Form W-7

非居住者の米国税務
Presented by:
Edwin Takahashi, CPA, MST
[email protected]
外国人による米国不動産の所有形態
賃貸用不動産の所有は、次のよう
な形態がある。
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個人
パートナーシップ/LLC
米国法人
外国法人
信託
個人
提出書類
 Form W-7 – 米国個人納税者番号(Individual
Taxpayer Identification Number)の取得。
 Form 1040NR – 米国非居住者の税務申告書(Form
1040NR)の提出。(毎年、内国歳入庁IRSに提出)
 Form 1042 – 外国人用米国所得の源泉徴収税申告書
の提出。(源泉徴収エージェントによる提出)。
個人
税法
賃貸収入の課税:

連邦税法上、通常は賃貸収入額の30%が源泉徴収される。
(源泉ベースによる課税)
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
例外: 特別な措置として、税務上ネットベース(家賃収入マイナ
ス経費)で、0%から39.6%の累進課税率で税金を納めることが
できる。ネットベースの取り扱いになる場合は、非居住者が確
定申告書を提出し、その申告書上で課税所得の計算を示す必要
がある。
州税法は、通常ネットベースによる課税となる。(州税法
は、不動産が所在する州により異なる)。
個人
税法
賃貸不動産の売却益は次のように課税される:
 売買価格の10%を源泉し、内国歳入庁IRSに納付すること
が義務付けられている。納付した金額は、非居住者用税務
申告書(Form 1040NR)で、税額控除することができる。
 不動産の売却益は、長期キャピタル・ゲイン税率(0%~
20%)で連邦税が課される。
 キャピタル・ゲインは州税法も適用される。(州税法は、不
動産が所在する州によって異なる)
パートナーシップ / LLC
提出書類
 SS-4 – 連邦納税者番号の取得(パートナーシップ/LLCが申
し込む)
 Form W-7 – 個人納税者番号の取得(外国人パートナー/メ
ンバーが申し込む)
 Form 1065 – パートナーシップ税務申告書の提出
 Form 1040NR – 非居住者用税務申告書の提出 (外国人
パートナー/メンバーが提出する)
 Form 8813 – パートナーシップ源泉徴収税の支払証書(四
半期ごとの提出)
 Form 8804 – パートナーシップ源泉徴収税申告書の提出
パートナーシップ / LLC
税法
 パートナーシップ/リミティッド・ライアビリ
ティー・カンパニー(LLC)は、パス・スルー・エ
ンティティ– と呼ばれる。 この組織形態自体は納
税主体とならず、その損益は直接パートナー/メ
ンバーに分配され、課税される。
 州によっては年間出願料と総収益に対して州税が
課される。
パートナーシップ / LLC
税法
 パートナーシップ/LLCは、外国人パートナーの「米国と関
連のある所得(Effectively connected Income)に対して最
高税率(highest marginal tax rate:個人レベルでは
39.6%)で源泉徴収され、その金額を内国歳入庁IRSに納付
する義務がある。この納付した税金は、個人の非居住者用
税務申告書(Form 1040NR)で税額控除することができる。
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
外国人パートナーはForm 8804-Cを提出することによって、予想され
る純所得に対して適用される累進課税率で税額を計算し、それをもとに
源泉徴収税率を下げることができることもある。
個人の収入がパートナーシップからのみで、予定納税額が年間1,000ド
ル以下なら、源泉徴収義務が免除される。
外国人パートナーの代わりにパートナーシップが支払った源泉徴収税は、
その外国人パートナーへの配当とみなされる。
パートナーシップ / LLC
税法
 毎年年度末が過ぎると、外国人パートナー/メンバーは、
パートナーシップからFormK-1とForm8805を受け取り、
それらを連邦と州の個人所得税申告書の所定の個所へ転記
して申告する。
パートナーシップ / LLC
税法
パートナーシップ/LLCの賃貸用不動産の売却益は、個人所有
の場合と同様に課税される:
 パートナーシップは、不動産売却時に、推定売却益に対して最高税
率(highest marginal rate: 39.6%)で源泉徴収される。
 外国人パートナーは、非居住者個人所得税申告書(Form 1040NR)
を提出することにより、自分に割り当てられた利益を申告する。そ
の利益は長期キャピタル・ゲイン率 (0% to 20%) で課税されるが、
申告書で税額控除を受けることができる。
 不動産が所在する州により、州税や源泉徴収税納付が義務づけられ
ることがある。
米国法人
提出書類

SS-4 – 法人用の雇用者識別番号(Employer
Identification Number: EIN)の取得。(米国法人が申
し込む)

