介護保険制度の改正について (第6期改正の概要) 大阪府福祉部高齢介護室介護支援課 介護施設事業者集団指導 平成27年6月8日~11日 0 本日の内容 • 大阪府の状況について • 医療介護総合確保推進法の概要 • 介護保険制度の改正(主なもの) 1 ※大阪府の高齢化率(暫定) 高齢者人口 うち後期 2,242,668人(H27年3月) 1,005,016人 高齢化率=25.36% 大阪府人口 8,843,906人(H27年3月) 大阪では後期高齢者が平成27年3月に100万人を突破。 (参考) 世界保健機構(WHO)や国連の定義 日本では ①高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」 ⇒1970年~ ②14%を超えた社会を「高齢社会」 ⇒1994年~(②-①24年) ③21%を超えた社会を「超高齢社会」 ⇒2007年~ ①⇒②=ドイツが42年、フランスは114年と言われている。 2 大阪府内と全国の第1号保険料 第1期 第2期 第3期 第4期 第5期 第6期 (H12~14) (H15~17) (H18~20) (H21~23) (H24~26) (H27~29) 第5→6 期 増減額 第5→6 期の伸び 率 大阪府内 平均 3,134円 (単純) 3,394円 (単純) 4,675円 (加重) 4,588円 (加重) 5,303円 (加重) 6,025円 (加重) 722円 13.6% 全国平均 (加重) 2,911円 3,293円 4,090円 4,160円 4,972円 5,514円 542円 10.9% 大阪府は全国第7位 第6期(H27~29年度) 大阪府内 最高額 → 大阪市 6,758円 最低額 → 高槻市 4,833円 1,925円/月額 の差 第6期(H27~29年度) 全国 最高額 → 沖縄県 6,267円 最低額 → 埼玉県 4,835円 1,432円/月額 の差 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律の概要 趣 旨 持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として、効率的かつ質の高い医療提供体制を 構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築することを通じ、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するため、医 療法、介護保険法等の関係法律について所要の整備等を行う。 概 要 1.新たな基金の創設と医療・介護の連携強化(地域介護施設整備促進法等関係) ①都道府県の事業計画に記載した医療・介護の事業(病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進等)のため、 消費税増収分を活用した新たな基金を都道府県に設置 ②医療と介護の連携を強化するため、厚生労働大臣が基本的な方針を策定 2.地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保(医療法関係) ①医療機関が都道府県知事に病床の医療機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)等を報告し、都道府県は、それをもとに 地域医療構想(ビジョン)(地域の医療提供体制の将来のあるべき姿)を医療計画において策定 ②医師確保支援を行う地域医療支援センターの機能を法律に位置付け 3.地域包括ケアシステムの構築と費用負担の公平化(介護保険法関係) ①在宅医療・介護連携の推進などの地域支援事業の充実とあわせ、全国一律の予防給付(訪問介護・通所介護)を地域支援事業に 移行し、多様化 ※地域支援事業:介護保険財源で市町村が取り組む事業 ②特別養護老人ホームについて、在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える機能に重点化 ③低所得者の保険料軽減を拡充 ④一定以上の所得のある利用者の自己負担を2割へ引上げ(ただし、月額上限あり) ⑤低所得の施設利用者の食費・居住費を補填する「補足給付」の要件に資産などを追加 4.その他 ①診療の補助のうちの特定行為を明確化し、それを手順書により行う看護師の研修制度を新設 ②医療事故に係る調査の仕組みを位置づけ ③医療法人社団と医療法人財団の合併、持分なし医療法人への移行促進策を措置 ④介護人材確保対策の検討(介護福祉士の資格取得方法見直しの施行時期を27年度から28年度に延期) 施行期日(予定) 公布日。