3.00
8,905
4,311
1,452
22
4906
1,472
k
想定
水平力
h+j
(kN)
l
橋脚設計
水平力He
(e+f/2)*Kh
(kN)
1,494
3,318
安全率
k/j
2.2
判定
OK 9
2-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果について
■漂流物の安全照査(再確認)
・広域氾濫解析(2次元解析)の流速を再確認した結果、
部分的に最大流速が2m/sを超える箇所が確認された。
・上記箇所の近傍の橋梁(高石大橋・大津川大橋)
について再照査した結果、安全率2.22~4.47となり、
充分な安全性を確認した。
漂流物の影響について、
最大流速を見直して再照査した結果、安全性を確保できる
ことを再確認 した。
10
2-2 堤外施設(護岸・防波堤)の詳細点検結果について
■津波波力および漂流物による構造物点検
〇津波波力および衝突荷重の考え方
<津波波力>
非作用タイプ
埋立地
津波高
HWL OP-2.2m
(第6回南海トラフ巨大地震土木構造物耐震対策検討部会資料より抜粋)
<衝突荷重>
漂流物の衝突について
対象とする漂流物には、木材、船舶、コンテナ等が
考えられるが、木材および漁船を代表的な漂流物
とし、津波シミュレーションより得られた津波流速や
木材・漁船の平均的な諸元を用いて試算。
※コンテナや大型船舶については、衝突力が大き
く(衝突力で約2~30倍)、全体的な点検を行
う上では過大となるため、検討対象より除外。
20kN/mを採用
(第6回南海トラフ巨大地震土木構造物耐震対策検討部会資料より抜粋)
11
2-2 堤外施設(護岸・防波堤)の詳細点検結果について
■津波波力および漂流物による構造物点検
<代表的な断面(例)>
5701断面
津 波 高
護岸天端高
4.760
4.350
6001断面
護岸天端高
津 波 高
6.350
5.060
6205断面
護岸天端高
津 波 高
5.850
4.470
<点検箇所平面位置図(堺泉北港)>
12
2-2 堤外施設(護岸・防波堤)の詳細点検結果について
■津波波力および漂流物による構造物点検
<代表的な断面(例)>
6401断面
6601断面
7001断面
<点検箇所平面位置図(阪南港外)>
13
2-2 堤外施設(護岸・防波堤)の詳細点検結果について
■津波波力および漂流物による構造物点検【結果】
①
各護岸の津波波力および漂流物による荷重に対し、護岸の断面検討結果を以下に示す。
津波高
なお、今回報告範囲対象施設のうち、以下の条件に該当する施設は検討対象外とした。
②
①護岸天端高と背後地盤高が同一の護岸(5施設)
②津波作用高が背後地盤より低い護岸(1施設)
③護岸前面の消波ブロック天端が護岸天端高より高い護岸(1施設)
③
<検討結果(堺泉北港)>
計算条件
統一番号
地区名
断面諸元
漂流物
荷重
曲げ
せん断力
モーメント
S
M
検討幅
堤防
天端高
背後
地盤高
消波工
天端
津波高
L2
OP(m)
OP(m)
OP(m)
OP(m)
(kN/m)
(kNm/m)
(kN/m)
h(m/m)
A(m2/m)
断面積
照査結果
断面
係数
発生曲げ
応力度
許容曲げ
応力度
発生せん
断応力度
許容せん
断応力度
結果
Z(m3/m) σc(N/mm2) σca(N/mm2 ) τ(N/mm2) τa(N/mm2)
5701
堺6区(護岸)
4.350
4.300
3.850
4.760
20.00
1.01
20.56
0.515
0.515
0.04420
0.0229
0.338
0.0399
0.60
OK
5901
堺7区(護岸)
6.350
3.950
4.300
5.270
20.00
62.92
60.13
1.940
1.940
0.62727
0.1003
0.338
0.0310
0.60
OK
6001
泉北1区(護岸)
6.350
4.000
5.400
5.060
0.00
25.76
31.23
2.140
2.140
0.76327
0.0337
0.338
0.0146
0.60
OK
6002
泉北1区(護岸)
6.350
4.000
5.400
5.020
0.00
24.09
29.80
2.140
2.140
0.76327
0.0316
0.338
0.0139
0.60
OK
6204
汐見沖(護岸)
7.350
5.100
5.350
4.350
0.00
0.06
0.53
1.675
1.675
0.46760
0.0001
0.338
0.0003
0.60
OK
6205
汐見沖(護岸)
5.850
5.100
―
4.470
0.00
0.22
1.29