Form W-7 – 個人納税者番号の取得。(外国人株主が申
し込む)

Form 1120 – 米国法人税申告書の提出

Form 1040NR – 米国非居住者用税務申告書 (オプショ
ンとして外国人株主が提出する)

Form 1042 –外国人用米国所得の源泉徴収税申告書の
提出
米国法人
税法
法人税務:
 法人は課税所得に対して、 0% から34%の累進税率で連邦
法人税を支払う。

法人にはキャピタル・ゲイン減税率は適用されない。法人は、
キャピタル・ゲインに関して限界税率(marginal tax rate)を
使って算出した税額を支払う。
 州法人税が課税されるかどうかは、その法人のネクサスに
よる。(ネクサスとは、ある法人の活動や取引によって州に
課税権が生じることを言う)
 株主への配当金は、その法人にとって税額控除の対象には
ならない。
米国法人
税法
株主に関する税務:
 法人から受取る配当金は、株主にとっても課税対象となる
= 二重課税

通常、外国人株主への配当金は、30%源泉徴収することが 義務付けら
れているが、日米租税条約に基づき10%の優遇税率が適用される。
状況によっては、もっと低い税率が適用されることもある。
 外国人株主にキャピタル・ゲインがかからない場合とは:
もし法人が(1) 資産を売却した場合, (2) 解体した場合、
(3) 現金を株主に分配した場合、である。
米国法人
税務効果
•
外国人株主が、法人株式を売却する際課税される
のは、法人が資産を売る前に株式が売買された場
合である。
•
この場合, 法人株式の買い手は外国人株主の株券購入価格の
10%を源泉して、内国歳入庁IRSに納付しなくてはならない。
そして、外国人株主は、非居住者税務申告書(Form 1040NR)
を提出し、 売却益を長期キャピタル・ゲインの税率で申告しな
くてはならない。
非課税資産交換取引
通常、特定の資産の
交換で生じた利益は、
IRC1031条に定める
規定により一時的に
課税を繰り延べるこ
とができる。
非課税資産交換取引
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規定
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交換は「特定の資産」 でなければならない。
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同種(like-kind )の資産でなければならない。
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事業用又は投資用資産(無形資産・不動産の両方が適用される)。
不動産は個人的使用でない限り該当する。
パートナーシップの所有権や法人株式は該当しない。
不動産は通常、同種として広く定義される。
企業体でも取引実施が可能 (つまり、パートナーや株主に代わって,
パートナーシップや法人が資産交換取引をする)。
交換取引により資産を引渡した日以後45日以内に、交換によって取得す
べき同種資産(新資産)が識別され、かつ引渡日以後180日以内に交換対
象資産を取得する必要がある。
売却受取金は仲介人が管理し、納税者は手を付けることはできない。
納税者は、旧資産の簿価を新資産の取得原価として引き継ぐので、のち
にその新遺産を処分したらその差益が課税されることになる。
賃貸不動産の経費
経費は通常、次のようなものがある。
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支払利息
固定資産税
保険料
ビジネスライセンス費
修繕費
管理費
弁護士や会計士への費用
水道光熱費
広告費
減価償却費
減価償却
 減価償却は, 不動産の取得価格のうち建物部分のコストに対して、居住
用賃貸不動産だと耐用年数を27.5年とし、居住用以外の事業用不動産は
39年として定額法を用いて計算する。
 耐用年数は、ある特定資産のコストが認識された場合、短縮されることがある。
その決定は、コスト‐分離法(cost-segregation study)を使って行われる。そ
して特定資産は、特殊加速度減価償却法を用いて減価償却が計算される。
 これは所得税を免れるのではなく、繰り延べて遅くに課税される結果となる。
つまり減価償却を使い切った数年後に所得税が高くなるということである
 このコスト分離法(cost-segregation study)を使用することが本当に有利に
働いているかどうかを、費用対効果分析を実施して決定する。
 土地該当部分は減価償却の対象とならない。
 土地と建物コストの配分は、主観的基準に基づくことがある。 – 通常、
固定資産税 の評価査定をガイドとして用いる。
非居住者の遺産税
 死亡した米国非居住者は、死亡時に所
有していたアメリカ国内資産に対して
遺産税が課せられる。
 アメリカ国内資産は、不動産や有価証
券などを含む。
 2013年遺産税申告書提出免除の限度額
は、 アメリカ国内資産$60,000である。
 非居住者の国によって税の減免がある。
– 詳細は日米租税条約に基づいて情報
提供可能。