特養が目指すべき ケアを考える

特養が目指すべき
ケアを考える
~ 現状の課題の抽出と今後の方向性について ~
平成28年4月16日(土)全体集会
総括主任 阿形純次
業務から見る課題の分析
1勤務あたりの移乗介助回数
フロアあたり
0:00
5:00
6:00
7:30
7:45
9:00
11:00
11:30
13:00
14:00
15:30
17:00
18:00
19:00
排泄交換
排泄交換
離床
モーニングケア
朝食
着床
排泄
離床
昼食介助
着床
排泄
離床
着床
排泄
離床
夕食
着床
排泄
早出A 早出B
F
遅出A 遅出B
27
27
27
夜勤
早出A 早出B
F
遅出A 遅出B
夜勤
18
18
18
25
25
25
12
25
25
25
25
25
25
5
10
10
13
5
10
5
5
5
12
13
5
5
12
13
5
5
10
5
5
5
5
10
5
10
10
25
25
※介助回数が少ない職員は入浴にて同
等介助を実施していると計算
1勤務あたりの排泄介助回数
10
13
12
13
37
28
20
37
41
30
27
18
10
28
12
5
48
業務から見る課題の分析
①腰への負担(腰痛発生者増
加) 1勤務につき概ね50回程腰を使っている
②3大介助の往復
以外のケアに時間を裂けない
…他のQOL・ADL向上への取り組みができない
③コストの増大
重度化による排泄用具のコストが上昇
現状、利用者に関わる回数が多いという利点もある
これを排泄・移乗以外で生かす手段があるのでは!?
利用者の状態像から見る課題の分析
①手足関節・体幹の拘縮、変形が重
度 介助時の負担増(腰への負担・事故)
②重度化が顕著
3年ほど前から入居されていた方が上記のよ
うな状態像になられている方が約20名ほど
③入院による重度化
誤嚥性肺炎や転倒・骨折による入院
…廃用症候と認知症が進行
自分たちのケアが予防につながってないのでは…??
分析した課題の整理
現状の特養のケアにおける方向性
徹底した個別ケアの実践
特にきめ細かな
●寝食分離
●排泄ケア
に重点がある傾向
生活ペースの確保、清潔の保持、きめ細かな関わりに
よる利用者理解につながっている…
しかし
分析した課題の整理
実は画一的になっていないか…
3大介助を実践することばかりに目を
向けてしまい、介護予防や重度化予防
に向けて具体的な実践がとれていない
のでは…
移乗と排泄を実践することに追われすぎて、
それが重度化を引き起こしていることに気付かず、
さらに、それが負の連鎖構造になっている…
負の連鎖構造って??
移乗や排泄介助をこなすことに追われ、拘縮予防等重度化予防に向けた
取り組みができない
↓
拘縮や廃用症候が進行し、より重度化を助長
↓
利用者のADL低下やQOLの低下だけでなく、職員の身体的負担が増大
していく(特に腰への負担)
↓
重度化した利用者が増えることでケア量(業務量)が増大、より3大介
護に追われるようになる
↓
業務をこなすことに焦りを生み出し、目配りや気配りがよりできにくい
状況へ
↓
事故が増えることで、状況によっては重大事故が利用者をさらに重度化
させ、また、事故が増えると事務的処理が増えてさらに業務を圧迫
を・・・
ひたすら繰り返してしまっている・・・
徹底した個別ケアの実践を考える
移乗・食事・排泄介助を徹底してこなす
ことだけがQOLの向上ではない。
その方にあったQOLの維持・向上と
は何かを考える。
特養でできる介護予防とは何か。
自立支援とは何か。
元気でいるということは何か。
課題の解決について
まずは…
時間を作り出す!!
そのために排泄ケアのあり方を考える
↓
良質な排泄用具を活用し、
低頻度交換 体制を目指す
課題の解決について
重度化した利用者へのケアとして、
“ノーリフト”を本格実践
腰痛“0” …人力で持ち上げない
内出血事故“0”…安全な移乗介助
ボード・リフト を積極活用
個別ケアの実践
今後は利用者像を大きく2つに分けて考える必要
●重度化している利用者へのケアのあり方
⇒ 例えばベッド中心の方へのケアって…
●中重度の方へのケアのあり方
⇒ 重度化しないためにも
日常生活ケアの中で何ができる!?
時間を作りだすことで、今までできなかったことが実践でき
るかもしれない。
これらを実践することで、負の連鎖構造を正の連鎖構造に変
えれるかもしれない。
おまけ
なぜこのような話を全体集会でするのか??
●“フィオーレは1つ”という合言葉、その
意味を考える
●
各部署の課題を共有し、お互いがお互い
に思いやりを
●
部署内でも、部署間でもちょっとした気
付きや思いやりで結構変わる
ご清聴ありがとうございました。
10月は在宅部門の話をできたらと考えています。