1.225
1.225
0.25010
0.0009
0.338
0.0011
0.60
OK
6206
汐見沖(護岸)
5.850
5.100
―
4.730
0.00
1.12
3.94
1.225
1.225
0.25010
0.0045
0.338
0.0032
0.60
OK
14
2-2 堤外施設(護岸・防波堤)の詳細点検結果について
■津波波力および漂流物による構造物点検【結果】
<検討結果(阪南港外)>
計算条件
統一番号
港名
地区名
構造物
種別
堤防
天端高
背後
地盤高
消波工
天端高
津波高L2
漂流物
荷重
曲げ
モーメント
M
断面諸元
せん断力
S
照査結果
検討幅
断面積
断面
係数
発生曲げ
応力度
許容曲げ
応力度
発生せん
断応力度
許容せん
断応力度
Z(m3/m)
σc(N/mm2)
σca(N/mm2)
Τ(N/mm2)
Ta(N/mm2)
OP(m)
OP(m)
OP(m)
OP(m)
(kN/m)
(kNm/m)
(kN/m)
H(m/m)
A(m2/m)
結果
6401
阪南港
岸和田木材
防波堤
5.000
3.000
-
5.240
20.000
180.889
131.349
3.000
3.000
1.500
0.121
0.338
0.044
0.600
OK
6501
阪南港
阪南2区
防波堤
5.000
3.950
-
4.460
20.000
113.475
74.798
1.500
1.500
0.375
0.303
0.338
0.050
0.600
OK
6502
阪南港
阪南2区
防波堤
5.850
3.850
-
4.410
20.000
3.334
28.387
3.000
3.000
1.500
0.002
0.338
0.009
0.600
OK
6503
阪南港
阪南2区
防波堤
5.850
4.350
4.350
4.520
20.000
193.726
115.940
3.500
3.500
2.042
0.095
0.338
0.033
0.600
OK
6601
阪南港
阪南4区
防波堤
5.850
4.350
4.350
4.310
-
36.167
76.010
3.500
3.500
2.042
0.018
0.338
0.022
0.600
OK
6701
阪南港
泉佐野
防波堤
5.850
3.850
3.850
4.160
20.000
168.950
116.799
5.500
5.500
5.042
0.034
0.338
0.021
0.600
OK
6801
尾崎港
西・沖防波堤
防波堤
4.000
0.850
3.550
4.050
-
101.513
81.163
3.900
3.900
2.535
0.040
0.338
0.021
0.600
OK
6802
尾崎港
西・沖防波堤
防波堤
4.000
0.850
3.550
4.080
20.000
151.369
102.595
3.900
3.900
2.535
0.060
0.338
0.026
0.600
OK
6803
尾崎港
西・沖防波堤
防波堤
4.000
2.950
-
4.030
20.000
87.839
64.242
7.800
7.800
10.140
0.009
0.338
0.008
0.600
OK
6901
淡輪港
西防波堤
防波堤
5.850
2.850
5.700
3.570
-
71.463
95.637
4.600
4.600
3.527
0.020
0.338
0.021
0.600
OK
6902
淡輪港
西防波堤
防波堤
5.850
2.350
5.850
3.510
-
60.754
81.870
5.500
5.500
5.042
0.012
0.338
0.015
0.600
OK
7001
深日港
西防波堤
防波堤
3.900
2.150
-
3.860
20.000
57.732
65.356
4.800
4.800
3.840
0.015
0.338
0.014
0.600
OK
7002
深日港
西防波堤
防波堤
4.150
1.350
-
3.870
20.000
115.554
89.457
3.800
3.800
2.407
0.048
0.338
0.024
0.600
OK
7003
深日港
西防波堤
防波堤
4.000
2.850
-
3.880
20.000
35.431
51.897
2.700
2.700
1.215
0.029
0.338
0.019
0.600
OK
■まとめ
津波及び漂流物荷重が作用する全ての断面において、構造物の曲げ・せん断の許容応力度を満足している。
⇒護岸・防波堤については、津波・漂流物に対する補強は不要。
15