ただし、医療法関係は平成26年10月以降、介護保険法関係は平成27年4月以降など、順次施行。 4 法改正後の地域支援事業の構成(H26.6成立、H27.4施行) <現行> 介護保険制度 【財源構成】 国 25% 都道府県 12.5% 市町村 12.5% 介護給付 現行と 同様 訪問看護、福祉用具等 訪問介護、通所介護 事業に移行 介護予防事業 2号保険料 29% ○ 二次予防事業 ○ 一次予防事業 国 25% 介護予防給付(要支援1~2) 新しい介護予防・日常生活支援総合事業 (要支援1~2、それ以外の者) 全市町村で実施 1号保険料 21% 【財源構成】 介護給付(要介護1~5) (要介護1~5) 介護予防給付 (要支援1~2) <見直し後> 多 様 化 平成29年度からは全ての市町村で実施すること。 ○ 介護予防・生活支援サービス事業 ・訪問型サービス ・通所型サービス ・生活支援サービス(配食等) ・介護予防支援事業(ケアマネジメント) 条例延 長の必 要あり 都道府県 12.5% 市町村 12.5% 1号保険料 22% 2号保険料 28% ○ 一般介護予防事業 【財源構成】 国 39.5% 都道府県 19.75% 市町村 19.75% 1号保険料 21% 地 域 支 援 事 業 包括的支援事業 包括的支援事業 平成30年度からは全ての市町村で実施すること。 ○地域包括支援センターの運営 任意事業 ○ 介護給付費適正化事業 ○ 家族介護支援事業 ○ その他の事業 平成26年度は、認知症施策の推進については、 任意事業で実施可能。 平成26年度は、生活支援サービスの体制整備については、 任意事業で実施可能。 【財源構成】 充 実 ○ 地域包括支援センターの運営 (地域ケア会議の充実) ○ 在宅医療・介護連携の推進 ○ 認知症施策の推進 ○ 生活支援サービスの体制整備 任意事業 ○ 介護給付費適正化事業 ○ 家族介護支援事業 ○ その他の事業 それぞれ、 条例延長 の必要あ り 国 39% 都道府県 19.5% 市町村 19.5% 1号保険料 22% 5 特別養護老人ホームの重点化(H27.4~) 〔見直し内容〕 ○ 原則、特養への新規入所者を要介護度3以上の高齢者に限定し、在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える施 設としての機能に重点化【既入所者は除く】 ○ 他方で、軽度(要介護1・2)の要介護者について、やむを得ない事情により、特養以外での生活が著しく困難であ ると認められる場合には、市町村の関与の下、特例的に、入所を認める 要介護度別の特養入所者の割合 要介護1 平成12年 平成23年 【参考】 平成23年度における 特養の新規入所者 ※全体の約14万人の うち要介護1・2は約 1.6万人 ≪ 施設数: 7,831施設 要介護2 12.5 3.1 8.7 10% 要介護3 14.9 要介護4 19.0 22.9 32.0 26.1 20% 要介護5(平均要介護度) 28.7 20.3 2.7 9.0 0% サービス受給者数:51.1万人 (平成25年8月) ≫ 35.8 36.7 30% 40% 50% (3.89) 25.6 60% 70% 80% 90% 要介護1~2 うち在宅の方 100% (単位:万人) 特養の入所申込者の状況 全体 (3.35) 要介護3 要介護4~5 計 13.2 11.0 17.9 42.1 (31.2%) (26.2%) (42.4%) (100%) 7.7 5.4 6.7 19.9 (18.2%) (12.9%) (16.0%) (47.2%) ※各都道府県で把握している特別養護老人ホームの入所申込者の状況を集計したもの。 ( 平成21年12月集計。調査時点は都道府県によって異なる。) 出典:H26.2.26 全国介護保険担当課長会議 厚労省資料 6 公費による低所得者の保険料軽減措置(H27.4~、H29.4~) 介護保険の1号保険料について、給付費の5割とは別枠で公費を投入し、低所得の高齢者の保険料の軽減を強化 ① 市町村民税非課税世帯のうち、特に所得の低い第1段階の方を対象に、0.05の軽減を実施(65歳以上全体の約2割) ② 平成29年4月(消費税10%引上げ時)、市町村民税非課税生体全体を対象として、第1~第3段階の軽減を実施。 ① 平成27年4月~ (保険料基準額×) 1.7 保険料基準額に対する割合 1.5 第1段階 現行0.5 ⇒ 0.45 1.3 1.2 保険料基準額 市町村民税 世帯全員が非課税 ② 平成29年4月~(消費税が10%になったら) 1.0 0.9 保険料基準額に対する割合 0.75 0.7 第1段階 0.45 ⇒ 0.3 第2段階 現行0.75 ⇒ 0.5 0.5 0.45 第3段階 現行0.75 ⇒ 0.7 0.3 ② 65歳以上全体の約2割 ② ① ② 第1段階 第2 段階 第3 段階 第4段階 第5段階 第6 段階 第7 段階 第8 段階 第9 段階 7 一定以上所得を有する者の利用者負担の見直し(H27.8~) ○ 保険料の上昇を可能な限り抑えつつ、制度の持続可能性を高めるため、これまで一律1割に据え置いて いる利用者負担について、相対的に負担能力のある一定以上の所得の方の自己負担割合を2割とする。ただ し、月額上限があるため、見直し対象の全員の負担が2倍になるわけではない。 ○ モデル年金や平均的消費支出の水準を上回り、かつ負担可能な水準として、審議会で議論の結果、合計 所得金額160万円以上の方とする。(年金収入280万円以上)=被保険者の上位20%に該当 65 歳 以 上 の 方 本人が市町村民税を 課税されていない 生活保護を支給されて いる 1割負担 本人の合計所得金額が 160万円未満 1割負担 年金収入+その他の合計所得金額 本人が市町村民税を 課税されている 本人の合計所得金額が 160万円以上 同一世帯に65歳以上の方(本人含む)が 1人の場合・・・280万円 < 2人以上の場合・・・合計346万円 上記以外の場合 1割負担 2割負担 8 介護保険負担割合証(見本) 被 保 険 者 証 と 一 緒 に サ ー ビ ス 事 業 者 に 提 出 し ま す 。 9 補足給付の見直し(資産等の勘案)(H27.8~) ○ 施設入所等にかかる費用のうち。食費及び居住費(滞在費)は本人の自己負担が原則となっているが、 住民税非課税世帯である入居者については、その申請に基づき、補足給付と支給し負担を軽減。 ○ 福祉的な性格や経過的な性格を有する制度であり、預貯金や不動産を保有するにもかかわらず、保険料 を財源とした給付が行われることは不公平であることから、資産を勘案する等の見直しを行う。 配偶者の所得 預貯金等 施設入所に際して世帯分離が行われることが多いが、配偶者の所得は世帯分離後も勘案することとし、配偶者 が課税されている場合は補足給付の対象外。 一定額超の預貯金等(単身1000万円超、夫婦世帯2000万円超)がある場合は対象外。 →本人の申告で判定。金融機関への照会、不正受給に対するペナルティ(加算金)を設ける。 対象外 所得要件 現行 市町村民税非課税世 帯の方が対象 要件の追加 世帯が違っていても配 偶者が市町村民税を課 税されている場合は対 象外。 住民税 課税 一定額を超える 預貯金等あり 対象外 資産要件 預貯金額が一定額以下 住民税 非課税 配偶者がいる方は合計2000万円 配偶者がいない方は1000万円 一定額を超える 預貯金等なし 食費・部屋代の 負担軽減の対象 10 高額介護サービス費の基準の変更(H27.8~) 区分 負担の上限(月額) 現役並み所得者に相当する方がいる世帯の方 44,400円(世帯) <新設> 世帯内のどなたかが市町村民税を課税されている方 37,200円(世帯) 世帯の全員が市町村民税を課税されていない方 24,600円(世帯) ・老齢福祉年金を受給している方 ・前年の合計所得金額と公的年金等収入額の合計が年間80万円以 下の方等 生活保護を受給している方等 24,600円(世帯) 15,000円(個人) 15,000円(個人) 「世帯」とは、住民基本台帳上の世帯員で、介護サービスを利用した方全員の負担の合計の上限額を指し、「個人」とは、介護サービスを利用 したご本人の負担の上限額を指します。 同一世帯内に課税所得145 万円以上の65歳以上の方 がいる いいえ 月額37,200円 月額44,400円 はい 同一世帯内の65歳以上 の方の収入について、 ・同一世帯内の65歳以上 の方が1人の場合は383 万円未満 ・同一世帯内の65歳以上 の方が2人以上いる場合 は合計520万円未満 月額37,200円 11 大阪府介護予防のシンボルマーク ご清聴ありがとうございました。 12
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